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カテゴリー「Metallica」の43件の記事

2021年9月15日 (水)

DREAM THEATER『LOST NOT FORGOTTEN ARCHIVES: MASTER OF PUPPETS - LIVE IN BARCELONA, 2002』(2021)

2021年9月15日に日本先行リリースされた、DREAM THEATERのライブアルバム。海外では同年9月17日発売予定。

本作は今年6月に発売された『LOST NOT FORGOTTEN ARCHIVES: IMAGES AND WORDS - LIVE IN JAPAN, 2017』、7月発売の『LOST NOT FORGOTTEN ARCHIVES: A DRAMATIC TOUR OF EVENTS - SELECT BOARD MIXES』、8月発売の『LOST NOT FORGOTTEN ARCHIVES: TRAIN OF THOUGHT INSTRUMENTAL DEMOS (2003)』に続く、オフィシャル・ブートレッグシリーズ第4弾。過去に自主レーベルYsejam Recordsを通じてさまざまな貴重音源を限定販売してきたDTですが、現在バンドが所属するInsideOutMusic Recordsとのコラボレーションで2021年から定期的にオフィシャルリリースされることになったわけでね。

これまで同企画でリリースされてきた音源の多くは、過去にYsejam Recordsを通じて発表されてきたもののリマスタリング音源でしたが、今回もその流れにある1枚。2002年2月のバルセロナ公演にて披露された、METALLICAの出世作『MASTER OF PUPPETS』(1986年)を完全再現演奏したものとなります。当時のDTは同じ会場で2公演続けてライブがあると、2日目の公演では前日と異なるセットリストを……ということで、バンドが愛聴してきた他アーティストの名盤をまるまる完全再現していました。

Ysejam Records経由の初出盤も当時話題になりましたが、DT待望の新作発表目前、そしてMETALLICAが『ブラックアルバム』(1991年)の30周年記念盤を発表した同タイミングにリマスタリングが施された新規盤が一般流通されることは、非常に大きな意味があるような気がします。

プログレッシヴメタルバンドのDTにとって、元祖スラッシュメタルバンドが確変したタイミングの1枚をまるまるカバーするというのは、どういう意味を持つのか。それこそツインギターバンドのMETALLICAの楽曲を「シングルギター&キーボード含む」編成のDTがどうカバーするのか。聴いていただいたとおり、アコギやクリーントーンギターのパートをジョーダン・ルーデス(Key)がキーボードでカバーしたり、ギターソロパートもジョン・ペトルーシ(G)がある程度弾いたあとにジョーダンがシンセでソロをかましたり、ツインリードパートではギターとシンセがハモったりと、DT流のアレンジが見事に施されています。

もともとプログレッシヴな展開を持つ楽曲が多い『MASTER OF PUPPETS』ですが、こうやってDTが演奏すると意外にもプログメタル的に聴こえてくるんですから、本当に不思議なものです。当時のドラマー、マイク・ポートノイ(Dr)の活き活きとしたプレイ、プリミティヴなスラッシュメタルには不向きなジェイムズ・ラブリエ(Vo)のボーカルなど、プラス面/マイナス面ともにありますが、こと演奏に関しては文句なしではないでしょうか。「Battery」のイントロダクションや「Master Of Puppets」でのエフェクトなどオリジナルアルバムから流用したSEも多く、このカバーを披露したあとに本家のラーズ・ウルリッヒ(Dr)が完全再現ライブ音源をDTに求めたという逸話もあるくらいですから、最終的には本家公認のライブアルバムということなんでしょう。

DTがこういったプログレッシヴスラッシュに特化したアルバムを作る……なんて淡い夢を見ていた層が果たしてどれくらいいるかわかりませんが、個人的には「こんなDTもアリだな」とYsejam Records盤を初めて聴いたときに思った記憶があります。そこから10周年ぶりに本作に触れてみて、再び「こんなDTもアリだな」と同じ感想を抱くことになるとは。ということは、何年経っても良いものは良いし、その出典元となる『MASTER OF PUPPETS』は時代を超えて長く愛される傑作/名盤なのだなと再認識させてくれる、非常にありがたい1枚と言えるのではないでしょうか。

DTは10月22日にニューアルバム『A VIEW FROM THE TOP OF THE WORLD』をリリースするので、この『LOST NOT FORGOTTEN ARCHIVES』シリーズはしばらくお休みするのかな(新作の売り上げの邪魔しちゃアレですものね)。DTは過去にIRON MAIDEN『THE NUMBER OF THE BEAST』(1982年)PINK FLOYD『THE DARK SIDE OF THE MOON』(1973年)、DEEP PURPLE『MADE IN JAPAN』(1972年)の完全再現ライブ実施およびオフィシャル・ブートレッグでのCD化を手がけてきたので、2022年以降はこれらの音源の再リリースにも期待したいところです。

 


▼DREAM THEATER『LOST NOT FORGOTTEN ARCHIVES: MASTER OF PUPPETS - LIVE IN BARCELONA, 2002』
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2021年9月14日 (火)

METALLICA『METALLICA: DELUXE EDITION』(2021)

2021年9月10日にリリースされた、METALLICAの5thアルバム『METALLICA』(1991年)発売30周年記念デラックスエディション。

本作は新規リマスターを施したアルバム本編(CD1枚/過去日本盤ボーナストラックとして追加されたカバー「So What」を除く12曲入り)のほか、貴重なデモ音源&ライブテイクをコンパイルしたデラックス盤(CD3枚組)、そして『METALLICA』に関連するレア音源を網羅したボックスセット(CD14枚、アナログ6枚、DVD6枚、120Pハードカバーブック、雑誌表紙リトグラフ3枚など特典多数封入)の3仕様が用意されています。

2010年代後半以降、1stアルバム『KILL 'EM ALL』(1983年)&2ndアルバム『RIDE THE LIGHTNING』(1984年)のリマスター&デラックス盤(2016年)を筆頭に、3rdアルバム『MASTER OF PUPPETS』(1986年)リマスター&デラックス盤(2017年)、4thアルバム『...AND JUSTICE FOR ALL』(1988年)リマスター&ボックス(2018年)が随時リリースされてきましたが、ついに真打ち登場といったところでしょうか。新たなプロデューサー、ボブ・ロック(MOTLEY CRUEAEROSMITHBON JOVIなど)とともにたっぷり時間をかけて制作に臨んだ通称『ブラックアルバム』が完成に至るまでの過程が、余すところなく凝縮されているだけでなく、2年以上におよんだワールドツアーの中からハイライトとなるモスクワ公演、フレディ・マーキュリーのトリビュートライブ@ウェンブリー・スタジアムなどの音源を、改めて正式音源としてCDやデジタルで楽しむことができるようになりました。

METALLICAはこの『ブラックアルバム』の頃から、シングルのカップリングにアルバム収録曲のデモ音源を小出しにするようになりました。当時はシングルもソニーから日本盤が発売されており、今でも中古ショップで目にすることがありますが、こういった音源がデジタルでも聴けるようにならないかなと思ったこともあったので、これはいちファンとしてはうれしい限り。しかも、これまで世に出ていなかった制作段階の超初期の、アイデアレベルのデモまで含まれているのですから、マニア心をくすぐります。ぶっちゃけ、過去4作以上にこういった貴重音源を聴きたかったのがこの『ブラックアルバム』なので、そりゃあボックスセットのCD14枚、アナログ6枚という膨大さには喜びを隠しきれません(笑)。

その前に触れておきたいのが、リマスタリング効果について。実は『ブラックアルバム』ってリリースから30年経った今聴いてもその音質、ミックスバランスが非常に優れたアルバムで、ぶっちゃけリミックスに関してはそこまで期待していませんでした。実際、最新リマスタリング効果はそこまで劇的なものではなく、エッジの効いたハイの音域が若干丸みを帯びて、低音が少々強調された現代的な音像になり、ヘッドフォンやイヤフォンで聴きやすくなったという程度でしょうか。僕自身、ここ10年くらい新規でDJ用ヘッドフォンやスマホ用イヤフォンを購入する際、必ず『ブラックアルバム』で試聴するぐらい、自分の中での“基準の音”となっていた作品なので、そう大きく変わられても困るんですけどね(苦笑)。

そして、デモやライブなどのレア音源。こちらは完全にマニア向けなので、ビギナーにはオススメしません。METALLICAのアルバムはすべて聴いてきて、過去のリマスター&ボックスを素直に楽しめた方向けですね。もちろん、あの名盤がどんな過程を踏んで完成まで至ったのか、という歴史的価値は大きいので、近代音楽史を学びたいという方や自身で音楽制作を嗜んでいる方なら意味のある音源集ではないでしょうか。ビギナーだけどちょっとだけ触れてみたい……という方は、CD3枚組のデラックス盤で十分でしょう。デモトラック集で個人的オススメは、やはり「Nothing Else Matters」。ストリングス抜きのラフミックス(ボックスのみ収録)や、リズムトラック&エレキギターを排除したボーカル+クリーンギター+ストリングスのみの“Elevator Version”(デラックス盤、ボックスともに収録)が楽しめるのがね、うん。“Elevator Version”は過去にシングルで発表済みですが、20数年ぶりに聴けて感涙ものです。

ライブ音源は、ボックスセットだとアナログのみで聴けるものなどが生じてしまうので、ここはデジタルで手軽に楽しむのがベター。ここでの個人的オススメは1992年4月のウェンブリー・スタジアム公演の3曲(「Enter Sandman」「Sad But True」「Nothing Else Matters」)プラス、QUEENをバックにジェイムズ・ヘットフィールドがハンドマイクで歌う「Stone Cold Crazy」でしょうか。前者3曲は90年代前半、ライブシングルとして海外で限定発売された代物なので、こちらもデジタル化はうれしい限り。加えて、数十万人も集めたと言われる伝説の1991年9月のモスクワ公演も正式音源化されているので、ぜひこちらもマストでチェックしておきたいところです。

ちなみに、3枚組デラックス盤で39トラック/トータル3時間22分、ボックスセットになると(デジタル版で)全193トラック/計15時間37分(笑)になります。フィジカルのボックスはここにインタビュー音源やDVD6枚が加わるので……これ1作で余生を過ごすに十分すぎますね(笑)。

 


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2021年9月11日 (土)

V.A.『THE METALLICA BLACKLIST』(2021)

2021年9月10日にデジタルリリースされたコンピレーションアルバム。フィジカル(CD、アナログ)は10月1日発売予定。

本作はMETALLICAの5thアルバムにして“ブラックアルバム”の愛称で知られる最大のヒット作『METALLICA』(1991年)の発売30周年を記念して、同作の最新リマスター盤&ボックスセットと合わせて制作・発表された、同作の録り下ろしカバー曲53曲を集めたCD4枚組/アナログ7枚組のコンピレーションアルバム。オリジナルの全12曲を53組が1曲単位でカバーしていくわけですから、そこは当然同じ曲のダブりも発生します。そのへんは、下の内訳を見ていただければご理解いただけるかと。

M-1. Enter Sandman [6組]
M-2. Sad But True [7組]
M-3. Holier Than Thou [6組]
M-4. The Unforgiven [6組]
M-5. Wherever I May Roam [4組]
M-6. Don't Tread On Me [3組/うち1組はM-8との組曲]
M-7. Throught The Never [2組]
M-8. Nothing Elese Matters [13組/うち1組はM-6との組曲]
M-9. Of Wolf And Man [1組]
M-10. The God That Failed [2組]
M-11. My Friend Of Misery [3組]
M-12. The Struggle Within [1組]

M-1、2、4、5、8といったシングルカット曲に人気が集中するのは理解できます。しかし、そんな中でMETALLICA初のスローバラードM-8を13組もがカバーするというのは、非常に興味深いものがあります。まあ、こういったシンプルでわかりやすいバラードのほうが使い勝手も良いのかもしれませんね。

参加アーティストはHR/HMの範疇に含まれるバンドからオルタナ系、パンク/ハードコア、ヒップホップ、R&B、クラブミュージック、ジャズ、ラテン、カントリーなどジャンルさまざま。そういった方々が少なからずMETALLICA(というか『ブラックアルバム』)から影響を受けているというのもあるのでしょうか。「え、その人がその曲をカバーするの?」という驚きから「想定の範囲内!」という安心安定のカバーまで、色とりどりの名曲群カバーを楽しむことができます。

「Enter Sandman」のように個性が確立され切った楽曲はアレンジが難しいのか、基本的にはメインリフを軸に歌やリズムで味付けをしている感が強いかな。そんな中で、フアネスの「Enter Sandman」はメインリフに味付けを加えることで、独特のカラーを作り上げていて好印象。リナ・サワヤマも4つ打ちダンスビートにメタルギターを被せ、歌でぐいぐい引っ張る方法で良き味付けを示しています。WEEZERは途中まで普通かな……と安心していると、途中に“らしい”フレーズを散りばめており、思わずニヤリ。彼らにしては淡白ですが、これはこれでアリかな。

「Sad But True」はリズムがシンプルなので、意外といじりがいがあるのかな。サム・フェンダーのピアノバラード風アレンジも良いし、JASON ISBELL AND THE 400 UNITのブルースロック風も良き。MEXICAN INSTITUTE OF SOUNDもラテンアレンジも、ST. VINCENTの70年代中盤ボウイ風もよかった。

……と細々解説していったらキリがないので、以下はお気に入りのカバーのみ挙げていきます。サイケデリックメタル調に再構築したBIFFY CLYROの「Holier Than Thou」、ゴシック風オルタナロックのCAGE THE ELEPHANT「The Unforgiven」、サイケなヒップホップに進化したJ.バルヴィン「Wherever I May Roam」、ドラムンベース調リミックスのTHE NEPTUNES「Wherever I May Roam」、不穏なピアノの音色にゾクゾクするPORTUGAL. THE MAN「Don't Tread On Me」、メロディを独自に解釈し浮遊感の強いクラブミュージックとミックスさせたトミ・オウォ「Through The Never」、エルトン・ジョンやヨーヨー・マ、ロバート・トゥルヒーヨ、チャド・スミスをバックに従えたマイリー・サイラスの正統派パワーバラード「Nothing Else Matters」、悲しみに満ちた鎮魂歌風のデイヴ・ガーン「Nothing Else Matters」、逆にメジャーキーに転調したことでパワーポップ風に生まれ変わったMY MORNING JACKET「Nothing Else Matters」、このバージョンで本家にもカバーしてほしいGOODNIGHT, TEXASのオルタナカントリー風「Of Wolf And Man」、スリリングな演奏が心地よいカマシ・ワシントン「My Friend Of Misery」、アコギ2本のみで構築されるインストアレンジがさすがのRODRIGO Y GABRIELA「Struggle Within」……といったところでしょうか。

さすがに4時間以上ある音源集なので、すべてを細々と紐解いていくにはいくら文字があっても足りないくらい。なので、これは配信から半日以上かけて2、3度通して聴いた初日の感想ということで。同じ曲が6曲とか10数曲とか続く構成なので、通して聴く頻度はそう多くはないと思いますが、気になるトラックを複数ピックアップしてプレイリストで聴くというのもアリかな。もちろん、『ブラックアルバム』からの印象的/特徴的なカバーは本作に収録された以外にもたくさん存在するので、それらを混ぜ込んだプレイリスト作りもありかもしれませんね。

 


▼V.A.『THE METALLICA BLACKLIST』
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2021年8月24日 (火)

EXODUS『BLOOD IN, BLOOD OUT』(2014)

2014年10月14日(欧州では10月10日)にリリースされたEXODUSの10thアルバム(リメイクアルバム『LET THERE BE BLOOD』を含めると11枚目のスタジオアルバム)。日本盤は同年10月22日発売。

連作となった前作『EXHIBIT B: THE HUMAN CONDITION』(2010年)から4年5ヶ月ぶりの新作。今作発売半年前に約10年在籍した前任ボーカルのロブ・デュークスが脱退(事実上のクビ)。その後任として加わったのが、80年代後半から90年代前半、そして2000年代初頭にバンドで活躍したスティーヴ・“ゼトロ”・スーザでした。ゼトロがEXODUSのアルバムに参加するのは6thアルバム『TEMPO OF THE DAMNED』(2004年)以来以来のこと。これでゼトロ、ゲイリー・ホルト(G)、リー・アルタス(G)、ジャック・ギブソン(B)、トム・ハンティング(Dr)という現編成が完成することとなります。

バンドのセルフプロデュース、レコーディングエンジニア&ミックスにアンディ・スニープという布陣で制作された本作。実は前任のロブがボーカリストとしても、そしてステージ上のフロントマンとしても非常に存在感の強い人間だっただけに、彼を放出してまで三度ゼトロをバンドに呼び戻す理由がわかりませんでした。しかし、本作を聴けば「やっぱりEXODUSにはゼトロが必要であり、ゼトロがいてこそEXODUS」という事実が理解できるはず。楽曲もゼトロ在籍時の路線に寄せたのか、王道のベイエリアクランチを存分に堪能することがで、“あの頃”をリアルタイムで通過した自分のような人間には心の底から楽しむことができました。

全11曲中大半がスラッシーなアップチューンというのも良いですし、ゼトロ復帰に華を添えるように元メンバーのカーク・ハメット(G/METALLICA)が「Salt The Wound」でギターソロを、盟友チャック・ビリー(Vo/TESTAMENT)は「BTK」で豪快なボーカルを聴かせてくれます。さらに、異色ともいえるダン・ジ・オートメーターとの共演(「Black 13」のオープニングパート)も見逃せません(まあ、こちらは本当に味付け程度ですが)。

メインソングライターのゲイリー・ホルトは2011年からSLAYERとの活動兼任もあり、多少なりともそのアグレッシヴ加減や初志貫徹なスタイルに影響を受けたはず。そこに原点回帰ともいえるゼトロの復帰とあれば、こういうスタイルに戻るのも納得の一言です。ロブ時代の作品ももちろん大好きですし、あの歌声も非常に好みでしたが、これを聴かされたらぐうの音も出ませんよね。恐れ入りました。

なお、本作の海外限定盤およびデジタル版にはボーナストラックとして、ANGEL WITCHのカバー「Angel Of Death」を収録。こちらでボーカルを務めているのはトム・ハンティングというのも見逃せません。お遊びとはいえ、こういうのもアリっちゃあアリですね。

全米38位という過去最高記録を打ち出した本作以降、ゲイリーのSLAYERでの活動が忙しくなり新作の予定がなかなか見えなかったEXODUS。しか、2019年のSLAYER活動終了を経て、ついに2021年11月19日に7年ぶりの新作『PERSONA NON GRATA』をリリース予定。現在公開されている新曲もなかなか良さげなので、今作を超える内容にも期待できそうです。

 


▼EXODUS『BLOOD IN, BLOOD OUT』
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2021年6月24日 (木)

METALLICA『LIVE SHIT: BINGE & PURGE』(1993)

1993年11月23日にリリースされたMETALLICA初のボックスセット作品。日本盤は『メタルVOX・ライヴ!』という邦題で、ほぼ同タイミング(1994年年明けだったかな?)に発売。

本作は1993年2月25〜7日および3月1〜2日のメキシコ・シティ公演のベストテイクで構成された3枚組CDと、1992年1月13、14日のサンディエゴ公演と1989年8月29、30日のシアトル公演を収めた2枚のDVD(初出時はVHSテープ3本)を同梱したもの。初盤(VHS)にはバックステージパスのレプリカやTシャツ、ブックレットも封入された豪華仕様でしたが、とにかく箱が大きくて収納に一苦労したことをよく覚えています(苦笑)。2003年頃に最初された形態は、3枚組CD+DVD2枚(DVDはシングルCDなどに用いられる薄いケース)のみのコンパクトな形に変わったので、こちらの記憶が強いという若いリスナーも少なくないかもしれませんね(もはやVHSを再生する機器も中古じゃないと手に入らないでしょうし)。

ワールドツアーの模様が逐一音源化される『LIVE METALLICA』企画が始まる前は、本作が唯一のMETALLICAライブ音源ということもあり、特に90年代半ばから2000年代初頭はかなり重宝された作品だったのではないでしょうか。特にバンドの絶頂期であるブラックアルバム(1991年)を携えたツアーの模様を、フルスケールで楽しめるライブアルバムですしね。ブラックアルバムのツアーではここ日本にも2度(1991年大晦日の東京ドームと1993年3月)訪れているものの、以降は1998年、2003年とほぼ5年おきの来日でしたし(リリースもしばらく途絶えたしね)、その間にファンになったリスナーがライブを追体験するという点でも、本作はかなり重要な役割を果たした作品だったと断言できます。

全24トラック、約3時間という特大ボリュームのライブはまさに当時の彼らそのもの。ミックスの派手さも非常に90年代的ですよね。ブラックアルバムの楽曲が軸になるものの、要所要所で「Creeping Death」や「Fade To Black」「Seek & Destroy」「Whiplash」など初期の楽曲が挿入されるセットリストは、意外と今と変わりないんですよね。ただ、『...AND JUSTICE FOR ALL』(1988年)収録曲をメドレー形式で10分にまとめた「Justice Medley」なるコーナーがあったり、「Seek & Destroy」をジェイソン・ニューステッド(B)が歌っていたりするのはこの時期ならですし、QUEEN「Stone Cold Crazy」カバーがあったりするのもお得感満載。ベストアルバム的コンピレーションアルバムが存在しない彼らにとっては、初期5作品をおさらいする上でも実はかなり有能な1枚(CD3枚組)ではないでしょうか。

そして、映像のほうに関して。確か1992年のライブはこの時期のMVなども手がけたウェイン・アイシャムがディレクションを担当していたと記憶します。それもあってか、冒頭のドキュメンタリー的イントロダクションが20分もあって煩わしかったりするのですが、そこを除けば非常に90年代初頭らしい“MTV感覚のライブ映像“と言えるのかな。今の目で観るとちょっと作りすぎ感が否めませんが、歴史的資料としては十分かなと。

もうひとつの1989年の映像は、もともと商品化を予定していなかったこともあり、質はイマイチ。ですが、当時オフィシャルで現存する『...AND JUSTICE FOR ALL』期のライブ映像はこれだけだったので、特にブラックアルバム以降ファンになった方々にはうれしい逸品だったはずです。正直、僕は1992年のほうよりこっちばかりリピートしたなあ……それこそVHSテープが擦り切れるほどに(誇張なし)。

2021年9月10日にはブラックアルバム発売30周年を記念したボックスセットが発売されます。こちらにもさまざまなライブ映像が収録される予定ですが、そことはまた違った、作品性の高いライブ映像という意味でも、本作は事前にチェックしておくべき重要作品だと言っておきたいです。

さ、もう一回1989年のライブ映像を再生しますか(今はDVDなのでご安心を。笑)。

 


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2021年5月13日 (木)

HEART『BEAUTIFUL BROKEN』(2016)

2016年7月8日にリリースされたHEARTの16thアルバム。現在まで日本盤未発売。

2021年時点でのHEARTの最新アルバムは、既発曲のリアレンジ&リテイク8曲と新曲2曲で構成された準新作的な内容……と思っていたのですが、採用された既発曲の大半が『Bébé le Strange』(1980年)、『PRIVATE AUDITION』(1982年)、『PASSIONWORKS』(1983年)といった、『HEART』(1985年)で再ブレイクする前の低迷期からということで、ほぼ印象にない楽曲ばかり。なので、基本的には新曲と接するような気持ちで向き合えた1枚です(苦笑)。

リテイク楽曲でもっとも新しい2曲が、オープニングを飾るタイトルトラック「Beautiful Broken」(2012年発売の前作『FANATIC』デラックス盤にのみ収録)と、2003年発売のライブ作品『ALIVE IN SEATTLE』で初公開された「Heaven」。前者は本作中もっともハードエッジな楽曲で、90年代以降のHEARTのハードサイドをそのまま進化させたような仕上がりです。また、ゲストボーカリストとしてMETALLICAのジェイムズ・ヘットフィールドが参加しており、聴けばすぐにおわかりいただけるのではないでしょうか(笑)。とにかくカッコいい1曲です。また、後者はこれが初のスタジオ音源化となる、うねりまくったサイケデリックロック。こういう楽曲をやらせたら右に出る者がいないってくらい、HEARTにぴったりな“ムーディな”1曲ですよね。

再録曲の多くはモダンなテイストが加えられ、完全に“今の曲”として生まれ変わっています。ブルージー&ジャジーなテイストの「Johnny Moon」やストリングスをフィーチャーしたZEP風「City's Burning」は“大人のハードロック”という表現がぴったりな仕上がりで、普通にカッコいい。オープニングの「Beautiful Broken」以外はミドルテンポでじわじわ攻める作風なので、即効性は弱いかもしれませんが、これくらい味わい深い作品のほうが今の彼女たちには合っているんでしょうね。

また、新曲2曲のうち「Two」はナンシー・ウィルソン(Vo, G)がリードボーカルを担当。この曲はかのNe-Yoが提供した楽曲で、昨今のアコースティックスタイルの延長線上にあるポップな仕上がり。もうひとつの「I Jump」もアコースティック主体ですが、こちらはストリングスも取り入れられており、もうちょっとサイケロック色が強いアレンジかな。こういう曲こそアン・ウィルソン(Vo)のハイトーンにぴったりですよね。

80年代のような派手さは皆無ながらも、二度目の復活作となった『JUPITERS DARLING』(2004年)から良い流れを作っているように感じられる今のHEART。80's HR/HMも90年代のグランジも飲み込んだ今のHEART、実はかなり機能性の高いロックバンドだと思うんです。若いリスナーにはこの機会にぜひ、本作や『FANATIC』、前々作『RED VELVET CAR』(2010年)あたりをしてもらいたいところです。

 


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2021年5月 2日 (日)

BLACK LABEL SOCIETY『1919 ETERNAL』(2002)

2002年3月5日にリリースされたBLACK LABEL SOCIETYの3rdアルバム。日本盤は同年2月27日に先行発売。

前作『STRONGER THAN DEATH』(2000年)からちょうど2年ぶりに発表された本作は、新たなドラマーとしてクレイグ・ニューネンマッハー(ex. CROWBAR)、新ベーシストにロバート・トゥルヒーヨ(当時オジー・オズボーンのツアーメンバー。のちにMETALLICAに加入)を迎えて制作(ロブは「Demise Of Sanity」「Life, Birth, Blood, Doom」のみでプレイし、それ以外はザック・ワイルドがベースも兼務)。楽曲自体はザックがオジーのアルバム『DOWN TO EARTH』(2001年)のために用意したものが多く含まれており(「Bleed For Me」「Demise Of Sanity」「Life, Birth, Blood, Doom」「Bridge To Cross」など)、これらがオジーから「Too BLACK LABEL(BLSすぎる)」との理由で却下されたため今作で流用されることとなりました。

基本的には過去2作の延長線上にあるものの、まとまりの良さというか“とっつきやすさ“が過去作以上なのはそういった理由も大きいのでしょう。のちのBLSにも通ずる作風がここでひとつ確立された感が伝わります。ですが、全体を覆う(精神的にくる)ダークさは過去2作以上のものがあり、このアンバランスさは非常にクセになるものがあります。

というのも、本作はザックの父親に捧げられたものであり、ジャケットからもわかるように戦争を題材のひとつとして選んでいること(アートワークはオランダで親衛隊募集をかけた際のナチスのプロパガンダポスターを題材にしたもの)、アルバム発売の半年前に“9.11”が発生していることなど、ネガティブな要素が多分に制作に影響を与えており、音圧で聴く者を圧倒させてきた過去2作とはそこが異なるんですよね。本作は音質的に若干クリアになった感があり、そういった点が聴きやすさに影響を与えていますが、そう思いながらアルバムに触れ続けているといつの間にか心にズッシリした重荷を抱えていることに気づくという。かつ、アルバムを締め括る1曲が「America The Beautiful」(アメリカ合衆国の愛国歌)のインストゥルメンタル・バージョンというのも、非常に考えさせられるものがあります。そういった意味での「(精神的にくる)ダークさ、ヘヴィさ」は唯一無二と言えるのではないでしょうか。

「Bleed For Me」や「Demise Of Sanity」「Bridge To Cross」「Graveyard Disciples」あたりはバンドの代表曲と読んでも差し支えない完成度を誇り、それ意外にも「Battering Ram」「Lost Heaven」「Mass Murder Machine」あたりもザックらしさが存分に味わえるはず。BLSの入門編としてはさらに楽曲/サウンドの整合感が増した次作『THE BLESSED HELLRIDE』(2003年)をオススメしますが、その次に聴くなら今作なんじゃないかなという気がしています。初期2作はいろんな意味において破天荒すぎますからね(笑)。

ニューメタル全盛の2002年という時代に、こんなにもヘヴィ&ダークなアルバムでシーンと向き合ったザック・ワイルド。その頑張りは、BLS初のBillboard 200入り(最高149位)という数字にも表れている気がします。

 


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2020年8月29日 (土)

METALLICA『S&M2』(2020)

2020年8月28日にリリースされたMETALLICAの最新ライブ作品。

本作は1999年に実演されたMETALLICA+オーケストラによるコラボレーションライブ『S&M 〜Symphony & METALLICA〜』の開催20周年を記念して、2019年9月6日と8日に地元サンフランシスコで開催された『S&M2』の模様を完全収録したもの。つまり、アルバムやライブ映像作品としても先の初演を収めた『S&M』(1999年)に続く、オーケストラとの共演ライブアルバム/映像作品第2弾となります。

初演時はマイケル・ケイメンが企画をMETALLICAに持ちかけ、それにバンドが応えるという形で実施されましたが、あれから20年の間にマイケル・ケイメンが亡くなり、それと前後してMETALLICAからもジェイソン・ニューステッド(B)が脱退。ご存知のとおり、『ST. ANGER』(2003年)完成後にロバート・トゥルヒーヨ(トゥルージロ表記からオリジナルの発音に近い表記に変更されたんですね)が加入したことで、バンド側もオーケストラ側も新鮮な気持ちで再演に臨めたのではないでしょうか。

再演とはいっても、演目はかなり変更になっていまして、20年前にはなかった「The Day That Never Comes」「Confusion」「Moth Into Flame」「Halo On Fire」「The Unforgiven III」「All Within My Hands」といった新曲が増えていますし、1stアルバム『KILL 'EM ALL』(1983年)からのインスト「(Anesthesia) - Pulling Teeth」も新たに追加されている。さらに、今回はオーケストラとの真の意味での“共演”色を強めるため、オケのみの演奏曲「Scythian Suite, Opus 20 II: The Enemy God And The Dance Of The Dark Spirits」やバンドがオーケストラ側に寄り添った共演曲「The Iron Foundry, Opus 19」も用意されており、「オーケストラとの共演だからといって新たにアレンジされているわけでもなく、METALLICA自体はこれまでのライブ同様のプレイ」「単純にオーケストラ側がそれに合わせて演奏し、音に厚みを加える」というスタイルだった前作(初演)から大きな進歩を見せています(人間的に丸くなったんですね、ジェイムズもラーズも)。

さらに、「The Unforgiven III」ではジェイムズ・ヘットフィールド(Vo, G)がオーケストラに単身乗り込み、マイク1本でシンガーとしての成長を提示し、「(Anesthesia) - Pulling Teeth」ではラーズ・ウルリッヒ(Dr)がコントラバス奏者とロック色濃厚な熱いバトルを繰り広げる。このへんは音源としてはもちろんですが、映像でも見応えがある素晴らしいテイクなので、ぜひチェックしてみてください。あ、カーク・ハメット(G)もいい仕事してますよ(笑)。なんだかんだで、この人が軸になっているようなところもあるんじゃないかと、このライブ映像を観て感じることも多かったですし。

映像といえば、今回は最近のMETALLICAのライブに近い形でステージセットが組まれており、アリーナ中央に円形ステージを設置して、中央のバンドを囲むような形でオーケストラが配置されています。これも20年前には実現不可能だったことだと思います(技術的に、バンドのエゴ的にも)。そのへんもぜひ、Blu-rayにて確認してもらいたいなと思います。

とにかく、アレンジの馴染み方が前作『S&M』以上だと思います。同じ曲ひとつ取り上げても、例えば「The Outlaw Torn」なんて雲泥の差ですからね。ミドルテンポナンバー中心で構成された今回のセットリストも、実はオケとの親和性を考慮してのものなんじゃないかと想像しますが、いかがでしょう?

……なんてことを、さらに詳しくムック『ヘドバン』最新号やWEBサイト『Rolling Stone Japan』にて執筆しています。RSJでは4000字近くにわたり熱を持って書かせてもらったので、詳細はそちらに譲ります(基本的に伝えたいことはすべて、『ヘドバン』とRSJで描き切りましたからね)。

まあとにかく、あれです。本作はニューアルバムとして十分に機能する高品質な1枚です(CD2枚組だけど。アナログは4枚組だけど)。

 


▼METALLICA『S&M2』
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2020年6月19日 (金)

CORROSION OF CONFORMITY『WISEBLOOD』(1996)

1996年10月リリースの、CORROSION OF CONFORMITYの5thアルバム。日本盤は1ヶ月前倒しの同年9月に発売されています。

もともとはハードコアやスラッシュメタルをベースにしたクロスオーバー・サウンドが武器のバンドでしたが、ペッパー・キーナン(Vo, G)加入以降は徐々にサウンドを土着的なストーナーロック路線へとシフト。今作ではついにハードコアの要素がほぼ払拭され、埃臭いハードロックを全編にわたり展開しています。

サザンロックとストーナーロック/スラッジメタルをミックスさせたスタイルのバンドは、今でこそ数多く存在しますが、本作はそれまでアングラだったそのスタイルをメジャーシーンで一般化させるために一役買った、非常に重要な1枚だと捉えています。もっとも、そのスタイルが以降のメジャーシーンでそこまで浸透しなかったので、表立った重要さは伝わらないかもしれません。が、この時期にMETALLICA『LOAD』(1996年)『RELOAD』(1997年)というアルバムでこの手のスタイルに果敢に挑んでいたことを考えると、その重要さはなんとなく伝わるのではないでしょうか。

実は本作、そのMETALLICAからジェームズ・ヘットフィールド(Vo, G)が「Man Or Ash」という楽曲にゲスト参加しています。しかし、契約の関係上、アルバムには一切クレジットされていません。それでも聴けばジェームズだと一瞬でわかる、豪快で男臭い歌声はさすがの一言。そういえば、のちにペッパー・キーナンはMETALLICAのベーシスト・オーディションにも呼ばれましたよね。そのへんのつながりを考えると、また見え方/聴こえ方も変わってくるんじゃないかな。

BLACK SABBATHをサザンロック的に表現するとなると、それこそのちにザック・ワイルドBLACK LABEL SOCIETYで実践していることとも重なりますが、意外とこのあたりのことをもっともわかりやすい形で届けてくれたのがこの『WISEBLOOD』だったと。当時はそんなこと微塵も考えずに、ただひたすら気持ちよく楽しめるハードロックアルバムとして接していましたが、実はそれくらい難しいことを考えずに楽しむのが一番なのかな。

後半から終盤にかけて「The Door」や「Wiseblood (Some Tomorrow)」のようなシャッフルビートの曲があったり、「Fuel」のような過去のハードコア路線を彷彿とさせるパンキッシュなナンバーもありますが、基本的にはヘヴィかつスローな楽曲が大半を占めます。全13曲、60分近くにわたりこの手のサウンドが続くと飽きがくるのでは?と若干不安になるものの、演奏面でのメリハリの付け方が功を奏し、意外と最後までスルスル聴き進められるのも本作の魅力。C.O.C.本来の“らしさ”という点ではかなり希薄な1枚かもしれませんが、それでも嫌いになれない、いやだからこそ大切に扱いたい名作だと個人的には思っています。

 


▼CORROSION OF CONFORMITY『WISEBLOOD』
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2020年5月 2日 (土)

V.A.『RONNIE JAMES DIO: THIS IS YOUR LIFE』(2014)

2014年4月初頭にリリースされた、ロニー・ジェイムズ・ディオのトリビュートアルバム。日本盤は海外に先駆け、同年3月下旬に発売されました。

2010年5月にがんのためこの世を去ったディオを追悼すべく、メタル界の重鎮から次世代バンドまで幅広い層が一堂に会したこのアルバム。全14曲(ボーナストラック除く)中、本作のために録音された未発表テイクは10曲と単なる埋め合わせ的アルバムでないことが伺えます。

そのラインナップもロブ・ハルフォードJUDAS PRIEST)やグレン・ヒューズ(ex. DEEP PURPLE)、SCORPIONSMOTÖRHEAD、ビフ・バイフォード(SAXON)といった大御所からMETALLICAANTHRAX、DOROなど直接的なフォロワー、そしてHALESTORM、コリィ・テイラー(SLIPKNOTSTONE SOUR)、KILLSWITCH ENGAGEなどの次世代アーティスト、さらにはヴィニー・アピス、ダグ・アルドリッジ、ジェフ・ピルソン、ルディ・サーゾ、クレイグ・ゴールディ、サイモン・ライト、スコット・ウォーレンといったDIOオールスターズまで、世代的にもかなり広いものとなっています。

本編ラストに収められたDIO「This Is Your Life」(1996年の『ANGRY MACHINES』収録曲)を除く13曲中、RAINBOWナンバーを選んだのが5組、BLACK SABBATHナンバーが3組、DIOナンバーが5組とやはりRAINBOWへの人気が集中。METALLICAに至ってはメドレー形式で4曲取り上げてますからね。ズルいわ(笑)。

サバス曲は当然すべて80年代の……と思いきや、オニ・ローガン(Vo/ex. LYNCH MOB)は『DEHUMANIZER』(1992年)からの「I」を選ぶ通ぶりを発揮。こちらはジミー・ベイン(B)やローワン・ロバートソン(G)といった旧DIO組も参加しています。この曲、こうやって聴くと思ったほどモダンなテイストが少なくて、80年代のディオ・サバスを踏襲してたんだねと気づかされます。

1曲ずつ解説していたらキリがないので割愛しますが、ANTHRAX「Neon Knights」におけるジョー・ベラドナのモノマネぶりが相変わらず最高なことと、SCORPIONS「The Temple Of The King」が完全に自分のものと化していること、METALLICAメドレーの強引ぶりなどは特筆すべきものがあるかなと。もちろん、ほかの楽曲も最高なので、原曲を知らないリスナーでも楽しめるはずです。

なお、日本盤にはSTRYPERによる「Heaven & Hell」、DIO DISCIPLES(DIO最終ラインナップのディオ抜き)による「Stand Up And Shout」を追加収録。ストリーミングなどのデジタルバージョンではHATEBREEDのフロントマン、ジャスタによる「Buried Alive」を聴くことができます。ここはぜひ、日本盤を手に入れておきたいところです。

 


▼V.A.『RONNIE JAMES DIO: THIS IS YOUR LIFE』
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