mihimaru GT『mihimagic』(2006)
この春にリリースしたシングル「気分上々↑↑」でブレイクした感が強いmihimaru GT。その後もシングルを連発し、まぁ「気分上々↑↑」程のヒットを記録した曲はなかったけど(「いつまでも響くこのmelody / マジカルスピーカー」はチャート的には過去最高位だったけど、セールス的には届いてないからね)、それでも話題にはこと欠かず、予定されていた企画盤(ベスト盤だっけ)を発売を中止して完成させたこの3rdアルバム「mihimagic」。シングルナンバーが5曲も収録されていたり、175RのSHOGO(Vo)とのコラボ曲や、'90年代の名曲 "部屋とYシャツと私" をカバーしていたり(しかもピアノは大江千里)など、とにかくバラエティ色豊かな1枚に仕上がっています。せっかく掴んだチャンスを逃さないぞ、という心意気がヒシヒシと伝わってくる内容ですね。
Voのhirokoが矢口真里に似てるとかいろいろ言われるわけですが(主に俺界隈で)、そういうこともあって注目し始めた彼女たち。なんだろ……初期m-floの汎用版というイメージがあったんだよね。でももっと下世話で大衆的で、身近な感じというか。芸能寄りと言ってしまえばそれまでだけど、とにかく親しみやすくて、手が届きそうな位置にいるユニット。それがmihimaru GTのイメージだったのね。
それは音に関しても同じで、決して難しい方向に走ろうとせず(もちろんそれが悪いという意味ではなく)、少数よりも大多数に響くようなメロディやアレンジを取り入れてるように思うのね。難しいことをやっていたりするんだろうけど、それを感じさせないのはさすがだと思うし、そういう意味でも彼女たちが単なるポッと出の似非ユニットじゃないことは理解できるかな、と。スタッフに恵まれているというのもあるだろうけど、それを手に入れるのも運であり才能だからね。やっぱりスゴいと思いますよ、はい。
シングル曲のみならず、アルバム用に作られたナンバーも生音と打ち込みをバランスよく取り混ぜていて、それがhirokoの声に上手く合ってる。わかってるんだよね、作り手が。そして独りよがりになってない、ちゃんとこちらに届いてる(響いてる)。あんな大ネタ、今更使わねーよな "いつまでも響くこのmelody" がちゃんと成立してるのも、そのせいだと思う。俺的にはこの曲の方が "気分上々↑↑" よりも響いたなぁ。こっちをアルバムトップに持ってきたのは、その自信の表れなんじゃないかな?
実際このアルバム、リリースから数日しか経ってないけど、過去最高のセールスを記録しそうとのこと。ランキング的にもトップ3入りしそうだし、そりゃこの内容(シングル曲満載とか、単純に楽曲の充実度とか)を考えたら、当たり前の結果なんだけどね。
うん、かわいいよ。hirokoかわいいよ、hiroko(結局そこか)。