2006/04/25

MINISTRY『RIO GRANDE BLOOD』(2006)

 ポール・バーカーが抜け、完全にアル・ジュールゲンセンのワンマンプロジェクトとなったMINISTRY。約2年ぶり、ワンマン化から2作目となるこの「RIO GRANDE BLOOD」は、レーベルを「Sancuary」から「Megaforce」に移って初の作品となります。前作「HOUSES OF THE MOLE」が非常に攻撃的で、内容も反ブッシュ政権的なものだったこともあり、初期のファンからは「ここ数作のヘヴィ&ダーク路線よりはいいけど、ちょっとウルさい」なんて声も聞こえてきたほど、ド頭から攻めまくってました。あ、俺は嫌いじゃないですけどね(ただ、確かに前述のファンの気持ちも理解できるんだけどね)。

 んじゃこの新作はどうなってるのかというと‥‥前作を気に入ってるファンは、間違いなくこのアルバムも気に入ると思います。いや、もしかしたら前作以上に気に入るかもしれませんね。ジャケットもこれ、ブッシュですよね(苦笑)。そして、オープニング曲 "Rio Grande Blood" 冒頭での演説‥‥ブッシュ親子のことを相当嫌っているのは知っていましたが、ここまで引っ張るのはある意味尊敬に値しますわ。曲名とか見ても、そういう「怒り」を匂わせるタイトルが多いし。

 MINISTRYっていうと、やはり'90年前後から「PSALM 69」までが好きって人が多いかと思うんですよ。実は俺自身もそれに当てはまるわけで、特に2000年前後以降の作品ってあまり聴いてなかったんですよね。多分久しぶりに聴いたのが、ここ1~2作辺りからだったんですが‥‥確かにちょっと(いや相当か)変わってしまったとは思うけど、本質的な部分はあんまり変わってないのかなぁという気もして。ま、前作やこの新作辺りは、スラッシュギターと打ち込みドラムという「攻撃性」の部分に特化してる気はしますけど。バランス感がね‥‥よい意味で持ってたはずなんですよ、前述の頃は。ま、気づけばメンバーも減り、アルのワンマン体制ですからね。こうならざるを得ないのかな、とも思いますけど。

 あ、決してつまらないとか嫌いって言ってるわけじゃないですよ。むしろ自分の好みのサウンドだし、俺は気に入ってますよ。頭2曲の突っ走りっぷりはMINISTRY以外の何者でもないですしね。その後出てくるミドルヘヴィチューンもまた「らしい」曲ばかりだし。しかもただミドルのままで終わるんじゃなくて、途中でテンポアップする展開が入ったりで、結局は突っ走りっぱなし、みたいな。「PSALM 69」の攻撃的な部分が好きな人も、きっとこれなら気に入ってくれると思うんですけどね。

 今回、アメリカでも5/2にリリース予定のこのアルバムを真っ先に聴く機会を得て、こうやって紹介してるわけですが‥‥うん、楽しみにしていていいと思いますよ。なにやらこのアルバムのツアーでは、SLIPKNOTのジョーイ・ジョーディソンがドラムを担当するそうじゃないですか‥‥このアルバムにピッタリの人選だと思います。むしろSLIPKNOTのマスク&衣装を纏ったジョーイにバックを固めてもらって、アルにはフロントを陣取らせて。もうそれだけでさまになってるし。すっげー観たいなぁ、それ。どうやら日本にも9~10月頃には来てくれそうなので、ちょっと楽しみに待ちましょう。ポール・レイヴン(元KILLING JOKE)もツアーメンバーとして参加してるしね。



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投稿: 2006 04 25 12:14 午前 [2006年の作品, Ministry] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/05/05

V.A.『ROCK AGAINST BUSH VOL.1』(2004)

  勿論、ここに紹介する26組のバンド全てが必ずしもパンクロックだとは限りません。が、本質的な部分からすれば、俺から見れば全部パンクバンドだと思えるんですよね。

  NOFXのメンバー、ファット・マイクが運営するレーベル、「FAT WRECK RECORDS」が、反ブッシュ政権、というか次期大統領選でブッシュが当選することを危惧して立ち上げたのが「www.punkvoter.com」というサイト。そしてそれが高じて、「ROCK AGAINST BUSH」というプロジェクトまで立ち上げ、それに賛同するミュージシャンを集めてこのアルバムまで完成させてしまいました。

  参加アーティストは26組。有名どころだとOFFSPRING、SUM41、NEW FOUND GLORY、PENNYWISE、LESS THAN JAKEといったパンク勢、そしてTHE GET UP KIDSやMINISTRYといったちょっとパンクからは外れたラインにいるバンドもその趣旨に賛同して参加。中にはジェフ・ビアフラ(元DEAD KENNEDYS)みたいな大御所も参加しています。しかもこの26組中18組が現時点で未発表の新曲を提供しています。太っ腹! OFFSPRINGなんて、オリジナルアルバムでは耳障りのいいポップパンクを聴かせておいて、このアルバムでは "Baghdad" という直球のパンクソングを持って来ているんだから‥‥

  アルバムの内容については、まぁオムニバス特有のバラツキがあるので絶賛こそしませんが、まぁ好きな人なら楽しんで聴ける1枚だと思います。実際、このアルバムがこの内容で、しかもDVDまで付いて1,000円前後で買えるという事実‥‥如何に作り手が儲けを度外視して、如何に多くの人の手元に、耳に届けたいか‥‥その意思が伝わってきますよね。

  パンクって何だろうね‥‥いや、ロックでもいいや。別に必ず政治的なことに関わるべきだとは思わないよ。けどさ、言いたい事さえも言えない今の風潮の中、こうやってリスクを伴う活動を矢面に立って実践している人がいる事実。これを日本の「自称・パンクロックバンド」の皆さんにも見習ってもらいたい。カッコだけのパンクや、「俺等はメジャーとは関わりたくない」とかポーズ決めてるインディーパンクやその周辺、少なからず「パンク」というものに影響を受けているのなら、そして「パンク」と名の付くシーンや音楽に携わっているのなら、(その内容はともかくとして)このやり方だけでも見習って欲しいと切に願うよ。

  別に今一部の音楽ファンの間で問題視されている輸入権の問題だけじゃないよ。日本の政治は本当にどうしようもないところまで来てると思う。それを見て見ぬ振りして「パンク」を名乗るのは、正直カッコ悪いと思う。どうしようもなくね。まだまだ日本には、こんなもんじゃない、本当にカッコいい「真の」パンクロックバンド、沢山いるはずでしょ? ジョー・ストラマーがこの現実を知ったら、向こうで泣いてるよきっと。

  ファット・マイクの主張、全てを受け入れることは出来ないけど、彼が言わんとしてることは理解できる。そしてその手段(=今回のリリース)も非常に判りやすくて好感が持てる。日本でもこういうことが出来ないのかなぁ‥‥インディーズレベルでさ。もっとカッコいいとこ、俺に見せて欲しいよマジで。



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投稿: 2004 05 05 03:29 午後 [2004年の作品, Compilation Album, Dead Kenedys, Get Up Kids, The, Ministry] | 固定リンク