2018年9月18日 (火)

THE ATOMIC BITCHWAX『FORCE FIELD』(2017)

過去何度か名前が挙がったTHE ATOMIC BITCHWAX。これを機にちゃんと聴いてみようと思い、2017年12月にリリースされた最新アルバム『FORCE FIELD』を聴いてみることにしました。

いろいろ調べてわかったことですが、このバンドはもともと(当時)MONSTER MAGNETのギタリストだったエド・マンデルを中心に結成されたサイドプロジェクトだったらしく、その後クリス・コスニック(Vo, B)が現在までバンドを引き継いでいるようです。現在のメンバーはクリス&ボブ・パンテラ(Dr)の現MONSTER MAGNET組と、エドと交代して加入したフィン・ライアン(G, Vo)の3人。

さて、過去の音源を一切聴いていない状況でこの新作から入っていったのですが……めっちゃカッコいいじゃないですか! パワフルでインパクトのあるギターリフを軸に、ぶっといリズム隊が疾走感のあるビートを刻み、そこにメロウでシャウト気味のボーカルが入る。ストーナーロックというよりは、ガレージロックに近いような印象を受けました。例えばTHE HELLACOPTERSみたいな、ああいうグルーヴ感の強いガレージロック。そりゃあ嫌いになれるわけがない。

楽曲も非常にコンパクトかつ、変なひねりなしのド直球。全曲2〜3分台で、全12曲34分という潔さもまたよし。シングルギターバンドですが、要所要所に挿入されるフィン・ライアンのメロウなフレーズや、のたうちまわるようなギターソロがまたたまらない。ドラムの上に重なるタンバリンが、また独特のグルーヴ感を生み出していて、そこがTHE HELLACOPTERSあたりに通ずるものがある。って、結局自分がTHE HELLACOPTERS大好きなもんだから、どうしてもそこと重ねたくなってしまうわけですが。

この、常にテンション高めで突っ走るビート。ラスト1曲くらいですからね、若干落ち着くのは。それでもテンションは常にMAX気味で、落ち着く暇なんて与えてくれない。そのラストの「Liv A Little」はオルガンも前面にフィーチャーされており、ブギー的なリズム感含めどこかDEEP PURPLE的なカラーも。このへんでようやくサイケデリック感が強めに表れ、なんとなくルーツが垣間見えるといいますか。

で、ここまで聴いて……クリス・コスニックがMONSTER MAGNETに与えた影響ってなんなんだろう?と考えたわけです。う〜ん……直線的なロックンロール? いや、そういう意味ではあまり強くは影響出てないですよね。やっぱりあっちはあっちでデイヴ・ウィンドルフ(Vo, G)主導だから、そんなに影響はないわけか。う〜ん、バンドって難しい。

ていう話はさておき。これ、本当にストーナーロックなんですか? もはやストーナーロックの定義がわからなくなってきましたが……カッコよければそれでよし。いやあ、もっと早くに知っておけばよかったと思わされる1枚です。爆音でお楽しみいただきたいですね。



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投稿: 2018 09 18 12:00 午前 [2017年の作品, Atomic Bitchwax, The, Monster Magnet] | 固定リンク

2018年9月17日 (月)

MONSTER MAGNET『MINDFUCKER』(2018)

2018年3月に発表された、MONSTER MAGNET通算10作目のオリジナルアルバム。前作『LAST PATROL』(2013年)から4年半ぶりとだいぶ間が空いたように思えますが、その間には『LAST PATROL』の再構築アルバム『MIKING THE STARS: A RE-IMAGINING OF LAST PATROL』(2014年)や、前々作『MASTERMIND』(2010年)の再構築アルバム『COBRAS AND FIRE (THE MASTERMIND REDUX)』(2015年)が立て続けに発表されているので、実はそこまで空いた感がないという。

プロデュースは前作同様、メンバーのデイヴ・ウィンドルフ(Vo, G)とフィル・カイヴァーノ(G)が担当。コ・プロデューサーとしてモーガン・ストラットン(WOLFMOTHER、BIFFY CLYRO、ノラ・ジョーンズなど)とジョー・バレッシ(MELVINS、QUEENS OF THE STONE AGECLUTCHCOHEED AND CAMBRIAなど)の名も連ねられており、ジョー・バレッシはミックスも担当しております。

まあ、そんなデータはどうでもいい話ですが(苦笑)、内容ですよね。

実は、MONSTER MAGNETのアルバムをまともに聴くのって、2000年代前半以来なんですね。それこそ、アルバムで言ったらメジャー時代最後の『GOD SAYS NO』(2001年)が最後かもしれない。それくらい彼らに対して積極的なリスナーではなかったですし、ぶっちゃけ『DOPES TO INFINIGY』(1995年)と『POWERTRIP』(1998年)と『GOD SAYS NO』ぐらいしかまともに聴いたことがない、そんな浅いリスナーであることを最初にお断りしておきます。

「ハードロックと21世紀のパラノイアを祝う作品」と謳われている本作ですが、基本的な路線はそこまで変わっていないのかなと。埃っぽくてブルージー、どこかサイケデリックなハードロック。ストーナーロックってことでいいんだろうけど、本作からはもっと直線的な印象も受けます。王道感といいましょうか……良くも悪くもド直球。それを「肝が座っていてカッコいい」と受け取るか「2018年にしては古臭い」と切り捨てるかで、本作に対する評価も大きく変わりそうな気がします。

また、本作ではHAWKWINDのシンガーだったロバート・キャルバート(1988年死去)のカバー「Ejection」も収録。この選曲もストレートすぎて、笑ってしまうといいますか。まあ、それでこそ彼らなんでしょうけどね。

そういえば、オリジナルアルバムとしては本作から初めてクリス・コスニック(B/ex. GODSPEED、現THE ATOMIC BITCHWAX)が参加。2004年に加入したボブ・パンテラ(Dr)も現在までTHE ATOMIC BITCHWAXと活動を兼任しているようですし、そのへんの影響も強くなっているのかもしれません。そういえば、THE ATOMIC BITCHWAXにはエド・マンデル(G/1992年から2010年までMONSTER MAGNETに在籍)も過去に参加していたので、このへんの交流をいろいろ調べていくと、サウンドの微妙な変化にも気づけるのかもしれません。

個人的評価としては、「肝が座っていてカッコいい」と「2018年にしては古臭い」の中間なんですよね……やっていること自体決して新しくはないし、だけど首尾一貫しているところはカッコよくて、そもそもこのサウンド/スタイル自体は嫌いじゃない。まあ、彼らに革新的なものを求めること自体が間違いだし、頭空っぽにして素直に楽しめばいいだけなんですけどね。

あ、ラストの「When The Hammer Comes Down」はBLACK SABBATHっぽくてかなりお気に入りです。途中の節回しや歌声もまんまオジー・オズボーンですし(笑)。このへんに、彼らのファン気質が感じられて、ちょっと嬉しかったりして。



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投稿: 2018 09 17 12:00 午前 [2018年の作品, Monster Magnet] | 固定リンク