2007/11/13

MO'SOME TONEBENDER『C.O.W. (CHECK OUT WORLD)』(2007)

さて、2007年2月末にリリースされた「SUPER NICE」が音楽ファンの間で大きな物議を醸し出したMO'SOME TONEBENDER。アルバム発表後には初の日比谷野外大音楽堂でのワンマンライブを含む全国ツアーを行い、春には「ARABAKI ROCK FEST」などのイベントに出演したものの、夏の間はレコーディングに費やすことを早くから発表しました。よって、フジロックやライジングサイといった恒例の夏フェス出演は一切なし。ま、百々は別バンドで出演したりしましたけどね。

あんだけのアルバムを作り上げてしまったというのに、早くもスタジオに向かった彼ら。その創作力にただただ驚かされたものです。そして前作から実質7ヶ月曲で届けられたのが、この「C.O.W. (CHECK OUT WORLD)」というアルバム。先行シングル一切なし、とにかくどうなっているのか一切わからない状態でこのアルバムを聴いたのですが……

ますますおかしいことになってるじゃないかよ!(笑)

いきなりオープニングで某浦安辺りのアミューズメント施設を彷彿させるインストが流れ始めて、続く「Bad Summer Day Blues」は……ジュリアナかよ!?(死語)と言いたくなるようなダンスチューン。確かに前作からの流れだったら、これも想像できなくもなかったけど……ファンの想像のはるか上を行きすぎ! そしてインタールードを挟んで、前作での「TIGER」的な爆走ナンバー「L.O.V.E.」や、どことなくモータウン・テイストを感じさせるポップチューン「ルルル」といった曲に驚かされるわけです。

その後も'80年代テイスト(というかまんま)なダンスナンバー「パーティーは続くよ」、ヒリヒリしたギターサウンドが気持ちいい疾走チューン「Young Lust」や「エンゲルロージー」、こちらもジュリアナ・テイストのシンセがループする「Lost In the City」、ディスコパンクとは一線を画する打ち込みナンバー「PERFECT」、このアルバムの中では比較的ストレートな部類の「ハラヒレ」、ヘヴィなスローナンバー「18(eighteen)」、そして文字どおりボーカルトラックをスロー再生させたアウトロ的な「SLOW PLAY」(これは前作のラストナンバー「We are Lucky Friends」をスロー再生したものだよね?)……とにかく「混沌」という言葉がピッタリなアルバムと言えるでしょう。

だけどね、どの曲を聴いても「あ、これモーサムの曲だ」とわかるのがスゴイ。いや、そりゃファンだからでしょ?って思うかもしれないけど、あんなヘンテコなダンスナンバーでもモーサムの持ち味は失われてないんですよ。

これまでのモーサムっていつも「ライブのほうがスゴイのに」と思わされてばかりだったのに、特にこのアルバムに関してはライブよりもアルバムありきの作品なんじゃないかとさえ思えてくるんですよ。もっとも僕もまだこのアルバムを引っさげたライブを観ていないこともあって、なんとも判断しづらいところもあるんですけど。でもこれは、確実にライブを想定しないで、スタジオに籠もって勢いで作ったのか伺える1枚ですよね。好き嫌いを超越した、ものスゴイアルバムですよ。

常人がいきなりこんなアルバム作り出したら、恐らく「あいつ、絶対に変なクスリやってるぜ?」と言われるのがオチでしょう。ところが、これがモーサムとなると話は別。もはや「モーサムならしゃーないわな」と言わせてしまう説得力を持ってるわけですから(それは言い過ぎか。ていうか、それはあまりにもアレですね)。僕はこのアルバム、というかここまでの流れを大絶賛したいと思います。



▼MO'SOME TONEBENDER「C.O.W. (CHECK OUT WORLD)」(amazon:日本盤)

投稿: 2007 11 13 12:05 午前 [2007年の作品, MO'SOME TONEBENDER] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2007/11/12

MO'SOME TONEBENDER『SUPER NICE』(2007)

2005年末の「Rockin' Luuula」以降、個人的には目が離せないバンドのひとつに再浮上したモーサム。2006〜7年の快進撃ぶりは本当に目を見張るものがあって、特に今年はアルバムを2枚もリリースするという多作ぶりでファンを驚かせています。今回は2回にわたり、その2枚のアルバムについてコメントしていきたいと思います。

まずは、今年2月にリリースされた「SUPER NICE」。アルバムに収録される新曲のいくつかは2006年末のライブで耳にしていて、「これはもしかしたらスゲーアルバムが出来たんじゃないの!?」とワクワクしたものです。仕事柄、ひと足に(多分2006年末かな)このアルバムを聴くことができたんですが……第1印象は「……なんじゃこりゃ!?」でした。スゴイとかカッコイイを超越した、なんだかよくわからない異物感。どう評価していいかわからないまとまりのなさ。ただ、ひとこと言えるのは「振り切れまくってるなぁ」ということだけ。なんだかわからないけどものすごいアルバムが完成したことだけは間違いなさそうです。

先行シングルにもなったオープニングの「TIGER」が、まずいきなりなんだかわかんない状態じゃないですか(笑)。もうね、狂ってるとしか言いようがないっつうか……それでその次に「JACK THE TRIPPER」みたいなホンワカしたポップチューンが来るし。こうやって個性バラバラな楽曲が並ぶと、いかに「You are Rock'n Roll」が普通に聞こえることか(ま、この曲はライブのほうがはるかに優れてますけどね)。かと思うと、いきなりドリーミーな「秘密にしようよ」はあるし、アコースティックナンバー「オバケ」の次はヘヴィな「慈・善・事・業」、今までの彼らだったらあり得ないであろうスカナンバー「SUMMERスカ?」、どことなくMUSEを彷彿させるアレンジの「STOP THE MUSIC」、ドラムの藤田がボーカルを取るスローナンバー「ロジョー」、そして今やライブでのキラーチューンにまで成長したディスコチューン「We are Lucky Friends」……きっと「echo」「LIGHT, SLIDE, DUMMY」あたりを愛聴してきたファンなら、この変化に拒絶反応を示すのかもしれませんね。

このバンドは何となく、実験作「TRIGGER HAPPY」からつねに変化を繰り返している……いや、試行錯誤しているように映るときがあるんですよね。でも、そんな試行錯誤の結果がこういういびつな形で答えを出そうとしている。賛否あるだろうけど、これを真正面からやれるバンドって今やモーサムくらいしかいないんじゃないか……とさえ思えてくるんですよね。好き嫌いあるのは仕方ないとして、俺はこの破綻したスタイルにドキドキしたし、それをどうライブで表現するのか、本当に楽しみだったんですよね(そのライブは、当たり・ハズレがあったりするのもまたこのバンドらしいというか)。

このアルバムを何度も何度も楽しんでいるうちに、ふと思ったことがあったんですよ。「これやっちゃったら、次はどうすんだろう」って。だって、ここまで振り切れちゃったら、そう簡単には次は作れないですよね? でも……やっちゃったんですよね、たった7ヶ月強で(苦笑)。



▼MO'SOME TONEBENDER「SUPER NICE」(amazon:日本盤)

投稿: 2007 11 12 12:05 午前 [2007年の作品, MO'SOME TONEBENDER] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/12/24

「Pixies Tribute "Alive"」@STUDIO COAST(12/11)

 PIXIESのライヴに行って来ました。ま、「PIXIESの」と限定しちゃうとちょっと違うのかな。今回の初ジャパンツアー(そう、去年のフジロックはあったものの実質これが初の来日ツアーなんだよね!)最終日となる12/11、この日のみのスペシャルな企画が行われたんですよ。PIXIESのライヴには違いないんだけど、それプラス2組の日本のバンドがゲストに付き、「PIXIES TRIBUTE」なんて銘打って共演するという。ゲストに選ばれたのはBEAT CRUSADERSとMO'SOME TONEBENDER。共に数年前に日本でリリースされたPIXIESトリビュートアルバムに参加した、それこそ「PIXIESチルドレン」と呼んでも差し支えないような存在。現在の立ち位置こそ独自のものがあるけど、もとは影響を受けたクチでしょうしね。

 新木場STUDIO COASTには初めて行ったんですが、なかなか良いハコですね。外装も海外のライヴハウスみたいだし(写真参照)、中はある程度広めで余裕もあり、また内装もちょっと小洒落た感じで雰囲気良いし。広さ的にはZepp Tokyoを横に延ばしたような感じかな。キャパ的にもZeppとほぼ同じくらいみたいだしね。意外と好きかもしんない。都心からのアクセスもまずまずだし(京葉線で東京駅から10分くらいだしね)。

 それではライヴの感想をそれぞれ簡単に書いていきましょう。この日はビークル、モーサムが共に30分程度、PIXIESが65分程度でトータル3時間くらいで、思ったよりも長く感じませんでしたね。逆に前座がもっと長くやるもんだと思ってたから(PIXIESが短いのは知ってたので)21時ちょい前に終わった時にはちょっと面食らいました。



■BEAT CRUSADERS
 夏の「ROCK IN JAPAN FES」以来だったけど、この日はドラマーのマシータが病気療養中ということで欠席、サポートメンバーを入れてのステージでしたが、特に違和感は感じませんでした。内容的にも夏に観た時と似たような感じ。ヒット曲 "HIT IN THE USA" を出し惜しみせずに前半に持ってくるセットリストも相変わらず。
 ただ、この日のお客(主にPIXIES目当て)にはちょっと受け入れられてなかったような気がしないでも。前の方に集まったお客は明らかに彼ら目当てでこの日の高いチケットを購入した若い子達(それこそ、首にタオルを巻いてるような子達。少なくともPIXIESファンには見られない傾向だわな)で、フロア後方はスカスカ。更に後ろに2階席的高台があって、そこで腕組んで様子見してる人が多かったかな。あとフロアに入らないでバーフロア(隣の部屋)で呑んだり喋ったりしてる人も多かったようで。遅刻組も多かったのかな、前座はいいやーっていうPIXIESファンとか。
 とにかくまぁ‥‥現時点の音楽性は確かにPIXIESのソレよりはGREEN DAY以降のポップパンク〜パワーポップの流れを汲むものだけど、やはり "FIRESTARTER" 辺りを聴くと元の出所は隠せないよなぁ、と。そこだけは非常に興味深かったかな。ま、それ以外は特に新しい発見もなく、いつも通りのビークルでした。

  [SETLIST / BEAT CRUSADERS]
  01. JAPANESE GIRL
  02. LOVE POTION #9
  03. HIT IN THE USA
  04. Imagine?
  05. LOVE DISCHORD
  06. DAY AFTER DAY
  07. FIRESTARTER
  08. FEEL


▼BEAT CRUSADERS「MUSICRUSADERS」(amazon


■MO'SOME TONEBENDER
 随分と久し振りに観るモーサムだったんだけどさ。ここ最近、自分の身の回りの「今のモーサムは凄い!」って声がとにかく凄くて。で、とにかくこの時期(新作リリース直後)に一度、ちゃんと観ておこうと思ってて。丁度いい機会だったわけですよ。
 んで‥‥出てきた瞬間、GANG OF FOURのカバー(以前出たニューウェーブトリビュート盤収録)"To Hell With Poverty" ですからね。しかもタケイ劇場と来たもんですから、何も知らないお客はキョトンとしちゃって。俺は‥‥ただひたすら爆笑ですよ。何だ何だ、今はこんなことになってるのか!!って。ちょっとゾクゾクした。その後もここ1〜2作の曲が中心で‥‥知らない曲ばかりだったんだけど、これがとにかくカッコイイのなんのって! 凄い、やられた!って気持ちでいっぱい。終始ドキドキしてましたよ。
 言い過ぎかもしれないけど‥‥ホントに今、このバンドは化けようとしてるな、と。その過程に立ち会えてるんだな、と。そのくらいの「なんだかよく判らないけど、凄いもの観ちゃった!」感がビシビシと伝わってきました。これはもう、単独公演行くしかねーよな!(って行きますが。もうチケット取りましたが)

  [SETLIST / MO'SOME TONEBENDER]
  01. To Hell With Poverty (cover of GANG OF FOUR)
  02. GREEN & GOLD
  03. ロッキンルーラ
  04. ペチカ
  05. Have you ever seen the stars?
  06. ダミアン


▼MO'SOME TONEBENDER「Rockin' Luuula」(amazon


■PIXIES
 さて、念願のPIXIESです。去年のフジロックでは実は全部観てないんだよね。後に東京事変があったんで、前半だけかな。ま、聴きたかった曲の大半は聴けてたので、それはそれで満足だったんだけど。そもそも俺、彼らにそこまで強い思い入れってリアルタイムではなかったんだよね。どちらかというと、フランク・ブラックがソロになって以降ハマッたクチ。んで更にPIXIESを深いところまで知ったという。丁度時期的にグランジとかRADIOHEADみたいなフォロアーがどんどん出てきてた時期だったんで、巷の再評価に習って聴いてたようなとこはあるかな。
 んでさ、この日のステージ。基本的にはセットリスト毎日違ったらしくて、最終日はいきなり "Bone Machine" からスタートしたんで、発狂しそうになった。危なかった。その後も耳に馴染んだ名曲の数々。"Cactus" 〜 "Broken Face" なんて流れ、失禁ものだって。更に中盤、"Wave Of Mutilation" から数曲の流れが‥‥殺す気か!?と。本気で胸がドキドキしてた。久し振りにときめいた。なんじゃこりゃ! あー俺ロック好きで良かったーって。気持ちは中学生くらいに戻ってた。いや、彼らが活躍してた頃は既に十代後半〜二十歳頃だったんだけど。
 MCも特になく淡々と進むステージ。時々キム・ディールが喋るんだけど(日本語で「アリガト」とかね)、それがもうキュートでさ‥‥キム姐さんに対してまさか「キュート」なんて言葉を使う日が来るとは思ってもみなかったけどさ。あと、フランクとの掛け合い漫才(笑)も非常にほんわかとした空気を周りに与えててさ。殺伐ロックなのに、音が止むとホントにほんわか。このギャップもいい。彼らが愛される理由が判った気がした(いや全盛期はこんなじゃなかっただろうけどさ)。
 単独公演の時よりも数曲短かったようだけど、これだけやって聴きたい曲も殆ど聴けて、そりゃ満足でしょ。結局この再結成における「新曲」はまだひとつもないわけで、新譜のリリースもない、ただひたすら楽しむためにライヴやってます的空気の中ツアーが続いてるわけですが‥‥そろそろいいんじゃないの? 確かに過去の名曲群と肩を並べるような楽曲が生まれるかどうか、そこはちょっと聴くのが怖かったりもしますが‥‥けど次は是非、新作を伴ったツアーで再来日を果たして欲しいな。その時はまた、この日感じたみたいな「ロックっていいよなー!」っていうシンプルで素直な気持ちを思い出し、体感したいなぁ。そう思わずにはいられない、素敵なイベントでしたよ。

  [SETLIST / PIXIES]
  01. Bone Machine
  02. I Bleed
  03. Monkey Gone To Heaven
  04. Cactus
  05. Broken Face
  06. Subbacultcha
  07. Caribou
  08. Hey
  09. Velouria
  10. Wave Of Mutilation
  11. Gouge Away
  12. Debaser
  13. Tame
  14. In Heaven
  15. La La Love You
  16. Here Comes Your Man
  17. Holiday Song
  18. Nimrod's Son
  19. Vamos
  20. Where Is My Mind?
  ---encore---
  21. Gigantic


▼PIXIES「WAVE OF MUTILATION : THE BEST OF THE PIXIES」(amazon:US盤

投稿: 2005 12 24 12:30 午前 [2005年のライブ, MO'SOME TONEBENDER, Pixies] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/12/17

MO'SOME TONEBENDER『Rockin' Luuula』(2005)

 あるひとつ(ひと組)のアーティスト(バンド)を好きになる瞬間って、様々なわけじゃないですか。たまたまラジオやテレビで耳に/目にして気になったり、他人に勧められて借りた音源を聴いた時だったり、あるいは無防備な状態でイベント会場とかでいきなり出くわした時とか‥‥でもやっぱり、ライヴでいきなり好きになってしまったバンドって、その後も凄く尾を引くと思うんですね。

 俺とMO'SOME TONEBENDERとの出会いは、多分2001年頃のフジロックだったと思うんだけど、正に無防備な状態でたまたま臨んだら、完璧にノックアウトされちまったわけ。気づいたら帰りに岩盤の物販テントで彼等のアルバム(まだメジャーデビュー前だったので、「DAWN ROCK」「echo」を慌てて買って。帰りの車の中で、延々聴いてたなぁ。そのくらい衝撃を受けたわけ。翌週くらいに開催された「ROCK IN JAPAN FES」でもしっかりお目当てのひとつに入れて堪能したしね。この時はもう曲もある程度把握出来てたので、また違った楽しみ方が出来たなぁ。そして同年秋にメジャーデビュー。ライヴを観る機会はその後あまりなかったけど、音源だけはしっかりチェックしてて。「TRIGGER HAPPY」を初めて聴いた時は、とにかく「なんじゃこりゃー!?」ってなって、このバンドは更に上にいこうとしてるなってのが伺えたよね。でも‥‥続く「THE STORIES OF ADVENTURE」を俺、何故かチェックしてなくてさ。今日に至るまで、まだ聴けてないのね。たまたまタイミングが悪くて買えてなかっただけであって、決して彼等に対する評価が下がったり興味がなくなったわけじゃなかったんだけど‥‥今となっては恥じるしかないね、マジで。

 最近になって身近の知り合い達がこぞって「今の」モーサムを絶賛してて。当然シングルも聴いてない、ライヴもちゃんと観てない俺はその理由が判らなくて。朝霧JAMでチラッと観ただけで、その時は場違いだなーって思っちゃってハナから観る意思がなかったんだけどさ。

 先日、PIXIESのライヴを観に行って。新木場STUDIO COASTでやったやつ。ビークルとかモーサムがサポートに付いてさ。もともとPIXIESは観るつもりだったんだけど、他のバンドも観れるならってことでこの公演を選んで。

 でね‥‥生涯で二度目、またモーサムのライヴでもの凄いショックを受けたわけ。そりゃPIXIES目当てだったし、まぁついでにモーサム観れるならくらいの軽い気持ちだったんだけど‥‥嗚呼、これはみんな絶賛するわけだ。つーか何だこれ!? 何時からこのバンドはこんなことになってるんだ!?ってさ。とにかくショック以外の何ものでもなかったわけ。正に手に汗握るようなライヴ。初めて彼等を観た時とは全く違うレベルのショック。これだからロックはたまんないし、ライヴ行くのが止められないんだよ。

 そしてライヴ終演後、当然のようにモーサムのニューアルバム「Rockin' Luuula」を物販で買ってる俺。これも初めて観た時同様だね。

 聴いてないので前作との比較もできないし、もはや「TRIGGER HAPPY」以前と比べることに意味があるのかさえも判らない。ただ言えるのは‥‥ものスゲーかっこいいロックンロールアルバムだということ。曲もキャッチー且つワイルド。所々にグラマラスな匂いもすれば、ポストパンク的な色も見え隠れする。つまりさ‥‥これまで彼等が表現してきたこと/表現しようとしたことが、ここらで一気に開花し始めてるってことだよね。そう、まだ「開花し始めてる」段階なんだよ‥‥そのブレイク前夜的な瞬間を真空パックしたのが、今回のアルバムなんじゃないかと思うわけ。

 つまり‥‥このバンドは、この先まだまだ上へと昇りつめますよ! ライヴを重ねれば重ねる程、このアルバムの曲は生き物のように成長するだろうし、バンド自身もどんどんとレベルアップしていく。いい意味で「出来上がってない」んだよね。

 先日のライヴを観た時、『あの時』と似たような感覚に陥ったよ‥‥そう、ナンバーガールが「NUM-HEAVYMETALLIC」を発表する前後ね。彼等をナンバガと重ねて観るつもりは毛頭ないし既にモーサム以外の何ものでもないわけだけど‥‥何となく『あの時』と重なった。もしかしたら、『この次』が更に凄いことになってるんじゃないか‥‥そう思わせてくれるバンドが少なくなった今だからこそ、期待したい。勿論今回のツアーにも行きますよ。当たり前じゃないですか!

 ‥‥つーか何回このバンドは、そういった特別な瞬間を作ってくれるんだよ。そしてこの先ももっとそういった瞬間を生み出し続けてくれるんだろうな。ホント凄いバンドになったもんだわ。



▼MO'SOME TONEBENDER「Rockin' Luuula」(amazon

投稿: 2005 12 17 01:00 午前 [2005年の作品, MO'SOME TONEBENDER] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2003/12/25

MO'SOME TONEBENDER『TRIGGER HAPPY』(2003)

  MO'SOME TONEBENDER、約1年振りのニューアルバムは、再びインディーズからのリリース。メジャーからドロップしてしまったのか、あるいは今回の『作風』が原因で、たまたま今回だけ古巣(インディーズ)からのリリースなのか‥‥真相は判りませんが、とにかくこれはとんでもないアルバムだ、ということだけは間違いのない事実です。

  モーサムというと「ヒンヤリとしてて、鋭くてザクザクするギターと、絶叫に近いボーカルと、それを支える鉄壁のリズム隊」というようなイメージがあると思うんですね。楽曲的にもグランジだったりニューヨークパンクだったり、そういったものからの影響が強い3ピースのロックバンド。シンプルだけに生々しい。ところがこのアルバムはどうでしょう‥‥1曲目の "trigger happy (in the evening)" はまだいいんですよ。オープニングSEと考えれば‥‥納得がいくものだし。しかし、2曲目 "hang song" で我々の度肝を抜くわけですよ。完全に我々が思い描いたモーサムのパブリックイメージをぶち壊す1曲。打ち込みリズムの上を這い回るギターとベース、そしてトランペット‥‥ダブ? ポストパンク? それともポストロック??‥‥いや、ジャンルの括りなんてどうでもいい、とにかく何だかよく判らない「凄み」、あるいは得体の知れない「塊」が我々の耳に、大音量で飛び込んで来る‥‥従来の「らしさ」と新しい「らしくなさ」とを併せ持った "BIG-S"(かのフリクションのカバー)ではスライドギターがのたうち回り、ヒップホップ的手法まで取り入れる。何だこれ!? マジでモーサム、どうしちゃったの!? まぁ普通そう思うだろうね。

  これがね、アルバム1枚ずっと続くわけ。しかも手を変え品を変え、そして表情を変え。けど全てに於いて一環してる点がひとつあるのね。それは‥‥「得体の知れなさ」。とにかく‥‥何だかよく判らない凄さがあるわけ。何度も聴き返して、そして何日も聴き込んでも全然判らない、その凄さの中身。従来の彼等らしくもあるんだけど、これまでとは明らかに違う要素もある。けど、いざアルバム通して聴いてしまうと‥‥間違いなくモーサムそのもの。何なんだろう、これは?

  去年、これに似たような体験をしたことがある。ナンバーガールのラスト作となってしまったスタジオ盤、「NUM-HEAVYMETALLIC」が正にそれだった‥‥あれと全く同じとは言わないよ。あのレベルには正直達してないと思うし、作品としてもモーサムの方はちょっと散漫すぎると思うし。けど、そこに達することが出来るだけの「片鱗」は十分に感じられるわけ。というか‥‥これはもしかしたら、とんでもないモノが生まれる前の「前兆」なのかもしれないよ。何かそんな気がする。

  確かにナンバガにも通ずるようなポストパンク/ダブ的要素もあるのね。ディレイが効いたトランペットなんて正にそれを意識してるし、中には "VIEW VIEW" なんていう「まんま」な曲まであるし。けど、モーサムがナンバガとは違うのは、そこだけに固執してない点。上にも書いたような要素だったり、更にはホントにポストロックに接近しつつあるんじゃ?なんて思わせる "rainy" ~ "candy & friday" ~ "trigger happy (in the morning)" があったり、歌詞も英語や日本語を使い分けてるし(多分、その辺は意識してないだろうけど)、インストものが結構収録されてたり。とにかくひとつ言えるのは、決してモーサムはナンバガにはならないし、目指してないこと。モーサムはモーサムなりの高みを目指しているんだと。このアルバムを聴けばそれは十分に理解してもらえると思います。

  とにかく‥‥何だかとんでもない作品に出会ってしまったような気が‥‥決してこれが「答え」なんじゃなくて、単なる「設問その1」に過ぎないんだろうな、と。間違いなく次の作品はとてつもない、我々の手に負えないような「モンスター」になるんだろうな‥‥そう実感させる1枚。決して彼等のベストアルバムではないんだけど、今後続く彼等の歴史の上で、間違いなく重要な1枚になるアルバム。それがこの「TRIGGER HAPPY」でしょう。そう、間違いなく、ね。



▼MO'SOME TONEBENDER『TRIGGER HAPPY』
(amazon:国内盤CD

投稿: 2003 12 25 12:00 午前 [2003年の作品, MO'SOME TONEBENDER] | 固定リンク