2017/02/02

BUDDERSIDE『BUDDERSIDE』(2016)

ロサンゼルス出身の4人組バッドボーイズロックバンド、BUDDERSIDEが2016年9月に発表したセルフタイトルの1stアルバム。彼らはMOTORHEADのマネジメントである「MOTORHEAD MUSIC」が手掛けており、本作のプロデュースを担当したのもレミー・キルミスターの息子であるポール・インダー・キルミスターが担当。MOTORHEADのフィル・キャンベルも1曲(M-2「Ska Bra」)、ギターソロにてゲスト参加した“MOTORHEADファミリー太鼓判”の1枚となっています。

がしかし。サウンドそのものは「LA出身」「バッドボーイズロックバンド」というキーワードから想像できる、MOTORHEADからはかけ離れた、いかにもアメリカンなノリノリのハードロック。先に挙げた「Ska Bra」はブラス隊をフィーチャーしたスカコア調ナンバーだし、続く「Pain」はBUCKCHERRYあたりにも通ずるキャッチーで豪快なハードロックだし。いや、めちゃめちゃ良いんですよ、適度にダークで適度にポップで、適度にヘヴィで適度に軽快で、とにかく聴きやすい。実はこのバンランス感を保つのってすごく難しいと思っているので(大概のバンドはどこかに偏るし)、MOTORHEADファミリーのバックアップでデビューというのもなるほどと頷ける話です。

個人的にはSTONE TEMPLE PILOTSのような、ダークでサイケデリックなミディアムナンバー「X-Girlfriend」がツボ。そういったあたりの影響が感じられるのも、80年代のLAバンド的ではなくて、90年代以降の流れにあるバンドなんだろうなってことが伺えるし。また、アーシーなテイスト(M-5「Clear Blue Sky」あたり)がありつつも、随所にデジタル要素も盛り込まれていて、そのへんも前時代のバッドボーイズロックバンドとは異なるところかなと。

フロントマンのパトリック・ストーン(Vo, G)の歌声・声質も、スコット・ウェイランド(STONE TEMPLE PILOTS、VELVET REVOLVERなど)やジョシュ・トッド(BUCKCHERRY)に近いものが感じられ、耳に残る個性を持っていると思います。あとは「これ!」というキメの1曲ができたら完璧かなと。「Ska Bra」も「X-Girlfriend」も「Clear Blue Sky」もいい線いってると思うし、アグレッシヴな「Open Relationship」もストリングスを取り入れたバラード「Can't Wrap My Head Around You」も平均以上だと思うので、きっかけさえあればすぐにでもブレイクできると思います。それくらいのメジャー感があるし、2枚目が期待できるバンドではないでしょうか。

ちなみに本作、日本盤は今のところ未発売。サマソニあたりで初来日が決まれば、それなりに盛り上がるんじゃないかと信じております。



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投稿: 2017 02 02 12:00 午前 [2016年の作品, Budderside, Motörhead] | 固定リンク

2016/12/28

MOTORHEAD『BAD MAGIC』(2015)

2015年8月にリリースされた、MOTORHEADの事実上ラストアルバム。もちろん発売当初はこれが最後の作品になるなんて、考えてもみなかったし、その直前に行われた『FUJI ROCK FESTIVAL '15』での久々の来日公演を観て「次は新作発表後にフルでみたい」と思ったくらいでしたから。

レミー(Vo, B)、フィル・キャンベル(G)、ミッキー・ディー(Dr)の3人が揃って23年、このトリオ編成になってからはまるまる20年というタイミングに制作された今作。22枚のオリジナルアルバムということらしいですが、とにかく彼らは勤勉で、2010年の『THE WORLD IS YOURS』から2013年の『AFTERSHOCK』で3年空いたぐらいで、それ以外はほぼ2年に1枚のペースでアルバムを制作しています。しかもMOTORHEADの場合、アルバムごとに作風を変えるとか新しいことに挑戦するといったことはほぼ皆無で、どの曲がどのアルバムに入っていても不思議じゃないくらい安定した“これぞMOTORHEAD”な楽曲群を提供してくれるのです。そういうバンドのアルバムに対して、こういうレビューが果たして必要なのかとも思いますが、まぁやってみようじゃないですか。

M-1. Victory or Die
レミーの歌からスタートする、アップテンポのMOTORHEAD流ロックンロール。このリフ、以前も聴いたことあるけど気にしない。途中で展開が入ってメロの雰囲気が変わり、そのままギターソロへと流れていく構成がカッコいい。さらにソロ明け、ドラムとレミーの歌だけになるとさらにカッコよさが増します。

M-2. Thunder & Lightning
THIN LIZZYの同名曲とは無関係ですが、MOTORHEADのほうもTHIN LIZZYのそれと同じくらいのファストナンバー。「Ace of Spades」タイプといえば伝わるでしょうか。

M-3. Fire Storm Hotel
アップチューン2曲からテンポダウンして、小気味が良いリズム感のミドルチューン。ここまでの流れが本当に心地よい。

M-4. Shoot Out All of Your Lights
ミッキーの鋭いドラミングから、そのままツーバス踏みまくりのミドルテンポ、サビでテンポアップというヘヴィな1曲。ライブでのコール&レスポンスが目に浮かびます。

M-5. The Devil
不穏なイントロから、引き摺るようなヘヴィなテンポ感。そのまま歌に入るとテンポアップして、気持ち良く踊れます。サビでのタメの効いたリズムに、思わず首を振りたくなったりも。ちなみにこの曲、ギターソロをQUEENのブライアン・メイが弾いてます。

M-6. Electricity
何も考えずにヘドバンできる、アッパーなロックンロール。説明など必要なし。

M-7. Evil Eye
イントロのグルーヴィーなドラミングから一変、ストレートに突っ込んでいくファストチューン。サビでのレミーの、ドスの効いた声が最高。

M-8. Teach Them How To Bleed
これもファストチューン。今回のアルバム、思っていた以上に速い曲が多くて当時驚いた記憶が。

M-9. Till The End
泣きメロが印象的な、いわゆるバラードタイプの1曲。レミーはこういう楽曲を歌わせても天下一品。今作収録のオリジナル曲では、この曲が一番長い(4:05)というのも驚き。他は全部2〜3分台だし(そりゃ速い曲ばかりだしね)。

M-10. Tell Me Who To Kill
再びアップテンポのロックンロールへ。ギターよりもベースが前に出てる印象。

M-11. Choking On Your Screams
前の曲よりちょっとだけテンポを落としてるけど、それても速めの1曲。終始がなるようなボーカルが、不穏な空気を作り上げてます。

M-12. When The Sky Comes Looking For You
3連リズムのハードロック風アップチューン。本当にこのアルバム速い曲ばかりで、改めて生き急いでたなと実感させられます。ただ、速い曲の中でもいろんなテンポ感、いろんなリズムを使い分けることでバリエーションを作っているところは流石だと思います。

M-13. Sympathy For The Devil
アルバムラストを飾るのは、ROLLING STONESの名曲カバー。なぜこの曲で締め括る? そもそもなぜこの曲を選んだ? MOTORHEADってカバー曲のセンスが悪いよね。まぁそこがいかにもMOTORHEADらしいよね、とも思うんですが。そして、この曲がMOTORHEADのラストナンバーというのも意味深というか……。ただ、アレンジはさすがにカッコいいです。

以上、無駄に全曲解説をやってみましたが、解説するようなアルバム、楽曲ではないんですけどね。まぁ……面白いかなと。これ、今後もMOTORHEADのアルバムを紹介するときは毎回同じようにやってみようかな。常に同じこと書いてたりしてね(笑)。

あれから1年。早いもんですね。思えばここから始まったんですよね。早くこの負の連鎖を断ち切れないものですかね……。



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投稿: 2016 12 28 12:00 午後 [2015年の作品, Motörhead, 「R.I.P.」] | 固定リンク

2015/03/27

Motörheadの私的ベスト10

今年のフジロックへの出演決定、さらには今年後半に「Aftershock」(2013年)以来となるニューアルバムの発売も控えるMotörhead。ぶっちゃけ私的ベスト10を選んだところで、その大半が似たような曲になるような気がするのですが……ひとまずやってみましょう。


1. Ace Of Spades

2. Overkill

3. Burner

4. I'm So Bad (Baby I Don't Care)

5. (We Are) The Road Crew

6. Stay Clean

7. Stone Dead Forever

8. Sacrifice

9. Iron Fist

10. R.A.M.O.N.E.S.


あれ、意外と簡単に10曲選べたかも。要するにライブの定番曲と、自分が熱心に聴いてた90年代前半の楽曲が大半ですね。もちろん今でも新譜が出たらその都度買ってますけど、彼らの場合は新たなアンセムを求めるというよりも、ちゃんと活動し続けているという事実だけで満足してるようなところがあるのかも。そういう意味ではAC/DCも一緒か。

ちなみにここには選出しなかったけど、ミドルテンポのロックンロールナンバーも嫌いじゃないです。「Born To Raise Hell」とか「Orgasmatron」とか。毛色が違うけど「Whorehouse Blues」みたいなブルースナンバーも、1周回ってカッコイイし。

フジロック、恐らくホワイトステージじゃないかと予想してるんですが……今年も無事行けそうだし、しかも仕事と関係なく完全プライベートになりそうなので、心置きなく飲んだくれようと思います。楽しみだー。

最後に。「えっ!?」という珍カバーを。意外と嫌いじゃないです。



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※2015年12月29日 11:10追記

レミー・キルミスター氏がお亡くなりになりました。今年7月24日のフジロック初日は、上に書いた予想とは異なり、グリーンステージの準トリとして圧倒的なステージを見せてくれました。今思えばレミーの調子はあまり良さそうではなかったですし、実際その後本当に体調を崩してライブを中止にするなどありましたが……ちょうど数日前に、中野サンプラザでの二度目の来日、さらに3度目の来日でクラブチッタでライブした思い出話をしたばかりだったので、ショックを隠しきれません。

ご冥福をお祈りします。

投稿: 2015 03 27 09:58 午後 [Motörhead, 「私的ベスト10」] | 固定リンク