2017/11/20

HANOI ROCKS『BACK TO MYSTERY CITY』(1983)

初めて聴いたHANOI ROCKSのアルバムが本作『BACK TO MYSTERY CITY』でした。1983年5月に発表された通算3作目のオリジナルアルバム。スタジオアルバムとしては、前作にあたるコンピレーション盤『SELF DESTRUCTION BLUES』(1982年)を含めれば4作目となります。

本作は間違いなく、彼らの名をワールドワイドに知らしめるきっかけとなった第一歩。事実、本作の高評価がのちのメジャー契約けとつながったわけですからね。

で、実際にその内容も過去3作から格段にレベルアップしています。プロデュースを手がけたのは、元MOTT THE HOOPLEのデイル・グリフィンとピート・オヴァレンド・ワッツ(デイルは昨年1月、オヴァレンドは今年1月にそれぞれ亡くなっております。ご冥福をお祈りします)。前作までにあった“バタ臭さ”や“B級臭”が一気に薄らぎ、とても“北欧出身のインディーグラムロックバンド”なんて感じさせない音に仕上げられています。

そして、楽曲自体のクオリティ(主にアレンジ面)が格段に向上。オープニングのアコギ&フルートによるインスト「Strange Boys Play Weird Openings」から名曲「Malibu Beach Nightmare」へと続く構成は、ロック史屈指の名演と断言したいし、なによりその「Malibu Beach Nightmare」の名曲ぶりといったら……グラムロックとパンクの良さを絶妙にブレンドし、さらに自分たちのオリジナルへと昇華させたその技量に、改めて驚かされます。

そのほかにも「Mental Beat」や名バラード「Until I Get You」、ポップでキャッチーな「Ice Cream Summer」、ライブのクライマックスに相応しい「Back To Mystery City」など、今聴いても最高にクールな名曲が豊富。パンクロックのオリジネーターへのリスペクトも込められた「Tooting Bec Wreck」もあれば、どこかニューウェーブテイストの「Lick Summer Love」、ドラマチックなコード進行&アレンジが日本人好みな「Beating Gets Faster」もある。次作にして最初の解散前ラストアルバムとなってしまった『TWO STEPS FROM THE MOVE』(1984年)が第1期HANOI ROCKSの完成形だとすると、本作で表現されているのはそのプロトタイプであり、A級とB級の間にいる彼らのアンバランスさが色濃く表現されているんじゃないでしょうか。そして、そこが味わい深いし、すごく興味を惹かれるんですよね。

ハードロックでもないしパンクロックでもない、グラムロックでもない彼らの微妙な立ち位置がこのアルバムを聴けば理解できる。そんなオリジナリティに満ち溢れた傑作です。



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投稿: 2017 11 20 12:00 午前 [1983年の作品, Hanoi Rocks, Mott The Hoople] | 固定リンク

2004/10/15

とみぃ洋楽100番勝負(57)

●第57回:「All The Way To Memphis」 MOTT THE HOOPLE ('73)

 高校の頃になるとさ。さすがに同時代のバンドだけに飽き足りず、それらのバンドが幼少の頃に好んでいたアーティスト、影響を受けたバンド、そして彼等がカバーした原曲等にまで手が伸びるようになり、ホントに小遣いは全て音楽につぎ込むような時代に突入してったわけ。ま、今と大して変わらないんだけど。

 HANOI ROCKSを通過することで、このMOTT THE HOOPLEというバンドに出会うわけですよ。ハノイの「BACK TO THE MYSTERY CITY」やライヴ盤「ALL THOSE WASTED YEARS...」のプロデュースをMOTTのリズム隊が手掛けていたり、「TWO STEPS FROM THE MOVE」にてイアン・ハンターと共作していたり(その後バンド解散後もソロで絡んでいたり)することから、自然と流れて行くわけですよ。その他にもデヴィッド・ボウイで馴染み深いミック・ロンソンも参加していたことを知ったり、そのボウイが "All The Young Dudes" という大ヒット曲を書いていたり、等々‥‥

 兎に角当時、MOTTのアルバムは日本で廃盤状態でして。当然CD化なんてされてなかったわけですよ。ところが、友人のひとりが東京からMOTTのベスト盤を入手してきて。それが当時の音楽仲間全員の手元に回ってきたわけ。一番最初が俺だったのかな、そいつと一番仲良かったから。

 もうね‥‥1曲目の "All The Way To Memphis" イントロのピアノだけでイチコロ状態ですよ。何だこれ、めちゃめちゃ端正なサウンドじゃんか、めちゃめちゃブリティッシュじゃねぇか、と。これのどこがロックンロール・アニマルなんだよ!?なんて思ったりもしましたが(それは他の曲や別のライヴ盤を聴いて納得できたけど)、とにかく自分が求めるサウンドの原点がここにあるのかな、と。すっげー聴き込んだんですよ。

 そういえば、この曲を初めて聴いてから1年近く経ってから、「Very British」な音を出す凄く大好きな日本のバンドが似たようなアレンジを施した楽曲をリリースしたんですよね‥‥"欲望のドア" っていう、如何にもなタイトルを付けてさ‥‥



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投稿: 2004 10 15 12:00 午前 [1973年の作品, Mott The Hoople, 「100番勝負」] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック