カテゴリー「Mr. Big」の27件の記事

2023年7月27日 (木)

MR. BIG: THE BIG FINISH 2023@日本武道館(2023年7月25日)

Img_7182 MR. BIGラストツアー in 武道館、観てきました。SNSでは「これが(MR. BIGのライブを観るのは)5回目」と書いたけど、よくよく調べたら1991年、1993年、1994年、1996年、2014年に次いで6回目。かつ、2009年のハードロックカフェでのミニライブ(取材)を含めたら7回目になるようです。まあなんにせよ、前回から9年ぶりでこれがラスト。半分惰性で脚を運んだところはありますが、結果行ってよかったです。

パット・トーピー(Dr)がパーキンソン病でドラムを叩くのが難しかった期間、サポートメンバーとして参加したポール・スターはバンドを離れ、残りのメンバーが納得する「パットを踏襲するプレイをしてくれる」プレイヤーとして迎えたのがニック・ディヴァージリオ。GENESISTEARS FOR FEARSなどのサポートプレイヤーとして活躍した人とのことで、コーラス要員としても実力を発揮する方とのこと。実際、ステージを観た限りでは彼の貢献度はかなり高かったです。

最大のヒット作である2ndアルバム『LEAN INTO IT』(1991年)の全曲披露を含むセットリストは、ポール・ギルバート(G)在籍時(中でも90年代の4枚)のグレイテストヒッツ的なものと言えるでしょう。もちろんほかにも聴きたい曲はたくさんあったけど、今のエリック・マーティン(Vo)の声域を考えたらこれが妥当かな。チューニング半音下げ(「CDFF - Lucky This Time」や「Never Say Never」あたりはだいぶ下げてたしね)で、ビリー・シーン(B)は曲によってダブルネックベース(上が4弦、下が5弦)で対応してました。エリックの高音がかなりキツそうなのは、再結成以降変わらず。62歳という年齢を考えれば致し方ないものはあれど、想像以上に歌えていたかな(ということは、『LEAN INTO IT』を30歳前後という脂の乗った時期に制作したわけですよ。そこと比べちゃあ、ねえ)。サビを歌わないで休憩してる曲も少なくなかったけど、某ヴィンス・ニールと比べたら……ねえ?(笑)

次のどの曲が来るとわかるという、アルバムの曲順どおりに演奏していく構成はそこまで没頭できるかなと不安でしたが、特に30数年ぶりに演奏される曲も多数あるだけに、曲が進むにつれて興奮が高まっていったのもまた事実。全曲披露パートのラストである「To Be With You」まで到達したときには、ちょっと感動しちゃいました。

その後、アリーナでべそ部分でアコースティックパート。「The Chain」「Where Do I Fit In?」あたりはかなり意外だったな。ポールの仕事人ぶりが遺憾なく発揮された良パートだったのではないでしょうか。

終盤はポールの長尺ソロから「Colorado Bulldog」、ビリーの長尺ソロから「Shy Boy」でエンディング。「Shy Boy」は1番をビリーが歌う、ある意味TALASバージョンを疑似体験。これもラストならではか。

アンコールはカバー三昧。お馴染みの「30 Days In The Hole」に続いて、パートチェンジによる「Good Lovin'」。今回はビリーがボーカル、ニックがギター、エリックがベース、ポールがドラムを担当しました。そして、自分にとって“最後のMR. BIG”となる1曲はTHE WHOの名カバー「Baba O'Riley」。これも彼らの持ちネタとして完全に定着したなあ……と物思いに耽っていたら2時間半のステージが終了していました。きっとパット・トーピーも空から笑顔で見守っていたはず。心の底から楽しいと思えた、いいライブでした。

Img_7185

 

セットリスト
01. Addicted To That Rush
02. Take Cover
03. Undertow

『LEAN INTO IT』Part
04. Daddy, Brother, Lover, Little Boy (The Electric Drill Song)
05. Alive And Kickin'
06. Green-Tinted Sixties Mind
07. CDFF - Lucky This Time
08. Voodoo Kiss
09. Never Say Never
10. Just Take My Heart
11. My Kinda Woman
12. A Little Too Loose
13. Road To Ruin
14. To Be With You

Acoustic Part
15. Big Love
16. The Chain
17. Promise Her The Moon
18. Where Do I Fit In?
19. Wild World

20. Paul Guitar Solo [inc."Nothing But Love"]
21. Colorado Bulldog
22. Billy Bass Solo
23. Shy Boy

Encore
24. 30 Days In The Hole
25. Good Lovin'
26. Baba O'Riley

 

2023年3月10日 (金)

ERIC MARTIN BAND『SUCKER FOR A PRETTY FACE』(1983)

1983年にリリースされたERIC MARTIN BAND唯一のオリジナルアルバム。

ERIC MARTIN BANDはその名のとおり、のちにMR. BIGのフロントマンを務めることになるエリック・マーティン(Vo)を中心に結成されたUSロックバンド。もともとは415という名前で活動していましたが、同名アーティストがすでにデビューしていたため、メジャーデビュータイミングにこの名前に変更されました。

EMBことERIC MARTIN BANDのメンバーはエリックのほか、マーク・ロス(G)、ジョン・ナイマン(G, Key)、トム・デューク(B)、トロイ・ルケッタ(Dr)、デヴィッド・ジャコブソン(Key)という編成。アルバムのアートワーク表面にはエリックのみ、裏面には残りのメンバー5人が掲載されています。なお、メンバーのうちトロイはのちにTESLAを結成。ジョン・ナイマンも現在Y&Tに在籍し、音楽活動を継続しています。

JOURNEYのマネジメントに所属、かつプロデュースをそのJOURNEYを手がけたケヴィン・エルソン(彼はのちにMR. BIGの諸作品もプロデュースすることに)とロドニー・ミルズ(JOURNEYのほか38 SPECIALなど)が担当するなど、鳴物入りでのデビューだったことがうかがえる本作。内容的にもJOURNEYを筆頭とする、開放的な西海岸サウンドをベースにしたハードロック/ハードポップを堪能することができる、良質な1枚に仕上がっています。

ツインギター編成ですが、シンセが前面に打ち出されていることもあり、時代的にはSURVIVORNIGHT RANGERあたりとの共通点も見つけられますが、そのポップなメロディとエリックの親しみやすい歌声も相まって、やはりJOURNEYとの比較は避けられないかな。演奏面でも、実はよくよく聴くとテクニカルなことに挑戦していたり、凝ったアレンジが施されていたりと、単なるポップロック/AORでは終わらない魅力も秘めています。

40年前の作品とあって、アレンジ面や音作りに関しては古さは否めませんが、それでも楽曲自体の素晴らしさとエリックの若々しい歌声はエヴァーグリーンな輝きを放っている。また、MR. BIGのポップサイドとも重なる部分も多々あるので、ポール・ギルバート(G)&ビリー・シーン(B)のテクニカルなプレイさえ期待しなければMR. BIGファンも十分に楽しめる内容です。

が、それ以上にやはり80年代前半のUSハードロックを語る上で外せない1枚というのが大きいかな。VAN HALENサミー・ヘイガーほどアクが強くなく、NIGHT RANGERほど洗練されていない。このA級とB級の間に位置する感じが、個人的にはたまらないんです。

アルバム自体は当時、50万枚以上のヒット作となりましたが、バンドは1985年に解散。エリックはアルバム『ERIC MARTIN』(1985年)にてソロキャリアをスタートさせることになります。

 


▼ERIC MARTIN BAND『SUCKER FOR A PRETTY FACE』
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2023年3月 9日 (木)

MR. BIG『MR. BIG LIVE』(1992)

1992年11月4日にリリースされた、MR.BIG初の公式ライブアルバム。日本盤は同年10月25日発売(本作は輸入盤のほうが先にリリース/国内流通していた記憶があるのですが、僕の記憶違いでしょうか)。

「MR.BIG初の公式ライブアルバム」と謳っているものの、ここ日本ではバンド公認のライブEPが先に2枚発表されています。それが『LIVE! RAW LIKE SUSHI』(1990年)と『RAW LIKE SUSHI II』(1992年)です。前者は6曲入り/30分強、後者は7曲入り/約54分という代物で、フルアルバム並みのボリュームには満たないものの選曲の被りがないこともあり、当時は2枚合わせてフルスケールのライブ感覚で楽しんだものです。

そんな中、ここ日本では『RAW LIKE SUSHI II』のリリースから約半年後に届けられた今作。当時「え、またライブ盤?」と食傷気味になりましたが、『RAW LIKE SUSHI II』が1991年9月の日本公演からに対し、『MR. BIG LIVE』は1992年3月下旬のサンフランシスコ公演を収録したものになります。つまり、今作はバンドが「To Be With You」で全米1位を獲得したあとの、凱旋公演なのです。

実は今作、同時期に発売された映像作品『LIVE IN SAN FRANCISCO』(邦題『サンフランシスコ・ライブ』)からの抜粋音源で、映像盤に収録されていた「Voodoo Kiss」「Rock & Roll Over」と「Take A Walk」およびパット・トーピー(Dr)のドラムソロ、「Road To Ruin」後のポール・ギルバート(G)の長尺ギターソロ、「CDFF - Lucky This Time」後のビリー・シーン(B)の長尺ベースソロがカットされています。当時のCD収録容量的にはあと2曲は入れられた気がするのですが、全12曲/約60分と比較的コンパクトにまとめたかったのでしょうかね(下記の映像盤には「CDFF - Lucky This Time」後、「Addicted To That Rush」前にフィーチャーされたビリーの長尺ソロもしっかり収録されています)。

内容的には当時の最新作『LEAN INTO IT』(1991年)からの楽曲中心で、1stアルバム『MR. BIG』(1989年)からは「Addicted To That Rush」とカバー曲「30 Days In The Hole」のみ。加えて、デビュー時からカバーされてきたTALASの名曲「Shyboy」と、当時のツアーではラストに披露されていたTHE WHO「Baba O'Riley」の各カバーも収録されています。「Shyboy」「Baba O'Riley」は先の『RAW LIKE SUSHI II』にも収録されていたので、そこまでありがたみはないかな。

音質的には『RAW LIKE SUSHI II』ほどクリアではなく、ライブビデオから流用したまま。特にCD向けにリマスタリングなどが施された様子は見受けられず。CDで聴いていた頃は『RAW LIKE SUSHI II』の質感が好みだったのですが、配信されているものを現在の環境で聴く限りでは意外と『MR. BIG LIVE』ほうが聴きやすかったりして、その違いに驚かされました。

1992年当時はフルスケールに近いMR. BIGのライブアルバムはこれのみだったのでだいぶ重宝しましたが、現在はサブスクで『RAW LIKE SUSHI』シリーズも全世界に配信されているので、このアルバムのありがたみは半減。とはいえ、全米1位獲得後のバンドとオーディエンスの熱量を追体験するという意味では貴重な記録なのかもしれません。

あ、演奏に関しては文句なし。エリック・マーティン(Vo)もそれなりに歌えているのでご安心を。

MR. BIGは現在までにスタジオアルバムの数以上にライブ作品を発表しているので、いずれサブスクで聴ける作品を中心にカタログ記事を作ってみたいと思います。

 


▼MR. BIG『MR. BIG LIVE』
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2023年2月15日 (水)

TALAS『1985』(2022)

2022年9月23日にリリースされたTALASの3rdスタジオアルバム。

デヴィッド・リー・ロスにフックアップされたことで、メタル界隈から外に向けても知名度が高まっていったビリー・シーン。その後、MR. BIGでの成功によってさらにその名前を広めることになりますが、そのビリーの原点がTALASというバンド。本作は名曲「Shy Boy」が収録された2ndアルバム『SINK YOUR TEETH INTO THAT』(1982年)から実に40年ぶりのスタジオアルバムとなります。

バンドは1986年、ビリーのDAVID LEE ROTH BAND入りを機に解散していますが、その後もビリー(B, Vo)、デイヴ・コンスタンティーノ(Vo, G)、ポール・ヴァルガ(Dr, Vo)の初期編成で何度か再結成ライブを行ってきました。しかし、本作の制作メンバーはそのトリオ編成ではなく、初のライブアルバム『LIVE SPEED ON ICE』(1984年)録音時のカルテット編成……ビリー、フィル・ナロ(Vo)、マーク・ミラー(Dr)、ミッチ・ペリー(G)が元になっています。

2017年夏にビリー、フィル、マーク、そしてミッチの代わりにキア・ナジョフスキ(G)を加えた布陣でTALASは再結成ライブを行いましたが、この4人で1985年頃に着手していた楽曲を正式にレコーディングして、第2期編成初のスタジオアルバムを完成させるのです。

当時制作してた楽曲をほぼそのまま、新たに味付けすることなくレコーディングした結果、そこで表現されているスタイルは“あの頃”のTALASそのもの。疾走感の強いハードロックチューンからソウルミュージックからの影響が強いポップロックなど、初期2作のスタジオ作にも通ずる作風はタイトルの『1985』に偽りなしの、40年という長い空白をまったく感じさせない良質なハードロック作品に仕上がっています。

実はボーカルのフィル、2020年に舌癌が発症し、残念ながら制作途中の2021年5月2日にこの世を去っています。しかし、幸いなことに亡くなる前にボーカルトラックはすべて録り終えており、あとはビリーを中心に作品としてまとめるだけにとどまりました。

アルバムには1985年当時の楽曲に加え、すでに『LIVE SPEED ON ICE』にライブバージョンで収録されていた「Inner Mounting」や「Crystal Clear」「Do You Feel Any Beter」もスタジオ再録。加えて、本作のために新たにパワーポップテイストのミディアムチューン「Black & Blue」、フィル逝去後にビリーが録音したインスト「7lHd h」、日本盤のみのボーナストラックとしてニーナ・シモンのバージョンで知られる「Don't Let Me Be Misunderstood」(邦題「悲しき願い」)のカバーも加わり、TALASとしての集大成感が強い内容。レコーディングには先の4人のほか、第2期ギタリストのミッチ・ペリーもゲスト参加していることからも、その色合いがより強く感じられます。

ビリーらしいインタープレイも随所に散りばめられていますが、なんといってもこのバンドらしい“モサい”B級感健在の楽曲群が非常に優れており(どんな表現だよ)、TALASに一度でも触れたことがあるリスナーなら納得の1枚ではないでしょうか。これを機に、ぜひ往年の作品もサブスクで解禁してもらいたいものです。

 


▼TALAS『1985』
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2023年2月14日 (火)

THE WINERY DOGS『III』(2023)

2023年2月3日にリリースされたTHE WINERY DOGSの3rdアルバム。

新作音源としては前作『HOT STREAK』(2015年)から7年半ぶり。その間、リッチー・コッツェン(Vo, G)はエイドリアン・スミス(G, Vo/IRON MAIDEN)とのSMITH/KOTZEN自身のソロ活動を、ビリー・シーン(B)はMR. BIGSONS OF APOLLO、そしてTALASとしてのリリースやライブ、マイク・ポートノイ(Dr)もビリーとのSONS OF APOLLOやTHE NEAL MORSE BAND、FLYING COLORSへの参加、そして復活したLIQUID TENSION EXPERIMENTのレコーディングなど、それぞれ充実した時間を過ごしていました。

もちろん、その間もTHE WINERY DOGSは活動を止めていたわけではありませんでした。2017年にはライブアルバム『DOG YEARS: LIVE IN SANTIAGO & BEYOND 2013-2016』を発表しましたし、2019年には22日間におよぶツアーも実施しています。要は、それぞれがやりたいことをやりたいタイミングに取り組み、3人のスケジュールが合ったところでツアーなりセッションなりを実施していたと。で、まとまったタイミングがコロナ以降に生まれたことで、再び腰を据えてレコーディングの準備に取り掛かった……ということなんでしょう。

デビューから在籍したLoud & Proud Recordsを離れ、新たにThree Dog Musicという自主レーベル(日本では新たにソニー・ミュージックへ移籍)から発表される本作は、基本路線は過去2作と大きく変わっていません。つまり、我々がこのバンドに求める「トリオ編成ならではの緊張感の強いインタープレイの応酬と、ソウルやブルースをルーツにもつアーシーなハードロック」がこれでもかという程に展開されているのです。もちろん、そこには過去2作以上にスキルアップした演奏/アンサンブルと、クオリティに磨きがかかった楽曲群が並んでおり、マンネリ感は皆無。リッチー・コッツェン関連の諸作品を楽しめる方なら、文句なしに気に入る1枚かと思います。

序盤はリード曲「Xanadu」や「Mad World」を筆頭に、このバンドらしいグルーヴ感を前面に押し出した楽曲が並びますが、中盤の折り返しに置かれた「Stars」あたりからその傾向が少しずつ変化しています。6分におよぶこの曲では、楽器隊の非凡な個性が随所に発揮され、最後までヒリヒリしたインタープレイが楽しめます。そこから「The Vengeance」で味付けも少しずつ変わっていき、ダイナミックなビートの「Pharaoh」、高速ブギービートが気持ちいい「Gaslight」、スローテンポのブルースロック「Lorelei」、3人の個性的かつハイレベルの演奏がこれでもかと楽しめる8分近い「The Red Wine」と楽曲のバラエティ豊かさが広がりを見せていくのです。mなもんですから、最後までまったく飽きることなく楽しめるんですよね。

このバンドの過去2作のアルバム、どちらも13曲入りで60分を超えるボリュームとあって、最後まで聴くのに覚悟が必要になるんですよね。じゃなかったら、ダラダラ聴き流して終わってしまうみたいな。だから、そこまで強く印象に残らないことも多くて(繰り返し聴くには時間もそれだけ必要ですし)。でも、今作は全10曲/50分と比較的コンパクト。かつ、楽曲の幅も後半に向けて広がっていくから最後まで緊張感を持って聴くことができる。バンド側のアルバム制作における意識も、ここ数年で少し変化したのかもしれませんが、これは個人的にも喜ぶべき方向転換だと思っています。

 


▼THE WINERY DOGS『III』
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2022年7月28日 (木)

BLACK SWAN『GENERATION MIND』(2022)

2022年4月8日にリリースされたBLACK SWANの2ndアルバム。

ロビン・マッコーリー(Vo/MICHAEL SCHENKER FEST、ex. McAULEY SCHENKER GROUP、ex. GRAND PRIXなど)、レブ・ビーチ(G/WINGERWHITESNAKEなど)、ジェフ・ピルソン(B/FOREIGNER、ex. DOKKENなど)、マット・スター(Dr/MR. BIGエース・フレーリーなど)というクラシックメタル界のスーパープレイヤーたちが一堂に会し、2020年に1stアルバム『SHAKE THE WORLD』を発表したBLACK SWAN。デビュー作はロビン、レブ、ジェフの3人を軸にしたもので、レコーディング直前にマットが参加するという形でしたが、今作は初めて4人が膝を突き合わせて制作したものになります。

前作リリース後の早い段階から続く2ndアルバムの制作準備に取り掛かっていたそうで、今作も再びジェフ・ピルソンのプロデュースのもと彼のプライベートスタジオでじっくりレコーディングに取り掛かったそうです。

楽曲やサウンド自体は前作の延長線上にあるもので、その完成度はより高いものへと昇華。この4人が過去に参加したバンドのサウンド……80年代のスタジアムロック/ハードロックを、2020年代のクオリティでまとめ上げたのがこのアルバムではないでしょうか。

ロビンもまもなく70歳とは思えないほどのパワフルさを見せており、「これぞハードロックシンガー!」という代表例のような歌唱を楽しむことができます。マット&ジェフのリズム隊もヘヴィ&タイトで、非常に躍動感の強いものとなっており、その上で縦横無尽に弾き倒すレブのギタープレイも圧巻の一言。4人に求める要素がバランス良く、ひとつの漏れなく凝縮された奇跡の1枚だと思います。

豪快なアメリカンハードロックを軸に、要所要所で適度な湿り気を感じさせる楽曲群も2作目とあってか、より焦点が絞れたような印象も。個人的には「Eagles Fly」みたいなシャッフルビートの楽曲、WINGERを彷彿とさせるイントロのギタープレイとカラッとしていながらも色彩豊かなリフワークが耳に残る「See You Cry」あたりは、次作への可能性を感じさせる良曲ではと思っています。

とにかくこのバンド、レブのギターリフが素晴らしい。もちろん、よくありがちなフレーズの組み合わせではあるんだけど、それでも耳に残るってことはセンスが抜群なんじゃないかな。ちょっとした工夫でここまでのものが作れるのは、これぞ職人技といったところでしょうか。さらに、メロディラインもなかなかのもので、このへんはロビン、あるいはジェフの手腕によるものが大きいのかな。

すべて80点台の高クオリティなので、あとは90点超えのキラーチューンの誕生を待つだけ。これが意外と大変なんですよね……でも、このバンドなら次のアルバムあたりで「BLACK SWANの代表曲」と誰もが納得する1曲を作ってくれるはず。その期待も込めて、(もし点数を付けるとしたら)本作には総合で90点を与えたいな。

 


▼BLACK SWAN『GENERATION MIND』
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2022年5月20日 (金)

SKILLS『DIFFERENT WORLDS』(2022)

2022年5月13日にリリースされたSKILLSの1stアルバム。

このバンドはブラッド・ギルス(G/NIGHT RANGER)、ビリー・シーン(B/MR. BIGSONS OF APOLLOなど)、デヴィッド・ハフ(Dr/GIANT)、レナン・ゾンタ(Vo/ELECTRIC MOB)によって結成されたスーパーバンド。テクニック的に文句なしのブラッド、ビリーに安定したサポート力を誇るデヴィッド、そしてブラジルの気鋭シンガーという4人が揃ったことで、この「名は体を表す」ストレートなバンド名が用いられたのでしょうか(だとしたら、いろんな意味で嫌味にも取れますが)。

技巧派のストリングス隊が揃ったことで、テクニック至上主義かプログメタル的なスタイルを重視するのかと思いきや、意外にもその楽曲重視の姿勢に、まずアルバムを聴いて驚かされることでしょう。それもそのはず、ソングライターとしてアレッサンドロ・デル・ヴェッキオやピート・アルペンボルグといった強力な布陣が楽曲提供しており、Frontiers Records総出で「よし、メタルファンから小金ぶんどってやるぞ」という前向きな姿勢(笑)が伝わってきます。

まあ、冗談はさておき。いわゆる産業ロック/産業メタル的な作り込まれた楽曲(比較的哀愁味の強いナンバーばかり)を中心に、アレンジとして適度にテクニカルなギター(いかにもブラッドらしいフレーズやプレイ)を散りばめ、リズムは比較的地味めに曲を支える側に回り(その中でもビリーのベースは、その音色を聴けば彼とわかるほど個性的ですが)、その演奏の上を1970年代的なソウルフルシンガーが歌い上げる。なんなら、味付けとして心地よく響くオルガンも重ねちゃおう……ってなもんで、寸分の隙も感じられないほど、しっかり計算し尽くされた楽曲群がずらりと並びます。ヘヴィメタルというよりはハードロック、しかも70年代の香りをさせた1980年代の王道メロディアスハードロック。好きな人にはたまらない1枚ではないでしょうか。

どの曲も3〜4分台と、この手のバンドにしてはコンパクトで聴きやすいし、そこも含めて計算が伝わる。あまり「計算、計算」と言うとネガティブに捉えられるかもしれませんが、もちろん良い意味で使ってます。要するに、文句の付けどころがないんです。マイナーキーの楽曲続きのところ、中盤に用意されたメジャーキーのハードポップ「Show Me The Way」も良いアクセントになっていますし、王道のパワーバラード「Just When I Needed You」も非常に良曲。まったく破綻が感じられない優等生的な1枚だと断言しておきます。

でも、だからこそ物足りなさも感じるというのが正直な気持ち。良いことには違いないんだけど、このメンツだからこその“プラスアルファ”が欲しかったかな。そこがいわゆるメンバー主導のバンドと作られたバンドの違いなのかな(いや、作られたバンドかどうかは知らんですが)。せっかく随所に派手なプレイを用意しているのに、それが地味に聞こえてしまうぐらい全体のまとまり/バランスが良すぎて、あまり耳に残らない。なぜなんでしょうね、これ。

安定を求めるリスナーには100点満点な内容なんでしょうけど、今の自分には無難すぎてあまり強く響かなかった。その完成度の高さから万人を満足させそうですが、実は聴く人を選ぶ1枚かもしれません。

 


▼SKILLS『DIFFERENT WORLDS』
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2022年1月29日 (土)

STEVE VAI『INVIOLATE』(2022)

2022年1月28日にリリースされたスティーヴ・ヴァイの10thアルバム(1998年の『FLEX-ABLE LEFTOVERS』、2016年の『MODERN PRIMITIVE』含む)。日本盤は海外に先駆け、同年1月26日発売。

『PASSION AND WARFARE』(1990年)の25周年記念盤に同梱される形で発表された前作『MODERN PRIMITIVE』は、『PASSION AND WARFARE』制作当時から書き溜めていたアイディアを正式に形にすべく新たにレコーディングした新作音源集だったので、純然たる完全書き下ろしの新作となると『THE STORY OF LIGHT』(2012年)以来実に9年7ヶ月ぶり。ずいぶん空いたように映りますが、ヴァイはその間もライブアルバム&映像作品『STILLNESS IN MOTION: VAI LIVE IN L.A.』(2015年)や、トーシン・アバシ(ANIMALS AS LEADERS)、ヌーノ・ベッテンコート(EXTREME)、ザック・ワイルドBLACK LABEL SOCIETYOZZY OSBOURNE)、イングヴェイ・マルムスティーンによるGENERATION AXEのライブアルバム『THE GUITARS THAT DESTROYED THE WORLD: LIVE IN CHINA』(2019年)などで忙しくしていたので、正直10年も経ったという感覚はゼロなんですよね。

特に近年は肩の手術やばね指発症による手術など、心配になる情報も多々ありましたが、そんな中でもサポーターを装着した状態で左手のフィンガリングのみでプレイする「Knappsack」(本作にも収録)の動画を公開し、その奇才ぶり健在をアピール。そんなこんなでようやく届けられたのが本作なわけです。

そもそもは「クリーントーンのギターによる作品」「通常の歪ませたギターによる作品」「8弦ギターを使ったヘヴィな作品」の3作品の制作を想定していたそうですが、コロナによるロックダウンを受け複数のミュージシャンでスタジオに集まることが困難になり頓挫。まずは「Candlepower」(2020年配信リリース)から取り掛かり、その後はボーカルアルバムを想定していたようですが、上記のように幾多のトラブルが発生し、紆余曲折を経て当初の3作品をひとつにまとめたような内容に仕上がったとのこと。ボーカルアルバムはまたこの次に……ということで、まずは今年予定されているツアーを想定したドライブ感があり、かつプログレッシヴで、ヴァイらしいサイケデリック感も強い1枚に仕上がりました。

レコーディングは曲ごとに異なるバンド編成で実施されており、そのメンツもベースはブライアン・ベラーやヘンリック・リンダー(DIRTY LOOPS)、ビリー・シーン(SONS OF APOLLOMR. BIGなど)、フィリップ・バイノー、ドラムはジェレミー・コルソン、テリー・ボジオ、ヴィニー・カリウタと名手ばかり。中でもテリー・ボジオとはVAI名義での『SEX & RELIGION』(1993年)以来の共演実現とって、非常にワクワクするものがあります。

オープニングを飾る「Teeth Of The Hydra」は、アルバムジャケットでヴァイが手にするトリプルネックの最新アックス“The Hydra”を用いた、まさにこのアルバムを象徴するような1曲。このThe Hydraは「7弦と12弦ギター、4弦3/4スケールのベース、13弦のハープ弦、シングルコイル、ハムバッキング、ピエゾ、MIDI、サスティナー・ピックアップ、フローティングおよびハードテイルのトレモロ・ブリッジ、フェイズ・スプリッターなど」を備えた想像を絶する1本(1本?)で、これひとつで1曲の中で非常に多彩なサウンドを響かせています。ホント、これを披露したいがために作ったアルバムなんでしょうね(笑)。

以降は、これまでのヴァイらしさを凝縮した多彩なナンバーがずらりと並びます。オリジナルバージョンは打ち込みだったところを新たにヘンリック・リンダー&テリー・ボジオのリズム隊で再録音した「Candlepower」や、気心知れたビリー・シーンとのハードドライヴィングナンバー「Avalancha」、ヴァイらしい味付けでブルースが展開される「Greenish Blues」、ムーディーなスローバラード「Sandman Cloud Mist」など、この手のギターインストアルバムがそこまで得意ではない筆者にしては最後までスルスル聴き進められ、バラエティ豊かな良作ではないでしょうか。

ヴァイのギタープレイは感情を揺さぶったりエモさを味わったりというタイプではなく、どちらかといえばそのテクニックを楽しむタイプの人なのかなと。その一方で、ソングライティングに関してはしっかりしている人でもあるので、毎回肩肘張らずに楽しむことができる。そういった意味では、今回も我々の期待を裏切らない1枚です。

 


▼STEVE VAI『INVIOLATE』
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2021年7月17日 (土)

MR. BIG『LEAN INTO IT (30TH ANNIVERSARY EDITION)』(2021)

2021年7月16日にリリースされたMR. BIGの2ndアルバム『LEAN INTO IT』のリイシュー盤。日本盤はありませんが、輸入盤に日本語解説を付けた日本仕様輸入盤が同日に発売されています。

オリジナル盤は1991年3月にリリースされ、「To Be With You」の全米No.1ヒットを生み出したことで知られるMR. BIG最大のヒットアルバム。全米15位まで上昇し、120万枚以上ものセールスを記録しました。その代表作が今年でリリース30周年ということで、アルバム本体に最新リマスタリングを施し、過去にシングルのカップリングなどで発表されてきたアルバム未収録曲や、今作のために用意された未発表曲や“マイナスワン”トラックなどを追加したボーナスディスクを追加した豪華仕様でのリイシューとなります(アルバム本編の内容に関しては、過去のレビューをご参照ください)。

本作は2010年の再結成時にもリマスター盤が発売されていますが、今回の最新リマスターと聴き比べてみると……2010年版のほうが全体のダイナミズム(高音を効かせた強弱の差など)がより強く感じられ、今回の2021年版はそれよりもコンプの効きが強いのか、なんとなく平坦に感じられます。「Never Say Never」のようなダイナミックなハードロックで聴き比べると、その差がわかりやすいのではないでしょうか。

個人的な好みでいうと、スピーカーを通して大音量で楽しむ場合は2010年版リマスターで、スマートフォンなどを通じてヘッドフォン、イヤフォンなどで聴くときは2021年版のほうが合っているような気がします。このへんはもう好みの範疇なので、最終的には聴いて判断してみてください。

まあ、リマスター効果の良し悪しによって作品自体の評価はそんなに大きく変わりませんけどね。1stアルバム『MR. BIG』(1989年)以上に聴き込んだ1枚で、そらで歌える楽曲ばかりですが、30年経ってもいいものはいいなと。以上です。

……嘘です。ボーナスディスクについても触れておきます。

「Stop Messing Around」と「Wild Wild Women」は本作のために用意された未発表曲。『LEAN INTO IT』のプロデューサー、ケヴィン・エルソンが本作のためにしっかりマスタリングを施しており、アルバム本編の楽曲と同じ質感で楽しめるはずです。両者ともアルバムに入っていてもおかしくなさそうな、ソウルテイストのハードロックですが、もうひと捻り欲しかったかな。なんとなくアルバム本編から外れたのも納得というところでしょうか。

そのほかには映画『ネイヴィー・シーズル』(1990年)に提供したアルバム未収録曲の「Shadows」「Strike Like Lightning」(どちらもバンドのメンバーが一切関わっていない外部提供曲ですが、後者がとにかくカッコいい!)や日本初版ボーナストラックだった「Love Makes You Strong」、ヒットシングル「Just Take My Heart」アコースティックバージョンや「Alive And Kickin'」「Green-Tinted Sixties Mind」のアーリー・バージョン、「To Be With You」のレゲエ・バージョンといった2010年リイシュー版にも収められていたでもトラックもまとめられています。

そして、今作ならではの新規トラックとして、「Daddy, Brother, Lover, Little Boy (The Electric Drill Song)」「Green-Tinted Sixties Mind」のギター抜き、「Love Makes You Strong」「Daddy, Brother, Lover, Little Boy (The Electric Drill Song)」のベース抜きバージョンを用意。これ、ギター&ベースプレイヤーが練習用に使う“マイナスワン”トラックというやつで、楽器を弾かない人にとってはほぼ有り難みの感じられない代物なのですが……ギターがないことでビリー・シーンのベースがよく聴き取れたり、その逆にポール・ギルバートのギターがよく聴き取れるという利点もあったりで。手数の多いプレイヤー陣だけに、そういった意味では種明かし的なトラックとも言えるのではないでしょうか。

パット・トーピー(Dr)が亡くなって以降、バンドとしては完全に時が止まってしまったMR. BIG。ビリーやポールは個人の活動で忙しそうですが、エリック・マーティン(Vo)はこれといって表立った大きな活動は行っていません。パットのいないMR. BIGを続けろとは言わないけど、せめて元気な歌声をまた聴かせてほしいところです(できればハードロックアルバムでね)。

 


▼MR. BIG『LEAN INTO IT (30TH ANNIVERSARY EDITION)』
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2021年4月 9日 (金)

OCTAVISION『COEXIST』(2021)

2021年3月24日にCDリリースされたOCTAVISIONの1stアルバム。

OCTAVISIONはギタリスト&コンポーザーとして活躍するホヴァク・アラヴェルディアンを中心とした、プログレッシヴメタル・プロジェクト。2016年に動画配信サイトに公開された、9分半にもおよぶインスト大作「Three Lives」が一部界隈で注目を集めました。同曲にはジャズ/フュージョン界で知られる超絶ベーシスト、ヴィクター・ウッテンが参加していたことでも反響を呼び、このプロジェクトの全貌を求める声は日々高まっていきました。

そして、2020年12月には各種配信サイトにて本アルバムをデジタルリリース。これに続き、日本のみで本作のフィジカルリリースが今年3月に実現したわけです。

このアルバムにはホヴァクやヴィクターのほか、MR. BIGSONS OF APOLLOなどで活躍するビリー・シーン(B)、Roman Lomtadze(Dr)、Murzo(Key)、Avo Margaryan(Blul/アルメニアの伝統的なフルート)といったプレイヤーたちが参加。さらに、タイトルトラック「Coexist」と「Apocalyptus」にはジェフ・スコット・ソート(Vo/SONS OF APOLLO、SOTOなど)もゲスト参加しております。

全体的に各プレイヤーの技巧的プレイを大々的にフィーチャーした、クラシカルな要素とモダンヘヴィネス以降のヘヴィメタルを融合させたサウンドが特徴。ベーシックな部分は“DREAM THEATER以降”と言えますが、随所に仰々しいクワイアなども取り入れられている。しかし、このプロジェクトの魅力はそこというよりは、むしろアルメニアの伝統的な管楽器Blulや中東のミステリアスな旋律を織り交ぜた「Mindwar」や「Three Lives」のような楽曲にこそ独特の個性が表れている。そういった旋律をホヴァクのテクニカルなソロプレイで、あるいはキーボードとのユニゾンプレイで表現されており、そういったところで独自性を強くアピールしています。

さらに、デジタルエフェクトも効果的に用いられており、「Mindwar」のような楽曲では2000年代以降のモダンテイストも伝わってくる。そういったところでも異色さや独特の個性も、しっかり醸し出せているのではないでしょうか。

それにしても、Blulをフィーチャーしたプログレッシヴメタルというのは、なんとも新しい。フルートなどを取り入れた旧世代のプログレは過去にも存在しましたが、音圧の高いメタリックなサウンドにこうした管楽器が取り込まれるのは、なんとも不思議なものが感じられます。一方で、ジェフのボーカルをフィーチャーした2曲は彼のパワフルな歌声と相まって、一聴した限りではSONS OF APOLLOを彷彿とさせるものがあります(こればかりは仕方ないですね)。ただ、メロディの運びや旋律は確実に差別化ができているので、聴いているうちに別モノだと理解できる。特に10分にもおよぶ超大作「Apocalyptus」は、その構成美/構築美含め圧倒的な個性を放っています。

とはいえ、やはりこのプロジェクトの魅力はインストゥルメンタルパートでの多彩さ/テクニカルさ/非凡さにあるので、歌モノはおまけといったところかな。全7曲で54分というボリュームは、この手の作品としては比較的程よいものなので、初心者でも意外と楽しめるのではないでしょうか。DREAM THEATERやSONS OF APOLLOを筆頭に、昨今のプログミュージック/プログレッシヴメタルに多少なりとも興味があるリスナーなら、触れておいて損はしない1枚です。

 


▼OCTAVISION『COEXIST』
(amazon:国内盤CD / MP3

 

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