日付が変わってしまいましたが、昨日6月6日に日本武道館へムックを観に行ってきました。まぁ最近ヨーロッパツアーも成功させ、アルバムもイタリアだったかフランスだったかで大ヒットしてるっていうし、観る機会を得たんだから観ておこうって思いまして‥‥で、俺は彼らの曲を1曲も知らなかったので、行く前にちょっとくらいは聴いておこうと思って、4月末に日本・欧州で同時リリースされたミニアルバム(といっても全9曲でフルアルバム並みですが)「6」を聴いたんですよ、当日の昼間に。
えーっと、俺は完全にこいつらを甘くみてましたね。Dir en greyが同じくドイツやヨーロッパ、はてはアメリカでウケたように(ビルボード・アルバムトップ200で初登場84位でしたっけ。これは本当に売れてるんだなぁ)、ムックがヨーロッパでウケる理由もこのアルバムを聴いたら何となく理解できましたよ。勿論、彼らがウケているのは欧米にいる「OTAKU」‥‥日本のアニメや文化に興味を持つ、まさしくオタクの外人達に支えられてるわけですが、サウンドだけでも十分に魅力的なのね。
Dir同様、いわゆるラウドロック/スクリーモ以降のサウンドを上手く消化して取り入れてい、そこに日本人ならではの歌謡メロディ‥‥要するに、hideが生前やろうとしてたことの延長線上、というか、彼がもし今生きていたら、こういうことをやってたんだろうなぁって思わせるサウンドなわけ。ただ、ムックがDirと違うのは完全に日本語にこだわってる点かな。曲のタイトルもすべて日本語だし、歌詞も英語詞は一切なし。しかも結構考えさせられるというか、じっくり読ませる(聴かせるというよりは、文字通り「読ませる」といった方が正しいかも)内容。サウンドもビジュアル系というよりも、もっとエモ寄り‥‥たとえばTHE BACK HORNみたいなバンドとの共通点の方が見つけやすい。Dir en greyとの共通点もあるにはあるけど、もはや完全に別のバンドと考えた方がよさそう。同じ海外進出したバンドというだけで、スタイルは違ってるし、コンセプトも違うわけだから。
シングル曲ではモロに歌謡路線を押し進めて、聴きやすい方向を強めてる(=一般層にアピール)。一方アルバムではライヴを意識した生々しいラウド路線。他のアルバムも聴いてみたけど、両者のバランスが絶妙なんだよね。そう、ビジュアル系じゃなくてエモなんだよこれは。
Dir en greyの時も感じたけど、ガチガチに作り上げられたイメージが邪魔をしてなかなか手が伸びないタイプのバンドだけど、実はかなりクオリティが高いことが判っただけでも大収穫ですよ。そして、武道館ライヴも素晴らしかったし。残念ながら俺はアンコール時に退席しなきゃいけなくて、最後まで観れなかったんだけど、それでも十分に楽しめました。また機会があったらライヴ観たいと思います。勿論、音源もちゃんとチェックしますけどね。

▼ムック「6」(amazon:日本盤)