NASHVILLE PUSSY『LET THEM EAT PUSSY』(1998)
もうこのジャケット観ただけで「バカ度」の高さは保証済み! アメリカが誇る最高で最悪で最強で最狂なハイパーロックンロールバンド、NASHVILLE PUSSYが'98年にリリースした、記念すべきファーストアルバム。しかもこれ、メジャーの「MERCURY」(現在の「ISLAND」)からリリースされ、翌'99年のグラミー賞にノミネートされたんですよね!(「BEST METAL PERFORMANCE」部門だったかな?)更にこいつら、そのグラミー賞の会場にもこの小汚くて猥雑な衣装で出かけたってんだから、もう‥‥尊敬に値するね!
そんな、来月には待望の初来日を果たす彼等。現在までに3枚のアルバムをリリースしてるんですが、俺が所有してるのは今現在これのみ。多分‥‥聴くまでもないと思うんだけど‥‥全部同じだと思うよ。基本的にはMOTORHEAD直系のハイエナジー爆走ロケンロー。1曲が短くて、全12曲で27分っていうランニングタイムが全てを物語ってると思います。その筋のファンにはカルト的人気を得ていた彼等、活動歴はとても長いようで、既に10年以上ものキャリアがあるそうですよ。そんな彼等が何故メジャーからアルバムを出すことが出来たのか‥‥実は彼等と契約したのが、かのトム・ズータウだというのですよ。AC/DCのアメリカでのブレイクに一役買い、MOTLEY CRUEやGUNS N'ROSESと契約した男。その彼が口コミで彼等の噂を聞き、実際にライヴ観て一発で気に入ったのがこのバンド。なるほどなぁ‥‥何か判る気が。時代錯誤だったはずのモトリーやガンズに理解を示し、結果数年で彼等は世界一になっていったんだから‥‥ま、残念なことにNASHVILLE PUSSYの場合はこのアルバム1枚で契約を切られたようですが‥‥
もうね、ここで語るまでもない、大音量で聴いてナンボの音。頭で感じるのではなく、身体で、腰で感じて欲しい音。ま、ジャケット観て視覚的に感じてもらってもいいけど。とにかくそういう音。今上に挙げたようなバンド達の要素がそこら中に溢れてるし、実際彼等もそういったバンド達をリスペクトしてるようだし。難しさなんて皆無、全曲判りやすいメロディに品のない歌詞(歌詞カードがないので聞き取った感じでの印象と曲名から判断しますが、ホントお下劣で下らないこと歌ってます)、考えるだけバカバカしいですよ。つうか、考えてる内に27分なんてアッという間に経っちゃいますからね。
その曲名にしても"Go Motherfucker Go"とか"All Fucked Up"、"Blowin' Smoke"なんていうストレートなものばかり。歌詞にも30秒に1回くらいの割合で「FUCK」が出てくるし。ボーカルの荒々しくてハスキーな歌声(ちなみにこのバンド、男2人女2人の4人組。シンガー&リズムギターとドラムが男性、リードギターとベースが女性。しかもベースの彼女はジャケットで乳首はみ出すし、ライヴでは火を吹くとのこと‥‥w)がこの品性が欠如した歌詞とサウンドにピッタリなんだわ。で、所々に入る女性のヒステリックなコーラス(というか叫び声)もまたピッタリだし。あーバカバカしくて最高!
何か最近の「リフロック」って、クールなバンドが多いじゃない? つうかさ、本来「リフロック」ってこういうバカっぽいのが当たり前だったじゃない? MOTORHEADのレミー然り、AC/DCのアンガス・ヤング然り。こんな時代なんだから、本来NASHVILLE PUSSYのようなバンドこそもっとリスペクトされるべきなんじゃないの?
つうか何気取ってんだよ、お前ら! 童貞気取りも程々にしろよな! もっとこういう聴いて、頭空っぽにしなきゃ! バカサイコー!!!
‥‥って俺に言わすくらいの内容なわけですよ、これ。ホント、好き者にはたまらない1枚。初来日公演には是非足を運ぶ方向で。