2018年8月23日 (木)

NICKELBACK『DARK HORSE』(2008)

2008年11月にリリースされたNICKELBACK通算6枚目のスタジオアルバム。前作『ALL THE RIGHT REASONS』(2005年)が全米だけで1000万枚を超えるメガヒット作となり、6曲ものUS TOP100ヒットシングルを生み出すという、まさにDEF LEPPARDにおける『HYSTERIA』(1987年)的な1枚となったわけですが、続く本作『DARK HORSE』は全米1位こそ逃したものの(最高2位)、アメリカだけで売り上げ300万枚を超え、前作同様に6曲ものヒットシングルを送り出しています。

先に“DEF LEPPARDにおける『HYSTERIA』的な1枚”と触れましたが、このアルバムではそのLEPPSで知られるロバート・ジョン・マット・ラングをプロデューサーに迎えて制作。ロバートはソングライティングにも数曲携わり、まさに“こういうのが作りたかったんだ!”という思いがまっすぐ伝わってくる力作に仕上がっています。

「Something In Your Mouth」のようにガッツのあるハードロックから始まり、そのままスポーツのスタジアム観戦にもピッタリな「Burn It To The Ground」と“いかにも”なサウンドメイキングのロックナンバーが続きますが、キャッチーなメロディを持つミディアムチューン「Gotta Be Somebody」やパワーバラードと呼ぶにふさわしい「I'd Come For You」、ゴリゴリに攻めるメタリックな「Next Go Round」、エモーショナルなマイナーチューン「Just To Get High」などなど、とにかくバラエティに富んだ良曲がズラリと並んでいます。

その曲も一寸の隙も感じさせない、しっかり作り込まれており、このきめ細やかさ(いや、異常な執着ぶりと言ったほうが正しいか)に“ロバート・ジョン・マット・ラングのプロデュース作品”らしさが強く表れています。『HYSTERIA』はもちろんですが、ブライアン・アダムス『WAKING UP THE NEIGHBOURS』(1991年)にも通ずるものがある1枚かもしれません。

しかし、これれら過去の名盤と明らかに違うのが、アルバム全体が非常にコンパクトだということ。全11曲で43分というバランス感が、このアルバムをより親しみやすいものにしているのは間違いないと思います。

肩の力が抜けたラストナンバー「This Afternoon」ですら、思いっきり作り込みが感じられるあたり、リラックスして楽しんで……とは言いにくいですが(苦笑)、ヘッドフォンでがっつり、あるいはドライブのお供として爆音で楽しむには最適の1枚ではないかと思います。実は、『ALL THE RIGHT REASONS』よりも好きな作品だったりするんですよね、個人的に。



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投稿: 2018 08 23 12:00 午前 [2008年の作品, Nickelback] | 固定リンク

2017年6月30日 (金)

NICKELBACK『FEED THE MACHINE』(2017)

前作『NO FIXED ADDRESS』(2014年)でユニバーサル傘下の「Republic」と契約したものの、たった1枚で移籍することになったNICKELBACK。2年半年ぶり、通算9作目のスタジオアルバムとなる本作『FEED THE MACHINE』は「BMG(BMG Rights Management GmbH)」から、Warner Musicのディストリビューションで今年6月16日に世界同時発売されました。これにより、前々作まで在籍したRoadrunnerと同じWarner Musicに戻ったという解釈もできるわけですね。

さて、今年2月には先行トラックとしてアルバムタイトルトラック「Feed The Machine」が公開済みでしたが、前作での若干ソフトで実験的な作風から一変、6thアルバム『DARK HORSE』(2008年)あたりで聴けたヘヴィでガッツのあるサウンドに先祖返りしております。続く2曲目「Coin For The Ferryman」もバスドラがドコドコするところにギターもザクザクとリフを刻む、これぞヘヴィロック!と叫びたくなるスタイルで、もうこの2曲だけで「勝利!」と実感。さらに3曲目にはこのバンドならではのメロウなバラード「Song On Fire」も飛び出し、明らかに「リスナーがイメージするNICKELBACK」が展開されています。

ヘヴィながらもファンキーでリズミカルな「Must Be Nice」、若干ダークで重みのあるバラード調の「After The Rain」、グルーヴィーなギターリフが気持ち良い「For The River」、壮大さすら感じさせるパワーバラード「Home」、ゴリゴリな「The Betrayal (Act III)」、某アイドルグループのファンが喜びそうなタイトルの美メロHRチューン「Silent Majority」(本作でもっともお気に入りの1曲)、カントリーテイストのパワーバラード「Every Time We're Together」があったりと……あれ、バラード多くね?

確かにバラードタイプの楽曲、多いです。だけど、アートワークからもわかるように、本作は全体的にダークな作風。バラードタイプの楽曲ですら、ダークかつヘヴィなテイストで、実はそこまでバラードが多いと気にならないんです。メタリックな楽曲が2曲、3曲と続くと本当に重苦しくて、何度も聴くにはちょっとつらくなってしまうんですが、こうやって適度にバラードタイプの楽曲が挿入されることで“歌モノHR”として気持ち良く楽しめるわけです。全11曲で44分程度というトータルランニングも近作同様で、この長さならヘヴィな作風でも繰り返し聴けてしまう。

もしここ数作で「NICKELBACK、日和ったなぁ」とがっかりしていた人がいたら、迷わず本作を手に取ってほしいです。間違いなく、「あの頃のNICKELBACK」がここにいるはずですから。しかも、あの頃よりもさらにパワーアップした姿で。



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投稿: 2017 06 30 12:00 午前 [2017年の作品, Nickelback] | 固定リンク

2014年12月16日 (火)

Nickelback『No Fixed Address』(2014)

カナダの国民的ロックバンドによる、前作「Here And Now」から3年ぶりの8thアルバム。2013年発売のベストアルバム「The Best of Nickelback Volume 1」を区切りに長らく在籍したRoadrunnerから離れて、ユニバーサル系列のRebublicに移籍して最初の作品となります。

このバンドに対しては前々作にあたる2008年の6thアルバム「Dark Horse」の頃が個人的なピークで、前作「Here And Now」はそれほど聴き込んだ記憶がなくて。だからのちに発売された「The Best of Nickelback Volume 1」を聴いて、「ああ、こんな曲あったね」と思い出す程度でした。

そんな中、先行公開されたシングル「Edge of a Revolution」を最初に聴いて「お、今回は好みかも……」と期待したんです。どことなくリズミカルさを感じさせるテンポと適度にヘヴィなサウンド、そして耳に残るキャッチーなメロディ。“これぞスタジアムロック!”な「Edge of a Revolution」に続いて公開されたバラードナンバー「What Are You Waiting For?」は、サウンド的には新たな可能性を感じさせるパワーバラードで、「新作は従来の王道さにモダンな色合いを加えた感じになるのかな?」と予想しました。

で、実際に聴いたアルバムは、自分が予想していた以上にバラエティに富んだ作風に仕上がっていました。オープニングを飾る「Million Miles an Hour」から「Edge of a Revolution」、そして「What Are You Waiting For?」という冒頭の流れからは先に書いたような「モダンな要素を加えた王道スタジアムロック」がその後も続くのかと想像したのですが……女性コーラスを取り入れたファンキーな「She Keeps Me Up」、ラッパーのフロー・ライダーをフィーチャーしたブラスサウンドが印象的な「Got Me Runnin' Round」(どことなくサンタナとのコラボ曲を彷彿とさせる)みたいな新境地的楽曲が飛び出し、驚かされます。また従来路線のハードロックナンバー、バラード含め全体的にボーカルへのエフェクトやエレクトロ調の色合いを加えたアレンジが施されており、ヘヴィな楽曲にもソフトな色合いが感じられ、ぐっとAOR的な色合いも強まったかな?という気もしました。

一見とっ散らかっている印象もあるんですが、通して聴いたときはそこまで違和感はなく、むしろ最後までサクッと聴けてしまったかなと。11曲で43分というトータルランニングも程よいし。確かに「Dark Horse」までの作品、いや前作「Here And Now」と比べるとおとなしくて地味な印象なんですが、そこまで悪くない気もする。単純に好みもあるとは思いますが、人によってかなり評価が分かれる1枚かもしれません。僕にとっては前作以上に聴き返す機会が多い作品ですけど。あとはライブでどう印象が変わるのか……早くデカい会場で爆音で聴きたいですね。



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投稿: 2014 12 16 10:53 午後 [2014年の作品, Nickelback] | 固定リンク