カテゴリー「Night Ranger」の18件の記事

2022年11月 1日 (火)

V.A.『IMMORTAL RANDY RHOADS - THE ULTIMATE TRIBUTE』(2015)

2015年3月3日にリリースされた、ランディ・ローズ(G/ex. OZZY OSBOURNE、ex. QUIET RIOT)のトリビュートアルバム。日本盤は同年3月25日発売。

ランディのトリビュートアルバムは、過去にオジーの楽曲のみを集めた『RANDY RHOADS TRIBUTE』(2000年)が発表されていますが、今作は1970年代のQUIET RIOT時代の楽曲も含む選曲。また、前作がピュアなHR/HM系アーティストによるものなら、今作はランディと同時代に登場したミュージシャンや活動を共にしたアーティスト、90年代以降のモダンなメタルを奏でるミュージシャンなど、より幅広さを感じさせる人選となっています。

まあとにかく、オープニングの「Crazy Train」を聴いて多くのリスナーがひっくり返るのではないでしょうか。だって、ボーカルがサージ・タンキアンSYSTEM OF A DOWN)、ギターがトム・モレロRAGE AGAINST THE MACHINE)ですからね。正統派メタルリスナーやランディを妄信的に愛する方からは非難の嵐じゃないかな(苦笑)。ただ、個人的にはサージのボーカルにはオジー愛を感じたし、トムのギターもただコピーするんじゃなくて自分らしさを貫きながらランディのスタイルを表現しようとする強い意志も伝わりましたが、いかがでしょうか。

その後も、シンガーはオジーやケヴィン・ダブロウをコピーしつつ(ほとんどティム・リッパー・オーウェンズですが。笑)、ギタリストたちはランディの印象的なフレーズを随所に残しつつ、各々の個性を発揮させる。原曲レイプだ、けしからん!と怒る気持ちもわかりますが、だったらそもそもトリビュートアルバムだのカバーアルバムだの聴かないほうがいいし、これくらい遊んでくれるから聴きがいもあるわけで。個人的にはどれくらい原曲を“壊す”かが楽しみなわけで、そういう意味では本作は……ギターに関しては及第点だけど、それ以外のパートや楽曲アレンジに関しては普通すぎるかな。

そんな中、己を突き通しまくるチャック・ビリー(TESTAMENT)による「Mr. Crowley」が、サージ歌唱の「Crazy Train」並みによかったな。この曲では、今は亡きアレクシ・ライホ(G/BODOM AFTER MIDNIGHT、ex. CHILDREN OF BODOM)の泣きまくりギターも楽しめるので、なお良し。あと、ジョエル・ホーケストラ(G/WHITESNAKE)が頑張りまくりの「Killer Girls」も悪くなかったな。

逆に、実際にオジーバンドに在籍した経験を持つガス・G.(FIREWIND)による「Goodbye To Romance」や、ブラッド・ギルス(NIGHT RANGER)による「Suicide Solution」が、ランディ云々よりも自分らしさ全開なのが笑えます。特にガス・G.、君はやりすぎだ(笑)。

まあ、あれです。こういったカバーアルバムやトリビュートアルバムはマジになりすぎないのが一番。笑いながら「お、意外と良いじゃん」「いやいや、それはないでしょ」とかツッコミ入れつつ楽しむのが、精神衛生上もっとも好ましいと思います。

なお、本作はサブスクでも配信されていますが、2015年のCD/アナログ盤と曲順が若干異なっているのでご注意を(オリジナルの曲順はこのあたりでご確認いただけます)。

 


▼V.A.『IMMORTAL RANDY RHOADS - THE ULTIMATE TRIBUTE』
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2022年10月24日 (月)

NIGHT RANGER 40th ANNIVERSARY TOUR@昭和女子大学 人見記念講堂(2022年10月21日)

Img_6169 前回NIGHT RANGERのライブを観たのは、2017年10月の35周年ジャパンツアー。その後、2019年に1stアルバム『DAWN PATROL』(1982年)&2ndアルバム『MIDNIGHT MADNESS』(1983年)完全再現ライブでも来日していますが、こちらはギリギリまでスケジュールの調整がつかず、気づいたらチケット完売という状況だったため観ておりません。

ということで、前回からちょうど5年ぶり。今回も周年ライブを拝見することになってしまいました。

前回観たジャパンツアーファイナルが通算59回目の日本公演でしたが、今回は新たなジャパンツアーの初日で通算77回目……え、前回から日が経ってないけど18回もライブしてる?(調べてみたら、2019年は東京3回、大阪1回の計4回……こうなると、前回の59回目も怪しいな。苦笑→Wikiによると、この日で70回目らしい。あながち間違ってないけど、そもそも前々回の59回目というのが間違っていたのか)

まあ、気を取り直して。元メンバーのジェフ・ワトソン(G)が大変な状況ではありますが(リンク先、グロ画像注意)、現在はジャック・ブレイズ(Vo, B)、ブラッド・ギルス(G)、ケリー・ケイギー(Vo, Dr)、エリック・レヴィー(Key)、ケリ・ケリー(G)という編成で7年近くにわたり活動しており、この布陣ではこれが4度目のジャパンツアー。最近の海外公演のセットリストを調べてみると、前回観たときよりもコンパクトな内容になっていて、日本公演もこれに準ずる形か、あるいは数曲追加した形になるのか……ということで、何が来てもいいような心算でツアー初日に臨みました。

仰々しいオープニングSE(「Don't Tell Me You Love Me」イントロのオマージュ)に続いて、ライブは「(You Can Still) Rock In America」から元気よくスタート。最高に盛り上がる1曲だしオープニングに持ってくるのはいいけど、普段アンコールの最後に演奏される楽曲だけに「じゃあ今日は最後に何演奏するの?」といきなり不安になりましたが、最終的にはそんなことどうでもなるくらいに滾りました。

Img_6174 ジャック、コロナとか関係なしにいつもどおりに煽るのですが……みんな歌うわ騒ぐわで、完全に「コロナ禍前」に戻ってる。念のために書いておくと、主催からは「公演中、歓声・歌唱・声援はできません。拍手や手拍子にとどめ、飛沫・空気感染を感じるような方法での鑑賞はお控えください」とのお達しが事前に出ており、声出し解禁というアナウンスは一切出ておりません。大丈夫か……といきなり不安になったのは言うまでもありません。

ここで声出しポリス的なことをするつもりはありませんが、あの会場にいたのはこの2〜3年一度もライブに足を運んだことがなかった、日常的にライブ慣れしていない大人の皆さんばかりだったのかな?(ここまでにとどめておこう)

再び気を取り直して。セトリ的には5年前に観たものをよりコンパクトにした内容で、『GREATEST HITS』(1989年)をベースにDAMN YANKEESの二大ヒット+新作『ATBPO』(2021年)から1曲。特に初日ということもあり、これがツアーのベースとなる曲目なのかなといったもので、いつもどおりっちゃあいつもどおり。特段驚きもなく、目新しさ皆無(なんなら「Breakout」以外は5年前に観た公演で演奏された曲と丸かぶりかも)。ですが、やっぱり2020年初頭以来の海外HR/HMバンドのライブとあって、気持ち的にはグワーっと盛り上がるわけです。

2日目以降は「Breakout」以外の新曲(「Bring It All Home To Me」)を披露したり、「Growin' Up In California」や「High Road」といった近年の楽曲も演奏したようですね。羨ましい。2日目以降はお客さんの声出し、どんな具合だったんでしょうね(声出しポリス発動)。

見慣れた光景、聴き慣れた楽曲ということで、改めて特筆しておくべきポイントはそんなにないかな。ただ、ケリ・ケリーが前回以上にバンドに馴染んでいたことと思った以上にテクニシャンという事実(「(You Can Still) Rock In America」ではジェフ・ワトソンのパートを完全再現してくれたし)に気づけたのは、大きな収穫だったかな。あと、「Night Ranger」の中盤にドラムソロをフィーチャーするんだけど、ここでケリー以外のメンバーが一度ステージから捌けて、それぞれドラムスティックを持って再登場し(ケリのみ狼?の被りものも)、5人でひとつのドラムセットを叩きまくる演出は和気藹々としていてよかった。それから、アンコールという概念をなくし、名バラード「Sister Christian」でドラマチックに締めくくる構成も嫌いじゃないです。予定調和をなくし、90分1本勝負で挑んだ純度120%のUSハードロックショー、素敵じゃないですか。

ライブの内容は文句なしだったけど、お客さんの姿勢にいささか疑問が残り、終わったあと若干の消化不良を起こしたことも付け加えておきます。あくまで記録としてね。

個人的には、もう声出し解禁してもいいと思っているけど、決まりがある中で行われている以上、守れるところは守っておかないと。最終的にはアーティスト側にツケが回るわけですから。そこはなにとぞ、ね。

【セットリスト】
01. (You Can Still) Rock In America
02. Four In The Morning
03. Seven Wishes
04. Sing Me Away
05. Coming Of Age [DAMN YANKEES cover]
06. Breakout
07. Sentimental Street
08. Passion Play
09. The Secret Of My Success
10. Night Ranger
11. High Enough [DAMN YANKEES cover]
12. Goodbye
13. When You Close Your Eyes
14. Don't Tell Me You Love Me
15. Sister Christian

 

 


▼NIGHT RANGER『ATBPO』
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2022年7月19日 (火)

DAMN YANKEES『DON'T TREAD』(1992)

1992年8月11日にリリースされたDAMN YANKEESの2ndアルバム。日本盤は同年9月25日発売。

DAMN YANKEESはジャック・ブレイズ(Vo, B/当時ex. NIGHT RANGER)、トミー・ショウ(Vo, G/ex. STYX)、テッド・ニュージェント(Vo, G)、マイケル・カーテロン(Dr/LYNYRD SKYNYRDなど)という70〜80年代に一世を風靡したバンドのメンバーで構成された“スーパーグループ”。デビューアルバム『DAMN YANKEES』(1990年)は「Coming Of Age」(全米60位)、「High Enough」(同3位)、「Come Again」(同50位)のヒットも手伝い、最高13位/ダブルプラチナム(200万枚)の大ヒットを記録しました。

前作から2年半ぶりに届けられた2作目は、基本的にデビューアルバムの延長線上にある作風。引き続きロン・ネヴィソン(HEARTSURVIVOREUROPEなど)がプロデュースを手がけた、非常に高品質なアメリカンハードロックアルバムに仕上がっています。ただ、前作が80年代の空気を孕んだ質感だったのに対し、今作は若干ヘヴィネスさが強調された90年代らしい方向性と言えなくもありません。

例えば、オープニングを飾るグルーヴチューン「Don't Tread」や続く「Fifteen Minutes Of Fame」のように、同系統のミドルチューンを冒頭に並べるあたりも、時代と言えなくもないのかなと。また、どちらの曲も5分前後と比較的長めで、演奏面に特化したアレンジが施されている(テッド・ニュージェントによるギターソロも大々的にフィーチャーされていますしね)。

また、前作でパワーバラード「High Enough」が大成功を収めたこともあり、全11曲中2曲(「Where You Goin' Now」「Silence Is Broken」)、もっと言えば「Someone To Believe」もバラード寄りなので3曲とカウントできなくもない(まあ「Someone To Believe」は「Come Again」タイプですけどね)。当時のレコード会社の意向なのか、なんだかNIGHT RANGERと同じ道を進みそうな気がして、当時はヒヤヒヤしたことを覚えています。

「Firefly」や「Uprising」のようなアップチューンも含まれているものの、やはり全体的には上記の「Don't Tread」を筆頭としたミドルチューンとバラード調楽曲の印象が強く、もうちょっとバランス感が良かったデビューアルバムと比べてしまうと若干のマンネリ感も否めない。個々のエゴが強まったぶん、バンドとしての調和が以前ほど取れなくなってきた結果が、このアンバランスさにつながったのかもしれません。

1曲1曲を取り出せば良い曲も多く、NIGHT RANGERを筆頭とするAORや産業ロック寄りの音が好みのリスナーならスッと入っていける作品ではないでしょうか。あと、前作以上にクリアでダイナミックなサウンド/音質は特筆しておきたいなと。このへんはミックスを手がけたクリス・ロード-アルジ(マドンナプリンスMY CHEMICAL ROMANCEMUSEなど)の手腕によるものが大きいのでしょう。良い意味で時代を感じさせない質感なので、今の耳にも合っている気がします。

残念ながら、このアルバムを最後にバンドは活動休止。その後何度かスポット的に復活していますが、継続的な活動は望めず、今のところ本作がラストアルバムとなっています。

 


▼DAMN YANKEES『DON'T TREAD』
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2022年7月13日 (水)

NIGHT RANGER『HIGH ROAD』(2014)

2014年6月10日にリリースされたNIGHT RANGERの10thアルバム(“MOON RANGER”と呼ばれる特殊編成で1995年にリリースした『FEEDING OFF THE MOJO』を含めると11枚目)。日本盤は同年5月21日先行発売。

ジャック・ブレイズ(Vo, B)、ケリー・ケイギー(Vo, Dr)、ブラッド・ギルス(G)、ジョエル・ホークストラ(G)、エリック・レヴィー(Key)という布陣による、『SOMEWHERE IN CALIFORNIA』(2011年)に続く2作目のスタジオアルバム。原点回帰ともいえる王道アメリカンハードロックが展開された前作の流れを汲む作風で、前作の79位には及ばなかったものの全米で最高105位という数字を残しています。

タイトルトラック「High Road」に見られるように、全体を通してミディアムテンポ中心で若干落ち着いた感が強いテイストですが、1曲1曲の作り込みは前作以上。どの曲も基本的にジャック/ブラッド/ケリーのオリメン3人によるもので、ジョエルは「I'm Coming Home」「L.A. No Name」の2曲のみ、エリックは「Don't Live Here Anymore」「Only For You Only」「Brothers」の3曲に名を連ねています。

王道感の強いポップロック調のタイトルトラック、ミドルテンポのハードロック「Knock Knock Never Stop」と序盤はアゲるテイストではないものの、3曲目「Rollin' On」での起伏に富んだアレンジで一気に熱量が高まる。バラードとまではいかないムーディーな「Don't Live Here Anymore」、比較的アップテンポ寄りのポップロック「I'm Coming Home」と、前半はかなりバラエティに富んだ楽曲が並びます。なんとなくですが、印象的には3作目『7 WISHES』(1985年)に似ているような。ただ、バラードで勝負している感があまり前面に出ていないところは今作の良いところかな。

後半は豪快なロックチューン「X Generation」で勢いを付けたかと思うと、彼ららしいピアノバラード「Only For You Only」でワンクッション起き、ミドルヘヴィの「Hang On」、流麗なギターフレーズが耳に残るハードチューン「St. Bartholomew」、ビートルズチックなサイケさをはらんだポップバラード「Brothers」とジョエルのアコギプレイを全面にフィーチャーしたインスト「L.A. No Name」でしっとりと締めくくります。

全体を通して「あれ、このフレーズ聴いたことあるぞ?」と思う瞬間が多々あるものの、どれも単なる焼き直しでは済まない良質な仕上がりで、前作で再び手に入れた“NIGHT RANGERらしさ”を見事に更新できているのではないでしょうか。今聴くと、実は何気に完成度の高い良盤であることに気付かされます。

ただ、リリースから間もなくしてジョエルが突如バンドを脱退し、WHITESNAKEに移籍するというひと波乱が起こり、このアルバムやジョエルに対してネガティブな感情が付いて回るようになりました。それもあって、しばらく本作に対して正当な評価を下せていなかった気がします。これは再結成後のアルバムで3本指に入る良作。ごめんよジャック、ケリー、ブラッド、エリック(ジョエルには謝らないスタイル)。

 


▼NIGHT RANGER『HIGH ROAD』
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2022年5月20日 (金)

SKILLS『DIFFERENT WORLDS』(2022)

2022年5月13日にリリースされたSKILLSの1stアルバム。

このバンドはブラッド・ギルス(G/NIGHT RANGER)、ビリー・シーン(B/MR. BIGSONS OF APOLLOなど)、デヴィッド・ハフ(Dr/GIANT)、レナン・ゾンタ(Vo/ELECTRIC MOB)によって結成されたスーパーバンド。テクニック的に文句なしのブラッド、ビリーに安定したサポート力を誇るデヴィッド、そしてブラジルの気鋭シンガーという4人が揃ったことで、この「名は体を表す」ストレートなバンド名が用いられたのでしょうか(だとしたら、いろんな意味で嫌味にも取れますが)。

技巧派のストリングス隊が揃ったことで、テクニック至上主義かプログメタル的なスタイルを重視するのかと思いきや、意外にもその楽曲重視の姿勢に、まずアルバムを聴いて驚かされることでしょう。それもそのはず、ソングライターとしてアレッサンドロ・デル・ヴェッキオやピート・アルペンボルグといった強力な布陣が楽曲提供しており、Frontiers Records総出で「よし、メタルファンから小金ぶんどってやるぞ」という前向きな姿勢(笑)が伝わってきます。

まあ、冗談はさておき。いわゆる産業ロック/産業メタル的な作り込まれた楽曲(比較的哀愁味の強いナンバーばかり)を中心に、アレンジとして適度にテクニカルなギター(いかにもブラッドらしいフレーズやプレイ)を散りばめ、リズムは比較的地味めに曲を支える側に回り(その中でもビリーのベースは、その音色を聴けば彼とわかるほど個性的ですが)、その演奏の上を1970年代的なソウルフルシンガーが歌い上げる。なんなら、味付けとして心地よく響くオルガンも重ねちゃおう……ってなもんで、寸分の隙も感じられないほど、しっかり計算し尽くされた楽曲群がずらりと並びます。ヘヴィメタルというよりはハードロック、しかも70年代の香りをさせた1980年代の王道メロディアスハードロック。好きな人にはたまらない1枚ではないでしょうか。

どの曲も3〜4分台と、この手のバンドにしてはコンパクトで聴きやすいし、そこも含めて計算が伝わる。あまり「計算、計算」と言うとネガティブに捉えられるかもしれませんが、もちろん良い意味で使ってます。要するに、文句の付けどころがないんです。マイナーキーの楽曲続きのところ、中盤に用意されたメジャーキーのハードポップ「Show Me The Way」も良いアクセントになっていますし、王道のパワーバラード「Just When I Needed You」も非常に良曲。まったく破綻が感じられない優等生的な1枚だと断言しておきます。

でも、だからこそ物足りなさも感じるというのが正直な気持ち。良いことには違いないんだけど、このメンツだからこその“プラスアルファ”が欲しかったかな。そこがいわゆるメンバー主導のバンドと作られたバンドの違いなのかな(いや、作られたバンドかどうかは知らんですが)。せっかく随所に派手なプレイを用意しているのに、それが地味に聞こえてしまうぐらい全体のまとまり/バランスが良すぎて、あまり耳に残らない。なぜなんでしょうね、これ。

安定を求めるリスナーには100点満点な内容なんでしょうけど、今の自分には無難すぎてあまり強く響かなかった。その完成度の高さから万人を満足させそうですが、実は聴く人を選ぶ1枚かもしれません。

 


▼SKILLS『DIFFERENT WORLDS』
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2022年2月11日 (金)

OZZY OSBOURNE『SPEAK OF THE DEVIL』(1982)

1982年11月27日にリリースされたオジー・オズボーン初のライブアルバム。日本盤は同年12月に、『悪魔の囁き』の邦題で発売。

1982年3月19日、バンドメンバーのランディ・ローズ(G)が飛行機事故で急逝し、失意のどん底に叩き落とされたオジー。ランディが亡くなる前からBLACK SABBATH時代の楽曲のみで構成されたライブアルバム制作は予定されていたそうですが、その後ランディの後任としてバーニー・トーメが一時的にライブでサポートしたのちに、当時NIGHT RANGERでのデビューを控えたブラッド・ギルスがバンドに加わり、1982年9月26、27日に本作の音源が収録されたニューヨークのThe Ritzでの公演が行われました。

バンドメンバーはオジー(Vo)、ブラッド(G)、ルディ・サーゾ(B)、トミー・アルドリッジ(Dr)という布陣。実際のライブではオジーのソロ曲も披露されていますが、アルバムには当初の計画どおりサバスナンバーのみが収められています。ランディ在籍時からオジーのライブではすでに「Iron Man」「Children Of The Grave」「Paranoid」といったサバス曲は披露済みで、その様子はのちに発表されたライブアルバム『TRIBUTE』(1987年)などでも確認できます。

プロデュースおよびミックスは直近のスタジオアルバム『DIARY OF A MADMAN』(1981年)を手がけたマックス・ノーマンが担当。質感的にはかなり近いものがありますが、オジーのソロ曲には合っているこのプロダクションもサバス曲にはちょっと軽すぎる印象も。というよりも、ルディ&トミーのリズム隊が軽すぎるのと、ブラッドのギターワークがメタリックではないことが、アルバム全体の軽さに影響を与えているような気がしてなりません。

ブラッドのギタープレイは原曲に忠実ながらも、随所にアーミングを多用した彼らしい“遊び”が取り入れられており、これはこれで面白いのですが、もうちょっと深く歪ませてもよかったんじゃないかなと(まあ、それじゃあブラッドらしくないという話もありますが)。この時点でNIGHT RANGERへ戻ることは間違いなかったので、彼は彼なりに仕事に徹しただけなんでしょう。そういった意味では及第点かなと思います。

ルディのベースも頑張ってはいるものの、はやり原曲を弾くギーザー・バトラーのプレイと比較してしまうと物足りなさを感じてしまう。そして、問題なのはトミーの軽やかなドラミング。これまでさまざまなバンドで彼らのパフォーマンスを観てきましたが、手数の多さで派手さを演出するタイプなのでサバスのようにシンプルなプレイで重さを表現する楽曲にはそもそも合っていないのかもしれません(オジーソロはヘヴィさもあるものの、楽曲自体がポップかつキャッチーなのでかろうじて適していたようですが)。

とはいえ、選曲自体はサバスの1stアルバム『BLACK SABBATH』(1970年)と2ndアルバム『PARANOID』(1970年)という代表作からの楽曲中心(メドレー含む全13曲中7曲)で、そこに「Sympton O The Universe」や「Snowblind」「Sweet Leaf」「Never Say Die」などオジーらしいセレクトが含まれており、これがオジーがイメージするBLACK SABBATH像なのかなと興味深いものがあります。本作発売から半月後にはロニー・ジェイムズ・ディオを加えた本家サバスも『LIVE EVIL』(1982年)というライブ作品を発表しており、そちらに含まれるオジー在籍時の楽曲がすべて『SPEAK OF THE DEVIL』にも含まれていることを考えると、オジー側とトニー・アイオミ(G)側の初期サバス像はほぼ一緒なのかもしれませんね。

なお、本作は1995年にリマスタリングされ、アートワークを一新した形で再発(下記ジャケ写がそちら)。しかし、2002年に新たなリマスター処理が施されたリイシュー企画の際には廃盤扱いとなり、以降もオフィシャルカタログ外扱いとなっています。日本盤もすでに廃盤状態で、1995年リマスターCDを輸入盤で購入することができるものの、デジタルリリースおよびストリーミング配信は国内では未実施。海外のストリーミングサービスを調べてみても、Spotifyでは引っかかるものの、Apple Musicでは未配信のようです。オジーが歌うサバス曲はサバス本家を聴けばいいわけですが、ブラッド・ギルスが弾くサバス曲はここでしか聴けないので、NIGHT RANGERファンと一部の奇特なリスナーの皆さんはぜひ輸入盤購入でチェックしてみてはどうでしょう。

 


▼OZZY OSBOURNE『SPEAK OF THE DEVIL』
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2022年2月 8日 (火)

NIGHT RANGER『MIDNIGHT MADNESS』(1983)

1983年10月26日にリリースされたNIGHT RANGERの2ndアルバム。

シングルカットされた「Don't Tell Me You Love Me」(全米40位)、「Sing Me Away」(同54位)のスマッシュヒットも手伝い、デビューアルバム『DAWN PATROL』(1982年)が全米38位まで上昇。これを受け、ちょうど1年という短いスパンで届けられたのがこの2ndアルバムでした。

プロデューサーには前作から引き続きパット・グラッサー(GIUFFRIAなど)を迎えて制作された本作。基本的な作風は前作の延長線上にあるのですが、楽曲の洗練度がより増したこと、かつ各プレイヤー陣の個性がより際立ったことにより、その完成度の高さは前作以上のものに。さらに洗練された3rdアルバム『7 WISHES』(1985年)とバンドの原点である1stアルバムの中間に位置する、非常にバランス感に優れた力作に仕上がっています。

アルバム冒頭を飾る代表曲「(You Can Still) Rock In America」を聴けば、ソングライティング面やメッセージ性、そして各プレイヤーの力量含めNIGHT RANGERのすべてが伝わるはず。とにかく聴きどころ豊富な1曲で、ブラッド・ギリス(G)とジェフ・ワトソン(G)というスター性豊かで個性のまったく異なるギタリストの魅力がしっかり理解できることでしょう。もちろん、ジャック・ブレイズ(B, Vo)という類い稀なるフロントマンの才能も同様で、サビ前の〈They Gonna Rock it! Rock it! Rock it!〉で聴けるシャウトなんて最高の一言ですよね。

そんな爽快感の強い1曲を経て、浮遊感の強いギタープレイをフィーチャーしたミディアムナンバー「Rumours In The Air」(これも名曲)、VAN HALENチックなギターリフが特徴的な攻めの「Why Does Love Have To Change」、ケリー・ケイギー(Dr, Vo)のボーカルを存分に活かしたセンチメンタルなバラード「Sister Christian」、ライブのオープニングを飾ることの多いダイナミックなハードロック「Touch Of Madness」、AOR調の空気感が絶妙なバランスを誇る「Passion Play」、このバンドのポップサイドが最良の形で表現された「When You Close Your Eyes」、オープニングのツインリードギターがひたすらカッコいい「Chippin' Away」、アコースティックギターとシンセの絡み、そして2人のシンガーのハーモニーが非常に心地よい「Let Him Run」……と、全9曲/39分があっという間に感じられるほどの充足感を味わえる。問答無用の1枚です。

本作からは「(You Can Still) Rock In America」(全米51位)、「Sister Christian」(同5位)、「When You Close Your Eyes」(同14位)というヒットシングルを生み出し、アルバム自体も最高15位まで上昇。売り上げ100万枚を超えるヒット作になり、バンドの知名度を一気に引き上げることに成功します。しかし、バラードやポップサイドの楽曲がシングルヒットしたことが、次作以降バンドを大いに悩ませることになるのでした。

個人的な思い入れの強さはリリース時にリアルタイムで触れた『7 WISHES』に譲りますが、このバンドの入門編としては本作が最良。ヘヴィ側にもポップス側にもギリギリ振り切らない、バランスに優れた産業ハードロックの傑作だと断言しておきます。

 


▼NIGHT RANGER『MIDNIGHT MADNESS』
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2021年8月 7日 (土)

NIGHT RANGER『ATBPO』(2021)

2021年8月6日にリリースされたNIGHT RANGERの12thアルバム(“MOON RANGER”による1995年発売『FEEDING OFF THE MOJO』を含めたら13枚目)。

ここ数作はメンバが安定しない印象があったNIGHT RANGERでしたが、前作『DON'T LET UP』(2017年)からケリ・ケリー(G/ex. VINCE NEIL、ex. RATT、ex. WARRANT、ex. L.A. GUNSなど)が加わったことで、ようやくバンドとしても安定感が増したような気がします。思えばジョエル・ホークストラ(G)突然の脱退を経て、ケリがサポート参加してからすでに7年経ちますからね(この編成ですでに3度も来日していますし)。

さて、前作から4年4ヶ月ぶりの新作に当たる今作。タイトルの『ATBPO』は「And The Band Played On(そしてバンドは演奏を続けた)」の頭文字を取ったもので、このコロナ禍だからこそのタイトルと言えるでしょう。基本的なスタイルは9thアルバム『SOMEWHERE IN CALIFORNIA』(2011年)から一貫した“古き良きアメリカンハードロック”……つまり80年代のNIGHT RANGERを21世紀に継承したもの。特に今作はその純度が異様に高く感じられ、力強いビートの「Coming For You」を筆頭に、ブラッド・ギルス(G)&ケリのツインリードが心地よい疾走チューン「Breakout」、キャッチーなポップロック「Hard To Make It Easy」、厚みのあるハーモニーも印象的なアコースティックバラード「Can't Afford A Hero」など、このバンドに求める要素がすべて揃っています。

まったく衰えを感じさせないジャック・ブレイズ(Vo, B)&ケリー・ケイギー(Vo, Dr)のボーカルも、個性的なアーミングプレイを随所にフィーチャーしたブラッドのギターも、本作ではもちろん健在。そのギタープレイ含め、ケリの個性も前作以上に際立ち始めた印象も受けますし、何より40年選手らしい大人の余裕も随所から伝わる。やんちゃさが目立った80年代と大きく異なるのはその点でしょうか。しかし、その余裕すら本作では心地よく感じられる。キャッチーでメロディアスな王道アメリカンハードロックの教科書のような1枚と言えるのではないでしょうか。

『DAWN PATROL』(1982年)や『MIDNIGHT MADNESS』(1983年)、『7 WISHES』(1985年)での要素はもちろんのこと、『BIG LIFE』(1987年)もなかったことにしていない……そんなNIGHT RANGERの歴史を総括したような珠玉の1枚、悪いわけがありません。思えばコロナ直前の2019年には『DAWN PATROL』&『MIDNIGHT MADNESS』完全再現ツアーをやりましたし、良い意味で原点回帰できたのかもしれませんね。

 


▼NIGHT RANGER『ATBPO』
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2020年2月 9日 (日)

REVOLUTION SAINTS『RISE』(2020)

2020年1月下旬にリリースされたREVOLUTION SAINTSの3rdアルバム。日本盤は当初の予定より約1ヶ月遅れ、同年2月後半に発売予定です。

REVOLUTION SAINTSは再結成後のJOURNEYにスティーヴ・スミス(Dr)の後任として加入し5枚のオリジナル作品に参加したディーン・カストロノヴォ(そのほかBAD ENGLISHHARDLINEなどでも活躍)がボーカルを務め、NIGHT RANGERのジャック・ブレイズ(B, Vo)、THE DEAD DAISIESやBURNING RAINに在籍し、過去にはLIONBAD MOON RISINGWHITESNAKEDIOなどでも活躍したダグ・アルドリッチ(G)の3人で2014年に結成したスーパーグループ。これまでに『REVOLUTION SAINTS』(2015年)、『LIGHT IN THE DARK』(2017年)と2枚のアルバムを発表しています。

JOURNEY時代にもアルバムやライブでボーカルを披露し、その“らしさ”と歌唱力の高さでファンを驚かせたディーン。このバンドでは、その素晴らしい魅力が余すところなくフィーチャーされています。

以前もいろんなところで書いてきましたが、80年代から90年代前半にかけて登場したこの手のスーパーバンドって意外と長続きしないんですよね。理由のひとつとして挙げられるのは、過去のバンドで成功したメンバーたちによるエゴのぶつかり合い。あとはお金(笑)。ところが、ここ最近は2枚目、3枚目と長続きするスーパーバンドも増えている。それは、以前のように「1人1バンド」みたいな過去の常識が通用しなくなり、別に複数のバンドに籍を置いてもいいんだという風潮が当たり前になったことも大きいのでしょう。上に書いたように、ジャックは現在もNIGHT RANGERのメンバーですし、ダグに至ってはディーンとTHE DEAD DAISIESとしても活動しているわけですから。

そんなこのバンド。実は影の功労者が存在します。正式メンバーではないものの、レコーディングやツアーには必ず参加し、アルバムのプロデュースまで手掛けるアレッサンドロ・デル・ヴェッキオという人物。実はこれまでのアルバム収録曲すべてのソングライティング・クレジットに彼の名前が記されている(カバー曲を除く)ことから、REVOLUTION SAINTSはむしろ「アレッサンドロが書いたJOURNEYっぽい曲をディーンがスティーヴ・ペリーっぽく歌う」プロジェクトと呼ぶほうが正しいのかもしれません。

そんな本作ですが、オープニングの「When The Heartache Has Gone」から突っ走りまくってます。曲調といいシンセの音色といい、“あの頃のJOURNEY”。ぶっちゃけ、曲の完成度は過去2作より高まっているように感じます。しかも、バラードも含まれているけど基本的にはロックしまくりのスタイル。悪いわけがない。

適度なポップさが伴ったミドルナンバーとアップチューンが交互に飛び出す前半と、らしいピアノバラード「Closer」以降の緩急に富んだ構成。非常に聴きやすいです。しかも、曲によってはディーンとジャックのツインボーカルになっているし(ジャックがNIGHT RANGERのときほど声を張り上げていないのも好印象)、特に今回は曲によってはNIGHT RANGER色が強まっているのも興味深い。先の「Closer」なんて完全にそれですよね。かつ、アルバムラスト(ボートラ除く)のピアノバラード「Eyes Of A Child」がジャック&トミー・ショウの元DAMN YANKEES組による書き下ろし。そのほかにも、それっぽさが至るところに散りばめられているので、聴き込んでみると面白いかもしれません。

それにしても、本作でのダグのギタープレイ、素敵ですよね? THE DEAD DAISIESでもなかなか良いなと思っていたけど、本作におけるプレイはその比じゃないくらいに素晴らしい。実はダグってブルースベースのハードロックよりもこういったタイプのほうが合っているのかしら。

ということで、個人的にも非常のポイントの高い1枚。一回生で観てみたいです。

 


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2019年4月26日 (金)

NIGHT RANGER『DAWN PATROL』(1982)

1982年11月にリリースされたNIGHT RANGERのデビューアルバム。70年代末にファンクバンドRUBICONに参加していたブラッド・ギリス(G)、ジャック・ブレイズ(B, Vo)、同バンドのツアーメンバーだったケリー・ケイギー(Dr, Vo)を中心に、MONTROSEのメンバーだったアラン・フィッツジェラルド(Key)とその友人ジェフ・ワトソン(G)という5人でRANGERというバンドを結成し、のちに現在のNIGHT RANGERへと改名。デビュー前にはランディ・ローズ急逝後のオジー・オズボーンのバンドにブラッドが一時参加するなどして、知名度を上げてからのデビューとなりました。

アーミングを多用したストロングスタイルのプレイを聴かせるブラッドと、両手タッピングによる“8フィンガー”奏法が話題となったジェフという異なるタイプのギタープレイヤー、ジャック&ケリーのリズム隊がリードボーカルを務めるという異色のスタイル、なおかつ楽曲が適度にハードで歌メロがポップ、親しみやすいバラードも要するという絶妙なバランス感はこのデビュー作の時点ですでに完成の域に達しつつあります。

特にオープニング2曲「Don't Tell Me You Love Me」(全米40位)、「Sing Me Away」(同54位)を聴けば、このバンドの魅力の大半が伝わるんじゃないか……というのは言い過ぎでしょうか。でも、個人的にはそれくらいこのバンドの個性を端的に表した2曲だと思っています。

かと思えば、「Call My Name」のようなピアノバラードがあったり、「Eddie's Comin' Out Tonight」みたいにドラマチックなハードロックナンバーがあったりと、どの曲も個性が強い。次作『MIDNIGHT MADNESS』(1983年)以降、能天気なアメリカンロック色を強めていき、パブリックイメージ的にもそっち側とパワーバラードのバンドと印象付けることになってしまいますが、まだこのデビュー作の時点ではマイナーキーの楽曲でドラマチックさや仰々しさを打ち出している。「Can't Find Me A Thrill」なんて適度なメジャー(コード)感がありつつも泣きの要素が備わっているし、「Young Girl In Love」はそこまで能天気ってわけでもない。この感覚をもっと保ち続けてくれたら、その後の歴史もまた変わったんじゃないかな(と同時に、あそこまでヒットしなかったかもしれないけど)。

圧巻はラストの「Night Ranger」。スタジオ音源も素晴らしいですが、この曲は特にライブテイクが素晴らしく。ライブでこの曲をやってくれないと、個人的には非常にがっかりするくらい、個々のプレイヤーの個性が輝く1曲なんですよね。気になる人がいたら、ぜひYouTubeで同曲のライブ映像を探してみてください。

というわけで、ポップさでは次作以降より若干劣るものの、ハードさという点においてはキャリア中1、2を争う仕上がり。そりゃいきなり全米38位という好成績を残すわけです。

 


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