2018年9月24日 (月)

NOEL GALLAGHER'S HIGH FLYING BIRDS『WHO BUILT THE MOON?』(2017)

リアム・ギャラガーについて書いたのだから、ここはフェアにノエル・ギャラガーの新作についても書いておかねばいけませんね。

ということで、2017年11月にリリースされたNOEL GALLAGHER'S HIGH FLYING BIRDS名義による3作目のアルバムです。ノエルはさすがOASISのメインソングライター(そして「Don't Look Back In Anger」の歌い手)ということもあってか、ここまでの3作すべて全英1位を獲得しています。が、シングルは「Holy Mountain」(全英31位)、「It's A Beautiful World」(同77位)、「She Taught Me How To Fly」(同71位)と、リアム同様低調です。

レコーディングは相変わらず豪華で、ジェイソン・フォークナーがベースギターでほぼ全面参加しているほか、ポール・ウェラーがオルガンで、ジョニー・マーがギター&ハーモニカでゲスト参加しております。

打ち込みを積極的に導入しつつも、ベースになるのはやはりロックバンドによる生演奏。そのバンド感をしっかり活かしつつ、派手なロックンロールナンバーやグルーヴィーなソウルチューン、涙腺を刺激するバラードなど、いかにも“OASISのノエル”らしい仕事ぶりで従来のリスナーを楽しませてくれます。

特にこの新作では、プロデューサーのデヴィッド・ホルムスの影響もあってか、ロックンロール色よりもダンス色が強まっているような。「It's A Beautiful World」なんて、その色が顕著に表れた例ですよね。そこに中期〜後期OASISのサイケでリアが加わることで、「まだOASISが続いていたら、こんなスタイルのアルバムも作っちゃったのかも……」と思わされたり。それが良いか悪いかは別として。

ただ、考えてみたらノエルってOASIS在籍時からTHE CHEMICAL BROTHERSやゴールディとコラボしたり、昨年もGORILLAZのアルバムに参加したりと、意外とそっち方面にも積極的に踏み込んでいるんですよね。そりゃあ、こんな音に前向きだったとしても当たり前といいますか。ファンならそのへん、わかってあげたいという気持ちも無きにしも非ず。

従来のリスナー/ファンからは本作、過去2作ほど評価は高くないようですね。実際、セールス的にもどんどん落ちているようですし。が、個人的にはやっと“OASISの幻影を払拭できた”意欲作ではないかと考えています。もちろん“OASISらしさ”は自然とそこに残っているのですが、意識せずにそこを消すことをしなくても今のノエルがちゃんとにじみ出る。それが3作重ねることでようやく無意識でできるようになった。そんな過渡期にある1枚なのではないでしょうか。

個人的にはマンチェスター出身の自分のルーツをストレートに表した「She Taught Me How To Fly」と、“消せないものは消せないんだ”と実感させられる「The Man Who Built The Moon」が好き。ボーナストラックの「Dead In The Water」もOASIS時代のシングルカップリング曲の“隠れた名曲”感があって、お気に入りです。

そういえば、このアルバムのツアーからOASIS時代の盟友ゲム・アーチャー(G)が参加しているんですよね。サマソニ、観ておけばよかったかな(日程的に無理だったけど)。



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投稿: 2018 09 24 12:00 午前 [2017年の作品, Noel Gallagher's High Flying Birds, Oasis] | 固定リンク

2016年12月19日 (月)

THE MONKEES『GOOD TIMES!』(2016)

60年代にアメリカを中心に一世を風靡し、その後何度か再結成をしているTHE MONKEES。バンドの顔としてアイドル的人気を誇ったデイヴィ・ジョーンズが2012年に亡くなり、音楽的支柱だったマイク・ネスミスも脱退。現在はミッキー・ドレンツとピーター・トークの2人だけが正式メンバーですが、THE MONKEESをリスペクトするフォロワーたちの協力を得て、20年ぶりに完成させたオリジナルアルバムが今作です。そういった話題性もあったか、本作はビルボード200にて14位という好成績を残しています。

プロデュースにFOUNTAINS OF WAYNEのアダム・シュレシンジャーが参加。もちろん楽曲制作にも携わっており、この他にもアンディ・パートリッジ(XTC)、リヴァース・クオモ(WEEZER)、ベン・ギバート(DEATH CAB FOR CUTIE)、ノエル・ギャラガーポール・ウェラーといった錚々たる面々が楽曲提供。さらに60年代にレコーディングされたデイヴィ・ジョーンズのボーカルを活かした楽曲も含まれているだけでなく、レコーディングにはマイク・ネスミスも参加しています。ボーカルの比重の違いこそあれど、これはまさしく僕が洋楽原体験として聴き親しんだTHE MONKEESそのものなのです。

楽曲はどれも悪いわけがない。ハリー・ニルソンやニール・ダイヤモンドの楽曲も含まれているのですが、フォロワーたちがTHE MONKEESに新曲を書くと意気込んだこともあってか、いい意味でどれが新曲でどれがカバーかわからないくらいに充実しています。もっとも、各アーティストのファンが聴けば、どの曲もそれぞれのクセが散りばめられているので「これは誰の曲」とおわかりになると思いますが。

2016年にTHE MONKEESの新作が聴くことができたという事実もさることながら、その完成度の高さにただただ驚かされた1枚。2016年は個人的に非常に豊作でしたが、そんな1年を語る上で欠かせないアルバムと言えます。


こちらはリヴァース提供楽曲。らしさがありますね。


こちらはアンディ・パートリッジ先生の楽曲。本気度が違います。



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投稿: 2016 12 19 12:00 午前 [2016年の作品, Fountains of Wayne, Monkees, The, Noel Gallagher's High Flying Birds, Paul Weller, Weezer] | 固定リンク