DON BROCOは2008年に結成されたイギリス出身の4人組バンド。2ndアルバム『AUTOMATIC』が全英6位を記録するなど、本国ではすでに知名度のある存在ですが、日本デビューは前作『TECHNOLOGY』(2018年)にて。そこもおそらく、2017年にONE OK ROCKやMAN WITH A MISSIONといった国内バンドとの共演および来日が影響したといっても過言ではないでしょう(さらに2018年にはMWAM、coldrainとも共演済み)。
約3年8ヶ月ぶりに届けられた本作は、前作から引き続きジェイソン・ペリー(McFLY、KIDS IN GLASS HOUSES、THE BLACKOUTなど)&ジョン・ランカスター(BRING ME THE HORIZON、ONE OK ROCK、BLINK-182など)がプロデュース。ポストハードコアやオルタナティヴロックの影響下にあり、適度にエレクトロの味付けを施した現代的なラウドロックサウンドが展開されています。
① 同じアーティストのアルバムは複数枚選ばない(バンド/ソロは例外とする)
② 可能な限り今の自分の直感に従う(過去BEST OF企画の年間1位に選んだとしても今回も選ぶとは限らない。今の感覚で選ぶ)
③ 2枚同時発売など連作となっているものは例外として2枚選出も可(ガンズとかラルクみたいなね。ガンズは関係ないけど)
ミドルテンポの楽曲が軸で、先に挙げた要素を随所に織り交ぜつつも、聴けば「これぞワンオク!」と納得のいくものばかり。一聴するとどこかひんやりとした印象を受ける作風ながらも、その芯にはメラメラと燃える青白い炎が見え隠れする、聴くたびに新たな発見があるスルメ的魅力も備わっています。アヴリル・ラヴィーン(「Listen feat. Avril Lavigne」)や5 SECONDS OF SUMMER(「Take what you want feat. 5 Seconds Of Summer」)のゲスト参加も話題になるでしょうが、それ以上に1曲1曲の持つ熱量とエモさが勝る、今後のワンオクにとって間違いなく分岐点となる記念碑的作品集。個人的にはこの変化/進化を前向きに捉え、支持したいと思います。
なお、本作は海外向けにオール英語詞&一部楽曲差し替え対応したインターナショナル盤も同時制作&リリース。ALL TIME LAWのアレックスをフィーチャーした「Jaded feat. Alex Gaskarth」や、「Hard To Love」「American Girls」といった楽曲は本作のみで聴くことができるので、購入の際にはご注意を。