この手のバンドを全部『ロックンロール・リバイバル』の一言では片付けたくないよね‥‥そんなちっちゃい枠で括ってしまうには本当に勿体ない、活きのいいバンドがイギリスからドンドン登場してきてるんだから‥‥多分1~2年前だったら全部その類のバンドってことで片付けられてたんだろうけど、もういいよそんなの。聴いて「感じる」か「感じない」か、「クる」か「こない」かのどちらかじゃない全部?
というわけで、個人的に今年のイギリス出身の新人の中では(タイプこそ違えど)KEANE(このバンドも後に紹介しましょう)と共に大期待してるのが、今回紹介するTHE ORDINARY BOYSという4ピースバンド。こんかい取り上げる "Week In Week Out" は彼らにとって2枚目のシングルで、4月の上旬に発表されたばかり。そう、このバンド、今年の「SUMMER SONIC」で初来日を果たすことからその名前を知ったんだけど、この決定以前にリリースされていたファーストシングル "Maybe Someday" がなかなか手に入らなくて。で、気づいたら4月にこの "Week In Week Out" がリリースされてて‥‥迷わずゲットしてた、と。
プロデュースにスティーヴン・ストリート(THE SMITHSの諸作品やBLURのブリットポップ三部作、THE CRANBERRIES等)、ジャケットデザインに「STYLOROUGE」といった『判る人には判る』ツボ突きまくりの外部スタッフに囲まれ、恵まれた中でのリリースとなったこのシングル、出だしのリフを聴いた瞬間に一発で気に入ったのよ。出音が全てとはよく言ったもんだよね‥‥ホントその通り。
表題曲 "Week In Week Out" を判りやすく例えると、『モリッシーがTHE JAMに加入したかのような音』‥‥で何となく想像できるかな? バンドスタイルとしてはモッズ(バンド名じゃなくてスタイルの方ね)っぽくてかなりパワフル。ボーカルが弾いてるらしいオルガンの音が男っぽいサウンドに被さると絶妙。ボーカルがモリッシーっていうとちょっと弱っちいイメージがあるかもしれないけど、声はポール・ウェラーをもっと野太くしたような感じで、ちょっとした節回しがモリッシーっぽいというか。つうかさ、こいつら若いのに凄い玄人じみた色を醸し出してるんだよなぁ‥‥なんじゃこりゃ!?
で、一転してC/W曲の "Hand In Hand" は緩い感じのポップナンバー。こっちの方がちょっとだけTHE SMITHS色が強いかな?という気もするけど、やっぱ基本はモッズなんだろうか‥‥途中挿入されるエレピなんか聴いちゃうと、まんまそんな気がしてくるし‥‥オフィシャルサイトにある写真を観ると、確かにモッズっぽい印象もある‥‥んだけど、この金髪の長髪がボーカルかな‥‥違うわ、こいつはギターだ! で、如何にも「ポール・ウェラーから影響受けました!」っぽい空気を醸し出してる奴がボーカルなのか‥‥あー何か納得。このもっさりしたルックス(で、ギタリストが妙に浮いててカッコいい)も個人的にはツボ。うわー、どんなライヴやるんだろうか、こいつら。激しそうなのは判るんだけど‥‥こいつら目当てでサマソニに行ってしまいそうな予感。
アルバムの方は6月末にUK、日本は7月上旬にリリースされる予定になってます。ホント‥‥期待を裏切らないバンドだと思うよ、俺の中では(先日届いたファーストシングル "Maybe Someday" もこれまた激カッコよかったしさ)。昨今のガレージ/ロックンロール・リバイバルの枠には収まらない、括れないからこその魅力が満載‥‥な気がするんだけど。ま、シングル2枚聴いただけでここまで断言してしまうのもアレだけどさ‥‥サマソニ行こうって人は是非名前を覚えておいてよ。確実に今後ブレイクする新人のひとつだと思うからさ。
▼THE ORDINARY BOYS『WEEK IN WEEK OUT (EP)』
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