2003/07/02

ORIGINAL LOVE『踊る太陽』(2003)

  オリジナル・ラヴの新作を聴くのって、一体どれくらい振りだろう。多分、最後に買って聴いたオリジナルアルバムは「DESIRE」だから‥‥'96年ですか。ってことは‥‥まる7年振り!? そんなに経つのか‥‥俺が好きなオリジナル・ラヴのアルバムってのが、実は東芝時代のラスト作となった「風の歌を聴け」と、ポニーキャニオン移籍後1作目の「RAINBOW RACE」の2枚なんですよね。要するに、田島貴男のソロ体制へと移行していく過程で生まれた2枚。完全なるソロ作と言えるだろう「DESIRE」は当時、アクが強すぎると感じて苦手だったんだよなぁ(が、先日久し振りに引っ張り出して聴いてみたら、これがいいんですよ。何だかんだいって "プライマル" は名曲だしね)。

  で、それ以来疎遠になっていたオリジナル・ラヴ。この7年の間にリリースされたアルバムは1枚も聴いて来ていないし、せいぜいシングル曲はラジオやテレビで目にする程度。お金を出して買ってまで聴こうっていう気にはならなかったのね。

  ところが、この1年くらい、俺の周りでのオリジナル・ラヴ熱が結構高いんですよ。ま、切っ掛けはこの人なんですが、確かに耳にする曲全部がビビッとくるものばかりだったのね。でも、まだまだ俺の中で何かが燻ってて、手を出すまでに到らず。

  しかし、とうとう俺にアルバムを買わせるまでに心を動かす曲が登場するのですよ。それが先行シングル曲である"Tender Love"と"恋の彗星"。ゴージャスでセクシーな前者に、上で挙げた名曲 "プライマル" にも匹敵するメロディを持つキラーチューンな後者。この2曲だけで俺的には十分だったわけ。そして前のアルバムが素晴らしかったというこの人の言葉も頭に残っていて‥‥迷わず買いましたよ、ええ。

  で、どうだったかだって? ここで取り上げてるんだよ、いいに決まってるじゃんかよ! いや、予想以上の内容でホントに驚いた。ゴージャス、グラマラス、グルーヴィー、セクシー、ポップ、メロディアス。そういった要素全てが1枚のアルバムに詰め込まれてるわけ。ある種「大人のおもちゃ箱」だよな、このアルバムは。肩の力がいい具合に抜けまくっていて、それでいて力強い。マニアックなことをやっていながらも、判りやすい表現方法を用いているから聴きやすい。多分、俺が苦手と感じた「DESIRE」ってアルバムは、マニアックなことをそのまま表現してしまったからアクが強すぎたんだろうね。

  ここ数作を聴いてないから比較のしようがないんだけど、グラムロック的な曲が多く目立ってますね。頭2曲("ブギー4回戦ボーイ"と"ふられた気持ち")なんて、ソウルフルなんだけど、どこかグラマラス。マーク・ボランがエルヴィス・プレスリーをカバーしたかのような感触。そしてモロにグラムロックな"Hey Space Baby!"みたいな曲まで出てくる。それでいて初期にやってたようなことを現代的解釈でアレンジした"美貌の罠"なんて曲もある(これもシングルナンバーなんだよね、ある意味冒険だよな)。そして和的なメロディやアレンジが心を打つ"のすたるぢや"(名曲!)やマーヴィン・ゲイの "I Want You" を和訳(しかも訳詞は友部正人)カバーした"欲しいのは君"、アルバムラストにお見舞いされる強烈なブギー"こいよ"(作詞は町田康)。全ての曲がポップでグルーヴィーでセクシーで‥‥ってクドイか。とにかく、そういった曲が10曲詰まった、本当に優れたロック/ポップ・アルバムなわけですよ。

  いろいろあるながらも、再びこうやってオリジナル・ラヴにたどり着いたわけですが‥‥本当に素晴らしいアルバムですよ。多分、今年の夏はこのアルバムをカーステでガンガンに鳴らしながら海や山へと出かけることでしょうね。若い人達にも聴いて欲しいけど、是非自分と同年代の人達に聴いて欲しい1枚。大人だからこそ鳴らすことが出来る「音」がここにはあります。



▼ORIGINAL LOVE『踊る太陽』
(amazon:国内盤CD

投稿: 2003 07 02 12:00 午前 [2003年の作品, ORIGINAL LOVE] | 固定リンク