カテゴリー「Papa Roach」の10件の記事

2022年11月 8日 (火)

V.A.『THE RETALIATORS: ORIGINAL MOTION PICTURE SOUNDTRACK』(2022)

2022年9月16日にリリースされた映画『THE RETALIATORS』のサウンドトラックアルバム。日本盤未発売。

この映画はMOTLEY CRUEPAPA ROACHなどが所属するレコードレーベル・Better Noise Music系列のBetter Noise Filmsが制作したスリラーホラー映画。MOTLEY CRUEのトミー・リー(Dr)がストリップクラブのDJとしてスポット出演しているほか、FIVE FINGER DEATH PUNCH、PAPA ROACH、ESCAPE THE FATEのメンバーらも劇中で見つけることができる、ホラー映画マニア&メタルファンの筆者のような人間にはたまらない内容となっています(だからといって内容や完成度が高いとは思いませんが。笑)。

サントラに参加するアーティストもBetter Noise Musicに所属するバンド/アーティストばかりで、映画の面テーマである「The Retaliators Theme (21 Bullets)」はニッキー・シックス(B/MOTLEY CRUE、SIXX:A.M.)とジェイムズ・マイケル(Vo/SIXX:A.M.)の書き下ろしであると同時に、MOTLEY CRUEの面々やASKING ALEXANDRIAICE NINE KILLS、FROM ASHES TO NEWのフロントメンバーがコラボ参加。アルバムにはこのほかにもPAPA ROACHやTHE HU、EVA UNDER FIRE、FROM ASHES TO NEW、ASKING ALEXANDRIA、トミー・リー、CLASSLESS ACT、FIVE FINGER DEATH PUNCH、NOTHING MORE、CROSSBONE SKULLY、BAD WOLVES、コリィ・マークス、TEMPT、HYRO THE HERO、ALL GOOD THINGSなどが楽曲提供しています。

また、FROM ASHES TO NEWはアンダース・フリーデン(Vo/IN FLAMES)と、ASKING ALEXANDRIAはWITHIN TEMPTATIONと、CLASSLESS ACTはヴィンス・ニール(Vo/MOTLEY CRUE)、THE HUはジャコビー・シャディクス(Vo/PAPA ROACH)と、BAD WOLVESはスペンサー・チャーナス(Vo/ICE NINE KILLS)と、HYRO THE HEROはダニー・ワースノップ(Vo/ASKING ALEXANDRIA)&ミック・マーズ(G/MOTLEY CRUE)と、コリィ・マークスはタイラー・コノリー(Vo/THEORY OF A DEADMAN)&ジェイソン・フック(G/ex. FIVE FINGER DEATH PUNCH)と、ALL GOOD THINGSはHOLLYWOOD UNDEADと、それぞれコラボレーションが実現。CLASSLESS ACT×ヴィンス・ニール「Classless Act」は既発曲ですが、それ以外は本作のために新たに制作されたものが大半です。

僕は盤(CD)では購入しておらず、bandcampでDL購入したものを聴いているのですが、フィジカルは全18トラック、デジタル/ストリーミングは全27トラックとなっており、デジタル版には曲の合間に映画からのスキットが9トラック用意。CDのほうは単純に曲のみの収録なんでしょうかね。

ニッキーが新たに書き下ろした「The Retaliators Theme (21 Bullets)」はMOTLEY CRUEというよりはSIXX:A.M.寄りの楽曲なので、できることならSIXX:A.M.名義でレコーディングしてほしかったかな。

個人的な収穫はモダンメタルの王道といえるASKING ALEXANDRIA feat. WITHIN TEMPTATIONの「Faded Out」、AC/DCライクなクラシックロック感が強いCrossbone Skully「Evil World Machine」あたりかな。Crossbone Skullyは覆面バンドっぽくてまだその正体がわからない存在ですが、今度の動向を追ってみたいバンドのひとつです。

ニューメタル以降のモダンメタルに、ヒップホップに振り切ったトミー・リー、スリージーなハードロックを主旨するCLASSLESS ACTやCROSSBONE SKULLY、TEMPTなど、Better Noise Musicというレーベルのカタログ的な1枚は、映画云々を抜きにしても気持ちよく楽しめる良質なコンピだと思います。

 


▼V.A.『THE RETALIATORS: ORIGINAL MOTION PICTURE SOUNDTRACK』
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2022年5月12日 (木)

PAPA ROACH『EGO TRIP』(2022)

2022年4月8日にリリースされたPAPA ROACHの11thアルバム。日本盤未発売。

前作『WHO DO YOU TRUST?』(2019年)から3年3ヶ月ぶりの新作。近年の彼らにしては比較的長めのスパンですが、とはいえその間にメジャーデビュー作『INFEST』(2000年)収録曲をスタジオライブで再現したアルバム『20/20』(2020年)やベストアルバム第2弾『GREATEST HITS VOL. 2: THE BETTER NOISE YEARS 2010-2020』(2021年)といったアイテムもあったので、実は毎年何かしら作品を発表しているんですよね。

さて、オリジナル作品として久しぶりとなった今作はNew Noize Records移籍第1弾アルバム。ミクスチャーロック/ニューメタル路線へと回帰した過去2作の延長線上にありながらもミクスチャー色をより強めた、躍動感に満ちた1枚に仕上がっています。ロックバンドというスタイルにこだわることなく、曲によっては打ち込みやループを使用。FEVER 333のジェイソン・エイロン・バトラー(Vo)やラッパーのスエコをフィーチャーした「Swerve」や続く「Bloodline」、「Stand Up」あたりは完全にニューメタルの枠から飛び越え、モダンなラップコア、あるいはモダンポップ寄りのテイストを強めており、そのフットワークの軽さは相変わらずだなと感心させられます。

その一方で、タイトルトラック「Ego Trip」や「Unglued」、アルバム冒頭を飾る「Kill The Noise」などではロックバンド然としたアンサンブルを提供しますが、その質感や音像はかなり現代的なもので、往年のニューメタルとは一線を画するものと言えるでしょう。しかし、それこそが常に“時代と添い寝”してきた彼ららしくも映り、ラップパートが近作よりも多く感じられるあたりも「この時代にどんな音が求められているか?」と読み取った結果なのかもしれません。

しかし、「この時代にどんな音が求められているか?」と「この時代にPAPA ROACHにどんな音が求められているか?」は似て非なるもので、今の彼らにここまで“行き切った”音をリスナーは求めているのかどうかは少々疑問です。作品自体の完成度は非常に高く、最初から最後まで安心して楽しめるものの、そこに関しての乖離が少々気になってしまうんですよね。特にロックが求められていないアメリカにおいて、本作はチャート的にも惨敗しましたし(Billboard 200では過去最低の115位)。

すべての楽曲が2〜3分程度というコンパクトさは前作同様、楽曲のバラエティ豊かさも相変わらず幅広いものがあり、彼らならではのミクスチャー感が思う存分味わえる本作は、日本のロックリスナーにこそ伝わってほしい1枚かもしれません。そんな作品が日本リリースされていないという不幸もありますが、まずはサブスクを通じて少しでも広まってほしいと願っています。

 


▼PAPA ROACH『EGO TRIP』
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2021年11月 6日 (土)

ICE NINE KILLS『WELCOME TO HORRORWOOD: THE SILVER SCREAM 2』(2021)

2021年10月15日にリリースされたICE NINE KILLSの6thアルバム。日本盤未発売。

ICE NINE KILLSは米・マサチューセッツ州ボストン出身の5人組メタルコア/デスコアバンド。2000年結成当初はICE NINE名義で活動を開始し、2006年の1stアルバム『LAST CHANCE TO MAKE AMENDS』から現在のバンド名に改名。3作目『THE PREDATOR BECOMES THE PREY』(2014年)から現在のFearless Recordsに所属し、ここ数作は著名小説やホラー映画をモチーフにした楽曲を制作して、注目を集めています。

本作はそのタイトル側からもわかるように、全米29位のスマッシュヒットを記録した前作『THE SILVER SCREAM』(2018年)の続編にあたる1枚。オープニングSE「Opening Night...」およびタイトルトラック「Welcome To Horrorwood」以外の12曲にはすべてモチーフとなるホラー映画が用意されており、そのタイトルも『キャビン・フィーバー』(2002年)、『チャイルド・プレイ』(1988年)、『サイコ』(1960年)、『ペット・セメタリー“(1989年)、『バイオハザード』(2002年)、『アメリカン・サイコ』(2000年)、『血のバレンタイン』(1981年。2009年にリメイク)、『ヘル・レイザー』(1987年)、『ザ・フライ』(1986年)、『ホステル』(2005年)、『死霊のはらわた』(1981年)、『キャンディマン』(1992年)と非常に幅広くピックアップされています。リメイク/リブートされた作品も複数含まれており、ホラー映画ファンなら誰もが知っているタイトルばかりですね。

各映画はあくまで歌詞や曲作りのベースとなっているだけで、その映画とリンクするサウンドかどうかはまた別の話。中には「Assault & Batteries」(元ネタ『チャイルド・プレイ』)や『Wurst Vacation』(元ネタ『ホステル』)のように映画の世界観とリンクした音作りやアレンジが施されたものもあり、そのへんはニヤリとさせられるものがあるかなと。まあ、基本的に映画のことを知らなくても楽曲自体は存分に楽しめる内容になっていると思います(かつ、MVではモチーフとなった映画のパロディもしっかり用意されているので、元ネタを知っているとさらに楽しめるのではないでしょうか)。

キャッチーを重視した芯が極太のメタルコアを軸に、随所にデスコア的フレイバーが散りばめられている。また、曲によっては(映画モチーフ曲が多いということもあってか)シンフォニックな要素も随所から感じられ、それらがこのバンドが本来持ち合わせたスケール感の大きさをより強調。結果、とてもわかりやすくて聴きやすい1枚に仕上がっているように感じます。テーマのキャッチーさや音楽的わかりやすさも相まって、本作は全米18位という近年のメタルコアバンドとしてはかなり好成績を残しているのも、頷ける話です(リリースタイミングがハロウィーン前というのもよかったですよね)。

また、アルバムには豪華ゲストも多数参加しており、「Hip To Be Scared」にはPAPA ROACHのジャコビー・シャディックス(Vo)が(この曲、途中で耳馴染みのあるフレーズが登場するのですが、タイトルを観て納得。HUEY LEWIS & THE NEWSのヒット曲「Hip To Be Square」のリフをパロっているんですね。笑)、「Take Your Pick」ではCANNIBAL CORPSEのコープスグラインダー(Vo)、「The Box」にはATREYUのブランドン・サーラー(Vo)とFIT FOR A KINGのライアン・カービー(Vo)、「F.L.Y.」にはSENSES FAILのバディ・ニールセン(Vo)がそれぞれの曲で華を添えています。それぞれのカラーに合った曲がしっかり用意されているので、どれも納得のコラボではないでしょうか。

アグレッシヴさやヘヴィさも抜群だし、同時にわかりやすさや親しみやすさも同じだけ備わっている。久しぶりにヒットするのも納得の1枚に出会えた気がします。USモダンメタルシーンもまだまだ捨てたもんじゃないですね。

 


▼ICE NINE KILLS『WELCOME TO HORRORWOOD: THE SILVER SCREAM 2』
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2021年6月 9日 (水)

ATREYU『BAPTIZE』(2021)

2021年6月4日にリリースされたATREYUの8thアルバム。日本盤未発売。

前作『IN OUR WAKE』(2018年)から2年8ヶ月ぶり、2014年の再始動後3作目のオリジナル作品。結成時からのフロントマンであるアレックス・ヴァルカッツァス(Vo)脱退を経て、ドラム&クリーンボーカル担当だったブランドン・サーラーが新たなフロントマンとして全ボーカルを担当した最初のアルバムでもあります。要するに、ATREYUにとっては新たに生まれ変わった、心機一転の1枚なわけです。

アレックスのスクリームによるカッコ良さが光っていた初期作と比べて、近年はスクリームの比重が低くなっており、特に前作はメロディアスに歌い上げる王道路線へとシフトしていたので、この新作を聴いても特に大きな変化は感じられないかもしれません。ブランドンの歌声もアレックスほどザラつきがなく、スルスルっと耳に入ってくる心地よいボーカル(ちょっと意地悪な言い方をすれば没個性かなと)。デジタルエフェクトを多用したこのモダンなメタルサウンドには十分合っていると感じました。また、スクリームはベースのマーク・マックナイトが担当しており、こちらも要所要所にアクセント程度で登場するのみ。バランスとしては悪くないのではないでしょうか。

2〜3分前後とコンパクトにまとめられた楽曲群はどれもわかりやすく耳馴染みの良いものばかりで、アグレッシヴな作風の中に「Dead Weight」のようなパワーバラードも用意されており、アレンジや音の質感こそ2010年代後半以降のそれですが、目指す方向性は意外と古き良きヘヴィメタル的なものなのかな、と受け取りました。だからこそ、我々のようなオッサンにも非常に受け入れやすいものがある。昨今のメタルコア事情に疎い同世代のリスナーにもオススメしやすい、入門編的1枚と断言させてください。

とはいえ、2000年代の彼らに魅せられた身としては、この正統派スタイルはちょっと寂しくも感じられ。そりゃあ20年近くにわたり初期のようなアグレッションを維持するのは難しいでしょうし、音楽家としても日々成長しているので、作品ごとにアップデートしたい気持ちも重々理解しています。そういう個人的感傷を切り離すのはなかなか難しいところですが、そこを抜きにすれば本作は平均点以上のヘヴィメタルアルバムだと言えるでしょう。

なお、本作にはPAPA ROACHのジャコビー・シャディックス、TRIVIUMのマット・ヒーフィー、BLINK-182のトラヴィス・バーカーがゲスト参加。ATREYUの新たな船出に華を添えているので、これらの楽曲も必聴です。

 


▼ATREYU『BAPTIZE』
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2021年1月 3日 (日)

祝ご成人(2000年4月〜2001年3月発売の洋楽アルバム20選)

少し気が早いですが、新成人の皆さんおめでとうございます。2014年度に初めて執筆したこの“洋楽版成人アルバム”企画、今年で7回目を迎えます。いつもは成人の日前後に掲載しているのですが、今年は書けるうちに……と思い、3が日に企画記事を固めてみました。

この企画は「自分の20年前の音楽ライフはどんなだったか」を思い返す上で非常に貴重な機会でもあり、同時に「どれを20枚に含めるか?」というセレクトにおいても非常に頭を悩ます良いタイミングとなっています。

改めて趣旨説明を。この1月に成人式を迎えたの皆さんが生まれた年(学年的に2000年4月〜2001年3月の期間)にリリースされた洋楽アルバムの中から、個人的思い入れが強い作品のうちSpotifyやApple Musicで試聴可能なものを20枚ピックアップしました。

どれも名盤ばかりですし、もしまだ聴いたことがないという作品がありましたら、この機会にチェックしてみてはどうでしょう。特に、現在20歳の方々は「これ、自分が生まれた年に出たんだ」とかいろいろ感慨深いものがあるような気もしますし。ちなみに、作品の並びはすべてアルファベット順です。(2014年度の新成人編はこちら、2015年度の新成人編はこちら、2016年度の新成人編はこちら、2017年度の新成人編はこちら、2018年度の新成人編はこちら、2019年度の新成人編はこちらです)

 

AEROSMITH『JUST PUSH PLAY』(2001年3月発売)(Spotify)(レビュー

 

AT THE DRIVE-IN『RELATIONSHIP OF COMMAND』(2000年9月発売)(Spotify)(レビュー

 

THE AVALANCHES『SINCE I LEFT YOU』(2000年11月発売)

 

BJÖRK『SELMASONGS』(2000年9月発売)(Spotify

 

BON JOVI『CRUSH』(2000年6月発売)(Spotify)(レビュー

 

COLDPLAY『PARASCHUTES』(2000年7月発売)(Spotify

 

DAFT PUNK『DISCOVERY』(2001年2月発売)(Spotify

 

DEFTONES『WHITE PONY』(2000年6月発売)(Spotify)(レビュー

 

EMINEM『THE MARSHALL MATHERS LP』(2000年5月発売)(Spotify)(レビュー

 

ERYKAH BADU『MAMA'S GUN』(2000年11月発売)(Spotify

 

GORILLAZ『GORILLAZ』(2001年3月発売)(Spotify

 

GREEN DAY『WARNING』(2000年10月発売)(Spotify)(レビュー

 

THE HIVES『VENI VIDI VICIOUS』(2000年9月発売)(Spotify

 

LIMP BIZKIT『CHOCOLATE STARFISH AND THE HOT DOG FLAVORED WATER』(2000年10月発売)(Spotify)(レビュー

 

LINKIN PARK『HYBRID THEORY』(2000年10月発売)(Spotify)(レビュー

 

MADONNA『MUSIC』(2000年9月発売)(Spotify

 

PAPA ROACH『INFEST』(2000年4月発売)(Spotify)(レビュー

 

QUEENS OF THE STONE AGE『RATED R』(2000年6月発売)(Spotify)(レビュー

 

RADIOHEAD『KID A』(2000年9月発売)(Spotify)(レビュー

 

U2『ALL THAT YOU CAN'T LEAVE BEHIND』(2000年10月発売)(Spotify)(レビュー

 

残念ながらセレクトから漏れた作品も多く。以下に主だった作品をピックアップしておきました。

A PERFECT CIRCLE『MER DE NOMS』(レビュー
AMERICAN HI-FI『AMERICAN HI-FI』(レビュー
BACKSTREET BOYS『BLACK & BLUE』
BLACK LABEL SOCIETY『STRONGER THAN DEATH』(レビュー
BRITNEY SPEARS『OOPS!... I DID IT AGAIN』
FATBOY SLIM『HALFWAY BETWEEN THE GUTTER AND THE STARS』
DECKARD『STEREODREAMSCENE』(レビュー
GODSMACK『AWAKE』
HALFORD『RESURRECTION』(レビュー
THE HELLACOPTERS『HIGHT VISIBILLITY』(レビュー
IN FLAMES『CLAYMAN』(レビュー
IRON MAIDEN『BRAVE NEW WORLD』(レビュー
JACK JOHNSON『BRUSHFIRE FAIRYTALES』(レビュー
KYLIE MINOGUE『LIGHT YEARS』
MANIC STREET PREACHERS『KNOW YOUR ENEMY』(レビュー
MARILYN MANSON『HOLY WOOD (IN THE SHADOW OF THE VALLEY OF DEATH)』(レビュー
MARVELOUS 3『READY SEX GO』(レビュー
MOTÖRHEAD『WE ARE MOTÖRHEAD』(レビュー
RAGE AGAINST THE MACHIE『RENEGADES』(レビュー
SiLVER GiNGER 5『BLACK LEATHER MOJO』(レビュー
UNDERWORLD『LIVE: EVERYTHING, EVERYTHING』(レビュー
ZEBRAHEAD『PLAYMATE OF THE YEAR』
V.A.『M:I-2 SOUNDTRACK』

2000年って振り返ると、サマソニが富士急ハイランドで初開催された年なんですよね。個人的にはあそこで観たMUSEとAT THE DRIVE-INの印象が(良くも悪くも)強く。あと、RAGE AGAINST THE MACHINEがその年の6月に単独来日を果たしているのですが、家庭の事情で参加できず。で、その年の11月に突如解散してしまった……なんてことも記憶に残っています。ちょうどこのサイトの前身(『とみぃの宮殿』)を始めて2年目から3年目というタイミングで、実は2000〜2001年頃に一度休止した記憶も。プライベートでも先の家庭の事情(家族の死)などもあって、バタバタしたタイミングで、実は音楽をそこまで真剣に聴いていたかと問われると……な時期でもあったことが思い出されます。

ということもあって、印象に残っているアルバム/20枚に残しておきたいアルバムのHR/HM比重が低くなっているのも印象的な1年かもしれません。そういえばこの時期、そんなに真剣に新興勢力(LINKIN PARKやPAPA ROACHなど)をリアルタイムでは聴いていなかったもんなあ。

まあ、個人的事情はさておき。国内に目を向けてもBLANKEY JET CITYの解散やLUNA SEAの終幕などありましたが、フジロックでそのブランキーやTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTがトリを務めたり、エレカシが「ガストロンジャー」以降のファイティングスタイル集大成としてアルバム『GOOD MORNING』を完成させたり、Mr.Childrenが大傑作『Q』を発表したりと、いろいろ記憶に残る1年だったことも付け加えておきます。あと、2001年3月には宇多田ヒカル『DISTANCE』VS 浜崎あゆみ『A BEST』メガセールス対決っていうのもありましたね。

これら20枚からプレイリストも作ってみたので、よろしければ連休中の暇つぶしとして、あるいは成人式の合間の時間つぶしとしてお楽しみください。

 

2020年7月13日 (月)

PAPA ROACH『INFEST』(2000)

2000年4月にリリースされたPAPA ROACHのメジャーデビューアルバム(通算2作目)。日本盤は少々遅れ、同年9月にジャケットを変えて発売されました。

20年経った2020年に振り返ってみると、2000年というのは単にミレニアムイヤーという節目だけでなく、海外メタルシーンにとって大きな転換期だったことは疑いのない事実です。例えば、同年3月にDISTURBED『THE SICKNESS』でメジャーデビューしたほか、10月にはLINKIN PARK『HYBRID THEORY』でデビュー。さらに、PAPA ROACHもこの『INFEST』でメジャーシーンに進出と、2001年以降のブレイクぶりを考えるとすごく大きな1年だったことが伺えます。

ゴキブリをドアップにした海外盤ジャケットに嫌悪感を覚えるリスナーも少なくないでしょう。事実、僕も最初はこのジャケで退いた記憶がありますから。それで本作を手に取るまでに時間を要してしまったんですよね。今思えば勿体ないことをしたなと。

DISTURBEDは正統派メタルをモダンな形にバージョンアップし、リズムも歌唱も跳ね気味。LINKIN PARKはヘヴィなロックとヒップホップのマッシュアップと、どちらも90年代のラップメタル以降というイメージを受けますが、PAPA ROACHはというと……その影響はもちろん随所に散りばめられているのですが、むしろ本作で聴ける楽曲は王道のメロディアスHR/HMという印象を受けます。アメリカよりもイギリスで大ヒットした「Last Resort」(全米57位/全英3位)なんて、そのギターリフからしてHR/HM以外の何者でもないですからね。

かつ、ボーカルもスクリームに逃げたりすることもなく、しっかりメロディを聴かせる。ラップ調ボーカルはあくまで味付け要素のひとつ。それは「Broken Home」や「Between Angels And Insects」(全英17位)といったヒットシングルも同様で、「Revenge」や「Snakes」のようなスクラッチが加わったラップメタル色の強い曲もあるものの、アルバムを通して印象に残るのは上記に挙げたようなメロウなHR/HMチューンなんですよ。リリース当時、ニューメタルとかそういった表現は一切気にせず、単に90年代以降の流れを汲む、カッコよくて親しみやすいメタルだと認識していたくらいですから。

このバンド、本作以降はオルタナティヴロックやストレートなギターロックなどさまざまな変遷を繰り返し、最終的にはそのすべてを飲み込んだミクスチャーロックを軸に、シーンに健在し続けている。ある意味賢くて、ある意味節操がない。本作の優等生的仕上がりを聴けば、それも納得いくといいますか(良い意味で言ってます)。リリースから20年経った今聴いても純粋に良い作品と断言できる、「モダンHR/HMリスナーなら絶対に聴いておくべき」1枚です。

 


▼PAPA ROACH『INFEST』
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2019年3月 2日 (土)

MARK MORTON『ANESTHETIC』(2019)

2000年代を代表するUSヘヴィロック/ヘヴィメタルバンドLAMB OF GODのギタリスト、マーク・モートンによる初のソロアルバム。全10曲すべてが歌モノで、それぞれ異なるシンガーを迎えて制作されたものとなっています。そういう意味ではギタリストのエゴが前面に打ち出されたものではなく、あくまでソングライター/表現者としてバンドとは異なるアプローチで作り上げた1枚と言えるでしょう。

参加シンガーはチェスター・ベニントン(LINKIN PARK)、ジャコビー・シャディックス(PAPA ROACH)、マーク・ラネガン(ex. SCREAMING TREES)、チャック・ビリー(TESTAMENT)、ジェイク・オニ(ONI)、マイルス・ケネディ(ALTER BRIDGESLASH)、マーク・モラレス(SONS OF TEXAS)、ジョシュ・トッド(BUCKCHERRY)、ネイマー・マドックス、アリッサ・ホワイト-グルーズ(ARCH ENEMY)、そしてLAMB OF GODのフロントマンであるランディ・ブライとマーク自身という豪華かつバラエティに富んだ面々。演奏面ではギターをマークがすべて担当したほか、STONE SOURのロイ・マイヨルガ(Dr)、MEGADETHのデイヴィッド・エレフソン(B)、KORNのレイ・ルジアー(Dr)、ALICE IN CHAINSのマイク・アイネズ(B)、TRIVIUMのパオロ・グレゴリート(B)&アレックス・ベント(Dr)、CLUTCHのジャン・ポール・ガスター(Dr)、元THE BLACK CROWESのスティーヴ・ゴーマン(Dr)&マーク・フォード(G)といったジャンルの垣根を超えた布陣が顔を揃えています。

アルバムはマークとジェイク・オニ、そしてLAMB OF GODのプロデューサーとして知られるジョシュ・ウィルバーとの共同制作によるもの。楽曲自体はマークが「いつかバンドとは別の形で発表したい」と長年書き溜めてきたものなのですが、各シンガーの個性が強いこともあってか、それぞれのシンガーに合った手法で書き下ろされたものと錯覚してしまいそうになります(もちろんそういう曲も含まれていますが)。

チェスターが亡くなる数ヶ月前に制作されたオープニングトラック「Cross Off」はLINKIN PARKをよりモダンヘヴィネス寄りにした良曲ですし、ジャコビーが歌う「Sworn Apart」もPAPA ROACHのアルバムに入っていたとしても不思議じゃない1曲。かと思えばマーク・ラネガンが歌う「Axis」ではアーシーさが前面に打ち出されているし、チャック・ビリー&ジェイク・オニによる「The Never」のスラッシュ&王道メタルなノリもひたすらカッコいい。

マイルス・ケネディ歌唱による「Save Defiance」は完全にマイルスのノリだし、マーク・モラレス参加の「Blur」はSONS OF TEXAS寄りのスモーキーさが表出している。ジョシュ・トッドが歌う「Back From The Dead」なんてBUCKCHERRYをヘヴィにさせたノリで好印象だし、ネイマー・マドックスによる「Reveal」はどこかファンキー。マーク本人が歌唱する「Imaginary Days」は正統派ハードロックの香りが感じられ、ラストを飾るランディ&アリッサによる「The Truth Is Dead」は2人の声の対比も良いし、なにより楽曲がLAMB OF GODの延長線上にあるのが良い。

マークのギタリストとしての非凡さも随所に感じられるし、何よりも曲のバラエティ豊かさに驚かされる。このひと、こんなに多才だったんだと驚き連発の1枚です。

LAMB OF GOD本体は、昨年BURN THE PRIEST名義のカバーアルバム『LEGION: XX』を発表したりと若干リラックスモードかもしれませんが、こういったガス抜きを経て次にどんなオリジナルアルバムを届けてくれるのか、今から楽しみでなりません。まずは奇跡の共演が実現した(特に、貴重なチェスターの声が残された)この意欲作をじっくり聴き込みたいと思います。

 


▼MARK MORTON『ANESTHETIC』
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2019年3月 1日 (金)

PAPA ROACH『WHO DO YOU TRUST?』(2019)

2019年1月リリースの、PAPA ROACH通算10作目のオリジナルアルバム。前作『CROOKED TEETH』(2017年)から1年8ヶ月ぶりの新作で、引き続きニコラス・ファーロングとコリン・ブリッテイン、そしてバンドの共同プロデュース作品となります。

いわゆるミクスチャーロック/メタルコア的作風に回帰した前作では、単なる焼き直しで終わらない成長ぶりを見せた彼らですが、今作はそこからさらに一歩踏み込んだ意欲作/挑戦作となっています。それは音楽的な幅広さはもちろんですが、ここ数作で取り入れていたフィーチャリングシンガー(前作ではスカイラー・グレイとマシン・ガン・ケリー、前々作『F.E.A.R.』ではIN THIS MOMENTのマリア・ブリンクとラッパーのロイス・ダ・ファイブ・ナイン)を排除してすべて自分たちの声と音だけで構築した点からも伺えます。

「お前は誰を信じる?」と問いかけるアルバムタイトルからして象徴的ですが、本作ではバンドの原点であるニューメタルナンバー「The Ending」にとどまらず、どこかTHE PRODIGY的な香りのする「Renegade Music」や、アコギを軸にしたモダンなラウドロック/ポップ「Not The Only One」、RAGE AGAINST THE MACHINEを現代的に昇華させた「Who Do You Trust?」、シンガロングパートが耳に残る新世代アンセム「Elevate」、現代的な味付けを施したパワーバラード「Come Around」など、序盤から同じタイプの楽曲が1曲たりとも存在しません。

さらに後半に進むほどにその方向性はさらに拡散していき、ストレートなオルタナロック「Feels Like Home」、ダウナーなポップロック「Problems」、デジロック的な様相の「Top Of The World」、1分半にも満たないハードコアチューン「I Suffer Well」、グランジを2019年に再生させた「Maniac」、デジタルとバンドサウンドを融合させたダイナミックな「Better Than Life」と、ひたすら個性的な楽曲が続きます。

どの曲も4分以下(「Top Of The World」を除き、すべて3分台)と昨今のポップソングにも似た作りで、アルバム自体も全12曲で38分。そのぶっ飛んだ内容と収録時間含め、非常に現代にフィットした作りと言えるでしょう。もはは1組のアーティストの新作を聴いているというよりも、流行りの楽曲を集めたオムニバスアルバムと言ったほうが合っているような気すらします。

時代に真っ向から対峙するこういった挑戦を良しとするか悪しとするかで、本作の評価は真っ二つに分かれると思います。僕自身は好意的に受け止めていたのですが、世の中的にはそうでもなかったようで、アメリカでは2ndアルバム『INFEST』(2000年)以降で初めてトップ20入りならず(最高73位)。ただ、これという一発が出ないとは限らない内容なので、そのあたりの変動は今後も期待できそうです。個人的には、本作とFEVER 333『STRENGTH IN NUMB333RS』BRING ME THE HORIZON『AMO』は2019年のシーンを占う上で重要な役割な3枚だと思っているのですが……果たしてどうなるのでしょうか



▼PAPA ROACH『WHO DO YOU TRUST?』
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2019年2月 2日 (土)

WITHIN TEMPTATION『RESIST』(2019)

オランダのシンフォニックメタルバンド、WITHIN TEMPTATIONが2019年2月に発表した通算7枚目のスタジオアルバム。本国で1位、アメリカでも16位まで上昇した出世作『HYDRA』(2014年)からまる5年ぶりの新作となり、Nuclear Blast Recordsから新たにメジャーのVertigo Records(Universal Music傘下)へ移籍して最初の作品となります。

本来は昨年12月中旬にリリース予定だった本作ですが、制作上の問題から直前になって翌年2月まで延期。実は僕、今作の日本盤ライナーノーツを執筆する都合上、11月の時点でこのアルバムを聴き込んでいたため、個人的にも「ようやく」といいますか「待望の」という言葉がぴったりな1枚となりました。

で、発売までにこれだけ聴き込んだら、作品によっては若干の飽きがきてもおかしくないんですが、本作に関してはその内容のディープさも手伝ってか、最初に聴いてから3ヶ月経った今も新鮮な気持ちで接することができるのですから不思議です。

ライナーノーツや音楽誌でのインタビューで語られているとおり、前作を伴うワールドツアー終了後、シャロン・デン・アデル(Vo)は今作の制作と向き合い始めるのですが、その途中で自身が燃え尽き症候群的な状態に陥っていることに気づきます。これには個人的な不幸なども影響していたそうですが、そういった事情からレコーディングは一時中断。これと代わるように、シャロンは自身の癒しを求めソロプロジェクト・MY INDIGOを始動させます。ここでフォーキーでシンプルなサウンドを追求した彼女は、再び音楽に対する情熱を取り戻し、改めてWITHIIN TEMPTATIONへと向かっていくのです。こうして過去最長となる5年というインターバルを置いて、この『RESIST』というアルバムは完成しました。

聴いてもらえばわかるように、本作で鳴らされている音はエレクトロの色合いを強めた、非常にモダンなものばかり。シンフォニックの要素は残されているものの、過去作と比べたら少しだけ薄まっているように感じるかもしれません。しかし、それこそがこのバンドが新たに試みた挑戦であり、このアルバムのテーマのひとつでもあるわけです。情報社会となった現代に対する“抵抗”が綴られた歌詞と、それらを「今日のポップニュージックに欠けている反抗的なエッジ」の部分を「よりヘヴィでダーティーで、さらに未来的に」表現したサウンド。そう聞くとなるほど、どの曲もヒットチャートを席巻するモダンなヒット曲と並んでも違和感なく聴けるのではないでしょうか。

初期〜中期の楽曲群を好むリスナーにこの挑戦がどう受け取られるのかも気になるところですが、それ以上に新しいファン層を獲得できるかもしれない、そんな淡い期待もこのアルバムを聴いたら捨て切れません。「The Reckoning」にはPAPA ROACHのジャコビー・シャディックス(Vo)、「Raise Your Banner」はIN FLAMESのアンダース・フリーデン(Vo)がゲスト参加。さらに「Endless War」では、シャロンはベルギーのロックバンドARIDのシンガー、ジャスパー・ステヴァーリンクと艶やかなデュエットを聴かせてくれます。前作でも元NIGHTWISHのターヤ、KILLSWITCH ENGAGEの元シンガーであるハワード・ジョーンズ、SOUL ASYLUMのフロントマン、デイヴ・パーナーとかなりバラエティに富んだ面々を迎えていますが、今作はそれ以上に統一感が感じられるものになっている印象を受けます。

いろいろな意味で“攻め”の姿勢が感じられる本作。このトライが吉と出るか凶と出るかは現時点ではわかりませんが、僕は好意的に受け入れたいと思います。こういう作品、売れてほしいなあ。



▼WITHIN TEMPTATION『RESIST』
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2018年9月22日 (土)

SANTANA『GUITAR HEAVEN: THE GREATEST GUITAR CLASSICS OF ALL TIME』(2010)

2010年9月にリリースされた、SANTANA通算20枚目のスタジオアルバム。全米2位を記録した前作『ALL THAT I AM』(2005年)から5年ぶりの新作は、全曲60〜90年代のロッククラシックスのカバーで占められた意欲作。もちろん、メガヒットした『SUPERNATURAL』(1999年)以降の作品同様に、全曲異なるボーカリストがフィーチャーされた豪華なカバー集となっています。

その組み合わせも興味深いところで、クリス・コーネルSOUNDGARDEN)とLED ZEPPELIN「Whole Lotta Love」をコラボしたかと思えば、もはやおなじみのロブ・トーマス(MATCHBOX TWENTY)とはCREAM「Sunshine Of Your Love」で再共演。かと思うと、ラッパーのNASとAC/DC「Back In Black」で異色共演を果たしたり、ビートルズ「While My Guitar Gently Weeps」ではインディア・アリー(本作唯一の女性ボーカル)の歌声とヨーヨー・マのチェロとコラボ。もう無茶苦茶なわけですよ。

選曲もカルロス・サンタナが気に入ったものというより、アメリカで人気のロッククラシックスといった印象が強く、DEF LEPPARD「Photograph」(クリス・ドートリーが熱唱)やVAN HALEN「Dance The Night Away」(TRAINのパトリックが担当)あたりは確実に別の思惑が働いている気がする(笑)。

かと思うと、ストーンズが「Can't You Hear The Knocking」(スコット・ウェイランドがいい味出してる!)だったりTHE DOORSが「Riders On The Storm」(LINKIN PARKのチェスター・ベニントンと本家レイ・マンザレクが参加)だったりと、ちゃんとこだわりも感じられるから本当に不思議。

もちろんDEEP PURPLE「Smoke On The Water」(PAPA ROACHのジャコビー)やT. REX「Bang A Gong (Get It On)」(BUSHのギャヴィン)、ジミヘン「Little Wings」(ジョー・コッカー御大!)といったスタンダードも忘れてない。

デラックスエディションのみ、CCR「Fortunate Son」(CREEDのスコット)とレッチリ「Under The Bridge」(SANTANAのバンドメンバー)が追加されているんですが、日本盤は「Under The Bridge」の代わりにベンジー(浅井健一)が歌うZZ TOP「La Grange」が収録されています。いかにも日本仕様といったボートラですが、これもなかなかの出来なので機会があったらチェックしてみてください。

全体的にサンタナらしいラテンアレンジが加えられており、それがどの曲においても良いフレイバーになっているから不思議。もちろん、そんなアレンジに合いそうな曲を選んでいるんでしょうけど、ツェッペリンにしろストーンズにしろドアーズにしろ、これがオリジナルなんじゃないかと錯覚してしまうほどの出来栄え。原曲レイプで終わらず、しっかりサンタナらしいプレイ(=個性)が加えられているので、彼のファン以外でもちゃんと楽しめるはず。まあ、遊びとしては最高に贅沢ですわな。



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