2005/10/21

PENPALS解散に寄せて/PENPALS『RIGHT NOW』(1999)

 PENPALSがとうとう解散を発表しました。一昨年に4人組として再スタートを切り、どうにか舵を取り直して前進しようとしてたのですが昨年の活動休止以降、各メンバーのソロ活動が目立つようになり、結局今年の年末にたった1本、しかもイベントの中のひとつとしてラストライヴを行うという‥‥確かに俺もファンの方々同様、何でいろんなバンドが出るフェスの中で、たった1本のラストライヴを行うのか、昨日から疑問に思ってたんですが‥‥ハヤシの日記を読んだら、何かもう‥‥言葉にならなくなって‥‥

 上手い言葉がみつからないんだけど、彼等がそういう場所でのラストを選んだのなら、俺はそれを受け入れてあげようと思う。すごい上から目線の言葉でちょっと嫌だけどさ‥‥

 バンドを長く、同じメンバーで続けていくってのは、もうそれだけでパワーを必要とすることじゃないですか。俺なんて2年間毎日同じメンバーと顔を合わすバンドをやってたけど、やっぱり音楽の趣味だって完全に一致するわけじゃないし、ましてや日々音楽の趣味も少しずつ変化していくわけだし、表現したい音も年齢と共に変わっていくわけだし。そして人間だもん、機嫌の悪い時もあるし喧嘩する時もある。もう二度と顔を合わせたくないと思う瞬間もあるし、その場で同じ空気を共有することさえ拒絶したくなる時だってある。いろんな契約があって、いろんなしがらみがあって、簡単に辞められなくなって。一方では「次」を楽しみにしてるファンがいる。CDを買ってくれるファンであり、ライヴに足繁く通ってくれるファンであり、BBSに書き込んだりファンメールを送ってくれるファンであり‥‥そういうファンの気持ちを裏切らない、がっかりさせないために無理をする時さえある。それが正しいのか間違っているのか、正直誰も責めることはできないはず。

 バンドを無理矢理続けることで、ファンを喜ばすことは可能だってでしょう。1年とは言わずに2年、3年と活動を休止することもできたはず。けど、彼等は正直に、そして誠実なまでに、こんなにも早く「解散」という手段を選んだ。そしてハヤシは正直に今の気持ちを綴った。上条兄弟のコメントはまだだけど、やっぱりオフィシャルでのコメントが全てなんだろうな‥‥

 ぶっちゃけて書かせてもらうと。彼等の活動‥‥CDセールスなりライヴの動員なり‥‥が大きな成功(勿論、「成功」にはいろんなレベルがあるし人それぞれなのは承知してるけど、敢えてここでは金銭的な意味合いで書きます)をもたらしていれば、もしかしたら周りが辞めさせなかったんじゃないか、もっと強引に止めたんじゃないか、なんて思うんだけど‥‥何アホなこと書いてるんだろうな(苦笑)。

 正直は話、俺は4人になってからのPENPALSをライヴで観たことも、そして音源を聴いたこともないような人間です。東芝に移籍した後の「2nd coming」を最後に、新しい音源には手を出してませんでした。そこにはCCCDでのリリースというのも大いに関係してるんですが‥‥やはりこのアルバムでひとつ、自分の中で何かが終ったような気がしてたんですよね。「とみぃの宮殿」時代のレビューでも書きましたが、やはり自分にとってのPENPALSって‥‥英語歌詞時代の、「AMERICAMAN」や「RIGHT NOW」辺りまでなんですよね。嫌いじゃないけど「PAST LAST SUMMER」辺りで「ん、ちょっと違うんじゃ‥‥」という違和感を感じつつ勢いにやられて‥‥「2nd coming」で完全に抜け切っちゃったんだな、と。ま、それは俺の趣味の問題であって、個人の勝手な理由でしかないですけどね。

 久し振りに「RIGHT NOW」を引っ張り出して聴いてるんだけど‥‥やっぱりいいアルバムだなぁ、と。全部英語だからとかそういう理由ではなく、なんだろう‥‥パンクでもガレージでもオルタナでもない、『PENPALSらしさ』を完全に確立した作品だと思うんですよね。で、そこから更に1歩先に進んだのが「PAST LAST SUMMER」であり、更に突き抜けちゃったのが「2nd coming」以降だったのかな、と。そういう意味じゃ、初期2枚の(良い意味での)アングラ感を薄めていき、程よいメジャー感が全体を包む「RIGHT NOW」ってのは絶妙なバランス感なんですね。だから好きなのかも知れないな。勿論1stも「AMERICAMAN」も大好きなんだけどね。

 ラストステージの12/30‥‥やはり観ないわけにはいかないと思う。決して今でも1番好きとか特別視してたバンドではないけど、やはり一時でも「このアルバムスゲーなぁおい!」と思ったことのある人間として、落としまえつけに行かないと。



▼PENPALS「RIGHT NOW」(amazon

投稿: 2005 10 21 01:30 午前 [1999年の作品, PENPALS] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2003/08/28

PENPALS『AMERICAMAN』(1998)

  最高にカッコ良かった時代。いや、勿論今がカッコ悪いとか言いたいわけじゃないんだけど、どうしてもPENPALSというと、この頃‥‥デビュー当時からサードアルバム「RIGHT NOW」の頃までが一番ツボだったんですよ、個人的に。なんつーか、段々スマートになってっちゃって‥‥それが決して悪いわけじゃないけど、俺としてはこの「AMERICAMAN」に代表されるような、良い意味でも悪い意味でも「脱力しまくり」なスタイルが好きだったもんだからさ。

  というわけで今回紹介するのは、先頃4人編成として再スタートを切ったPENPALSの、まだ3人時代にリリースしたセカンドアルバム、「AMERICAMAN」。俺が知ったのが正にこのアルバムからで、最初はこのアルバムにも入ってる曲で、シングルとしてもリリースされていた"Tell me why"が、'98年当時深夜に放送されていた某アニメの主題歌に起用されていたことからだったんだよね。歌詞が英語で、非常にアメリカのガレージ/オルタナっぽいスカスカな音で、微妙に脱力してて、それでいて芯がしっかりしてるみたいな。たった1曲聴いただけでそういう風に感じてたんだけど、その後このサイトを立ち上げる前にネットで知り合った人に再度勧められて、重い腰を上げて買いに出かけたわけ。

  ここ最近‥‥日本語詞で歌うようになってからの彼等しか知らない人にとっては、このアルバムやファーストアルバム「PENPALS」のサウンドっていうのは、意外とショックを受けるんじゃないかな? というのも、ポップであることには違いないんだけど、最近の彼等程「甘く」なくて、もっとカラッとしてて、しかも全部英語詞。脱力って意味では今に共通する要素もあるんだけど、こっちの方が重度というか。

  そもそも、アルバムタイトルからしてふざけてる。「AMERICAN MAN」じゃなくて、「AMERICAMAN」。どこかのヒーローの名前かよ!って突っ込み入れたくなるようなタイトル。で、そのタイトル曲"Americaman"からアルバムはスタートするんだけど‥‥何とも言いようがない怠さを感じつつ、それでいて気持ちいいサウンドとでもいいましょうか、とにかく飽きることなく最後まで一気に聴けちゃうんだわ。怠いようでそうでもなく、かといってタイトかというとそこまでタイトというわけでもなく、この微妙な感じが初期の彼等の魅力とでも申しましょうか。しかもふたりのシンガーもそれとなくそれぞれの個性を感じさせつつ、それでいて強烈な「必要性」が感じられるわけでもなく‥‥ってあんまいい事言ってないよな、これじゃ。でもね、そういった「一見マイナスと取られそうな面」もこのバンドの場合、良い意味での個性として受け取れたりするんだから、あら不思議。

  1分にも満たないような疾走バカパンクあり、スローで埃っぽいナンバーあり、ポップで勢いあるロックンロールあり。1曲1曲が非常にコンパクトで、演奏のアレンジもかなり考えられてるような。そういう意味では非常に「理想的なトリオバンド」だったんだよな、当時のPENPALSって。

  「PENPALSで一番好きなアルバムは?」って尋ねられたら、やっぱり俺、この「AMERICAMAN」を挙げるわ。洋楽インディーロック好きにも絶対に引っかかりを持つ、非常に優れ物の1枚。



▼PENPALS『AMERICAMAN』
(amazon:国内盤CD

投稿: 2003 08 28 12:00 午前 [1998年の作品, PENPALS] | 固定リンク