2005/07/25

THE PREDATORS『Hunting!!!!』(2005)

 海外なんかだと大物バンドのメンバーと玄人ウケするバンドのメンバーとが一緒にユニットをやる、なんて話はよく耳にするし、実際幾つもそういうのを目の当たりにしてきてるじゃないですか。けどこれが日本になると、やれ事務所のしがらみが、とか、やれどのレコード会社から出すか、とかいろいろ揉めることが多いんじゃないでしょうか。あと、「誰(メイン)のバンド」か、とか。正直、聴いてる方はそんなのどうでもいいんですよ‥‥曲と、バンドとしての佇まいさえカッコ良ければ、俺は全然アリなんですけどね。

 the pillowsの山中さわおとGLAYのJIROが中心となってスタートし、そこにストレイテナーのナカヤマシンペイが加わることで完成したスリーピース・バンド、THE PREDATORS。これが意外とサマになってるんだよね、佇まいが。俺はこの中だとthe pillows寄りのモノの見方をしてしまいがちだけど、別にGLAYだって嫌いじゃないし、むしろ好意的に捉えてるよ。そしてストレイテナー‥‥今年久し振りにライヴを観ていろいろと感慨深かったんだけど、その中でもやはりドラムの凄さは相変わらずだなぁとため息混じりに思ったものですよ。そんな3人がバンドをやる‥‥面白いじゃないですか。

 曲自体は大半を山中が書いてるので、まぁthe pillows寄り‥‥というか、そのままpillowsでやっても違和感がないような曲が大半。ただ、そこは別のメンバーが演奏してるだけあって、やはり別物を聴いてるんだな、と思わされるわけ。とにかく勢いというか、このバンド独特な「ノリ」が既にあるわけ。pillowsでも疾走チューンはアルバムに必ずあるんだけど、それともまた違ったノリなんだよね‥‥pillowsの場合はタテノリながらも、横にゆらゆら揺れてる感じ‥‥判りにくいかな‥‥があって、凄く余裕を感じさせるんだけど、このTHE PREDATORSの場合‥‥本人達も口にしてる通り、NIRVANA等のバンドから受けた影響が、プレイに出てるんだよね。曲、というかメロディ自体はpillowsと同じかもしれないけど、それを別のメンバー(リズム隊)で鳴らすことによって、また違ったものになる。当たり前のことなんだけど、これが凄く新鮮で。

 例えばpillowsの場合、ドラムがTheピーズだったり、過去には真心ブラザーズなんかのサポートに参加してたりして、それが良い意味で灰汁抜きになったり、はたまたpillowsにとってプラスになってたはずなんだけど、今回の場合、メインソングライターが別ユニットで、しかも特にpillowsと大きく区別するわけでもなく普通に曲書いて、別のメンバーと演奏する。これはかなり大きいんじゃないかなぁ。灰汁抜き以上の何かを得られるような気がするんだけど‥‥pillows自体、ここ数年はかなり素晴らしい作品を毎年発表してくれてるんだけど、ここでひと休みして次に繋げるのもいいのかなぁという気がするんだよね、このアルバム聴くと。若返りだったり音楽性の変化だったり、いろいろ得るものがあるはずなんだよね。勿論、pillowsとして決して揺るがない要素もあるから、それがいい感じで取り込めれば万々歳なんだけどね。

 あと、他にもJIROが曲を書いてるのも数曲あるんだけど、俺はこっちも好きよ。元々GLAYでもJIROの曲って結構好みだったし。ただ、もっと「やらかし」てもよかったように思うんだけど。凄く山中が歌うってことを意識して書いたせいで、本家以上に爆発することができなかったのかな。っていうのは邪推しすぎ? とにかく、折角だからもっと暴れて欲しかったなぁというのが正直な気持ち。それが出来る男だと思うし、ちゃんとそれが出来て尚かつ受け入れてくれる環境だったと思うんだけど。このバンドがアルバム1枚こっきりで終ることなく、また数年後にセカンドアルバムなりシングルなりが出ることがあったら、その時はもっとやらかして欲しいなぁ‥‥と思うんだけど。

 ドラムに関しては、言うことなし。さすがというべきかしら。俺、この人のドラム、相当好きだわ。最近のストレイテナーのアルバムとか聴いても、ニヤニヤしちゃうもんね、リズム隊聴いて。初めてテナーのライヴを観た時に感じた、「あーきっとこの人、絶対デイヴ・グロウル(元NIRVANA、現FOO FIGHTERS)大好きだわ」って思いは間違ってなかったなぁと、このアルバムを聴いても再確認できたのも、個人的には収穫だったしね。

 肩肘張らずに、それぞれが本家よりユルい感じで、遊びなんだけど本気度が高くて、だけど非常に「FUN」の要素が強い。この絶妙なバランス感が、別ユニット/バンドの強みなんだろうなぁと、改めて思わされました。ライヴも面白そうだなぁ‥‥エゾで観る機会がありそうなので、是非観てみたいと思います。



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投稿: 2005 07 25 01:51 午前 [2005年の作品, GLAY, pillows, the, Predators, The] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/10/13

調べれば調べる程凹むよなこの結果には

 オリコン最新チャート。

 後浦なつみは4万2千枚で4位。ま、こんなもんでしょ。5万行くか行かないかがひとつのラインだと思ってたんだけど‥‥成る程ね。

 個人的には今年の楽曲大賞の候補のひとつである「ロボキッス」のランキング及び売り上げに期待したいところ。あシングル買って帰るの忘れた。

で、the pillowsッスよ。「その未来は今」、初登場26位‥‥これって過去最高? もしかしてトリビュート盤効果!?

 んで調べてみた。

2003/09:ターミナル・ヘヴンウズ・ロック:44位
2002/08:白い夏と緑の自転車 赤い髪と黒いギター:56位
2000/11:I think I can:69位
2000/04:Ride on shooting star:54位
1999/08:RUSH:81位
1999/07:カーニバル:67位
1998/11:インスタント ミュージック:100位圏外
1998/09:NO SELF CONTROL:87位
1998/01:アナザー モーニング:100位圏外
1997/11:ハイブリッド・レインボウ:100位圏外
1997/06:ONE LIFE:100位圏外
1997/03:彼女は今日,:100位圏外
1996/11:TRIP DANCER:100位圏外
1996/08:Swanky Street:100位圏外
1996/06:ストレンジ・カメレオン:100位圏外
1996/01:Tiny Boat:100位圏外
1995/04:ガールフレンド:99位
1994/08:DAYDREAM WONDER:100位圏外

 ‥‥1996〜98年辺りのリリースラッシュを許したキングレコードに脱帽。あんたらスゴイ。

 チャート的に安定し始めたのって「カーニバル」以降なんだね。それ以前は100位入りもしてない。だって「ストレンジ・カメレオン」や「ハイブリッド・レインボウ」が100位内にも入ってないなんて‥‥

 やっぱりトリビュート盤効果ってスゴイ。このままアルバムまでブッチぎってください。来年のAX行きますんで。

(おまけ)
 で、アルバムの方も調べてみました。トリビュートと併せてどうぞ。

2004/09:SYNCHRO NIZED ROCKERS:13位
2004/06:TURN BACK:56位
2003/11:ペナルティーライフ:39位
2002/10:Thank you, my twilight:45位
2002/10:Another morning, Another pillows:59位
2001/10:Smile:30位
2001/02:Fool on the planet:19位
1999/12:HAPPY BIVOUAC:72位
1999/01:RUNNERS HIGH:35位
1998/09:パント・マイム(テイチク盤):100位圏外
1998/02:LITTLE BUSTERS:49位
1997/01:Please Mr.Lostman:59位
1995/03:LIVING FIELD:100位圏外
1994/07:KOOL SPICE:100位圏外
1992/05:ホワイト インカーネイション(キャニオン盤):100位圏外
1991/06:MOON GOLD(キャニオン盤):100位圏外

‥‥

 本気で凹んでよかですか?(涙)やっぱベスト盤が売れるってのは判るんですよ。けどさぁ、売れたのがトリビュート盤とベスト盤だけって、どういうこと!? 本気で悲しくなってきました。そりゃさわおもすねるわけだ‥‥



▼the pillows「その未来は今」(amazon

投稿: 2004 10 13 09:25 午後 [pillows, the] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2003/11/25

the pillows『PENALTY LIFE』(2003)

  「あれっ、こんなもん!?」。それがthe pillows待望の新作を初めて聴いた時の感想でした。期待が大き過ぎたのか、それとも俺の耳がどうにかしちまったのか‥‥

  前作「Thank you, my twilight」が昨年を代表する大傑作だったし、先日リリースされたこの新作からの先行シングル「TERMINAL HEAVEN'S ROCK」も十分期待に応えてくれた楽曲だったんだけど‥‥どうにもこの「PENALTY LIFE」の第一印象は、地味。何か前作を通り越して再び「Smile」辺りにまで戻ってしまったかのような地味さだったのね。いや、悪くはないのよ。悪くはないんだけど、一発で唸ってしまうような衝撃度は皆無だったのね。シングルに収められてた3曲には少なからずそういった要素を感じていたんだけど‥‥あー、何か悪い方に空回りしてるんじゃないかな、考えすぎなんじゃないかな、とかいろいろと勝手に考えちゃいましたね。

  楽曲自体はどれも小粒でポップなロックチューンばかりで、それはそれで問題ないんですよ。多分1曲1曲を取り出して聴いてみたら、絶対にシングル「TERMINAL HEAVEN'S ROCK」を聴いた時と同じような反応をすると思うし。けど、これが1枚のアルバム、11曲入りの作品集として聴いてみた時、どうしてもシングルの時に感じたようなドキドキ感が体感できなくて。何故なんでしょうね? 絶対に悪い作品集だとは思わないし、曲も全然悪いとは思わないのに‥‥

  自分自身の心境とか今現在聴いてる音楽の趣味とかも多少影響してるとはいえ‥‥いや、それでもpillowsの新作には大変期待してたんですよ? 来年行われる単独ライヴにも足を運ぶつもりでいたし。あー何でこんなことになっちゃったのかなぁ‥‥って。

  もし俺自身に理由がないのなら‥‥pillows側に変化があったってことですよね。で、これも勝手に想像で書いちゃうんですが‥‥このアルバムを制作するに当たって、相当苦労したんじゃなかろうか?なんて思うのですよ。このアルバムを聴いた時に「あれっ、こんなもん!?」って思ったのと同時に「考えすぎじゃねぇの?」とも感じたんですね。多分、前作を踏まえてこの新作の制作に当たったと思うんですが‥‥煮詰まっちゃったのかなぁ、と。「pillowsとして平均点以上の楽曲」を作ることは難なく出来たと思うんですよ。現に前作のツアー中に、このアルバムにも収められてる "TERMINAL HEAVEN'S ROCK" と "Moon Marguerite" の2曲を制作、ライヴで発表してたわけですし。このアルバムで聴いてもこれら2曲はやっぱり素晴らしいと思うし、勿論それ以外の楽曲もこれら2曲に勝るとも劣らない内容なわけですし。ところが、これがアルバムとなると前作を超えられなかった。何故だろう? これがpillowsとしての限界なのか、それとも‥‥いや、前作が特別過ぎたんだ、なんて考え方もあると思うんですね。波に上手く乗れたんだ、と。で、その波に再び乗ろうとした結果、いろいろ考えすぎたのかな、と。

  アルバムを通して聴くと、何となく曲順に難があるような気がするんですね。それとアレンジ。非常にロックしてるんですが、ちょっとソフトコーティングしてない!?って感じたんですよ、今回の楽曲。メロが前作以上にポップになってるように感じられるし、それに対応したアレンジだったと思うんですが、どうにもそれが良くなかったんじゃないか、と‥‥いや、その辺はもう俺個人の趣味の問題ですからね。

  何度も聴いているうちにドンドン気に入っていく‥‥というのもあるんですが、これってもしかして「自分が聴き慣れただけなんじゃないの?」なんて穿った見方もしてしまいたくなる程、このアルバムに対するテンションが下がり気味なんですよ、俺。当然聴く頻度も前作程じゃないし‥‥「iTunes」に落として曲単位でシャッフルして聴くことは今後多々あると思うんですが‥‥う~ん‥‥

  まさかpillowsの新作に対して、こんなにキツいことを書こうことになろうとは‥‥ファンの皆さん、期待に応えられなくてゴメンナサイ。けどこれが偽らざる俺の感想なんですわ。pillowsを好きだからこそ、愛してるからこそ、正直に書いておこうと思います。大して気に入ってもないのに「今回もサイコーでしたねっ!」なんて嘘は書けないですからね。それに、数ヶ月経ったらここに書いたことを否定する程に気に入るようになってるかもしれないし。

  そうそう、ライヴにはちゃんと行こうと思ってますよ。ライヴで聴いたらまた感想が判るかもしれないしね。いや、絶対にそうだと信じてるし!

  最後に‥‥俺がこのアルバムで一番気に入ったのが、実はシークレットトラックのあの曲だったってことは、ここだけの秘密ですよ。「本編気に入ってないのかよ!」ってツッコミはナシの方向でねっ。



▼the pillows『PENALTY LIFE』
(amazon:国内盤CD

投稿: 2003 11 25 12:00 午前 [2003年の作品, pillows, the] | 固定リンク

2003/09/09

the pillows『TERMINAL HEAVEN'S ROCK』(2003)

  「あれっ、こんなもん!?」。それがthe pillows待望の新作を初めて聴いた時の感想でした。期待が大き過ぎたのか、それとも俺の耳がどうにかしちまったのか‥‥

  前作「Thank you, my twilight」が昨年を代表する大傑作だったし、先日リリースされたこの新作からの先行シングル「TERMINAL HEAVEN'S ROCK」も十分期待に応えてくれた楽曲だったんだけど‥‥どうにもこの「PENALTY LIFE」の第一印象は、地味。何か前作を通り越して再び「Smile」辺りにまで戻ってしまったかのような地味さだったのね。いや、悪くはないのよ。悪くはないんだけど、一発で唸ってしまうような衝撃度は皆無だったのね。シングルに収められてた3曲には少なからずそういった要素を感じていたんだけど‥‥あー、何か悪い方に空回りしてるんじゃないかな、考えすぎなんじゃないかな、とかいろいろと勝手に考えちゃいましたね。

  楽曲自体はどれも小粒でポップなロックチューンばかりで、それはそれで問題ないんですよ。多分1曲1曲を取り出して聴いてみたら、絶対にシングル「TERMINAL HEAVEN'S ROCK」を聴いた時と同じような反応をすると思うし。けど、これが1枚のアルバム、11曲入りの作品集として聴いてみた時、どうしてもシングルの時に感じたようなドキドキ感が体感できなくて。何故なんでしょうね? 絶対に悪い作品集だとは思わないし、曲も全然悪いとは思わないのに‥‥

  自分自身の心境とか今現在聴いてる音楽の趣味とかも多少影響してるとはいえ‥‥いや、それでもpillowsの新作には大変期待してたんですよ? 来年行われる単独ライヴにも足を運ぶつもりでいたし。あー何でこんなことになっちゃったのかなぁ‥‥って。

  もし俺自身に理由がないのなら‥‥pillows側に変化があったってことですよね。で、これも勝手に想像で書いちゃうんですが‥‥このアルバムを制作するに当たって、相当苦労したんじゃなかろうか?なんて思うのですよ。このアルバムを聴いた時に「あれっ、こんなもん!?」って思ったのと同時に「考えすぎじゃねぇの?」とも感じたんですね。多分、前作を踏まえてこの新作の制作に当たったと思うんですが‥‥煮詰まっちゃったのかなぁ、と。「pillowsとして平均点以上の楽曲」を作ることは難なく出来たと思うんですよ。現に前作のツアー中に、このアルバムにも収められてる "TERMINAL HEAVEN'S ROCK" と "Moon Marguerite" の2曲を制作、ライヴで発表してたわけですし。このアルバムで聴いてもこれら2曲はやっぱり素晴らしいと思うし、勿論それ以外の楽曲もこれら2曲に勝るとも劣らない内容なわけですし。ところが、これがアルバムとなると前作を超えられなかった。何故だろう? これがpillowsとしての限界なのか、それとも‥‥いや、前作が特別過ぎたんだ、なんて考え方もあると思うんですね。波に上手く乗れたんだ、と。で、その波に再び乗ろうとした結果、いろいろ考えすぎたのかな、と。

  アルバムを通して聴くと、何となく曲順に難があるような気がするんですね。それとアレンジ。非常にロックしてるんですが、ちょっとソフトコーティングしてない!?って感じたんですよ、今回の楽曲。メロが前作以上にポップになってるように感じられるし、それに対応したアレンジだったと思うんですが、どうにもそれが良くなかったんじゃないか、と‥‥いや、その辺はもう俺個人の趣味の問題ですからね。

  何度も聴いているうちにドンドン気に入っていく‥‥というのもあるんですが、これってもしかして「自分が聴き慣れただけなんじゃないの?」なんて穿った見方もしてしまいたくなる程、このアルバムに対するテンションが下がり気味なんですよ、俺。当然聴く頻度も前作程じゃないし‥‥「iTunes」に落として曲単位でシャッフルして聴くことは今後多々あると思うんですが‥‥う~ん‥‥

  まさかpillowsの新作に対して、こんなにキツいことを書こうことになろうとは‥‥ファンの皆さん、期待に応えられなくてゴメンナサイ。けどこれが偽らざる俺の感想なんですわ。pillowsを好きだからこそ、愛してるからこそ、正直に書いておこうと思います。大して気に入ってもないのに「今回もサイコーでしたねっ!」なんて嘘は書けないですからね。それに、数ヶ月経ったらここに書いたことを否定する程に気に入るようになってるかもしれないし。

  そうそう、ライヴにはちゃんと行こうと思ってますよ。ライヴで聴いたらまた感想が判るかもしれないしね。いや、絶対にそうだと信じてるし!

  最後に‥‥俺がこのアルバムで一番気に入ったのが、実はシークレットトラックのあの曲だったってことは、ここだけの秘密ですよ。「本編気に入ってないのかよ!」ってツッコミはナシの方向でねっ。



▼the pillows『TERMINAL HEAVEN'S ROCK』
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投稿: 2003 09 09 12:00 午前 [2003年の作品, pillows, the] | 固定リンク

2003/08/01

O.P.KING『O.P.KING』(2003)

  YO-KING、奥田民生、Theピーズのはる、the pillowsのシンイチロウによる今夏限定ユニット、O.P.KING。まさかアルバムまで作る程本格的に活動するとは思ってもみなかったよね?

  事の発端は、今年3月に行われたこのイベント。YO-KING主催で、彼の友人や親しいミュージシャンが集ったイベントなわけですが、この時出演したのは他でもない、民生とピーズなわけですよ。で、そのイベントの最後にはこの4人で、いわば「プレO.P.KING」と呼べるようなライヴをやったわけ。その時に演奏されたカバー曲("BAD BOY"、"RIP IT UP ~ Ready Teddy"、"Hippy Hippy Shake")は全て今回のアルバムに収録されているんだけど、そういったカバー曲のみならず、O.P.KING名義での作品2曲、YO-KING、民生、はるによるオリジナル曲がそれぞれ1曲ずつ、計8曲の最高にイカすロックンロールが詰まったミニアルバムがここに完成したわけです。

  いきなりこのメンツでバンド組みましたって言われると、普通は「おおっ、スゲエ! スーパーバンドだよ!!」って興奮するんだろうけど、冷静に考えるとこの組み合わせって、単に初期YO-KINGバンド(倉持・はる・シンイチロウ)に民生がゲスト出演したような形ともいえるんだよね。実際、民生ってYO-KINGのセカンドアルバムにも2曲ゲスト参加してるんでしょ? その片鱗みたいなものはずっと前から見え隠れしたたわけか‥‥

  ハッキリ言っちゃえば、YO-KINGの楽曲はまんまだし、民生の曲もまんま民生、はるの曲もピーズでやっても何ら違和感のない、当たり前の曲。つうかそれが当たり前の話だろってことなんですが。それだけ色や個性が強いミュージシャン/ソングライター/シンガーが3人も揃ってるんだもん、普通は個性のぶつかり合いみたいな、どぎつい世界観をつい想像してしまいがちだけど、ここにあるのはそういった「若さ故の争い」的サウンドはゼロ。目立つ時は思いっきり目立ちまくり、他者を立てる時は日陰の人として地味にする、でもそのスター性がそれでも滲み出てしまう、みたいなそんな内容。要するに「大人が頑張ってやんちゃしちゃいました!」的1枚。30代後半、40代に手が届きそうなオッサン4人による「夏の想い出音日記」なサウンドトラック盤。それがO.P.KINGなんじゃないでしょうか?

  ま、言い出しっぺは間違いなくYO-KINGでしょう。民生が進んでこのメンツを揃えて「バンドやろうぜ!」なんて言うわけないし、はるはピーズで精一杯だと思うし、シンちゃんにしろピーズとpillowsで手一杯だからYO-KINGバンド辞めたわけだし。もうね、王様のワガママから始まったといっていいんじゃないかな? だからって、決してYO-KINGが悪者だと言いたいんじゃなくて、よくぞ実現させてくれた、ありがとう!と心から感謝したいわけよ。だってさ、それぞれがそれぞれのバンドのリーダー格な存在ばかりでしょ?(ま、ソロのYO-KINGと民生は当たり前だけど、ドラマーのシンちゃんはちょっと違うかも)そういった人間がリーダーでもなく、単に「バンドの一員」としてステージに立つ姿、あんま観れないわけじゃない? 特に民生なんてユニコーン解散してから10年近くだよ!? これを面白くない・楽しめないって言ったら嘘になるんでないの?

  そういう偏った楽しみ方もありつつ、肝心の音はもうストレートすぎる程のロックンロール。それぞれのソロ曲は上に書いた通りだけど、それらの音も一本筋が通ってる感じかな。そして問題の「O.P.KING」としての共作曲"O.P.KINGのテーマ"と"通り過ぎる夏"。これってどういう風に作っていったんでしょうね。前者は民生がメインで歌うパートが多く、ブリッジ1でYO-KING、ブリッジ2ではるといった感じで、それぞれが歌うパートのメロはやっぱりそれぞれが書く楽曲のそれに近いのね。更に後者に関しては、はる~YO-KING~民生~シンちゃん(!)という具合に各コーラスを歌っている構成で、コード進行とサビメロは一緒なんだけど、それぞれのメロディが全く違うという‥‥多分さ、それぞれが歌うパートに関してはそれを歌う人がメロディや節回しを作ってると思うのね。特に"通り過ぎる夏"の場合は確実にそれ。もう笑っちゃう位にそれらしいメロディだもん。んん、だとしたらシンちゃんのは‥‥おおっ!

  こういうのはね、レビューでいろいろ解説・分析するもんじゃなくて、爆音でひたすらリピートするのが正しい楽しみ方だと思うのね。この夏必須、特に同年代のオッサン達にこそ聴いて欲しい1枚。



▼O.P.KING『O.P.KING』
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投稿: 2003 08 01 12:00 午前 [2003年の作品, O.P.KING, pillows, the, YO-KING, ピーズ, The, 奥田民生] | 固定リンク

2002/11/04

the pillows『Thank you, my twilight』(2002)

  先日、友人と電話で話していた時、The ピーズの話題から偶然、the pillowsの話題になり(the pillowsのドラム・しんいちろうが現在The ピーズでも活躍している為)「何故the pillowsはここまで過小評価されてるんだろうね?」と互いに疑問を吐き出したりしてる中、「こないだ出た新作っていろんなサイト見ても評判いいようだし、今度余裕が出来たら買ってみよう」って話をして。

  更に数日後、先にこの新作「Thank you, my twilight」を買った彼。うちの掲示板にも「買って間違いなし。絶対にとみぃ気に入るし。気に入らなかったら俺が金出す!」との書き込みをしてる頃、偶然にも俺はその書き込みを見ぬままCD屋へ駆け込み、このアルバムと、同時発売のBサイド集「Another morning, Another pillows」を買ったのでした‥‥こういうのってシンクロニシティーって言うんでしたっけ?

  というわけで、前振りが長くなりましたが、当サイト初登場のthe pillowsです。これまで何曲かを耳にした程度、ルースターズ・トリビュートアルバムでのカバーは結構気に入ってた、といった印象しかなかった彼等。けど、これまでにも何度か余所のサイトで「pillowsいいよ、絶対に気に入るってば」てな感じで、数年前のアルバム「RUNNERS HIGH」を薦められたりしてたんですよ、あとベストアルバムとか。なのに何故か今まで手が伸びなかったthe pillows。勿論、ここ数作のアルバムに対する評価が高いことは知ってました。

  俺が完全に彼等に対する見方を変えたのは、最近とあるサイトで目にした、シンガー・山中さわおの「この10年間、大ヒットとかなかったけど、それでもいい10年間だったと思う」というような発言でした(大体こんな感じだったと思いますが、細かなディテールは多分違うと思います)。大してファンでもないのに、この発言にちとウルッときちまった俺。何か、カッコイイな、と。ただそれだけ。もうそれだけで、普通に応援したくなった、音も聴いてないのにね。

  それともうひとつ‥‥話が前後するけど、昨年の「アラバキ・ロック・フェス」での彼等のステージを観た前述の彼からの、彼等の評判。これがかなり好印象だったことを思い出したんだわ。

  たったこれだけの理由で3,000円もするアルバムに手を出すなんて、ちょっと馬鹿げてるかもしれないけど、何故か自分の中で確信めいたものがあって。勿論、たった数曲ながらも彼等がどんな音楽をやってきたかをある程度認識してたってのも大きいんだけどね。

  で、その自分の予想大的中。これ聴かないとヤバイよ、マジで。すんげぇ大傑作。さわおくんに「君、今まで何やってたの?」と問い質されても素直に謝るしかない、ホントそんなかっけーロックアルバム。40才に手が伸びそうな連中がやるようなロックかよこれが!?って思える程に活き活きしてて、変な「出来上がり感」がないんだよね、10年選手特有の、あの落ち着きというか安定感が。いや、演奏は確かにしっかりしてて余所の若手バンドよりも安定感は確かにあるんだけど、もっとこう‥‥バンド特有のグルーヴ感ていうの?そういうのが未だに若々しいというか‥‥聴いててこっちが高揚してくる、そういう芯の熱さがこっちにまで十分伝わってくる。この年代のバンドにしては、ホントにそういう要素をかなり強く感じられるわけ。

  曲はね、もう文句なし。いきなり引きずるようなヘヴィーリフでスタートする"RAIN BRAIN"から、聴いててマジで泣けてくるタイトルトラック"Thank you, my twilight"、そしてラストの疾走ナンバー"Rookie Jet"まで、40分少々のランニングタイムがあっという間。で、気付けば二度、三度と繰り返し聴いてるし。楽曲のタイプも様々な要素を感じ取ることが出来て、例えば"RAIN BRAIN"なんてグランジっぽいリフを持ちながらも、サビはCHEAP TRICKにも通ずるようなポップなメロディを持ってるし、"ビスケットハンマー"もパワーポップに通ずる演奏/メロディだし、"バビロン 天使の詩"なんてイントロだけだとモッズっぽいイメージなんだけどサビで一気に甘いメロディが爆発するし、"My Beautiful Sun (Irene)"は近作のくるりにも共通する色があるんだけど、もっとこっちの方が「単なる味付け程度」って印象で、あくまで「the pillowsというバンドのポテンシャルがまずありき」という強い主張を感じるし‥‥ってこのままいったら全曲解説しそうな勢いだな、こりゃ。とにかく全曲捨て曲なし。どれも名曲、そしてそれら11曲が完全なひとつの流れを持っていて、それが間違った方向に進んでいない。その結果が「完璧なロックアルバム」というひとつの完成品を生み出したわけ。ホントこりゃすげぇアルバムだよ。

  ナンバーガールのような緊張感も、スーパーカーやくるりのような実験性の強さも、スピッツやミスチルみたいな大ヒットシングルも、GLAYやソフト・バレエのようなビジュアル要素もここにはない。だけど、ロック好きなら聴いて一発で魅了されちまうような特別な要素ががここには十分ある。それで十分じゃない? 30才過ぎたからって枯れる必要はなし。ロックはガキだけのものでもないし、かといって大人になって卒業するもんでもない。何時だってプレイヤーに載せれば、スピーカーからは俺らを「永遠の10代」に引き戻してくれるスペシャルな空間を作り出してくれる、それがロックでしょ?

‥‥なんて柄にもないこと吐かせちまう程、このアルバムは最高ってわけです。買って損なし。久し振りに「とみぃの宮殿」で大プッシュしたいアルバムに巡り会えた気がするよ。



▼the pillows『Thank you, my twilight』
(amazon:国内盤CD

投稿: 2002 11 04 12:00 午前 [2002年の作品, pillows, the] | 固定リンク