THE POLYPHONIC SPREE『THE BEGINNING STAGES OF...』(2002)
時節柄、メッチャ話題になりそうなグループですよね、彼等。確か今年のサマソニへの出演が決まった時点で俺「今年ある意味一番推し!」みたいなことを書いたと思うんですが、まさかその1ヶ月後にあんなことになるとは‥‥って、別にこのTHE POLYPHONIC SPREE自体は何をしたわけでもないんですが‥‥ねぇ?
大丈夫ですよ、このCD聴いたからって別にスカラー波が出たりとか、そういった害は一切ありませんからね(w。
そんなわけで、このバンド。昨年秋にリリースされたファーストアルバムなのですが、何やら昨年末辺りから本国ではないイギリスで大絶賛されるという、正にヘンテコなユニット。何せ「総勢23人組」「全員白装束」という強烈なビジュアル・インパクトですから。最初、このユニットのことを知人から教えてもらった時、「まさかぁ!」と笑ったのですが、「THE FLAMING LIPSとかMERCURY REV辺りが好きなら、絶対に気に入るから!」との言葉に騙されてネット注文。いざ届いたそのCDジャケットを見て、更に大爆笑。ヤバイ、マジだよこいつら! そして音の方も笑っちゃうくらいにイッちゃってるし。
どこまでが本気でどこからが冗談なのか正直判断がつきませんが、正にこの編成から生み出されるのが真っ当な、コーラスが分厚いサイケデリック・ゴスペルとでもいいましょうか‥‥とにかくね、飛んでるのよ本気で。いや、気持ちいいよ実際。上に挙げたようなバンドとの共通点は幾らでも見つかるし、実際なるほどと思ったもん。個人的には、生楽器を多用してる分、MERCURY REVに近いかな‥‥という印象を受けましたが‥‥後は聴いた人の判断に委ねます。ま、この手の音が好きな人だったら絶対に気に入るアルバムなので。
10曲収録で約70分。殆どの曲が3~5分程度で意外とコンパクト。非常にポップな曲ばかりで、それをサイケにコーティングしているといった感じでしょうか。ただ、最初聴いた時は「このコンパクトさで、この収録時間。計算合わないじゃん」と思ってたのですが‥‥最後の10曲目、"A Long Day"ってのが‥‥曲者でして。これ、36分以上もあるサウンドコラージュといいますか‥‥グレゴリアン・チャントも真っ青な環境音楽。ホント、マジでこんなの36分も聴いてたら完全に「あっち側」にたどり着くよ。実際、今それを聴いてる最中なんですが‥‥あぁ‥‥だんだん落ち着いてきた‥‥これ、もしかしたら『サイケ版「METAL MACHINE MUSIC」(LOU REEDが'70年代に発表した、全編ギターのフィードバックノイズのみで構成された実験作)』ってことなんでしょうか‥‥何かそんな気がしてきた‥‥ま、これはステージで再現されることはないでしょうが、なんつーか、ある一定の人達の為の音楽という気がしますね。とりあえず通常素面な俺には必要ないかな、この曲は(ま、必要になった時は喜んで聴かせてもらいます)。
実際にこの人達、ステージに23人昇ってライヴやるようですよ。サマソニでも一番デカいアウトドアの方でライヴやるみたいだし。しかも真っ昼間っから。炎天下のスタジアムに合うかどうか甚だ疑問ですが‥‥だったら大自然で聴いた方が気持ちよくないか? それこそフジのフィールド・オブ・ヘヴンでさ。辺り一面にはヘンプの香りが充満して‥‥理想的だなぁそれ(オイオイ)。
全編ダウナーというわけでもなく、実はゴスペルチックなロックンロールも1曲入ってるし、曲調も思ったよりは幅が広いので、好きな人なら本当に楽しめると思います。ってこれを書いてる今現在、日本盤はリリースされてませんけどね(初来日に合わせて、やっと6月上旬にリリース決定。つうか時期的にホント大丈夫か!?)。
来日の際に、某パ○ウ○ーブ研究所からスカウトされないことを祈ります(w
▼THE POLYPHONIC SPREE『THE BEGINNING STAGES OF...』
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