BLOODYWOOD『RAKSHAK』(レビュー) GREYHAVEN『THIS BRIGHT AND BEAUTIFUL WORLD』(レビュー) MICHAEL MONROE『I LIVE TOO FAST TO DIE YOUNG!』(レビュー) PORCUPINE TREE『CLOSURE / CONTINUATION』(レビュー) SOUL GLO『DIASPORA PROBLEMS』(レビュー)
10thアルバム『THE INCIDENT』(2009年)に伴うツアーを経て、2010年以降は活動停止状態だった彼ら。以降、スティーヴン・ウィルソン(Vo, G)はソロ活動を活発化させ、2011年の2ndソロ『GRACE FOR DROWING』から昨年の6作目『THE FUTURE BITES』(2021年)まで5枚ものアルバムを発表。かつ、同作は全英4位、5作目『TO THE BONE』(2017年)は同3位とチャート的にも好成績を残しています。
もちろん、ただ同じことの繰り返しをしているわけではなく、メロディや奏でられるサウンド、バンドのアンサンブルや随所に散りばめられたフレーズなどに以前との違い(というか成長)を感じ取ることもできる。ダークな「Rats Return」があるかと思えば、穏やかな雰囲気の「Of The New Day」や「Dignity」では独特の浮遊感や解放感が味わえるし、「Walk The Plank」ではエレクトロ色の強い不思議な空気を味わうこともできる。そして、アルバムラストには10分近くにもおよぶエピカルな「Chimera's Wreck」が配置されている。僕は決して熱心なこのバンドのファンとは言えませんが、ここで展開されている楽曲、サウンドにはファンが望むものすべてが詰まっていると同時に、この10数年にスティーヴンやリチャード、ギャヴィンが経験したことすべてが凝縮されているような気がしてなりません。