カテゴリー「Prince」の9件の記事

2019年4月21日 (日)

PRINCE & THE REVOLUTION『PARADE』(1986)

1986年春に発表された、プリンス通算8作目のオリジナルアルバム。PRINCE & THE REVOLUTION名義では『PURPLE RAIN』(1984年)、『AROUND THE WORLD IN A DAY』(1985年)に続く3作目にして最終作に当たります。本作からは「Kiss」が全米1位(同年間19位)、「Mountains」が同23位、「Anotherloverholenyohead」が同63位を記録し、アルバム自体も全米3位まで上昇しています(ミリオンセールス達成)。

同年に公開されたプリンス主演映画第2弾『アンダー・ザ・チェリー・ムーン』のサウンドトラックとして制作されたという点においては、メガヒットとなった『PURPLE RAIN』(同名映画のサントラ)と同じポジションの1枚ですが、音楽性や内容的にはロック色が濃厚だった『PURPLE RAIN』とは異なり、よりファンク色が強く、かつ『AROUND THE WORLD IN A DAY』でのサイケデリック色、さらにジャズの色合いも加わった、音楽性が一段と広がりを見せた1枚に仕上がっています。

どうしても大ヒットした「Kiss」の印象が強くなってしまいますが、ジャンルレスな1〜2分台のショートチューンが矢継ぎ早に繰り出される前半(アナログA面のM-1〜7)の構成はなかなかに気持ち良いものがあり、だからこそ唯一5分台の楽曲「Girls & Boys」(ヨーロッパのみでシングルカット。MVも制作)が非常に強く印象に残るというのもあります。

後半に入ると前作の流れを汲む「Mountains」もあるし、代表曲「Kiss」もあるし、何よりもアルバムラストを飾る名バラード「Sometimes It Snows In April」もある。特に7分近い大作の「Sometimes It Snows In April」は、彼が去って以降はこの季節になると毎年聴きたくなる1曲でもあります。そろそろ暖かくなってきたなって季節なのに、急に真冬のような寒さまで気温が落ち込む1日には、ふとこの曲が脳内で流れ始めるんですよね。

映画のサントラということを抜きにしても、アルバムとしてなかなかにバラエティに富んだ本作。映画の大失敗&酷評もあり、このアルバムに対する評価も一時は決して高いものではありませんでしたが、改めてプリンスのキャリアを振り返るとすごく充実した1枚であることが理解できるはず。特に、ここからTHE REVOLUTION解散〜『SIGN O' THE TIMES』(1987年)でソロ名義での活動再開という流れを考えると、本作はひとつの区切りであり大きな分岐点でもあるのかなと。

まあとにかく、良い曲が多いし、アルバムとしても聴きやすく優れているので、80年代の代表作のひとつとして今このタイミングにオススメしておきたい1枚です。

 


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2019年2月13日 (水)

PRINCE『BATMAN』(1989)

昨日からの続きになってしまいますが……それでは、レニー・クラヴィッツがデビューした当時のプリンスはどうだったかといいますと、実は意外と伸び悩んでいた時期なのかなと。それはセールス面はもちんのこと、音楽面においても。THE REVOLUTIONを解散させ、ソロ名義で動き始めた2枚組アルバム『SIGN O' THE TIMES』(1987年)、発売直前に急遽お蔵入りとなった『THE BLACK ALBUM』(1987年/1994年に正式発売)、その代案として制作された異色の“ワントラック”アルバム『LOVESEXY』(1988年)……創作意欲こそ右肩上がりでしたが、それと反比例するかのようにチャートの成績や売り上げは下降線をたどる一方。『LOVESEXY』に至っては全米11位、50万枚というそれ以前の作品よりもひどい記録を残すことになります。

そんな中、1989年6月に発表されたのがこの通算11枚目のスタジオアルバム『BATMAN』。本作は同時期に劇場公開されたティム・バートン監督作品『バットマン』のサウンドトラック的立ち位置の1枚ですが、実際には映画からインスピレーションを得て作られたオリジナルアルバムと言ったほうが正しいのかもしれません。

楽曲中に映画のセリフなどがサンプリングされているものの、かといってサントラ的なインストは皆無。どれもプリンスらしい歌モノで、近作と比べると非常に“わかりやすい”内容となっています。

それは、各楽曲が非常にシンプルな構成・アレンジで、良い意味で作り込みを緩めている、悪い意味で簡素と受け取れるものなんですね。だけどプリンスの場合、これくらい“抜いた”ほうが世の中の流れに沿うんじゃないか……そう思わせてしまうのも、この作品の罪作りな部分といいますか。

コアなプリンスファンからしたら、ここで展開されているサウンドや楽曲群は茶番でしかないのかもしれません。だけど、我々がイメージするプリンス像がディフォルメして表現されているという点においては、一般層・ライト層にとって取っつきやすい。実際、文字通り派手なパーティチューン「Partyman」やファンキーな「Trust」は“いかにも”だし、ファルセットを多用したセクシーな「Scandalous」も“いかにも”。シーナ・イーストンとデュエットしたバラード「The Arms Of Orion」しかり、クールなファンクロック「Electric Chair」しかりです。

そして、アルバムのラストを飾るのが歌モノというよりも、開き直りも甚だしい“サンプリング”ナンバー「Batdance」。6分を超えるこの曲は、プリンスらしいフレーズやフレイバーを凝縮させたプログレダンスチューンで、この曲が「Kiss」(1986年)以来の全米1位を獲得することになろうとは、なんとも皮肉な話です。

なお、このアルバム自体も『AROUND THE WORLD IN A DAY』(1985年)以来の全米No.1を獲得し、アメリカだけで200万枚を超えるセールスを記録しました。さらに本作からは「Partyman」(全米18位)、「The Arms Of Orion」(同36位)というヒットシングルも生まれています。前作『LOVESEXY』からは「Alphabet St.」(全米8位)のみだったことを考えると、本当に皮肉というかなんというか。

このアルバムで息を吹き返したプリンスですが、続く次作『GRAFFITI BRIDGE』(1990年)では再び迷走に突入することになります。



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2018年1月 1日 (月)

PRINCE『LOVESEXY』(1988)

さて、新年一発目にふさわしいジャケットのアルバムを紹介したいと思います(笑)。

プリンスが1988年初夏に発表した、通算10枚目のスタジオアルバム『LOVESEXY』。1987年春に2枚組アルバム『SIGN O' THE TIMES』をリリースし、早くも同年末に『THE BLACK ALBUM』を発表しようとしますが、諸事情で発売中止に。そういったトラブルを経て日の目を見たのが本作でした。リードシングル「Alphabet St.」は全米8位とヒットを飛ばすも、続く「Glam Slam」「I Wish U Heaven」はチャートインせず。アルバムも全米11位と、前作までと比較すれば低調に終わりました。

内容がそこまで悪かったのかと言われると……いやいや、全然そんなことないんですよ。プリンスらしいファンキーさとポップさが両立した内容で、非常に聴きやすいし。むしろ、『PURPLE RAIN』(1984年)以降では一番ポップで親しみやすい内容なんじゃないでしょうか。前作『SIGN O' THE TIMES』が雑多な実験作だったこともあり、ここまで統一感の強い作品は久しぶりなような気がしますし。

1曲1曲をピックアップしても、オープニングの「Eye No」から「Alphabet St.」へと続くファンキーなポップチューンの連発はさすがだと思うし、サイケデリックな「Glam Slam」はなんでこれがヒットしなかったんだろうってくらい良曲だし。セクシーなミディアムナンバー「Anna Stesia」、文字通りダンサブルな「Dance On」、本作中もっとも地味な印象のタイトルトラック「Lovesexy」、『THE BLACK ALBUM』から唯一持ち越されたバラード「When 2 R In Love」、浮遊感漂うサイケポップ「I Wish U Heaven」、前曲から心地よく続く「Positivity」……改めて聴き返すと、どれも悪くないんですよね。いや、“悪くない”止まりなのがいけないのかな。確かに殿下にしては“飛び抜けて”良い曲が少ない気がするし。でも、そこまで悪いとも言い切れない。う〜ん。

で、何がいけなかったのか考えてみたんですが……もうおわかりですね。ジャケットが災いしたとしか思えない(笑)。そりゃあみんな敬遠しますわ。正直、当時高校生だった僕も本作の購入、躊躇しましたもん。しかも地元では買いにくくて、上京した際にタワレコで輸入盤を買ったのでした(しかも、当時は縦長の箱に入っての販売だったから、余計に恥ずかしかった……)。

あと、本作はCDやストリーミングで聴いている人ならおわかりのように、全9曲を1トラックとして収録という聴きにくさもあります。曲を飛ばすなよ、という殿下からの無言の圧を感じずにはいられませんが、こういうご時世だからこそ本作がストリーミングでも1トラック方式を採っているのは妙に納得してしまうといいますか。うん、黙って通して聴いてください。



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2017年10月 1日 (日)

PRINCE『SIGN O' THE TIMES』(1987)

1987年春に発表された、プリンス通算9作目のスタジオアルバム。“PRINCE & THE REVOLUTION”名義で発表された『PURPLE RAIN』(1984年)、『AROUND THE WORLD IN A DAY』(1985年)、『PARADE』(1986年)を経て、ソロ名義では1982年の『1999』以来4年半ぶりのアルバム。しかも同作以来の2枚組作品(『1999』はアナログ2枚組でしたが、CD化の際に1枚に。『SIGN O' THE TIMES』はCDでも初の2枚組)でした。

世代的に『PURPLE RAIN』からプリンスの音楽に触れ、「曲はカッコ良いのに声が気持ち悪い」と思っていた、あの頃10代前半だったリスナー、多かったんじゃないでしょうか。まさに自分がそうで、『AROUND THE WORLD IN A DAY』は苦手意識のほうが勝ってしまいしばらく放置(高校生くらいまで)。が、『PARADE』収録の「Kiss」のファルセットはなぜかイケて、ハマってしまったクチでした(もっともアルバム自体は当時、そこまでのめり込めませんでしたが)。

で、『SIGN O' THE TIMES』。先行シングルのタイトルトラックの淡々とした曲調、まずこれにヤラレました。もはやこの頃になると声の気色悪さはほとんど気にならず、むしろこの声じゃないとダメ!とすら思えるように。確か、レンタルではなく初めて購入したプリンスのアルバムが本作だったと記憶しています。

全16曲、約80分というボリュームは当時の自分にとっては相当なものがありました。だって、情報量が多すぎて……単なるファンクや R&Bだけでなく、ポップやロック、ハードロック、ヒップホップ、サイケ、ソウルetc…いろんな要素詰まりまくりで、すべてを理解するには相当の時間を要したことを、今でもよく覚えています。ぶっちゃけ、今でも完全に理解しきれているかと言われたら微妙ですが、少なくとも20代になってしばらく経ってから、このアルバムの本当の凄味に気づいたんじゃないでしょうか。

本来は3枚の別々のアルバムだったものを、 THE REVOLUTION解散などを経てひとつの作品にまとめ込んだのが本作。これまでも1枚のアルバムの中にいろんな要素を詰め込んむ人ではありましたが、本作が過去の作品の比じゃなほどに雑多なのは、そういった理由もあるのかもしれません。にしても、やりすぎだろ!と思っちゃうほどに遊びまくり実験しまくり、なのに自然とするする聴けてしまう。

プリンスの声色も曲によってカラフルに変わっており、時には爬虫類系の声色で歌い、時にはファルセットでセクシーに歌い、ある時にはエフェクトかけまくりの歌声を披露する。もはや自身の声すらも楽器のひとつとして、自身の楽曲を最高の形で演出する。そういった意味では、この人はシンガーというよりも音楽家だったんだなと。

昔はハードでロック色が強く、パーティ感もにじませていたディスク2を気に入っておりましたが、最近はもっぱらいディスク1にやられまくり。やっぱりタイトルトラックの無機質感(密室ファンク!)といい、そこからパーティチューン「Play In The Sunshine」を経て「Forever In My Life」まで続く怒涛の流れは、本当に圧巻。これがあるから、ディスク2がより映えるということにも、改めて気づかされました。

本作をプリンスの最高傑作に挙げるファンも多いようですが、それも納得の内容。本作と続く『LOVESEXY』(1988年)、そしてその間にリリースされる予定だった『THE BLACK ALBUM』(1987年12月発売予定だったものの、直前に発売中止。1994年にようやく日の目を見ました)の3作は本当に神がかっていたんだなと、今さらながら時間しているところです。

ただ、ひとつだけ難点を挙げるとしたら、曲ごとに録音レベル(音量)が異なること。1曲目「Sign O' The Times」を基準に聴き始めると、続く「Play In The Sunshine」で急に音量が小さくなるし、その後も変動を繰り返し続けるという。まあこれすらも、聴き手を惹きつけるための戦略なのかな、なんて邪推してしまうわけですが(そんなことないでしょうけどね)。



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2016年4月22日 (金)

R.I.P. Prince

世代的には『Purple Rain』が最初。以後、毎年のように新作を発表してくれる、律儀な人だった。ライブは1回だけ。

つい最近、引越しの際に手放していた1stアルバム『For You』と2ndアルバム『Prince』を買い直したばかりで、iTunesの中にはこの2枚と『1999』以降の80年代のアルバムが常に入ってる状態だった。

もし無人島に10枚だけ……みたいな質問をされたら、絶対に選ぶのが『Sign O' The Times』だと思う。「私を構成する9枚」にもマストで選ぶくらい、本当に影響を受けた1枚(2枚組だけど)。

もうこれ以上、言葉が出てこない。夜中に近所迷惑で申し訳ないけど、今晩だけは大きな音で聴かせてほしい。

ご冥福をお祈りします。


2006年12月31日 (日)

MY BEST OF 2006

古いMac bookに10数年ぶりに電源を入れて、中に残っていたファイルをサルベージしていたのですが、2006〜2009年の年間ベストアルバムのデータを見つけることができました。たぶん、このへんは当時mixiか何かで公開していたのかもしれませんが(mixi自体ずいぶん前に解約しちゃったしね)、ここで改めてその10枚を公開してみたいと思います。

まずは2006年の年間ベストから。アルバム10枚中、洋楽5枚/邦楽5枚のセレクトとなります。コメントが残っていたものは、限りなく当時のまま残しておきたいと思います。(執筆:2020年5月21日)

 

・DELOREAN『INTO THE PLATEAU』

・JUSTIN TIMBERLAKE『FUTURESEX/LOVESOUNDS』

・MUSE『BLACK HOLES AND REVELATIONS』

・MY CHEMICAL ROMANCE『THE BLACK PARADE』

・PRINCE『3121』

・BOOM BOOM SATELLITES『ON』

・ELLEGARDEN『Eleven Fire Crackers』

・YUKI『Wave』

・ムック『極彩』

・吉井和哉『39108』

 

意外に思われるようなアルバムもあるかもしれないけど、純粋に今思いついた2〜30枚から選んだら、こんな感じに。気持ちよく洋邦半々になった。漏れた中にはベンジーとかクロマニヨンズとかDEFTONESとかTOOLとかいろいろあったけど、でも自分の中で「2006年を代表する音」はこの10枚でいいかもしんない。

あとね、MUSEとMY CHEMICAL ROMANCEとムックは、実は地つながりだと思う。んで、その真ん中に吉井和哉がいて……っつーのはちと違うけど、昨今のビジュアル系〜ゴスがウケるという日本や海外のシーンが、何となくMUSEとマイケミとムックに集約されてるように思った。それぞれイギリスとアメリカと日本のバンドなんだけどね。そんな中、MY CHEMICAL ROMANCEのUSツアーにMUSEが同行するなんて話も決まって、なおさら「なるほどー」な流れに。マイケミの前座でムックとか出ればいいのに。AFIのオープニングというのも、今回のアルバムを聴いてしまうとなんとなく頷ける話かと思います。

あと、絶対に「とみぃがエルレ選んでる!」って笑われると思うけど、偏見なしによいロックアルバムだと思ったから、素直に選んだだけ。そんな偏見クソ食らえだっつーの。相変わらずライブは苦手かもしれないけど、この作品については素晴らしいと思いますよ。

2004年10月12日 (火)

うわーっ、こんなの出るんだ!

 プリンスの自作自演映画3部作(「パープル・レイン」「アンダー・ザ・チェリー・ムーン」「グラフィティ・ブリッジ」)をまとめた4枚組DVDボックス。しかも「パープル・レイン」は2枚組。特典ディスクがとにかく凄い。「THE VIDEOS」ってのは各サントラアルバム(2番目はかの「PARADE」)からシングルカットされた曲のPVってことですよね。ってことは‥‥「パープル・レイン」9曲って‥‥全曲じゃんか(汗)。いやまてよ。THE TIMEの曲とかシーラ・Eの曲も含まれて9曲ってことか!?

 何にせよ、これは絶対に買いだ。最近、ライヴ映画「SIGN 'O' THE TIMES」がDVD化されたけど、それに続く快挙といいましょうか。特に「グラフィティ・ブリッジ」は観た事ないからなぁ。「アンダー〜」は以前観た記憶があるけど‥‥全然ストーリー覚えてないもんで。

 あー来日しないかなぁ、殿下。



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2004年9月28日 (火)

とみぃ洋楽100番勝負(40)

●第40回:「Sign 'O' The Times」 PRINCE ('87)

 前に "1999" の時(第19回)にも書いたけど、アルバム「1999」から無題アルバム(通称「BLACK ALBUM」)や「LOVESEXY」の頃までのプリンスの快進撃はホント休む事知らずって感じで、アルバムを必ず年に1枚リリースしてたんですよね。特に「AROUND THE WORLD IN A DAY」、「PARADE」、そしてこの「SIGN 'O' THE TIMES」の3作はどれもが歴史的名盤と呼んでも差し支えない程の作品集。しかも3枚とも作風が異なりますからね。そこが凄い。

 初めて買った2枚組CDアルバムが、この「SIGN 'O' THE TIMES」だったんですよ。で、それが‥‥その後の俺の人生を変えちゃうような、もの凄い名盤中の名盤だったとしたら‥‥皆さんだったらどうします?

 それまで率いてきたTHE REVOLUTIONというバンドをいきなり解散させ(一応「PURPLE RAIN」から「PARADE」までの3作が『PRINCE & THE REVOLUTION』名義)、再び自作自演に明け暮れたプリンス。そうして出来上がったアルバムが2枚組なんだから‥‥しかも駄曲一切なし。ものスゲエよ、マジで。

 自作自演‥‥言い方は悪いけど、引き蘢りミュージックのひとつの完成型じゃないか、これ。1曲目の表題曲が、もう全部を語ってるよね、歌詞の内容にしろさ。チープなリズムボックスをバックに、胡散臭いんだけどソウルフルなシンセや、如何にもプリンスなかっちょいいギターソロが被さって、あの爬虫類的歌声が乗る‥‥しかもメロウ。そりゃ度肝を抜かれるわな。

 よくジミヘンだったりSLY & THE FAMILY STONE、スティーヴィー・ワンダーといった偉人達、そして同時代を生き抜くマイケル・ジャクソンと比較されるけど、全然違う立ち位置にいる人だよね。だって、未だに攻めの姿勢を崩してないじゃない。'90年代後半はレーベルとのゴタゴタとか訳判んない未発表曲集みたいなのが次々と出てきてファンは翻弄されたけど、ここ最近の彼は(決して「SIGN 'O' THE TIMES」の頃みたいな神懸かった閃きはないにせよ)ホント輝いてるよね。

 だからこそ‥‥そろそろまた、こういう「計算」と「暴走」の狭間にいるような作品集を期待しちゃうんだよね。



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2004年9月 7日 (火)

とみぃ洋楽100番勝負(19)

●第19回:「1999」 PRINCE('82)

 そうか、この曲ってそんなに前の曲だったんだ。けど俺が初めて聴いたプリンスの曲がこれなのね。初めて聴いたアルバムは、続く大ヒット作「PURPLE RAIN」('84)だったけど。

 個人的にはこの曲を含む5作目のアルバム「1999」以降の作品‥‥「LOVESEXY」や、後にリリースされることになる無題アルバム(通称「BLACK ALBUM」)辺りまでが最もハマった時期で、特に「AROUND THE WORLD IN A DAY」「PARADE」「SIGN 'O' THE TIMES」の3作は一切隙のない名作中の名作だと思っております。中学〜高校の頃、影響受けまくったもん。これがなければ、個人的には岡村靖幸に行かなかったと思うし。

 で、"1999"。カッコいいよね、純粋に。ま、ファンクって部類に分けられるんだろうけど‥‥個人的には「ポップ」というか「ポップス」だったんだよね。ヘンテコなポップス。プリンスの顔が気持ち悪いとか声が変だとかいろいろ意見はあるだろうけど‥‥特にガキの頃だったから、周りはみんなそんな風に言ってたよね。特にマイケル辺りと比較してさ。

 そういえば‥‥ベタだけど、この曲を1999年の元旦一発目に聴いた記憶が。みんなもそうじゃねぇの?(と勝手に決めつけ)

 まぁプリンスに関してはベスト盤から聴くのもいいけど、アルバムだったら素直に「PURPLE RAIN」辺りから聴いてください。あるいは'90年代以降のNEW POWER GENERATIONと組んだ時のやつとか。K-1のテーマソングになってるやつとか入ってるし。「1999」は意外とアクが強いので(ってプリンスの作品は全部アク強いけど)慣れてからの方がいいかな、と。

 プリンスについては、もう1回くらい語りたいな。



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