BULLET FOR MY VALENTINE@Zepp Tokyo(2008年5月18日)
というわけで、BULLET FOR MY VALENTINEのライブに行ってきました。彼らのステージを観るのは、2006年1月の初単独公演以来。前回がクアトロだから、今回のZepp Tokyoはキャパ的に約3倍ということになります。にもかかわらず、会場は満員。開演前から「Bulletコール」が巻き起こるなど、いかにファンが彼らの来日を待ち望んでいたかが伺えました。
考えてみれば、彼らは昨年8月にも来日しています。なのにここまで歓迎されるのは、間違いなくニューアルバム「SCREAM AIM FIRE」の大ヒットが大きいわけです。全米でトップ5入り、日本でも洋楽チャートでNo.1を獲得したこのアルバムは、一部のファンの間では不評みたいですが、個人的には「この路線変更はアリ」と受け入れてたので、セールスやチャートの結果には納得しています。
さて、実際のライブですが、まずオープニングアクトとしてPROTEST THE HEROが登場。ライブは初めてですが、かなりプログレッシヴなアレンジを持つメタルコアといった印象。音が悪くてグッシャリしていたせいで、せっかくのプログレぶりもうまく生かされてなかった気がしました(曲展開があっても、音がつぶれているのでいまいち音を取りづらい)。どことなくTHE MARS VOLTAにも通ずるものを感じましたが、こちらのほうがもっとメタリック。昨年「PUNKSPRING 07」に出演したようですが、そっちよりも「LOUD PARK」だろ!?と言いたくなるサウンドでしたね。もう一度、今度はちゃんとしたコンディションのパフォーマンスを観てみたいです。
30分のインターバルを経て、再び会場が暗転。ステージには転換時に張られた白幕にさまざまなライトが当てられ、途中からフロントメンバー3人の陰が。幻想的なオーケストレーションS.E.が終わると、そのまま勢いあるタムロールとともに、「Scream Aim FIre」がスタート! バックドロップには巨大なアルバムジャケ絵、各アンプ前にはそれに準じた絵が描かれたスクリーンが用意されてました。
マットの喉の調子が気になっていたのですが、思っていたよりも上々かな?と。スクリームやデス声はほぼベースのジェイが担当し(一部の曲でマットもスクリームしてましたが、以前と比べれば相当少なめ)、マットのボーカルパートの負担を減らしてました。特に違和感はなかったように思うけど、確かに過去の曲になるとちょっと弱い気もしました。
新曲は、やっぱりライブで聴くと映えるものが多いかな。頭2曲が新作からで、MCを挟んで名曲「4 Words (To Choke Upon)」。その後も代表曲と新作からのナンバーを、バランス良く並べてました。6曲目でパワーバラード「Say Goodnight」が披露されたけど、これはMETALLICAでいうところの「Fade To Black」「Welcome Home (Sanitarium)」みたいな位置づけと思えばぜんぜんアリだな、と。途中でラウドになるパートもあるし、そのまま続けて「Take It Out On Me」に流れていったのもよかったしね。
「Hand Of Blood」ではファンをステージに上げて、マットの代わりに歌わせるというGREEN DAYみたいな余興もあり、笑わせてもらいました。日本人のキッズと海外からの男性の計2人がステージに立ったんだけど、予想に反して日本のキッズのほうが度胸がよかったというのが、なんだか微笑ましかったなぁ。
本編はその後、「Room 409」で一応終了。ちょっと裏側に引っ込んだメンバーはすぐに戻ってきて、新境地的なメジャーチューン「Hearts Burst Into Fire」、前作からの「Spit You Out」を力一杯にプレイ。マットが「次の曲で最後」と言ったところ、客席からブーイングが巻き起こり、「じゃあ次の曲で最高の盛り上がりを見せてくれたら、もう1曲やろうか」みたいなことを言って、アンコールラストに「Waking The Demon」を披露しました。クラウドサーファーの数もこの日一番のように見えたし、実際ピョンピョンとジャンプするファンの数もすごかったし、ラストにふさわしい盛り上がりだったと思います。
メンバーがステージから去った後も、さらに歓声は鳴りやまず、またまたメンバー再登場。当初予定されていなかった、本当の意味での「アンコール」に演奏されたのは、METALLICAのカバー「Creeping Death」でした。さすがにこの日会場にいたほとんどのメタルファンは知っていたようで(といっても、BFMVの来日記念盤やシングルのカップリングに、この曲のカバー入ってたしね)、最後の力を振り絞って歌うや暴れるやの宴に突入。最後のサビでは、ベースのジェイが歌うなど、ジェイソン時代のMETALLICAを思わせる演奏で思わずニンマリ。約80分にわたるライブは、大きな盛り上がりのうちに幕を閉じました。
思えば一昨年1月のライブは60分足らずで終了し、「ま、こんなもんか」と自分を納得させたわけですが、さすがに今回は大満足。METALLICAのように2〜3時間やれとは言わないけど、まだアルバム2枚しか出してない新人バンドのワンマンライブにしては、大成功だったのではないでしょうか。これならもう1公演観てもいいな、と思ったけど仕事があるので川崎公演は遠慮しておきます。
<SET LIST>
01. Scream Aim Fire
02. Disappear
03. 4 Words (To Choke Upon)
04. Tears Don't Fall
05. Suffocating Under Words Of Sorrow (What Can I Do)
06. Say Goodnight
07. Take It Out On Me
09. Eyes Of The Storm
10. Deliver Us From Evil
11. Hand Of Blood
12. Room 409
--ENCORE--
13. Hearts Burst Into Fire
14. Spit You Out
15. Waking The Demon
--ENCORE--
16. Creeping Death
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