PUFFY『honeycreeper』(2007)
あんまり売れてないですね、PUFFYのニューアルバム。昨年のオリジナルアルバム「Splurge」が傑作と呼ぶにふさわしい内容だっただけに、それに続く本作は前作以上に売れてほしいなぁと思っていたんですが……ライブにはお客が入るのにね。本当に残念。
デビュー10周年を迎えた2006年を経て、次のディケイドに向けて走り出した彼女たちが贈る最新作は、前作以上に豪華な作家陣を迎えています。井上陽水&奥田民生の黄金コンピ、チバユウスケ、吉井和哉、真島昌利、山中さわお、宮藤官九郎&富澤タク(グループ魂)、ピエール瀧、そして海外からブッチ・ウォーカーやスウェーデンのパワーポップバンド・THE MERRYMAKERSの面々……各ソングライターの個性が色濃く表れた楽曲にもかかわらず、PUFFYのふたりがそれを歌えばちゃんとPUFFYの曲へと様変わりしてしまうのは、さすがと言うべきか。決して作家陣が彼女たちにあわせた曲作りをしているとは思えないんだけど(そりゃ多少は意識して書いてるんだろうけど)、ここまでPUFFYとして成立してしまうのは、もはや個性と言うべきなんでしょうね。
今作で興味深いのは、これまでアルバム作りに携わってきたアンディ・スターマーが曲作りに参加していない点。まぁTHE MERRYMAKERSの面々はアンディ繋がりで参加することになったはずだから、そういう意味では間接的に参加しているとも言えますけどね。ただ、個人的にはアンディの曲が1曲もないのが残念だなぁと思うわけです。
それにしても……ここまで豪華で強力なアルバム、そうはないと思うんですけどね。どうして浸透しないのか……逆に、ここまで手が込んでいると、気軽に手を出しにくいということなんでしょうか。絶対に聴いてみようという気にさせないというか……そんなことない? すごく勿体ないと思うんだけどなぁ。
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