QUEENS OF THE STONE AGE: THE END IS NERO 2024@TOKYO DOME CITY HALL(2024年2月7日)
フェスでは何度も観てきたQUEENS OF THE STONE AGE、実は単独公演を観るのはこれが初めて。昨年リリースされた最新作『IN TIMES NEW ROMAN...』(2023年)が傑作だっただけに、何としてもライブを観ておきたいと思い、ギリギリまでマイケル・モンローと悩みながらこちらを選びました。いや、本当は隣の大会場でやってたテイラー・スウィフトも観たかったんだけどね(笑)。
事前に大阪公演のセトリを目にしていたものの、いざ始まってみると1曲目からガラッと変えてきたもんだからびっくり。しかも、セルフタイトルの1stアルバム(1998年)オープニングトラック「Regular John」なもんだから、理性がぶっ飛んだ。そこから名曲「No One Knows」へと続き、掴みはばっちり。終始「うぉー!」とか「ぐぉー!」とか叫んでたよ(笑)。しかも、全体的に海外のお客さんが多かったからか、会場の雰囲気もかなりよかったな。
バンドの演奏もかなりタイト。考えてみたら、ドラムジョン・セオドア(ex. THE MARS VOLTA)なんだもん、そりゃ気持ちいいわけだ。タイトでデカい音なのに、しなやかで気持ち良いリズム。理想的すぎます。
で、一番はジョシュ・ホーミ(Vo, G)。ヴィジュアル面でも色気ムンムンだし、奏でる音も官能的。今やメインストリームのオルタナ界(なんじゃそりゃ)ではデイヴ・グロールと双璧の存在ですが、あちらがアメリカンロックのど真ん中だとしたら、ジョシュは裏街道のセクシー番長的な立ち位置なのかな(笑)。一挙手一投足すべてがカッコいい。
選曲的には『IN TIMES NEW ROMAN...』を軸にしつつも、オールタイムベスト的な内容。そんな中でも全米1位を記録した6thアルバム『...LIKE CLOCKWORK』(2013年)と、バンドをメインストリームへと引き上げた3rdアルバム『SONGS FOR THE DEAF』(2002年)からの楽曲が多めなのは、なるほどなといったところか。新作からは4曲のみにとどまりましたが、もっと聴きたかったと思うのは贅沢な悩みでしょうか。とはいえ、あの攻めのセトリを前にした文句なんて言えませんよね。
ライブのクライマックスは、大阪公演では演奏されなかった「I Think I Lost My Headache」でしょうか。原曲自体9分近くもある長尺のブルースロックですが、ライブでは10分以上に引き延ばされ、極上のアンサブルを堪能できました。この1曲で完全に元が取れました。そこからキャッチーな「The Lost Art Of Keeping A Secret」を経て、ストーンズ「Miss You」をフィーチャーした「Make It Wit Chu」へと続き「Little Sister」で締めくくる構成もさすがの一言です。
で、アンコールは「Sick, Sick, Sick」「Go With The Flow」「A Song For The Dead」と、攻め攻め3連発で完全に昇天。あっという間の2時間弱でした。海外ではフェスのヘッドライナーを務める存在ながらも、日本ではホール規模の会場を完売できないという格差に頭を抱えたくなりますが、これに懲りずにまた日本に来てほしいな(今の日本の経済状況を考えると単独での再来日は難しそうだけど……)。
セットリスト
01. Regular John
02. No One Knows
03. Smooth Sailing
04. My God Is The Sun
05. Obscenery
06. Time & Place
07. I Sat By The Ocean
08. Carnavoyeur
09. The Way You Used To Do
10. Into The Hollow
11. Emotion Sickness
12. I Think I Lost My Headache
13. The Lost Art Of Keeping A Secret
14. Make It Wit Chu
15. Little Sister
Encore
16. Sick, Sick, Sick
17. Go With The Flow
18. A Song For The Dead