2017/05/08

QUIET RIOT『QR III』(1986)

アメリカのハードロックバンドQUIET RIOTが1986年夏に発表した、メジャー通算3作目のオリジナルアルバム。彼らは70年代にここ日本のみで2枚のアルバムを発表しているので(当時はかのランディ・ローズが在籍していたことでも知られています)、それらを含めるならば通算5作目ということになりますが、まぁここは便宜上3rdアルバムとして扱うことにします。

1983年に発表されたメジャー1作目『METAL HEALTH』が全米No.1を獲得し、600万枚を超えるセールスを記録。また同作からのシングル「Cum On Feel The Noize」(SLADEのカバー)も全米5位まで上昇するなど、まさにその後本格化するL.A.メタルブームの先駆けとなったQUIET RIOT。続く1984年の2ndアルバム『CONDITION CRITICAL』も全米15位、100万枚を超えるセールスとなり、『METAL HEALTH』で得た成功の恩恵を受けることができました。ただ、『CONDITION CRITICAL』でも同じSLADEの「Mama Weer All Crazee Now」(全米51位)をカバーするなど、 “カバー曲で当てた一発屋”的イメージを拭い去れずにいました。

そんなQUIET RIOTが続く3rdアルバムでは、カバー曲に一切頼らないアルバム制作を実施。ハードさとポップさを適度に兼ね備えたバンドの個性を、この『QR III』という作品でより極めようとします。

本作ではルディ・サーゾ(B)が脱退し、新たにチャック・ライトが加入。曲作りも前作でのケヴィン・ダブロウ(Vo)独占体制から、ベースインスト「Bass Case」以外の楽曲すべてにケヴィン、チャック、カルロス・カヴァーゾ(G)、フランキー・バネリ(Dr)が名前を連ねる形にシフトチェンジしています。

オープニングの「Main Attraction」は本作を代表するような1曲で、シンセリフを前面に打ち出した爽やか且つ疾走感の強いナンバー。かと思えば「The Wild And The Young」のようにヘヴィながらもシンガロングできるアンセムもあるし、ヘヴィさにファンキーさを掛け合わせた「Down And Dirty」、哀愁のメロディがグッとくるバラード「Twilight Hotel」「Still Of The Night」、軽やかなHRサウンドに泣きメロを乗せた「Slave To Love」など良曲満載。80年代のカリフォルニアの絵が自然と思い浮かびそうなビッグサウンドとキラキラしたシンセ、カルロス・カヴァーゾの適度に弾きまくるギターソロ、そして大勢での大合唱必須のコーラス。あの時代、僕たちが求めていたアリーナロックそのものがここにあったのです。

しかし、作品ごとにセールスを落としていったQUIET RIOT。本作は全米31位と低調に終わり、ヒットシングルを生み出すこともできませんでした。純粋に作品が評価される以前に、バンドの評価(特にケヴィンのビッグマウスぶり)が悪影響を及ぼし、のちにケヴィンはバンドから追い出されてしまうのでした。

(その後については、続く4thアルバム『QR』のレビューをご覧ください)



▼QUIET RIOT『QR III』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD

投稿: 2017 05 08 12:00 午前 [1986年の作品, Quiet Riot] | 固定リンク

2017/01/03

QUIET RIOT『QR』(1988)

QUIET RIOTの作品を取り上げるなら、まず最初にUSデビュー作であり最大のヒット作でもある『METAL HEALTH』(1983年)でしょう。まったく異論はありません。がしかし、個人的にケヴィン・ダブロウ(Vo)が唯一参加していない1988年の4thアルバム(日本限定でリリースされた2枚のアルバムを含めると6枚目)『QR』も捨て難いんです。

『METAL HEALTH』で大ブレイクするものの、その後バンドはリリースを重ねるごとにセールスを落としていくのですが、それに反比例するようにケヴィン・ダブロウのわがまま振りは加速。これに嫌気が差した他のメンバーはケヴィンをバンドから解雇、新たにROUGH CUTTのフロントマン、ポール・ショーティノを迎え、さらにベースもチャック・ライトからショーン・マクナブへとメンバーチェンジし、ポール、ショーン、フランキー・バネリ(Dr)、カルロス・カヴァーゾ(G)という編成で制作されたのがこの『QR』です。

QUIET RIOTというと、「Cum On Feel The Noize」での陽気なイメージで語られることが多いですが、そもそも『METAL HEALTH』のタイトルのようにメタリックな要素も持ち合わせたバンドなわけで。そういった同作のタイトルトラックなどはまさにそういう楽曲だったわけですが、世間の求めるQUIET RIOT像は陽気なアメリカンHRバンドだったのです。そのジレンマと真正面から向き合い、本来自分たちがやりたかったこと、そしてポール・ショーティノという稀代のシンガーを手に入れたからこそできること、これらが見事に形として表されたのが今作なのです。

MVにもなったオープニングトラック「Stay With Me Tonight」(当時よくTBS『PURE ROCK』でもオンエアされてましたね)で聴かせるブルージーな歌声と、カルロス・カヴァーゾの生き生きとしたギタープレイ。最初に聴いたときは「これがあのQUIET RIOTか!?」と度肝を抜かれました。ちょうどこの頃、KINGDOM COMEの登場もあってか「LED ZEPPELINクローン」バンドが次々に登場していた時期で、この新生QUIET RIOTもそう見られてしまいがちでしたが、彼らの場合は「もろZEP」というよりは「ZEPからの影響を随所に感じさせるアメリカンHR」と呼んだほうが正しい気がします。

作風的には前作『QR III』(1986年)の延長線上にあるのですが、シンセ類を抑えたこと、ボーカルの節回しがブルージーなのが功を奏し、高水準のハードロックアルバムに仕上がっています。それに今こうやって聴き返すと、意外と『QR III』にも通ずるポップさも感じられますしね。とにかくギタープレイが生き生きとしてるのが素晴らしくて、個人的には『METAL HEALTH』の次に好きな作品です。

ただ、残念ながら本作は以前のようは成功を収めることはできませんでした。今でもこのアルバムに対する評価はそれほど高くないようですが、本作が他の諸作と同じように「QUIET RIOTのアルバム」として純粋に評価されることを願わんばかりです。



▼QUIET RIOT『QR』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD

投稿: 2017 01 03 12:00 午後 [1988年の作品, Quiet Riot] | 固定リンク

2005/07/19

寝る前にこれ聴け!(4)

 夏フェス前、マトモな準備ができそうなのがこの3連休だったわけなんですが(俺内でね)、買い物しただけで終った‥‥いや、買い物出来ただけでも良しとするか。新しいテント、新しいリュック、使い捨てコンタクト(1日用)、洗車、散髪‥‥なんだ、意外といろいろやったじゃん、今日1日で!‥‥計画性ないな、俺。

 さ、話題を変えて。何か最近の更新はお茶を濁してるような気が無きにしもあらずですが‥‥多分正解。余裕ない中での更新だったり、そうでなかったり。ってどっちだよ。ま、どっちでもいいんですが。9/18に向けて、いろいろ昔のCDを引っ張り出したり、あるいは中古で買い漁ったりしてるところでございます。

 てなわけで、今夜のテーマは「中1の俺」。俺が中1の頃に聴いてたアルバム。これだけじゃないんだけど、多分2005年に誰にも見向きもされないであろう3枚を選んでみました!


・QUIET RIOT「METAL HEALTH」('83)
 中学に入って俺がメタルの世界に片足を突っ込む切っ掛けになった1枚。1曲目の "Bang Your Head" でやられ、そのまま名カバー "Cum On Feel The Noiz" でメロメロ。最後の "Thunderbird" で号泣、みたいなね。ま、歌は下手クソなんですが。
 このアルバムとDEF LEPPARD「PYROMANIA」のせいで、その後の人生狂ったも同然っすよ!


▼QUIET RIOT「METAL HEALTH」(amazon


・TWISTED SISTER「STAY HUNGRY」('84)
 QUIET RIOTの "Cum On Feel The Noiz" からそのまま続けて聴くと何か笑える "We're Not Gonna Take It" 収録の1枚。これ1曲って思われがちだけど、アルバムには他にも "Stay Hungry" とか "I Wanna Rock" とか "The Price" とか名曲揃いです。外見のケバケバしいグラムっぽいイメージとは裏腹に、音は正統派です。そういえば去年、このアルバム・リリースの20周年を記念して、当時のメンバーで再録音、曲順もそのまんまの「STILL HUNGRY」なんてアルバムもリリースされましたっけ(そっちは聴いてない)。お盛んで何よりです。


▼TWISTED SISTER「STAY HUNGRY」(amazon


・W.A.S.P.「W.A.S.P.」('84)
 これも見た目のイメージ先行でグラマラスな気がしてたけど、いざ聴いたらコテコテのメタルでビックリした記憶が。とにかく頭の "Animal (Fuck Like A Beast)" からしてキテます。"L.O.V.E. Machine"(notモー娘。)といい "Hellion" といい "On Your Knees" といい、名曲揃い。正統派パワーメタルだったんだなぁ。その後の作品もなかなか良いけど、俺はこの1stと'92年の「THE CRIMSON IDOL」が一番好きでした。


▼W.A.S.P.「W.A.S.P.」(amazon

投稿: 2005 07 19 12:10 午前 [1983年の作品, 1984年の作品, Quiet Riot, Twisted Sister, W.A.S.P.] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/08/26

とみぃ洋楽100番勝負(7)

●第7回「Cum On Feel The Noize」 QUIET RIOT('83)

 DEF LEPPARDの次に手を出したのが、これ。単純にこの曲がヒットしてたからってのもあるんだけど。あと全米ナンバー1でしたっけ、この曲が収録された「METAL HEALTH」ってアルバム。そういう事実に後押しされたのかな。やっぱり子供心に「ビルボードチャート1位!」ってのは大きく響きますからね。特に俺、チャートっ子でしたから。「FM STATION」とか「FM FAN」の全米チャートを毎回切り取ってファイルしたり、気になる曲の順位を表にして記録したりとかしてましたから。チャートオタクですよ。

 で、この曲。ご存知の人もいるかと思いますが、イギリスのグラムバンド、SLADEが'70年代にヒットさせた曲のカバー。後にOASISもカバーしてますよね。だから一度は耳にしたことあるかな、と。

 もう単純に曲が良い。当たり前か。VAN HALENの "Oh, Pretty Woman" と同じパターンですね。原曲を見事にハードロック化して、カッコ良くなった成功パターンの一例ですね。ま、この曲の成功があったからその後の「LAメタル」が繁栄したんですけどね。それだけでもないか。

 ケヴィン・ダブロウの歌は今聴いてもどうかと思いますが、個人的にはギターのカルロス・カヴァーゾのプレイがね。ランディ・ローズの後任として加入してるわけですが、完全に別ものだし比べるのも双方に失礼というか。俺は好きですよ、この人のプレイ。特にこの曲のギターソロ、印象深いしね。個人的に最良のギターソロって「メロディを口ずさめる」ものが一番だと思ってるんでね、俺。

 ま、このバンドはアルバム出す度にドンドンとスケールダウンしてったわけですが‥‥個人的にはボーカルがポール・ショーティノ(元ROUGH CUTTでしたっけ)に変わった後のアルバムも含めて好きだったんですけどねぇ‥‥ま、再結成後は本気で糞でしたけど。



▼QUIET RIOT「METAL HEALTH」(amazon

投稿: 2004 08 26 12:00 午前 [1983年の作品, Quiet Riot, 「100番勝負」] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック