2017/01/09

祝ご成人(1996年4月〜1997年3月発売の洋楽アルバム20枚)

新成人の皆さん、おめでとうございます。2014年度に初めて実施したこの企画、今回で3回目を迎えます。今年も新成人の皆さんが生まれた年(学年的に1996年4月〜1997年3月の期間)にリリースされた洋楽アルバムの中から、個人的思い入れがある作品を20枚ピックアップしました。どれも名盤ばかりなので、もし聴いたことがないという作品がありましたら、この機会にお手にしてみてはいかがでしょうか。とは言いながらも大半が名盤中の名盤なので、聴いたことがあるものばかりかもしれませんが。

作品の並びはすべてアルファベット順です。(2014年度の新成人編はこちら、2015年度の新成人編はこちらです)


ATARI TEENAGE RIOT『THE FUTURE OF WAR』(Amazon

BECK『ODELAY』(Amazon

BLUR『BLUR』(Amazon

DEF LEPPARD『SLANG』(Amazon

THE HELLACOPTERS『SUPERSHITTY TO THE MAX!』(Amazon)(レビュー

HONEYCRACK『PROZAIC』(Amazon)(レビュー

KORN『LIFE IS PEACHY』(Amazon)(レビュー

KULA SHAKER『K』(Amazon

MANIC STREET PREACHERS『EVERYTHING MUST GO』(Amazon)(レビュー

MANSUN『ATTACK OF THE GREY LANTERN』(Amazon)(レビュー

MARILYN MANSON『ANTICHRIST SUPERSTAR』(Amazon)(レビュー

METALLICA『LOAD』(Amazon)(レビュー

OCEAN COLOUR SCENE『MOSELEY SHOALS』(Amazon

PANTERA『THE GREAT SOUTHERN TRENDKILL』(Amazon)(レビュー

RAGE AGAINST THE MACHINE『EVIL EMPIRE』(Amazon

REEF『GLOW』(Amazon

SUEDE『COMING UP』(Amazon

TOOL『AENIMA』(Amazon)(レビュー

U2『POP』(Amazon)(レビュー

WEEZER『PINKERTON』(Amazon)(レビュー


残念ながらセレクトから漏れた作品も多いです。以下、主だった作品をざっと羅列します。

AEROSMITH『NINE LIVES』
ALICE IN CHAINS『UNPLUGGED』
ARCH ENEMY『BLACK EARTH』
ASH『1977』
BEN FOLDS FIVE『WHATEVER AND EVER AMEN』
THE BLACK CROWES『THREE SNAKES AND ONE CHARM』
THE BOO RADLEYS『C'MON KIDS』
BJORK『TELEGRAM』
BRYAN ADAMS『18 TIL I DIE』
BUSH『RAZORBLADE SUITCASE』
CARCASS『SWANSONG』
THE CARDIGANS『FIRST BAND ON THE MOON』
THE CURE『WILD MOOD SWINGS』
DAFT PUNK『HOMEWORK』
DAVID BOWIE『EARTHLING』
DINOSAUR JR.『HAND IT OVER』
ELVIS COSTELLO & THE ATTRACTIONS『ALL THIS USELESS BEAUTY』
FIONA APPLE『TIDAL』
FOUNTAINS OF WAYNE『FOUNTAINS OF WAYNE』
GEORGE MICHAEL『OLDER』
HELMET『AFTERTASTE』
IMPERIAL DRAG『IMPERIAL DRAG』
JAMIROQUAI『TRAVELLING WITHOUT MOVING』
JOURNEY『TRIAL BY FIRE』
LUSCIOUS JACKSON『FEVER IN FEVER OUT』
MACHINE HEAD『THE MORE THINGS CHANGE…』
MANOWAR『LOUDER THAN HELL』
MATTHEW SWEET『BLUE SKY ON MARS』
MICHAEL SCHENKER GROUP『WRITTEN IN THE SAND』
NIRVANA『FROM THE MUDDY BANKS OF THE WISHKAH』
PATTI SMITH『GONE AGAIN』
PEARL JAM『NO CODE』
PET SHOP BOYS『BILINGUAL』
PRINCE『EMANCIPATION』
R.E.M.『NEW ADVENTURES IN HI-FI』
ROLLINS BAND『COME IN AND BURN』
RUSH『TEST FOR ECHO』
SCORPIONS『PURE INSTINCT』
SLAYER『UNDISPUTED ATTITUDE』
SLOAN『ONE CHORD TO ANOTHER』
SOUNDGARDEN『DOWN ON THE UPSIDE』
STEVE VAI『FIRE GARDEN』
STRAPPING YOUNG LAD『CITY』
SUPER FURRY ANIMALS『FUZZY LOGIC』
VERUCA SALT『EIGHT ARMS TO HOLD YOU』
ZAKK WYLDE『BOOK OF SHADOWS』
THE WiLDHEARTS『FISHING FOR LUCKIES (East West Version)』
ZZ TOP『RHYTHMEEN』


1995年から1996年初頭がブリットプップの最盛期と昨年のブログに書きましたが、続く1996年から1997年にかけてはその最盛期から末期に向かっていく過程。BLURが1997年初頭に発表したセルフタイトルアルバムが「ブリットポップの終焉」を決定づけたのは間違いないでしょう。KULA SHAKERやMANSUNのデビュー作、MANICS、OCS、REEFの諸作、そして選外でしたがASHのデビュー作などはその末期に輝いた傑作だと思っております。

そして、アメリカではRATM、KORN、TOOL、MARILYN MANSONのブレイクにより新たなヘヴィロックシーンが確立されるタイミング。と同時に、ベックやWEEZERといったアーティストたちも新たなオルタナシーンを築き上げておりました。その一方で、METALLICAやDEF LEPPARDといった大御所たちが迷走していたのも、このタイミングの面白いところ。それぞれピックアップした作品は、各バンドのキャリアの中でも迷作扱いされることの多いものですが、今聴くと意外と悪くないから不思議。今回選出した動画20曲の中に混じっても、実はあまり違和感がない音楽性だったりします。面白いもんですね。

あ、1997年に入ると同時にU2が『POP』を出したり、ATRの2ndアルバムが話題になったりと、新たな可能性が見え始めたのも興味深いですね。

ちなみに日本での1996年4月〜1997年3月といいますと、TK作品のチャート独占やプリンセス・プリンセスの解散、米米CLUBの解散発表(ラストライブは翌年)、TMRやPUFFY、ELT、SPEEDのデビューなど、音楽産業的にもピークを迎えつつあった時期でした。

最後に。ここではピックアップしませんでしたが、1996年で特に印象に残っているのは「恋のマカレナ」と「Wannabe」です。



▼SPICE GIRLS『SPICE』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD

投稿: 2017 01 09 12:00 午前 [1996年の作品, 1997年の作品, Atari Teenage Riot, Beck, Blur, Def Leppard, Hellacopters, The, Honeycrack, Korn, Kula Shaker, Manic Street Preachers, Mansun, Marilyn Manson, Metallica, Ocean Colour Scene, Pantera, Rage Against The Machine, Reef, Suede, Tool, U2, Weezer] | 固定リンク

2006/09/29

AUDIOSLAVE『REVELATIONS』(2006)

 前作「OUT OF EXILE」から1年3ヶ月で届いちゃった、AUDIOSLAVEの3枚目「REVALATIONS」。バンドの状態がすこぶる良い状態だからこそ、この短期間で仕上げちゃったんだろうね。実際、前作に伴うツアーもそんなに長いことやらず、ちゃっちゃと切り上げてこの作品に向かっていったようだし。その充実ぶりが伺える、前作以上にバラエティ豊かな傑作に仕上がっていると思います。

 このバンドの良さは、RAGE AGAINST THE MACHINEが単に「歌える」シンガーを手に入れたというだけではなく、「歌えるシンガーを手に入れたから、オーソドックスなハードロックをプレイする」というところにあると思うんですが、今回はそこにファンキーさが強調され(例えば5曲目の "Original Fire" なんてまさにそれだよね)、ポップなナンバー(例えば "Until We Fall" 辺りの楽曲)も増えている。尖り具合は残念ながらアルバムを重ねる毎に弱くなってるんだけど、このバンドの場合はそれでいいんだろうね。正直まだライブを実際に観ていないんで、現在どういうステージを繰り広げているのかわからないけど(とっととライブDVD観ようよ俺)、なんだか2ndからこのアルバムを続けて聴いたらこれでいいような気がしてきた。

 クリス・コーネルは今や新007の主題歌を担当するようなアメリカを代表するシンガーにまで登り詰めてしまっているし、ギターのトム・モレロは政治的な活動は別ユニットでやっているし、いろんな意味で現在バランスが良くて、完全に攻めの状況にあるんだろうなぁ。それがしっかりアルバムで形にできているんだから、やっぱりすごいわ。

 楽曲に関しては個人的にはまったく問題なし。ただ、ギター……正直に書くと、いくら何でもリフが単調すぎるんじゃないかな?という気も。もうちょっと派手に弾きまくってもいいと思うんだけどなぁ。その辺はボーカルとのバランスを取ってのことなんだろうけど……宝の持ち腐れな気がする。1曲くらい手数の多いソロとかメチャメチャ決めまくりのリフ(簡単に真似できないようなやつね)があってもいいよね。そこだけが勿体ないかな。ところどころに過去のモレロ節を感じさせるプレイは挿入されているし、グルーヴィーなリフプレイは相変わらずなんだけどさ。

 ま、最後に今後への課題を書いてみたけど(って偉そうなw)、それは俺がこのバンドを本当に好きで「ずっとこのまま続いてほしい」と思っているからこその苦言なんだけどね。だって、誰もがこのバンド、アルバム1枚で終わると思ってたんじゃないの??



▼AUDIOSLAVE「REVELATIONS」(amazon:US盤日本盤

投稿: 2006 09 29 08:18 午後 [2006年の作品, Audioslave, Rage Against The Machine, Soundgarden] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/05/25

AUDIOSLAVE『OUT OF EXILE』(2005)

 AUDIOSLAVEの2ndアルバム「OUT OF EXILE」が予想してた以上に素晴らしかったので、急遽更新の予定を変更して、今日はこのアルバムの素晴らしさについて語ってみたいと思います。

 もう聴きましたか、このアルバム? ってまだ店頭に並んでから1日、手にしてる人の数なんてたかが知れてますよね。それこそコアなファン以外は‥‥みんな同日発売のOASISに走っちゃってるんじゃないでしょうか。

 いや。今はそれでいいですよ。きっとこれを読んだ後に気が変わるかもしれないしさ。

 まず‥‥1stアルバムついてもう一度整理しておきましょう。「とみぃの宮殿」時代に書いた1stアルバムのレビューを今一度、読み返してみようじゃないですか。何ならそれと併せてCDを引っ張り出して聴きながら読むのもいいかも

 ここで俺は何点かポイントを挙げています。それは‥‥

・サウンド的には「ZEP的オーソドックスなハードロック」
・想定の範囲内のサウンド。だから大きな驚きも衝撃もなかった
・「‥‥正直、こんな程度なのかな‥‥」とさえ感じた程
・クリス・コーネルの声の衰えにはがっかりしたが、曲は声に合ったものが多い
・メロウなミドルチューンこそがこの組み合わせ最大の産物かも
・"Like A Stone" タイプの曲が今後の彼等にとって大きな武器になるだろう

‥‥以上、こんな感じでしょうか。

 正直この組み合わせだったら誰もが「もの凄いアルバムになるに違いない!」と思ったでしょうけど、古くから両バンドに精通してるファンからすれば、この組み合わせであの「古典的ともいえるオーソドックスなHR」は想定の範囲内の出来。枠からはみ出ることもなく、非常に優等生的な作品だったんですよね。だからなのか、俺もそこまで聴き込んだという記憶もないし、ライヴではRAGE AGAINST THE MACHINEの曲もSOUNDGARDENの曲もやらない、と耳にして、更に興味を失っていたんですよね。

 ところが。この2ndアルバムリリース前に行われたライヴでは、以下のようなセットリストでライヴをやってるようなんですよ。

01. Your Time Has Come
02. Set It Off
03. Like A Stone
04. Spoonman [SOUNDGARDEN]
05. Be Yourself
06. War Pigs Tease
07. Bulls On Parade [RATM/Instrumental]
08. Sleep Now In The Fire [RATM]
09. Black Hole Sun [SOUNDGARDEN/Acoustic solo]
10. Show Me How To Live
11. Killing In The Name [RATM]
12. Cochise

12曲中、SOUNDGARDENの曲が2曲(日によっては "Outshine" をプレイする日もあるそうな)、RATMの曲が3曲(内1曲はクリス抜きでのインストバージョン)‥‥セットリストの約半数を彼等が過去在籍したバンドの曲なんですよ。頑に演奏してこなかった歴代バンドの名曲達を‥‥

 恐らく、1stを作って、長期間のツアーに出て、互いを更に理解し合い、バンドとしても、そして人間/友人としても、ビジネスパートナーとしてもより密な関係になれたんでしょうね。だからこそ、そういった「憑き物」が落ちたのかもしれない‥‥ダフ・マッケイガン(元GUNS N'ROSES、現VELVET REVOLVER)がAUDIOSLAVEに対して「何故(SOUNDGARDENやRATMの曲を)演奏しないんだ? ファンの気持ちになれば(それらを期待してるってことが)判るだろうに」とコメントしてたのが印象的でしたが(VELVET REVOLVERはGN'RとSTONE TEMPLE PILOTSの混合バンド。ライヴでは両バンドの曲も演奏します)、いよいよここにきて封印と解いた、ということは‥‥「AUDIOSLAVE」として納得できる、確立された音楽が完成したということを意味するんじゃないでしょうか?

 そして、それこそがこの「OUT OF EXILE」というアルバムなんだ、と。

 ゴメンなさい、前降り長過ぎですね。

 とにかく、前作で満足出来なかった人間の多くが、このアルバムを前にして、手に汗握るんじゃないでしょうか。だってさ、曲がとにかく良いし、演奏も良い。歌も無理なく、クリスらしさを上手く表現できてる。前作制作時には「AUDIOSLAVEとして一度もライヴの経験がなかった」状態だったことを思えば、今回はある程度互いの手の内を理解した状態で制作に挑んだわけですから‥‥悪くなるはずがない。だって、何だかんだいってここにはSOUNDGARDENのメインソングライターと、RATMのアンサンブルの要(というかそのもの)が揃ってるんだよ。

 曲‥‥特にメロディの充実度には目を見張るものがあると思います。上に書いた「"Like A Stone" タイプの曲が今後の彼等にとって大きな武器になるだろう」というポイントも、アルバムからのリーダートラックに "Be Yourself" が選ばれた時点で、あーバンドとしてもよく理解してるんだな、と納得できたし、それ以外の‥‥そう、それ以外の曲がとにかく凄く良いのですよ。もう1曲目 "Your Time Has Come" からハードドライヴィングしまくり、続く "Out Of Exile" ではRATM直結のグルーヴィーHR全開。ボーカルもハイトーンやシャウトに頼ることなく、完全に「クリス・コーネルの節回し」が独特なバックに馴染んでる。前作では上手く噛み合ってなかったり、メロの節回しがあと一歩だったりと、非常に残念な箇所が幾つかあったわけですが、今回に関しては(通しで2回聴いた限りでは)それが見当たらないし。いい具合に「感」が戻ってきたんじゃないでしょうか(思えばクリスはSOUNDGARDEN解散以降、ソロでのライヴはあったものの、こういう形でのバンドは5年近く経験がなかったわけですからね)。

 演奏も見事に「らしさ」を残しつつ、更に「歌」をバックアップする「引き」の要素も強まってる。でも決して地味なんじゃなくて、実は結構派手なプレイしてたりするんだよね。そう聞こえないのは、完全にひとつの楽曲として調和されたものが多いからなんじゃないかな。曲作りやリハーサルにそれだけ時間をかけたことも大きいだろうし、やはり長期のツアー経験がものを言ってるんじゃないでしょうかね。

 いやー参った。"Be Yourself" を最初聴いた時は「やはりこの路線を強調してきたか‥‥」と嬉しく思ったのと同時に、どんどんハードロック色‥‥クリスやRATM残党組が最も得意とするであろう表現方法‥‥が後退してくのかなぁ、と危惧していたんですが、とんだ取り越し苦労でした。曲の配置、構成、曲調のバラエティやバランスも良いし、12曲(日本盤は+2曲)という曲数も丁度良いし(前作は似たタイプのミドルチューンが多い14曲入り)。

 これはアメリカでもバカ売れするんじゃないの? 日本じゃ過去に在籍した両バンドの内、RATMの方が知名度上で、SOUNDGARDENは結局1度の来日(しかも全米ナンバー1になる直前の来日な。俺も行ったけど)しか実現しなかったからか、マニアックなファンしか着いてない気がするし‥‥そういったカルト的な知名度を跳ね返すような、大きなブレイクを期待したい‥‥と思ってた矢先に、サマソニへの出演決定!?(日本盤にその旨を伝えるステッカーが貼られてます) NINE INCH NAILSが出る日の「VERY SPECIAL GUEST」ってやはりAUDIOSLAVEのことだったか! 何となくそうじゃないか、とは予想してたけど。嬉しい。素直に嬉しい。野外で、このサウンドを体感できるんだから。日本人は幸せだと思うよ。

 さて、アルバムも3周目に突入。もっとボリューム上げて聴き込みますよー!



▼AUDIOSLAVE「OUT OF EXILE」(amazon:日本盤US盤

投稿: 2005 05 25 12:05 午前 [2005年の作品, Audioslave, Rage Against The Machine, Soundgarden] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/03/24

AUDIOSLAVE、5月に新作発表

AUDIOSLAVE Announce New Album Title.(BLABBERMOUTH.NET)

 2002年末のファーストアルバム、そして翌年1月の衝撃的なZepp公演以来、ここ日本では音沙汰がなかった状態の元RAGE AGAINST THE MACHINE組+元SOUNDGARDENのシンガーによるスーパーバンド、AUDIOSLAVE。2年半振りのセカンドアルバムのタイトルが「OUT OF EXILE」に決定、5/24にアメリカにてリリースされることになりました(日本盤は5/11に先行発売予定)。ちなみに前作はRATMが所属していた『EPIC』からのリリースでしたが、今回はクリス・コーネルがSOUNDGARDEN〜ソロで所属する『INTERSCOPE』からのリリースとなります。契約形態が「各レーベルから交互に」なのか「各レーベルで1枚ずつ」なのかは判りません。次があればまぁどちらかからリリースされるでしょう(そういえば1stの時は、「EPIC」「INTERSCOPE」両レーベルから同じ内容のアルバムがそれぞれリリースされる、なんて話もありましたが)。

 今回もプロデューサーはリック・ルービンが務め、"Doesn't Remind Me"、"Out Of Exile"、"The Curse"、"#1 Zero"、"Your Time Has Come" といったタイトルの楽曲が収録される予定だそうです。

 この他にも "Be Yourself" という曲が収録されているようで、既にオフィシャルサイトにてフル試聴可能となっております(こちら。リンク先に飛ぶといきなり "Be Yourself" がスタートするので注意)。この曲がアルバムからのリーダートラックになるのでしょうか。前作の延長線上にあるメロウな歌モノで、更に曲として煮詰めた感が強いですね。まぁRATMのファンは納得しないかもしれませんが、クリスのファンは納得のいく内容じゃないでしょうか(結局AUDIOSLAVEの1stってクリスのソロの延長って感じだしね)。



▼AUDIOSLAVE「OUT OF EXILE」(amazon:5/11リリース)

投稿: 2005 03 24 12:00 午前 [Audioslave, Rage Against The Machine, Soundgarden] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/11/19

とみぃ洋楽100番勝負(93)

●第93回:「Bulls On Parade」 RAGE AGAINST THE MACHINE ('96)

 

RAGE AGAINST THE MACHINEと最初に出会ったのは‥‥多分1stが出て間もない頃だから‥‥'92〜3年頃かな? 友人が「BURRN!」のディスクレビューに釣られて買ってしまって。「よく理解出来ない」って言っててさ。で俺もしたり顔で「レビューにいいこと書いてなかったじゃん? 所詮メタルじゃないし、中途半端な感じなんじゃない??」とか言って無視してたんだよね。んで、この時点で彼等の音、全く耳にしてないのね‥‥アホでしょ?

 で、その後俺が彼等の音に出会うまで、約5年近くの歳月を要するんですわ‥‥そう、第1回目のフジロック直前に偶然耳にしてしまってね。いや、耳というよりは「目撃してしまった」といった方が正しいかな。WOWOWで'97年春に放送されたライヴ映像‥‥多分前年のレディングフェスの映像だと思うけど‥‥このインパクトが強烈でね。これやヤバい、と。フジロックはレッチリだ、フーファイだ、とか言ってる場合じゃねぇぞ、と。これを生で、野外で体験できるんだから‥‥本気でこれは日本に革命が起きるんじゃないか‥‥そう思ってたのよ。

 んで、このコラムにも何度も書いてるけど俺、その年のフジロック直前に肺炎になって行けなくて。悔し涙で枕を濡らす日々ですよ。あれほど夢に見たレイジのライヴが体験出来ないなんて‥‥実際に観た友人の話だと「雨で気温が下がってる中、みんな暴れるもんだから、始まった途端に人の湯気が舞って、後方からじゃステージが全く見えなかった」と‥‥それだけ聴いて鳥肌立ったけどね、俺。んで後日、WOWOWで放送された映像を観て、更に衝撃受けて‥‥これは本気でヤバいぞ、と。

 俺が観たレディングのライヴは確かこの曲だか "People Of The Sun" で始まってたんだよね。そう、2nd「EVIL EMPIRE」の頭2曲ね。このアルバム、それ以外にはあんまり印象的な曲はないんだけど、だからこそこの2曲のインパクトは絶大だよね。グルーヴ感だけならLED ZEPPELINにも負けないし、ギターはKING CRIMSONみたいだし、ボーカルは完全にヒップホップしてるし。既にカテゴライズ不能。いやむしろオレ等が法律だ!みたいな力強さが爽快。政治的な歌詞とか日本人の俺等には完全に理解するのは難しい面も多々あるんだけど、そういうところも含めて唯一無二だったな、と。

 結局彼等は'99年のフジロックで体験したのみ。翌年の単独来日は祖母の葬儀と重なって行けず、その数ヶ月後にはザック脱退という大事件が勃発して、事実上解散してしまうわけですが‥‥だからこそ'99年、苗場でのステージが鮮明に記憶に残ってるんだよね。あれは絶対に忘れないと思うよ‥‥



▼RAGE AGAINST THE MACHINE「EVIL EMPIRE」(amazon

投稿: 2004 11 19 12:00 午前 [1996年の作品, Rage Against The Machine, 「100番勝負」] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/03/17

AUDIOSLAVE『AUDIOSLAVE』(2002)

2000年秋に空中分解してしまったRAGE AGAINST THE MACHINEの楽器隊が、元SOUNDGARDEN、当時はソロとして活動していたシンガー、クリス・コーネルと共にスタジオ入りし、リック・ルービンをプロデューサーに迎えてレコーディングしている、といった噂が2001年から出回っていたのはご存じでしょう。実際その後本当にレコーディングに突入し、2002年前半には新バンド「CIVILLIAN」としてのデビューアルバムがリリースされる予定でした。が、何故か急にクリスがバンドを脱退、予定されていた「OZZ FEST」への出演をキャンセルしたという話題が。ここで完全に立ち消えたはずだったこのバンド、結局クリスとRATM残党という同じ顔ぶれで新たに「AUDIOSLAVE」という名前で活動再開、同年11月にいよいよ話題のファーストアルバムがリリースされたのでした。

既にリリースから1年半近く経っているし、「何を今更‥‥」という気もしないでもないんだけど、いやいや、今だからこそ語ろうじゃないですか、このバンドについて‥‥。

俺は89年にSOUNDGARDENの『LOUDER THAN LOVE』を聴いて彼らに興味を持ち、91年の『BADMOTORFINGER』で完全に彼らにハマッったくちで、94年春に行われた来日公演にも足を運んだ程好きなバンドでした。一方RATMに関しても最初こそ印象がよくなかったものの、97年に前年夏のレディング・フェスでのライヴ映像を観て衝撃を受け、彼らにハマっていった人間です。どちらも好きだけど、どちらかというとSOUNDGARDEN側の人間である、ということを先に書いておきます。

聴く前から恐らく多くの人がAUDIOSLAVEが出すであろう「音」を、何となくでも想像できていたと思うんですよ。ヒップホップ版LED ZEPPELIN的な側面を持つRATMと、そのZEP以上にZEPらしいスタイル/音楽性を持っていたバンド・SOUNDGARDENのシンガーが合流することで、間違いなくZEP的オーソドックスなハードロックを再現するであろう、と。

実際にアルバムから聞こえてきたサウンドは、ほぼその想像に近いものでした。だから特に大きな驚きや衝撃もなく、納得ずくでアルバムと向き合うことができました。と同時に、「‥‥正直、こんな程度なのかな‥‥」と思ったのもまた事実でして。やはりこの組み合わせ、期待はかなり大きかったんですよ。特にSOUNDGARDENをリアルタイムで通過してない若い子にとっては、ある意味「伝説の存在」だったクリス(というのは言い過ぎかな?)が、当時リアルタイムでトップにいたロックバンド(RATM)と合体するということで、俺以上に期待してたんじゃないかな?

何がいけない、というわけじゃない。決してこの組み合わせは間違ってないと思うし、実際かなりしっくりきてると思う。思うんだけど‥‥まだまだこんなもんじゃないよね?と。特にクリスな。彼の声の衰え(枯れ具合)には正直ショックを隠し切れませんでした。確かにSOUNDGARDEN晩年もハスキーではあったけど、もっとハイトーンがすっきりと出たはずなのに‥‥ソロになってから落ち着いたトーンの楽曲ばかりだったのは、これも関係あったとか!?と疑ってしまう程、全盛期の輝きは見受けられませんでした。

しかし、じゃあそんなに酷いかというと、実は‥‥1曲目「Cochise」みたいな声を張り上げる曲では厳しいものがあるものの、例えば5曲目「Like A Stone」のようなトーンの曲になると逆に「このサウンドにこの声じゃなきゃいけない」という説得力を強く感じるわけ。4曲目「What You Are」みたいなモロにSOUNDGARDEN的な楽曲でもそうだけど‥‥要するにバンドとして、まだ「今のクリスの魅力」を最大限に発揮する方法を模索してる最中なのかな、と。いきなりスタジオ入りして、互いの手札を見せ合って作ったであろうファーストアルバム。そういう意味では「新しい武器」を手に入れたというよりは、これまで使っていた武器の「合わせ技」といった印象が強いかも。良い意味でも、そして悪い意味でもね。

「跳ねないレイジ」「ヒップホップ色のないレイジ」とか「サイケじゃないSOUNDGARDEN」「ドンヨリしてないSOUNDGARDEN」といった表現もできると思うけど、個人的には「シアトルの湿った空気」を「カリフォルニアの太陽」で照らしたような、そんな要素をこのバンドから既に感じています。カリフォルニア特有の陽気さや豪快さと、一年中曇りか雨というイメージが強いシアトルの繊細さや湿り気の融合‥‥それがAUDIOSLAVE「らしさ」とするなら、上に挙げたような「Like A Stone」みたいな楽曲が今後の彼らにとって大きな武器になることは間違いないでしょう。

しかし、そうはいっても彼らはロックバンド。より「らしい」豪快なロックも追求してくれると思いますよ。クリスに無理のない形でね(けど楽器隊には無理して欲しい‥‥という我が儘も言ってみたりして)。どちらにしろ、早ければ年内にはセカンドアルバムが期待できそうですから、その答えは意外と早く我々に届けられそうですけどね‥‥。



▼AUDIOSLAVE『AUDIOSLAVE』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD

投稿: 2004 03 17 12:00 午前 [2002年の作品, Audioslave, Rage Against The Machine, Soundgarden] | 固定リンク

2003/12/29

RAGE AGAINST THE MACHINE『LIVE AT THE GRAND OLYMPIC AUDITORIUM』(2003)

RAGE AGAINST THE MACHINEの、結果としてはラストライヴとなってしまった'99年9月12&13日に行われたロサンゼルス「THE GRAND OLYMPIC AUDITORIUM」での模様を収めたライヴアルバム。あの衝撃的な解散('00年秋にボーカルのザック・デ・ラ・ロッチャ電撃脱退)から丸3年経った今年11月(日本では12月)に発売ということで、その3年の間に彼等を知った、あるいは結局彼等のライヴを体験することが出来なかった人にとっては正に「待望の~」「衝撃の~」ライヴ音源ということになるのではないでしょうか?

日本では初回限定版としてライヴCDにライヴDVD(9/13ラストライヴの模様を完全収録)をセットにした形でリリースされていますが、海外ではCDとDVDは別売りになってます。しかもUSのDVDはリージョンコードの関係で、家庭用DVDプレイヤーでは観れないと思いますので、無くなる前に是非日本限定版をゲットしてもらいたいと思います。

だってさ、この音源だけを聴いてたら‥‥絶対に絵を見たくなるもの。こんな凄い音を出すバンド、一体どんな風にステージで音を出してるのか、そして客席は一体どうなっているのか‥‥ってさ。少なからず彼等に興味を持っている人、そしてこの音源で初めて彼等の音に触れた人なら絶対にそう思うはず。だけどバンドは既に解散している。もう二度と観れない。ならば‥‥DVDで体感したいですよね?

まぁ今回はライヴCDの方のレビューってことなので、そちら中心で話を進めていきます。俺がライヴ盤大好きなのは以前から何度も、いろんな所で書いてますが‥‥今回の場合、ライヴ盤としての役割以上に‥‥例えば「ベスト盤」としてのカタログ的役割も大きいし、そして何よりも「ラスト音源」‥‥バンドとしての最後の様子を実況しているという記録的役割も非常に大きい。まぁ純粋なラストライヴはDVDに完全収録されているわけで、このCDの方は2日間同会場で行われたライヴからベストテイクを拾って編集した内容なので(だからセットリスト的にもちょっと変わってくるし)、そういった意味では実況中継というよりも、よりベスト盤的要素が強いように感じられます。選曲にしても各アルバムから非常に良いバランスで演奏されてますし。当時はリリースされていなかったカバー集「RENEGADES」からも入ってるし。セカンド「EVIL EMPIRE」から2曲しか選ばれていないのは、まぁ仕方ないでしょう。このアルバムのみ意外と評価が低いんですよね。俺はこのアルバムから彼等に入っていったわけですが、実際聴く頻度としては実は一番低いし。ある時期からのライヴでも事実、セカンドからは2曲("People Of The Sun" と "Bulls On Parade")しか演奏してないですしね。出世作ではあるものの、バンド自身もこのアルバムに対してはちょっと‥‥という思いがあったのでしょう。まぁ‥‥そうはいっても他のバンドとは一線を画する、非常に優れたグルーヴィーなアルバムだと思いますけどね。

所謂『ラップメタル』だとか『ラウドロック』と呼ばれるジャンルの先駆者的存在として語られることが多いレイジですが、その後に登場する他のバンドと比べれば明らかに異質です。それはこのライヴ盤を聴けば更にご理解いただけると思います。ギターにしても音使いが全く違うし、リズムもヘヴィメタルというよりはファンク/ブラックミュージックのそれに近い。LED ZEPPELINとDEEP PURPLEが同じようで実は全く異なるタイプのバンドだ、というのと同じだと思うのですよ。例えば‥‥KORNでもいいしlimpbizkitでもいい。そういったバンドを「DEEP PURPLE側」だとすると、レイジは明らかに「ZEP側」の立ち位置にいるバンド。勿論音楽性を指して「パープルみたい」「ZEPみたい」と言ってるんじゃないですよ?(ま、判ってもらえてると思いますが)

音楽性という意味でなら、レイジって結局思ってる以上に幅が狭い音楽性だったような気がするんですよ。実際にはもっと多彩だったと思うのですが、それが完全に開花する前に空中分解してしまったのかな、と。事実、分裂前後にリリースされたカバー集ではいろんなジャンルのアーティストの曲を取り上げているわけで、そういったものを消化した新しい音楽が今後もっと生まれる可能性があったはずなのに‥‥なんて書いても後の祭りですが、本当にオリジナルアルバム3枚というのは勿体ない。ま、だからこそ伝説になったのかもしれませんが。

けど‥‥言い方を変えれば、あれが「RAGE AGAINST THE MACHINE」としての限界だったのかも‥‥とも取れるわけで。だからザックはバンドを飛び出してしまったのかもしれないし。う~ん‥‥既に存在しないバンドに対してああでもない、こうでもないと好き勝手に憶測で書くのはよくないのですが‥‥そうでも思わないと納得できない部分が多いんですよ、あの解散劇には。俺、3年経った今でも納得いってないし。

更に納得いかない理由に‥‥俺は日本でのラストツアーとなってしまった'00年6月の公演に、チケットを持っていながら行けなかったというのもあるんですが。これがわだかまりの原因になってることは間違いなんですが‥‥まぁ身内の不幸があったのですから仕方ないですけどね(その当時は残念とかいう気持ちは全くなく、深い悲しみに暮れてましたからね)。それから約5ヶ月後ですよ、解散劇は‥‥幸い俺はその前年、'99年7月のフジロックで体験できているので、一度も観たことがないという人からすればマシなんですけどね。それにしても‥‥やっぱり悔やみますよ、そりゃ。

まぁそんなこともありつつも‥‥このCDを爆音で聴きながら踊ったり暴れたりして、今年1年の嫌な出来事を忘れたいな、と。部屋でチマチマ聴くタイプのバンドじゃないですからね。クラブでもいいし、野外にラジカセ持ってって聴いてもいいし、カーステレオでアホ程デカイ音で聴いてもいいし‥‥誰かと共有したい音ですよね。そうすることでより力強いものを得る。それが彼等最大の魅力だったのではないでしょうか? だからこそ、多くの人にライヴを観て欲しかった‥‥それを是非CDやDVDで疑似体験してみてください。自分の人生観を変えた、大切なバンドですからね。



▼RAGE AGAINST THE MACHINE『LIVE AT THE GRAND OLYMPIC AUDITORIUM』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD

投稿: 2003 12 29 05:27 午前 [2003年の作品, Rage Against The Machine] | 固定リンク

1999/09/08

「FUJI ROCK FESTIVAL '99」DAY 1@苗場スキー場(1999年7月30日)

  苗場に移って初開催のフジロック。観たアクトについて簡単にメモしていきます。長くなりそうなので、1日ずつ分割しています。まずは初日(7月30日)から。


◎ROCKET FROM THE CRYPT (at GREEN STAGE / 11:00~11:50)

  1発目は今年初めにも来日したROCKET FROM THE CRYPT。実はこのバンド、ステージを観るのが初めてどころか、音に接するのも初めてだったりする。正直、電撃ネットワークとどっちを観ようか悩んだけど、始まってみればこっちが好みの音だったので、結局酒飲みながら最後まで観ることに。

  1曲も知らなかったわけだが、自分が好きなTHE CLASHの一時期に通ずるものを彼等から感じた。ホーンセクションを含んだメンバー構成、すごくショーアップされたステージング、親しみやすいポップな楽曲‥‥開放的な気分にさせてくれた。トップバッターにもってこいでしょう!

  が……これといって印象に残る決定打となる曲がなかったことも付け加えておく。苗場から戻って、気になったバンドの音は手に入れているのだが、彼等に関してはそこまでのめり込めなかった。酔っていたせいもあるのかも?


◎PHISH (at GREEN STAGE / 12:30~13:20)

  噂には聞いているPHISH。4人編成(ギター&ボーカル、ベース、ドラム、キーボード)なのだが、現地では例えば日によってVELVET UNDERGROUNDのアルバム1枚まるごと完コピしてしまったり、BEATLESのホワイト・アルバムだったり、と……演奏力に関しては文句なしのようだ。

  実際の音に触れてみると、やはりライブで叩き上げられたバンドだなってのがよ~く判った。実は「ライブを何時間もやる」って話を前もって聞いていたので、「1曲1曲が長くて、だらだらジャムってるんだろうな?」ってイメージがあった。実際に1曲10分くらいの曲目白押しだったが、全く気にならなかった。延々ジャムってるわけだが、耳を引き付けるだけの実力/魅力を兼ね備えている。確かに日本で人気の出るタイプのバンドではないだろうけど。

  でも、楽曲は非常にポップなものが多い。彼等が師と仰ぐ?GRATEFUL DEADだってポップな曲が多かったし。そりゃGRATEFUL DEADとはタイプは違うだろうけど、俺は非常に好感が持てた。FIELD OF HEAVENまでは行かなかったけど。


◎NEVE (at WHITE STAGE / 13:00~13:50)

  実は今回のフジロック出演者の中で、秘かに期待していた新人。1997年のTHIRD EYE BLINDみたいな大穴的存在になるかもしれない……そう思ったのだ。ヒットした「It's Over Now」しか知らなかったけど、その1曲が非常に好みの音……産業ロック臭を漂わせていた。装飾こそ非常に90年代的だが、その芯にあるのは間違いなく80年代の産業ロックバンド。SURVIVERだったりJOURNEYだったりREO SPEEDWAGONだったりと、そういう匂いが感じ取れたのだ。

  が、この日は4曲くらいしか観てないが、それで十分という気にさせられたのも事実。まだステージ慣れしてないのもあるのだろう。正直に言えば、クラブサイズで観たかったな?と思った。けど、「It's Over Now」も聴けたし、それ以外にもいい曲があることが判っただけでも収穫かな? うまい具合にオルタナ色も取り込んでるな?とも思ったし、ギターは80年代から抜け切ってないな?(笑)とか。そしたらここのギタリスト、80年代はLAの某メタルバンド(無名だったらしいが)に在籍してたらしい。やっぱり。血は争えないってか。

  残念なことにこのバンド、アメリカでのアルバムリリースがこの夏から来年の2月にまで延びてしまったそうだ。まだこういう音には冷たいのか、アメリカは。「セカンドに期待!」とか書こうと思ってたんだけど、それ以前の問題だったか……。


◎奥田民生 (at GREEN STAGE / 14:00~14:45)

  この日最初に観る日本のアーティスト。良くも悪くも「いつも通り」だった。いきなり「人間2」から始まったのには鳥肌立ったけどね。民生に気負いはなかった、と思う。そこにどんな客がいるか?をも無視したかのような選曲。シングルナンバーはといえば「悩んで学んで」「月をこえろ」、そしてアルバムバージョンだったが「イージューライダー」の3曲のみ。あとは各アルバムからのナンバーをまんべんなく披露。もっと客を引き付ける為の必殺技を繰り出してもよかったんじゃないか?と。「愛のために」1曲あるだけでかなり雰囲気が変わったと思うんだけど……まぁこの人はこれでいいのかも。こういうところが好きではあるんだけどね? やっぱり去年の布袋を思い出したよね(シングルヒット連発するくらいの勢いが欲しかった、と)。

  そうそう、MCらしいMCがなかったのも彼らしかった、と付け加えておこう(唯一しゃべったのが、声にならない声で「あち゛い‥‥」だった)。


◎STEVIE SALAS (at GREEN STAGE / 15:30~16:20)

  この人には「器用貧乏」って言葉がよく似合う。実際プレイも上手いし、何でもそつなくこなしてしまう。その反面、「これだ!」っていう決定打がない。同じタイプのギタリスト/ボーカリストにリッチー・コッツェンという人がいるが、この人の場合は歌が死ぬ程上手すぎる。そしてフロントマンとしてだけでなく、バンドの一員として1歩引くこともできる(現にエリック・マーティンという同系統のソウルフル・シンガーが在籍するMR.BIGに加入したばかりだ)。ところがこのスティーヴィー・サラスの場合、フロントマンとして張り切るのだけど、「何か」が足りない。それは何なんだろう?

  実はこの人のライブは当初観るつもりはなかった。が、いきなり1曲目にCHEAP TRICK「Hello There」のカバーをやられてしまってはね。ステージ近くまで駆け寄ったのは言うまでもない。が、自分の興味を引いたのはここまで。あとは、ともとれずロックともとれないようなファンク調の楽曲の数々を繰り広げるばかり。正直、退屈だった。

  ぶっちゃけた話、この人にはソロアーティストは向いていないのかもしれない。この日のステージを観てそう感じた。足りない「何か」、それは彼を支える、また彼と肩を並べる“もうひとりのフロントマン”の存在なのかもしれない。この日のバンドはあくまで彼をバックアップする為のメンバーだったはず。だから彼以上に目立った存在はいなかった。プレイで耳を引き付けるメンバーはいるにはいたが、ビジュアル的にいまいちだった。彼にはもう一度、COLORCODE時代のような固定メンバーでのバンド、しかもT.M.スティーヴンスのような見た目にもテクニック的にも度胆を抜くようなメンバーと組んでほしい。そうすればもうひと皮剥けるんじゃないかな。正直、このままじゃ勿体ない。


◎Hi-STANDARD (at GREEN STAGE / 17:00~17:45)

  ハイスタに関しては最近リリースされた新作「MAKING THE ROAD」が素晴らしい内容だったので、この日期待のバンドナンバー1だったりした。

  日射しが弱くなり、ステージに現れたのはハイスタのメンバーではなくチベットのアーティスト、NAWANG KHECHOG(ナワン・ケチョ)。先のチベタン・フリーダムでも彼等と共演したナワン、今日もあの巨大なホーンを振り回し、「ヴォーッ!」と未知の低音で観客の眼差しを独り占めした。2曲演奏した後、横山(G)が登場。ギターとホーンの共鳴がシーンとした苗場の山々に響く。幻想的とは正にこういう事を言うのだろう。

  盛大な拍手、そして「Free Tibet!」の叫び声をバックにナワンはステージを降りた。さぁ、いよいよハイスタの出番だ。3人とも甚平を着ている。「輝いちゃってますか~っ?」難波(Vo & B)のこの言葉を合い言葉に、45分に渡るモッシュタイムが始まった。

  「Stay Gold」からスタートし、ニューアルバムの楽曲が中心ながらも、要所要所に過去の名曲を挿んで進めていくステージには圧倒されっぱなし。この日一番の盛り上がりだ。俺もモッシュの輪に加わる。歳甲斐もなく。ハイライトは終盤の「Mosh Under The Rainbow」だろう。みんなで大きな輪を作って回る……すごい光景だ。しかもその輪が4つも5つも。至るところに輪ができている。それを見たメンバーの嬉しそうな顔がすべてを物語っている。歴史に残る瞬間だろう、これは。

  正直な話、想像してた以上の素晴らしい内容だった。アーティストとオーディエンスの相乗効果、これがうまくいった好例だと思う。あの苗場のゆったりとした環境がこの歴史的瞬間を作ったのかもしれない。観れなかった人達、後悔するように!

 
◎THE BLACK CROWES (at GREEN STAGE / 18:30~19:45)

  「過去に好きだったバンドの変わり果てた姿」‥‥ファンにとってこれだけは見たくないはずだ。THE BLACK CROWESを観る前の心境は、正直これだった。1992年の初来日にして唯一の公演。歌の上手さに鳥肌を立て、自分好みのロックンロールに酔いしれた“あの夜”から、その数年後に観たブートレッグの中では輝きを失っており、正直ショックを受けた。丁度3rdアルバム「AMORICA」の時期だったと思うが、1曲1曲を20分にも30分にも間延びさせ、さらにダラダラ……そう、まるでマリファナでもキメてんじゃねぇの?ってな具合に。それ自体は否定しないが、正直観てるほうはつらい。一緒にキメない限りは。

  そんな感じで今回の彼等には期待していなかった。確かに新作は初期の勢いと前作、前々作にあった(良く言えば)アーシーさを上手く融合させた良作だったが……。

  ライブが始まってしばらくした頃、食事から戻ってみると……うげっ、何だこのイカしたアリーナロックバンドは!? スクリーンに写るクリス・ロビンソン(Vo)に釘付けになった。まるで全盛期のスティーヴン・タイラーとかミック・ジャガーみたいじゃん。衣装のせいもあるかもしれないが、カッコよすぎ。あとで聞いた話では、前半にはファースト、セカンドのヒット曲を連発したそうだ。失敗した、正直そう思った。

  でも、この中盤以降も素晴らしい内容だった。前作からの曲も1曲(「Wiser Time」)披露されたが、全体に馴染んでいたのは確か。キーボードを含む6人編成のバンドにバックコーラスの女性が2人。演奏は思ったよりもあっさりとしていて、アルバムに忠実。変に間延びした曲は1曲もなかった。エクスパンドされたエンディングもあったが、やはりバンドが波に乗ってるせいか、うまく聴かせてくれる。

  後半に最大の山場が用意されていた。なんと、LED ZEPPELINの「In My Time Of Dying」のカバーを披露したのだ。いや、カバーというよりは完コピか。とにかく、あの11分以上もある楽曲をモノにしちまった。波に乗ったバンドってすげぇな、というのを嫌というほど見せつけられた瞬間だった。この曲で多くの客がまた前へと走っていった。間発入れずにバンドは「Hard To Handle」「Jelous Again」「Remedy」といったヒット曲を、畳み掛けるように連発してステージを降りた。アメリカパワー炸裂。まさに野外向きのバンドだ。きっとこのステージで彼等の株は急上昇したはず。UK勢が多い今年のフジロック出演者中、数少ない伝統的ロックバンドだが、これを機に是非ちゃんと聴いてもらいたい。


◎RAGE AGAINST THE MACHINE (at GREEN STAGE / 20:40~22:00)

  すでにこの頃にはリリースされているはずだったサードアルバムが発売延期になった今、内容的にはファースト&セカンドの曲が中心のステージ。そのサードから3曲ほど新曲を披露されたけどね。驚きは映画のサントラ曲「No Shelter」がプレイされたこと。直前のウッドストックでも演奏されたのね?

  で、披露された新曲がいい意味でポップだった。要するに「判りやすい」のだ。曲名は忘れたが、かなりドス黒い感じの極太ハイパーファンクあり、イントロはツェッペリンの「Thank You」を彷佛とさせるクリーントーンから始まりサビで爆発する「Broken(仮)」といった楽曲は皆、かなり判りやすい印象。いや、それまでの楽曲が判り難かったわけではない。が、断然新曲のほうがポップだ。ただ、たった3曲(この際「No Shelter」も含めて4曲)で11月リリース予定のアルバムの内容を予想するのはフライングだが、かなり期待していいんじゃないだろうか?

  プレイの出来に関しては何も言うことなし。だって、ひたすら最後まで暴れてたので冷静に判断できないから。新曲には聴き入り、定番曲では大暴れ。シンプルに楽しい瞬間だった。


◎TODOS TUS MUERTOS (at GREEN STAGE / 22:30~24:00)

  今年のフジロック隠し玉が、この“アルゼンチンのレイジ”ことトドス。音的にはレイジほど尖っているわけではなく、歌詞が政治的内容を歌っていることからこう呼ばれているらしい。加えてレイジとの明らかな違いは、彼等がエンターティナーだったということ。とにかく客の楽しませ方を知っている。フロントの2人は常に飛び跳ね右へ左へ動きっぱなし。挙げ句の果てには側転やバック転まで披露。馬鹿馬鹿しさを通り越して、感動すらした。

  ラテンのフレーバーあり、中近東的フレーズが飛び出したり、およそロックとは呼べないんじゃないか?って曲もあったが、まったく気にならなかった。いや、かなり楽しんだぞ。それに、レイジが終わって大して残っていなかった客が、彼等の演奏が始まったら自然とステージに向かって走っていたし。もしかしたらもう二度とこの日本では観れないのかもしれない……雑誌でも話題になってないし、インタビューすら載ってないし。トリのレイジがが終わったにも関わらず会場でぼーっとしていたお陰で、このバンドに出会えた‥‥ちょっとしたボーナスだったな、これは。


‥‥‥‥‥‥To be continued.

投稿: 1999 09 08 12:00 午前 [1999年のライブ, Black Crowes, The, FUJI ROCK FESTIVAL, Hi-STANDARD, Neve, Phish, Rage Against The Machine, Rocket From The Crypt, Stevie Salas, Todos Tus Muertos, 奥田民生] | 固定リンク