カテゴリー「Rage against the Machine」の18件の記事

2020年2月22日 (土)

OZZY OSBOURNE『ORDINARY MAN』(2020)

2020年2月下旬にリリースされたオジー・オズボーンの11thオリジナルアルバム。カバー曲で構成されたアルバム『UNDER COVER』(2005年)を含めると、通算12作目のスタジオアルバムということになります。

前作『SCREAM』(2010年)が2010年6月発売だったので、ほぼ10年ぶりということになりますが、その10年の間にはBLACK SABBATHとしてのラストアルバム『13』(2013年)もあったので、実質7年ぶりの新作ということになるのかな。ま、どちらにせよオジークラスのリリース間隔としてはだいぶ空いたことには違いありません。

ここ数年、新作に向けた噂はいろいろ上がっては消え、上がっては消えを繰り返していました。個人的に記憶に残っているところではスティーヴ・スティーヴンス&ビリー・モリソン(ともにビリー・アイドルBANDのギタリスト)と共作しているなんて話もありました。しかし、新曲は一向にリリースされる気配はなく、2年前には『NO MORE TOURS』と題した最後のワールドツアーを行うことが発表され、日本にも昨年3月に『DOWNLOAD JAPAN』のヘッドライナーとして来日することが決まっていました。が、実際にはご存知のとおり。2015年秋の『OZZFEST JAPAN 2015』を最後に、オジーの来日公演は実現しておりません。

もともと、オジーはこの10年でスタジオ入りにだいぶ消極的だったようで、前作『SCREAM』は完成までに約1年半もの歳月を要したとのこと。これがあって、長期間スタジオにこもるのを嫌がったみたいなんです。ところが、ポスト・マローンとの共演曲「Take Me What You Want」で出会ったプロデューサー/マルチプレイヤーのアンドリュー・ワットにけしかけられ、ついに重い腰を上げアルバム制作に突入。ザック・ワイルド(G)をはじめとする現在のバンドメンバーではなく、アンドリュー側がお膳立てしたレコーディングメンバー……ダフ・マッケイガン(B/GUNS N' ROSES)とチャド・スミス(Dr/RED HOT CHILI PEPPERS)、そしてギターはアンドリュー自身という布陣で曲作りを含む制作を実施。さらには、スラッシュ(G/GN'R)やトム・モレロ(G/RAGE AGAINST THE MACHINE)、エルトン・ジョン(Vo, Piano)という豪華ゲストまで迎え、これまでの躊躇が嘘みたいに待望のオリジナルアルバムは1年かからずして我々の手元に届けられたわけです。

昨年11月にリードトラック「Under The Graveyard」がまず配信されましたが、ぶっちゃけた話をすると僕、この曲に対してはまずネガティブな感情が溢れ出てしまいました。「ああ、なんだかわかんねえ若造プロデューサーにそそのかされて、ソロでもサバスみたいなことやらされて……10年待った結果がこれか」と。

ところが、その2週間後に発表された2ndシングル「Straight To Hell」を聴いて、気持ちを改めることになります。路線的には確かにサバス以降の流れにあるものでしたが、しっかりオジーのソロワークスらしさも感じられる。ポップさやキャッチーさは薄いものの、確かにこれはオジーのソロ曲だわ、と。

さらに年が明け、1月初頭には3rdシングル「Ordinary Man」も配信。エルトン・ジョンとのデュエットという話題もありましたが、何よりこれが“いかにも”なオジー流スローバラードで一聴して心を持っていかれたわけです。うん、これは期待できそうだなと。

あれから約1ヶ月。リリースより少々先にアルバムをまるまる聴く機会を得たのですが、最初の「Under The Graveyard」に対するネガティブな感情がまるでなかったかのように本作を全面的に受け入れる自分がいました。うん、どこからどう聴いてもオジー・オズボーンのニューアルバムだと、そう素直に思えたのです。

確かに、テイスト的にはソロよりもサバス時代に寄った作風かもしれません。しかし、リリースタイミング的にもBLACK SABBATHのレコードデビュー50周年(2020年2月13日)とかぶっていたり、ここ最近のオジーの体調面での問題なども相まって、「もしかしたらこれが最後かもしれない……」という不安も少なからず感じていた。だからこそ、本作をもっと前向きに捉えようと気持ちを持ち直したのかもしれませんね。

けど、作品への評価とそういった個人的感情はできるだけ切り離して楽しみたい。そう思って何度かリピートしてみましたが……やっぱりどうしても感傷的な気持ちは切り離すことはできませんでした。できなかったんだけど……それでも「ああ、オジーの新作カッコいい!」と思える自分が存在するのもまた事実。もうそれでいいじゃん!

スラッシュらしいギターソロがフィーチャーされた「Straight To Hell」から始まる本作は、序盤こそ8thアルバム『DOWN TO EARTH』(2001年)以降の流れを汲む、“21世紀のオジー”らしいアルバムかと思いきや、ところどころに6thアルバム『NO MORE TEARS』(1991年)のテイストも散りばめられているし、もちろんサバスらしさもあるし、もっと言えばオジーのルーツであるビートルズからの影響もしっかり残されている。そこまで含めて、従来のオジーのソロらしいんですよね。しかも、その“らしさ”がセルフ・パロディで終わっていないし、しっかり新しいオリジナル作品にまで昇華されている。きっとザックを含むイツメンで作っていたら、セルフ・パロディとまでは言わないまでも焼き直し感を残したまま消化不良で終わっていたのかもしれない。だからこそ、スタジオワークに無駄な時間がかかりすぎてしまうのかな……いや、わからないけど。

アルバムの流れで聴くと、不思議と「Under The Graveyard」も悪くない。いや、むしろ「Ordinary Man」のあとにこの曲が続く必然が感じられるし、「Under The Graveyard」のあとに「Eat Me」が並ぶ意味も理解できる。個人的にはこの「Eat Me」以降のアルバム後半の流れがめっちゃツボで、トム・モレロらしいソロをフィーチャーした「Scary Little Green Men」、アンドリュー・ワットの素晴らしいギターソロと美しいメロディ&アレンジがオジーソロ史上ベストワークと思えるほどの「Holy For Tonight」、ポスト・マローンがゲスト参加したパンキッシュな「It's Raid」と、“らしさ”と“斬新さ”が共存する構成なのです。そこからボーナストラックの「Take What You Want」、日本盤ボーナストラックとなる短尺曲「Darkside Blues」へと続くエンディングまで含めて、しっかり楽しめました。

『NO MORE TEARS』でひとつの極みへと到達し、続く7thアルバム『OZZMOSIS』(1995年)以降は試行錯誤の繰り返しだったオジーでしたが、ようやく“やりたかったこと”を全うすることができたんじゃないか。こんなこと書いたら不吉だって思われるかもしれないけど、この集大成的な1枚はオジー流“辞世の句”であり、昨年12月に71歳になったばかりのアーティスト:オジー・オズボーンにとっての“スワン・ソング”なのかなと。そんな重みと凄みと説得力を感じずにはいられない、会心の1枚だと思います。

 


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2020年1月12日 (日)

祝ご成人(1999年4月〜2000年3月発売の洋楽アルバム20選)

新成人の皆さん、おめでとうございます。2014年度に初めて執筆したこの“洋楽版成人アルバム”企画、今年で6回目となります。毎年この時期にこの企画をやることで、温故知新というよりは「自分の20年前の音楽ライフはどんなだったか」を思い返す上で非常に重要なコンテンツになりつつあります。

しかも、前回(1998年4月〜1999年3月)から当サイトの前身サイトがスタートした時期(1998年12月)と被っていることもあり、選出時いろいろ感慨深いものがあったりするのですから、長く続けてみるものですね。

さて、企画説明です。この1月に成人式を迎えたの皆さんが生まれた年(学年的に1999年4月〜2000年3月の期間)にリリースされた洋楽アルバムの中から、個人的思い入れが強い作品のうちSpotifyやApple Musicで試聴可能なものを20枚ピックアップしました。

でも、どれも名盤ばかりですし、もしまだ聴いたことがないという作品がありましたら、この機会にチェックしてみてはどうでしょう。特に、現在20歳の方々は「これ、自分が生まれた年に出たんだ」とかいろいろ感慨深いものがあるような気もしますし。ちなみに、作品の並びはすべてアルファベット順です。(2014年度の新成人編はこちら、2015年度の新成人編はこちら、2016年度の新成人編はこちら、2017年度の新成人編はこちら、2018年度の新成人編はこちらです)

 

AC/DC『STIFF UPPER LIP』(2000年2月発売)(Spotify)(レビュー

ATARI TEENAGE RIOT『60 SECOND WIPE OUT』(1999年5月発売)(Spotify)(レビュー

BUCKCHERRY『BUCKCHERRY』(1999年4月発売)(Spotify)(レビュー

THE CHEMICAL BROTHERS『SURRENDER』(1999年6月発売)(Spotify)(レビュー

CIBO MATTO『STEREO☆TYPE A』(1999年6月発売)(Spotify

D'ANGELO『VOODOO』(2000年1月発売)(Spotify

THE DILLINGER ESCAPE PLAN『CALCULATING INFINITY』(1999年9月発売)(Spotify

DISTURBED『THE SICKNESS』(2000年3月発売/US)(Spotify)(レビュー

THE FLAMING LIPS『THE SOFT BULLETIN』(1999年5月発売)(Spotify

FOUNTAINS OF WAYNE『UTOPIA PARKWAY』(1999年4月発売)(Spotify)(レビュー

 

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2020年1月 5日 (日)

RAGE AGAINST THE MACHINE『RENEGADES』(2000)

2000年12月に発表されたRAGE AGAINST THE MACHINE唯一のカバーアルバム。現時点(2020年1月)におけるラストアルバムでもあります。日本盤は海外に数日先駆け、11月末にリリースされました。

RATMは同年10月、ザック・デ・ラ・ロッチャ(Vo)のバンド脱退により事実上解散状態に。今作のレコーディングは同年春に終えていたことから、アルバムは当初の予定どおり無事リリースされることとなりました。つまり、バンドが事実上存在しないタイミングでの“最後の置き土産”となったわけです。

カバー集ということで、その選曲はある種バンドのルーツと呼べるようなものばかり。選出時期も最古はボブ・ディランの「Maggie's Farm」(1965年)、最新のものでもブルース・スプリングスティーンの「The Ghost Of Tom Joad」(1995年)と選曲の幅が30年という面白いことになっています。

AFRIKA BAMBAATAAやERIC B. & RAKIM、CYPRESS HILLなどヒップホップ方面でのルーツもあれば、MC5やTHE STOOGESといったパンクのオリジンたち、MINOR THREATなんていうハードコアでのルーツもある。そこにTHE ROLLING STONES、ディラン、スプリングスティーンというロック/フォークなどの先駆者の楽曲も名を連ねますが、これらは“プロテスト・ソング”という意味での影響が多いいのでしょう。そんな中、ニューウェイヴに属するDEVOの楽曲が含まれているのが非常に興味深いところです。

そういった多ジャンルにわたる楽曲群を、いかにもRATMらしい味付けでリフォーム&リメイクしているわけですが……これがカッコイイのなんの。カバー集と知らずに聴いたら、確実に「RATMの新しいアルバム」もしくは「RATMの未発表曲集」と勘違いしてしまうのではないでしょうか。それくらい、どの曲でもザックのラップ、トム・モレロ(G)やリズム隊の主張がハンパないんです。

アレンジ力という点においても、オープニングの「Microphone Fiend」(原曲:ERIC B. & RAKIM)から完全にオリジナルなものだし、原曲の雰囲気を最大限に生かした「Kick Out The Jams」(原曲:MC5)や「Down On The Street」(原曲:THE STOOGES)みたいにストレートな楽曲もある。すでにライブではおなじみだったスプリングスティーンの「The Ghost Of Tom Joad」なんて、ある意味別の曲ですからね。さらに、ストーンズの名曲「Street Fighting Man」でのタガの外れ方や、原曲は疾走感が強い「Beautiful World」(原曲:DEVO)をシンプル&スローなバラードに変えてしまうアレンジ力はさすがの一言。特に後者では、あのザックが朗々と“歌って”いるのですから。いろんな意味で驚きと新鮮さが感じられる1枚です。

SpotifyやApple Musicではこれらの原曲も手軽に聴くことができるので(アルバムリリース当時は、それぞれ探すのが面倒だったんだよなあ。笑)、こちらで作成したプレイリストを参考にしてみてください。ね、聴き比べると面白いでしょ?

ストリーミング版ではカットされていますが、CDですとこの12曲のあとに「Kick Out The Jams」と「How I Could Just Kill A Man」のライブテイクが追加されていますが、これらはのちにリリースされたライブアルバム『LIVE AT THE GRAND OLYMPIC AUDIORIUM』(2003年)にも収録されているので、気になる方はこちらもチェックしてみてはどうでしょう。

 


▼RAGE AGAINST THE MACHINE『RENEGADES』
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2020年1月 2日 (木)

banned songs of US radio after 9.11

つい先日、今年の9月11日に配信されたKERRNG!の記事「HERE ARE THE 164 SONGS THAT WERE BANNED FROM AMERICAN RADIO AFTER 9/11」がTwitterで流れてきたんですね。このリスト自体、これまでも完全版・不完全版問わずさまざまな形で流出していたと思いますし、実際僕も学生時代に湾岸戦争をテーマに「表現の自由」や「自主規制」について卒論を書いていたので、常に気になってチェックしていました。今回の記事も特別目新しさはなかったのですが、急にふと「そういえば、卒論書いてた90年代前半は実際にそういう曲を全部聴くのに相当苦労したけど、今ってストリーミングサービスがあるし、もしかしてこのリストの曲全部聴けるんじゃないかな……」と思ったんですね。

で、実際にプレイリストを作ってみようと思い、検索を開始……始めたのが明け方だったのですが、気づいたら1、2時間でプレイリスト完成。記事中に登場する曲名やアーティスト名に多少の間違いがあったので、ネット上で公開されている同様の記事(結局Wikipediaが一番便利でした)とも照らし合わせつつ、完全なるプレイリストを完成させました。

さすがに全曲ありました。すごいですね、Spotify(今回はApple Music版は作成せず。だって2つも作るの時間かかるし)。RAGE AGAINST THE MACHINEのみ全曲放送禁止だったので、本来なら彼らの楽曲はすべて入れるべきなんでしょうけど、それだと埒が明かないので各アルバムから主要ナンバー1曲ずつ、計4曲を入れることにしました。そこに「Knockin' On Heaven's Door」のみボブ・ディラン版とGUNS N' ROSES版の2曲を用意して、全168曲/11時間14分というアホほど長いプレイリストが完成したわけです(笑)。

一応、アーティスト名アルファベット順、複数の曲がリストにあるアーティストに関しては曲名もアルファベット順で並べてあります。なので、AC/DCみたいにいきなり7曲も続いてしまうこともありますが、シャッフル再生すると普通にラジオ感覚で楽しめるのではないでしょうか……しかも、いい曲ばかりですし。

こんなご時世だからこそ、こういった楽曲を手軽に楽しめる自由をかみしめつつ、今の生活に感謝したいと思います。またいつ、これらの楽曲やほかのヒット曲が放送禁止になるか、本当にわかりませんしね(しかも、あの当時よりも状況的には最悪ですから)。

 

2019年9月22日 (日)

RAGE AGAINST THE MACHINE『EVIL EMPIRE』(1996)

1996年4月にリリースされたRAGE AGAINST THE MACHINEの2ndアルバム。

デビュー作となったセルフタイトルアルバム(1992年)から3年半の歳月を経て届けられた本作ですが、彼らの人気・知名度を急激に上昇させる重要な役割を果たしました。というのも、前作が話題のわりに全米45位という数字で終わったのに対し、本作は初登場1位を獲得。イギリスでも最高4位を記録し、本国アメリカでは300万枚以上を売り上げる大ヒット作となったのです(1作目も最終的には300万枚以上のヒットとなりましたが)。

プロデューサーには新たにブレンダン・オブライエン(STONE TEMPLE PILOTSPEARL JAMAEROSMITHRED HOT CHILI PEPPERSなど)、ミックスには前作から引き続きアンディ・ウォレス(NIRVANAHELMETSLAYERLIMP BIZKITなど)という豪華なメンツを迎えた今作は、RATMの持つ軽やかな躍動感が見事な形で凝縮された力作に仕上げられています。ヘヴィさであったり即効性の強い1音1音の重さは前作に譲りますが、この『EVIL EMPIRE』ではファンクミュージック直系のグルーヴ感が全キャリア中でもっとも強く打ち出されているように感じます。

正直、初めて聴いたときは冒頭3曲……「People Of The Sun」「Bulls On Parade」「Vietnow」のインパクトに全部持っていかれました。いや、特に頭2曲かな。リリース当時はこの2曲ばかりを狂ったようにリピートしていた記憶があります。前作は軽やかさよりも重さを重視した作風でしたが、今回はこの2曲からも伝わるようにファンク〜ヒップホップといったブラックミュージックのダンサブルな面がすべてと言ってしまいたくなるほど、気持ちグルーヴが全編を通して支配しているのです。

もちろん、その後の「Revolver」も(空耳アワーの「エッチをしているよ」でお馴染みの。笑)「Snakecharmer」もカッコいいし、アップテンポで攻める「Tire Me」も良い。前作の延長線上にあるサイケな音使いの「Down Rodeo」も、冒頭のトム・モレロ(G)のギターフレーズに驚かされる「Without A Face」もほかには真似できない個性を放っている。だけど、その後の2曲(「Wind Below」「Roll Right」)はちょっとインパクトが弱いかなという印象も。ラストの「Year Of The Boomerang」はエンディングとしては最適だと思いますけど、このへんの一部の弱い曲のせいで、リリース当時は「アルバム後半がイマイチ」と認識していたんです。ということもあり、しばらくは「全体としての完成度は前作に劣るかな」と思い込んでいました。

でも、上に挙げた2曲も今聴くとそこまで悪いとは思わないし、まあ確かに並の仕上がりかもしれないけど、決してアルバムの足を引っ張るほどではない。むしろトータルで聴いたときにRATM全キャリア中もっともよくできたアルバムは本作なんじゃないか、と思えるほど。ファーストインパクトのデビュー作と、人気加熱後の1枚だった3rdアルバム『THE BATTLE OF LOS ANGELES』(1999年)の間に挟まれると影が薄い気がしないでもないですが、実はもっともバランス感に優れた作品が本作ではないかと思っています。それに、1997年の初来日もこのアルバムあってこそですしね。

そうそう。やっぱり本作はフジロック初年度の記憶とペアになっているので、そういう意味でも個人的に重要な1枚なんです。思い入れでは一番かも。

 


▼RAGE AGAINST THE MACHINE『EVIL EMPIRE』
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2019年1月29日 (火)

RAGE AGAINST THE MACHINE『THE BATTLE OF LOS ANGELES』(1999)

1999年11月にリリースされた、RAGE AGAINST THE MACHINE通算3作目のアルバム。

初の全米No.1を獲得した前作『EVIL EMPIRE』(1996年)から3年半ぶりの新作でしたが、この3年半が思っていた以上に長く感じられたんですよね、当時。それはきっと、1997年7月の初来日(ご存知、初開催の『FUJI ROCK FESTIVAL '97』出演を含む)で日本のロックファンに衝撃を与えたあと、翌年にハリウッド版『ゴジラ』のサウンドトラックに新曲「No Shelter」を提供、さらに1999年夏に苗場での初開催となる『FUJI ROCK FESTIVAL '99』での再来日などの活動を通して、「まもなくニューアルバムが発売される」とずーっと期待させてきたからに他なりません。ホント、99年のフジロックのときにはアルバム出てるはずだったもんね(確か)。

99年のフジロックでは、「まもなくリリース予定」の(笑)ニューアルバム(つまり本作)から、「Testify」と「Born Of A Broken Man」がいち早く披露されたと記憶しています。本サイトの当時のレポートを読み返すと、前者を「かなりドス黒い感じの極太ハイパーファンク」、後者を「イントロはツェッペリンの『Thank You』を彷彿とさせるクリーントーンから始まりサビで爆発する」と表現しており、ああなるほどなと思いました。さらに、これら2曲を指して「いい意味でポップ。要するに“わかりやすい”」とも記しており、その数ヶ月後に発売された本作を聴いても本当にそのとおりだなと思ったものです。

シンプルなヒップホップとわかりやすいギターリフを軸にしながらも、テクニカルな演奏とエフェクティヴなトム・モレロ(G)のギタープレイにより、ちょっと難解に思えてしまう。当時の僕はそんな印象を初期2作の彼らに対して持っていたのですが(曲によってはプログレッシヴな要素も強かったですし)、この3作目に関してはもっとシンプルでストレート、かつわかりやすいという印象を受けました。それはシングルカットもされた「Guerrilla Radio」や「Sleep Now In The Fire」あたりを軸にしたアルバム前半に顕著で、さらに「Born As Ghosts」を筆頭としたアルバム後半も基本的にはその流れにあると考えています。

ただ、アルバム後半は比較的前作までの流れに近いイメージもあり、前半ほどハイパーポップというわけではないかな。そういう意味では、後半に入るとちょっとテンションが落ちる(気がする)アルバムと言えなくもないですが。とはいえ、終盤2曲(「Ashes In The Fall」「War Within A Breath」)の流れは圧巻だったりするんですけどね(日本盤はこのあと、ボートラとして「No Shelter」が追加されているんですが、正直あってもなくてもいいって感じかな)。

このバンドの登場は革新的でしたしぶっちゃけ新発明だとも思いましたが、それと同じくらいに「実は幅が狭い」という諸刃の剣でもあり。それがオリジナルアルバム3枚で解散という結果につながったのかもしれません(2000年代後半の再結成後も、結局新作は発表されませんでしたし)。そう考えると(その後、カバーアルバム『RENEGADES』はあったものの)、本作で力尽きたというのも納得かもしれませんね。

とはいえ、それも音楽的側面でのお話。彼らのベースとなる主義主張の観点では、ここ数年のアメリカ社会に対してどんなことを考えているんだろう、むしろ今ならどんなことを歌うんだろう……そう思っているファンも少なくないはずです。そこだけが、残念でなりません。

 


▼RAGE AGAINST THE MACHINE『THE BATTLE OF LOS ANGELES』
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2018年2月 1日 (木)

V.A.『KISS MY ASS: CLASSIC KISS REGROOVED』(1994)

1994年6月にリリースされた、KISSのトリビュートアルバム。ちょうどKISS結成20周年を記念して、当時のメンバーも制作に携わった1枚で、レニー・クラヴィッツガース・ブルックスANTHRAXGIN BLOSSOMSTOAD THE WET SPROCKETDINOSAUR JR.EXTREMETHE LEMONHEADSTHE MIGHTY MIGHTY BOSSTONESといったメタル/オルタナ/カントリーなどKISSに影響を受けた幅広いジャンルのアーティストに加え、ここ日本からもYOSHIKI(X JAPAN)が参加。さらに、メイナード・キーナン(TOOL)、トム・モレロ&ブラッド・ウィルク(RAGE AGAINST THE MACHINE)、ビリー・グールド(FAITH NO MORE)からなるスペシャルユニットSHANDI'S ADDICTION(JANE'S ADDICITONをKISSの楽曲「Shandi」にひっかけてもじったもの)まで参加しております。

まあKISS愛に溢れた……というよりは、各アーティストが平常運転でKISSの楽曲をカバーしたといったほうが正しいのかもしれませんね。だって、1曲目の「Deuce」からレニー・クラヴィッツ、直球勝負でカバーしつつも彼らしく味付けしてますから。ちなみにこの曲、ハーモニカでスティーヴィー・ワンダーもゲスト参加してます。

かと思えば、KISSご本家が演奏で加わったガース・ブルックス「Hard Luck Woman」は、カバーというよりもコピー。本家がいつもどおりに演奏して、ポール・スタンレーがハーモニーで加わっているんだから、そりゃあ“まんま”になっても仕方ないですよね(笑)。ANTHRAXの「She」も平常運転、というか途中まで“まんま”すぎて、後半に彼らならではのこだわりのアレンジが加わるという。この時期の彼らは、ボーカルがジョン・ブッシュ時代なので、こういったジーン・シモンズ色の強い曲はピッタリですね。

そういえば、1994年というとグランジブーム末期というタイミングで、KISSから影響を受けたと公言するグランジバンドも少なくありませんでした。そういうこともあって、GIN BLOSSOMS、TOAD THE WET SPROCKET、DINOSAUR JR.あたりのグランジ/オルタナロックバンドのKISSカバーは良い味を醸し出しています。GIN BLOSSOMS「Christine Sixteen」こそストレートなカバーですが、TOAD THE WET SPROCKET「Rock And Roll All Nite」のアコースティックスローカバー、DINOSAUR JR.「Goin' Blind」のヘヴィで泣きまくり、かつ脱力系なカバーは完璧すぎるほどの素晴らしい仕上がり。1994年という時代感を見事に反映した、本作の中でもベストテイクと言えるでしょう。

そして、本作中もっとも異色のカバーがSHANDI'S ADDICTION「Calling Dr. Love」。トム・モレロの変態ギターを存分に活かしたテイクで、参加メンバーの各バンドの個性が見事に反映されたアレンジは、最高の一言。のちのヘヴィロック/ラウドロック一大革命を先取った1曲と言えるかもしれません。

その他にも、EXTREMEらしくファンクロック的“ハネた”ミディアムナンバーへと昇華させた「Strutter」、あの有名なツインリードギターをブラスで再現した爆笑モノのTHE MIGHTY MIGHTY BOSSTONES「Detroit Rock City」、いかにもYOSHIKI、というかまんまX JAPANな「Black Diamond」のオーケストラバージョン、ボーナストラックとして追加されたドイツのバンドDIE ÄRZTEの「Unholy」ドイツ語カバー(途中でディスコな“あの曲”も飛び出したり)など、聴きどころ満載。トリビュートアルバムとしては、かなり力の入った1枚ではないでしょうか。そりゃまあ、アーティスト本人が尽力してるんだもんね。

ちなみに本作、今のようにKISSがメイク時代に戻る前の作品ながらも、全米19位まで上昇。50万枚を超えるヒット作となりました。今思えば、このへんの成功が数年後のオリメン&メイク復活の布石になったんでしょうね。

なお、本作はストリーミング配信はおろか、デジタル配信自体が行われておりません。勿体ないったらありゃしない。



▼V.A.『KISS MY ASS: CLASSIC KISS REGROOVED』
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2017年8月25日 (金)

RAGE AGAINST THE MACHINE『RAGE AGAINST THE MACHINE』(1992)

RAGE AGAINST THE MACHINEのデビューアルバム『RAGE AGAINST THE MACHINE』がリリースされて、今年で25周年なんだそうです。ということは、20周年でデラックスエディションが発売のが今から5年も前のことなんですね。改めて時の流れの早さに驚かされます。

本作が最初にリリースされたのが、1992年秋のこと。僕は確か『BURRN!』のレビューで彼らのことを知ったんだと記憶しています。確か点数的には70点台でそこまで高くなかったと記憶しているし、当時はようやくRED HOT CHILI PEPPERSがブレイクして、ファンクやヒップホップにメタル的手法を取り入れたバンドが少しずつ認められつつあったタイミングだったのかな。まだ彼らのようなバンドを“ミクスチャー”とか“クロスオーバー”とか曖昧な表現でカテゴライズしていた時期だったと思います。

正直、僕も当時このアルバムを聴いてはいるのですが、ぶっちゃけハマらなかったんですよ。なぜならメロディらしいメロディがない、本当にヒップホップ寄りのアプローとだったから。バックトラックはめちゃくちゃカッコイイのに、歌メロがないという。今思えば、本当に恥ずかしい限りです。

で、彼らに本格的に興味を持ち始めたのは、それから4年後に2ndアルバム『EVIL EMPIRE』(1996年)がリリースされてから。あのアルバムで一気にハマり、改めて1stを聴き返したら「なんだよ、カッコイイじゃないか!」と今更気づかされたわけです。

彼らを語る上で、サウンド以上に歌詞で綴られている政治的観点は非常に重要だと思います。が、ここ日本に住んでいると完全には理解しきれない問題が多いのもまた事実。それは言語の問題以上に、我々がいかに海外の情勢に無関心かということにもつながるわけで、このバンドが歌っていることを突き詰めれば突き詰めるほど、自分の無知さが恥ずかしくなるのです。

ここでそういったポイントについて説明していくと、正直この何倍ものテキストが必要になるので、そのへんは歌詞や対訳を確認しつつ、気になった項目をググっていくことをお勧めします(あくまで役割放棄じゃないですよ、これは)。

サウンドに関しては何も言うことなく、ただひたすらカッコイイだけ。彼らの成功があったから、その後ラップを取り入れたヘヴィロックバンドがバンバン現れるわけですからね。どうしてもザック・デ・ラ・ロッチャ(Vo)のカリスマ的佇まいとボーカル、そしてトム・モレロ(G)の変態的なギタープレイにばかり注目しがちですが、僕はティム・マコーフォード(B)とブラッド・ウィルク(Dr)の鉄壁なリズム隊にこそこのバンドのすごさがあるのではないかと認識しています。それがすでにこのデビュー作の時点でほぼ完成されていることに驚かされるわけです。だって、リリース時はメタルが死に絶えNIRVANAPEARL JAMが一時代を築いていたタイミングですからね。あの時期にこういうバンドがひっそりと誕生していたという事実がまたすごいと思うわけです。

本格的にハマった2ndはもちろんのこと、実質的ラスト作となった3rd『THE BATTLE OF LOS ANGELES』(1999年)も、カバーアルバム『RENEGADES』(2000年)も大好きですが、どれか1枚挙げろと言われたら僕は迷わすこの1stアルバムをピックアップします。

彼らは2000年に一度解散し、その後復活して再び2011年に活動を止めています。ぶっちゃけ、今こそ彼らのようなバンドが求められているのに、それでも復活しないのには何か大きな意味があるんじゃないか……そんなことを昨年後半からずっと考えています。ホント、今なんですけどね……。

 


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2017年1月 9日 (月)

祝ご成人(1996年4月〜1997年3月発売の洋楽アルバム20枚)

新成人の皆さん、おめでとうございます。2014年度に初めて実施したこの企画、今回で3回目を迎えます。今年も新成人の皆さんが生まれた年(学年的に1996年4月〜1997年3月の期間)にリリースされた洋楽アルバムの中から、個人的思い入れがある作品を20枚ピックアップしました。どれも名盤ばかりなので、もし聴いたことがないという作品がありましたら、この機会にお手にしてみてはいかがでしょうか。とは言いながらも大半が名盤中の名盤なので、聴いたことがあるものばかりかもしれませんが。

作品の並びはすべてアルファベット順です。(2014年度の新成人編はこちら、2015年度の新成人編はこちらです)


ATARI TEENAGE RIOT『THE FUTURE OF WAR』(Amazon

BECK『ODELAY』(Amazon

BLUR『BLUR』(Amazon)(レビュー

DEF LEPPARD『SLANG』(Amazon)(レビュー

THE HELLACOPTERS『SUPERSHITTY TO THE MAX!』(Amazon)(レビュー

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2008年2月10日 (日)

RAGE AGAINST THE MACHINE@幕張メッセ(2008年2月9日)

定刻から25分遅れでスタート。約80分のステージでした。長さは以前とほとんど一緒かな。予想どおり。

セットリストは大阪公演とほぼ一緒みたいですね。Bブロックの真ん中へんで余裕ぶっこいて観てたんだけど、やっぱり途中からモッシュの輪に加わりたくてウズウズ。結局アンコール2曲は暴れまくりでした。そりゃ完全燃焼したー!と思うわけですよ。

でも、今冷静に思い浮かべてみると、ぶっちゃけ「こんなもんだっけ?」という思いもあり。ザックしかり、やっぱり歳取ったよなぁというのが正直な感想。声は出てたほうだと思うけど、やはり解散前と比べればトーンは低い(高いキーが出ない?)よなとか、曲間のMCがほとんどなかったのは単に休んでた?とかいろいろ穿った見方をしてしまったり。

レイジってライブの当たり外れが大きいバンドだった記憶があったけど、そういう意味では今日のライブって平均点というか、「大多数の客を満足させる」だけのまとまった内容だった気がします。もちろんそれはそれで悪くないんだけど、やっぱりこのバンドはつねにスペシャルなもんがあった記憶があるんだよね。いや、それって自分の記憶を美化しすぎ?

フジロックで再来日するのかどうかは知らないけど、次観るときはやっぱり新作モードのレイジを観てみたいな。懐メロツアーはそれはそれで意味があるんだろうけど、言葉がまったく通じない日本においては、やっぱり次は厳しいと思うんですよ。周りの客とはぜんぜん歌えてなかったもん(終わったあとに「もっと予習しておけばよかった!」って声が何人かから聞こえてきたくらいだもんな)。

なんてことを、過去のDVDを観ながら書いてます。これ観たせいで眠れなくなったよ! ビールでも飲むかビール。


[SET LIST]
01. Testify
02. Bulls On Parade
03. People Of The Sun
04. Bombtrack
05. Vietnow
06. Bullet In The Head
07. Know Your Enemy
08. Renegades Of Funk
09. Guerrilla Radio
10. Calm Like A Bomb
11. Sleep Now In The Fire
12. Wake Up
--ENCORE--
13. Freedom
14. Killing In The Name

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