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2025年7月 6日 (日)

BLACK SABBATH / OZZY OSBOURNE: BACK TO THE BEGINNING(2025年7月5日)

Bttb オジー・オズボーンのステージを最初に観たのは、1991年10月の“引退”ツアー@日本武道館。ちょうどアルバム『NO MORE TEARS』をリリースした直後で、この日本公演から最後のワールドツアーが始まったんですよね。なので、自分にとってこれが最初で最後のオジーになる予定でした。あの時点でオジー42歳。今ならメタルをするには全然若いんですけどね。

で、その後に関してはご存知のとおり。最後の来日は2015年11月の『Ozzfest Japan 2015』になるのか。その2年前の『Ozzfest Japan 2013』BLACK SABBATHでの来日でしたしね。2015年秋は自身がメニエール病の影響で大きな音を浴びることを避ける生活をしていたのですが、無理をして最後のオジーのステージに間に合うように会場へ向かい、かなり後方から無理せぬスタンスで観覧したことを覚えています。

あれから10年。ついにオジーがステージから引退する日が来ました。しかも、ビル・ワード(Dr)を欠いた形でうやむやなうちに終幕したBLACK SABBATHもオリジナル編成で最後のステージを行う。そんな彼らを見送るように、ハードロック/ヘヴィメタル界隈の重鎮/レジェンドたちが一堂に会しする特別なイベントが7月5日、イギリスで行われる。そりゃ行きたかったですよ。チケットも取ろうかと思いましたよ。けど、現実的(仕事的)に無理なのはわかっていたので泣く泣く断念。

そうしたら、配信でも日本から観られることが発覚。ライブ自体は2時間のディレイが発生するものの、日本時間23時から約10時間にわたりほぼノーカットで夢のような“饗宴”を目撃することができ、しかもアーカイヴとして48時間残るので、無理して夜更かしすることもなく最後まで楽しめました。

以下の簡単な観覧メモは、この歴史的イベントを記録に残しておくためのもの。後日映像作品としてリリースされるかもしれないけど、それはそれ。単なる自己満足です(昨年秋以降のレポもまだちゃんとまとめてないのに、これだけ先に公開するというのもどうなのかと)。

目次
MASTODON
RIVAL SONS
ANTHRAX
HALESTORM
LAMB OF GOD
SUPERGROUP A
JACK BLACK, ROMAN MORELLO, REVEL IAN
ALICE IN CHAINS
GOJIRA
DRUM OFF
SUPERGROUP B
PANTERA
TOOL
SLAYER
FRED DURST (LIMP BIZKIT)
GUNS N' ROSES
METALLICA
OZZY OSBOURNE
BLACK SABBATH

 

MASTODON
主要メンバーのひとりブレント・ハインズ(G, Vo)が今年脱退して、新体制でのステージ。正直ブレントの離脱はかなり痛いと思うのですが、この日披露された3曲を観る限りではなんとかやれそうな予感。といっても、自身のオリジナル曲は2曲のみでしたから、ちゃんとした判断は難しいところですが。最後にサバス「Supernaut」カバーは予想外の選曲。途中からダニー・ケアリー(TOOL)、マリオ・デュプランティエ(GOJIRA)、そしてエロイ・カサグランデ(SLIPKNOT、ex. SEPULTURA)というドラマー3名が加わり、かなりパーカッシヴなアレンジで独自性を打ち出していました。うん、良き良き。

セットリスト
1. Black Tongue
2. Blood And Thunder
3. Supernaut

 

RIVAL SONS
個人的には好きなバンドだったけど今回バンド単体で出演する中ではもっとも人気も知名度も低いような気がするし、彼らはどちらかといえばLED ZEPPELIN寄りなのかなと思ったけど、この日演奏したオリジナル曲とサバス「Electric Funeral」カバーの相性も悪くなく、これはこれでアリだったな。

セットリスト
1. Do Your Worst
2. Electric Funeral
3. Secret

 

ANTHRAX
表に「Sabbath Bloody Anthrax」、裏に「666」とサバスにおける各パートのメンバー名が記載されたお揃いのTシャツ姿で登場した彼らは、いきなり「Indians」で自分たちらしいペースで空間を作り込んでいく。持ち時間15分と決して長くはない中、しっかりと“War Dance”でのモッシュパートも確保して暴れ放題。2曲目にひたすらヘヴィなサバスカバー「Into The Void」をお見舞いして、たった2曲という潔さでステージを去っていきました。

セットリスト
1. Indians
2. Into The Void

 

HALESTORM
本日唯一の女性アーティストを含むHALESTORM。リジー姐さん(Vo, G)の華やかさと毒々しさがいい感じで伝わるファストチューン「Love Bites (So Do I)」で場の空気を温めると、8月発売の新作からの「Rain Your Blood On Me」を先行披露。ここで新曲か……と思ったものの、これはこれで今日という日にぴったりな選曲なのかな。で、気になるカバーですが……セッション以外では唯一オジーソロから、しかもマニアックな「Perry Maison」という選曲。で、これがリジー姐さんのパワフルボイスにぴったり。実は密かにザック・ワイルド(G)が飛び入りするんじゃないかと思ってたけど、そういったサプライズなしで終了。

セットリスト
1. Love Bites (So Do I)
2. Rain Your Blood On Me
3. Perry Mason

 

LAMB OF GOD
最初に登場したドラマーを見て「あれ、クリス・アドラーじゃない」と気づく。そうか、クリスってだいぶ前に脱退したんだっけ。いきなり「Laid To Rest」から始まるのでテンション上がるも、その後にステージに姿を現したランディ・ブライ(Vo)のビジュアルに衝撃を受ける。なんでこんな“おとっつぁん”姿に……(苦笑)。しかも、線が細いから音のわりに軟弱に見えてしまう。悲しい。けど、音は最高の一言で、「Redneck」含め「まあこの2曲だよね」という選曲にニンマリ。が、その後のサバス「Children Of The Grave」では“歌う”ことに注力するがあまり……うん。シャウトだけで攻めてもよかったんじゃないかな。ランディの風貌と相まって、ちょっとだけずっこけたのはここだけの話。

セットリスト
1. Laid To Rest
2. Redneck
3. Children Of The Grave

 

■SUPERGROUP A
さあ、お待ちかねのセッションタイム! まずはリジー・ヘイル(Vo)、デヴィッド・エレフソン(B/ex. MEGADETH)、ヌーノ・ベッテンコート(G/EXTREME)、ジェイク・E・リー(G/RED DRAGON CARTEL)、マイク・ボーディン(Dr/FAITH NO MORE)、アダム・ウェイクマン(Key)で「The Ultimate Sin」。ジェイク、元気そうでよかったけど、ヌーノのほうが目立ってた気が。にしても、リジー姐さんはこういうパワフルな曲歌うの合ってるね。続く「Shot In The Dark」ではリジー&ヌーノOUT、デヴィッド・ドレイマン(Vo/DISTURBED)IN。ドレイマン、こういう曲意外と合うんだなと再確認。ソロはヌーノがいない分、ジェイクのプレイをしっかり味わえました。

3曲目「Sweet Leaf」はジェイクOUT、ヌーノ&スコット・イアン(G/ANTHRAX)IN。ジュニア(エレフソン)とスコット・イアンが同じ曲を演奏してるの、個人的にグッときた。にしても、ヌーノはメロウな曲もこういうヘヴィな曲もそつなくこなしながら、しっかり自分色に染めていくのさすがですね。4曲目「Believer」はドレイマン、エレフソン&マイクOUT、ウィットフィールド・クレイン(Vo/UGLY KID JOE)、フランク・ベロ(B/ANTHRAX)&スリープ・トーケンII(Dr/SLEEP TOKEN)IN。これまた不思議な組み合わせですが、SLEEP TOKENのドラムがいいグルーヴ生み出してやんの。いいじゃない。そして、最後の「Changes」はウィットフィールド&スコットOUT、ヤングブラッド(Vo)IN。事前告知されていなかったヤングブラッドの登場に会場沸きまくり。ちょうど新作『IDOLS』が全英1位獲得した直後だけに、すごくいいタイミングでしたね。にしても彼、ここまで声量おばけか!ってくらいに全身で歌いまくってたの、カッコよかったな。バックのメンツとの相性も抜群でした。

セットリスト
1. The Ultimate Sin
2. Shot In The Dark
3. Sweet Leaf
4. Believer
5. Changes

 

■JACK BLACK, ROMAN MORELLO, REVEL IAN
転換タイミングにステージ上に2人の少年が登場して、そのまま幕間映像へと続くのですが、これがオジーに扮したジャック・ブラック(映画『スクール・オブ・ロック』の人ね)が「Mr. Crowley」を歌うという映像。ギターをトム・モレロ(G/RAGE AGAINST THE MACHINE)の息子ローマン・モレロ、ベースをスコット・イアンの息子レヴェル・イアン、ドラムを日本人ドラマーYOYOKAが担当し、同曲の有名な映像を見事に(かつ大袈裟に)完全再現していました。これぞ完全に『スクール・オブ・ロック』! 面白かった!

セットリスト
1. Mr. Crowley

 

ALICE IN CHAINS
久しぶりにバンドとして動いている姿を観た。ショーン・キニー(Dr)が先日から体調不良でお休みしていましたが、この日は無事ステージ復帰。いきなり「Man In The Box」から始まったけど、配信におけるサウンドミックスが激悪で、ジェリー・カントレル(G, Vo)のボーカル/コーラスが一切聴こえない始末。しかも、続く「Would?」ではジェリーのリードボーカルから始まるのにまったく聴こえない。途中でうっすら聴こえてきた気がするけど、こんなんじゃ彼らの魅力半減。さらに、サバスカバーでは途中で音声がまったく聴こえなくなる大トラブル。途中で復旧したものの、配信組にとってはAICが軽視されているように映っても仕方ないような扱いでした(その後、ガンズ終了後の幕間映像で音声完全版の「Fairies Wear Boots」が再配信されましたが、にしてもねえ?)。

セットリスト
1. Man In The Box
2. Would?
3. Fairies Wear Boots

 

GOJIRA
「Stranded」のオープニングのあのギターの音色を聴いた瞬間、「あ、GOJIRAきた!」とテンション上がる。が、直前のAIC同様ミックスがダメダメで、ボーカルがあまり聞き取れない。加えて、カメラワークもどんどん悪くなっている印象が強くて、早番(笑)があんないい仕事ぶりだっただけに「遅番、なってねえな!」とぼやき始める自分。「さすがにもうパリオリンピックネタは引っ張らないよね」と思ってたら、3曲目「Mea Culpa (Ah! Ça ira!)」では原曲同様にマリナ・ヴィオッテイを連れてきて(あの映像こそなかったものの)完全再現。イギリスでフランス革命の曲やるの、おもろすぎ。で、最後はサバスカバー「Under The Sun」。これは選曲も演奏もよかったな。いつかスタジオ音源出していただきたい。

セットリスト
1. Stranded
2. Silvera
3. Mea Culpa (Ah! Ça ira!)
4. Under The Sun

 

■DRUM OFF
このあたりからセッションパート2に突入。まずは「Drum Off」と称してチャド・スミス(RED HOT CHILI PEPPERS)、ダニー・ケアリー(TOOL)、トラヴィス・バーカー(BLINK-182)のトリプルドラム、ルディ・サーゾ(B/ex. QUIET RIOT)、トム・モレロ(G)、ヌーノ・ベッテンコート(G)という布陣で「Symptom Of The Universe」インストセッション。随所にドラマー3人がソロをぶち込んでくるスリリングな構成は、非常に贅沢でした。

セットリスト
1. Symptom Of The Universe

 

■SUPERGROUP B
続いて本格的なセッションパート再び。ビリー・コーガン(Vo/THE SMASHING PUMPKINS)、トム・モレロ(G)、アダム・ジョーンズ(G/TOOL)、K.K.ダウニング(G/KK'S PRIEST、ex. JUDAS PRIEST)、ルディ・サーゾ(B)、ダニー・ケアリー(Dr)という布陣で何やるかと思えば、いきなりプリースト「Breaking The Law」! 会場大盛り上がりで〈Breaking The Law!〉連呼しやがるし。サバスやオジー以外のカバー、ありなのか。続いて同じメンツでサバス「Snowblind」。前の曲といい、ビリーのボーカル厳し目だけど、トムが“歯ギター”弾いてる後ろではっちゃけてる絵は面白かった(笑)。

3曲目は「Flying High Again」。メンツはサミー・ヘイガー(Vo)、ヌーノ・ベッテンコート(G)、ヴァーノン・リード(G/LIVING COLOUR)、ルディ・サーゾ(B)、チャド・スミス(Dr)、アダム・ウェイクマン(Key)。ステージ上のアメリカ人率の高さとファンクメタル(死語)率の高さといったら……。こういう曲は確かにサミーの歌にも合うし、このメンツで演奏したらなんだか“VAN HAGAR”っぽく聞こえてきますね。で、ヴァーノンとトムが入れ替わってサミーの持ち曲「Rock Candy」(MONTROSEの代表曲)を披露。さすが自身の持ち曲とあって、サミーはさっきよりも歌えてる。カラッとしたアメリカンハードロックがどんより空気のバーミンガムに響き渡る絵、面白い。

5曲目は名曲「Bark At The Moon」。メンツは“Papa V Perpetua”ことトビアス・フォージ(Vo/GHOST)、ヌーノ・ベッテンコート(G)、ヴァーノン・リード(G)、ルディ・サーゾ(B)、トラヴィス・バーカー(Dr)、アダム・ウェイクマン(Key)。てっきりジェイクが弾くもんだと思ってたら、まだまだ体力的に不安定なのでしょうか、ヌーノがジェイクに敬意を表しながらオリジナルに忠実なプレイを見せてくれます。ここではトビアスのボーカルの存在感(やっぱり80'sカバーは彼に合ってる!)とトラヴィスの躍動感の強いドラミングが見どころだったかな。

最後のブロックは想像を超えたセッションが展開。ヌーノ、トム、ルディ、トラヴィスにアンドリュー・ワット(G/著名プロデューサー。オジーの近作をプロデュース)、ロニー・ウッド(G/THE ROLLING STONES)、そしてスティーヴン・タイラー(Vo/AEROSMITH)という布陣で「Train Kept A Rollin'」を披露。もうなんでもありだな(笑)。スティーヴン、ツアーは引退したものの単発ならまだまだ歌えそうですよね。そして、ロニーとトラヴィスが去り、チャドが再度加わって、ラストは「Walk This Way」〜「Whole Lotta Love」というエアロやスティーヴンソロでよくやるメドレー。本当はロバート・プラント(LED ZEPPELIN)を呼びたかったのかな、とか邪推したけど、まあこれはこれでロック/ハードロック/ヘヴィメタルの50年以上に及ぶ歴史の総括としてアリかもしれませんね。

セットリスト
1. Breaking The Law
2. Snowblind
3. Flying High Again
4. Rock Candy
5. Bark At The Moon
6. Train Kept A Rollin'
7. Walk This WayWhole Lotta Love

 

PANTERA
ライブもいよいよ後半戦。さすがにリアルタイムで起きていると眠気が酷かった(苦笑)。印象的なリフレインSEに導かれるようにフィル・アンセルモ(Vo)&レックス・ブラウン(B)のオリメンにザック・ワイルド(G)&チャーリー・ベナンテ(Dr/ANTHRAX)という再集結後お馴染みの4人で「Cowboys From Hell」からライブスタート。あれ……さっきよりさらに音のミックスが酷くなってる……ほぼザックのギターしか聞こえない(笑)。しかもライン直みたいな音の質感だから臨場感皆無で、ザックの粗が目立ってしまう。これは勿体ない。ラストのサバス「Electric Funeral」カバーでなんとかバランスが形になり、ザックの本領発揮と言わんばかりのプレイを楽しむことに集中できましたが、PANTERAとしてのステージを満喫するまでには至らなかったな。彼らはやっぱり生で楽しんでこそなのかもしれない、と実感しました。

セットリスト
1. Cowboys From Hell
2. Walk
3. Planet Caravan
4. Electric Funeral

 

TOOL
明るい中でのTOOLのライブっていうのも新鮮ですが、こうやって観ると皆さん改めて……歳取りましたね。でも、演奏や歌、パフォーマンスはバキバキで「Forty Six & 2」という長尺曲で見事に惹きつけてくれる。かと思えば、サバスカバーは「Hand Of Doom」というマニアックぶりを見せて、こちらもTOOLらしい解釈が加わっていて好印象。その流れから「Ænema」へと続く構成も非常にナチュラルで、“普通の”TOOLのステージとして楽しめました。が、予想通りとはいえ25分で3曲は多いのか、少ないのか(笑)。

セットリスト
1. Forty Six & 2
2. Hand Of Doom
3. Ænema

 

SLAYER
再始動後、初見。全体的に若干テンポがゆっくりめに感じられたけど、それはスピードよりも重さを取ったと良き方向に解釈しました。トム・アラヤ(Vo, B)、全然声出てるじゃん。シャウトも活休前と変わらず。ブランクをまったく感じさせません。持ち時間30分近くということもあって、ここから一気に曲数が増えます(単にTOOLが長尺曲ばかりだったのもあるけど)。SLAYERのサバスカバーは意外な「Wicked World」。トムが珍しくベースを指弾きして、落ち着いたトーンで歌っているのが面白かった。そこからイントロダクションなしで「South Of Heaven」へとつなぐアレンジも絶妙で、さらにこの曲のエンディングから「Wicked World」へと戻る構成もいろいろ考えられててよかった。ラストは「Raining Blood」「Angel Of Death」の力技でダメ押し。まだまだやれるよ。もっとライブ見せてくれ。

セットリスト
1. Disciple
2. War Ensemble
3. Wicked World
4. South Of Heaven 〜 Wicked World
5. Raining Blood
6. Angel Of Death

 

■FRED DURST(LIMP BIZKIT
SLAYERからガンズへの転換時に映像にて。アコギとチェロを携えたアコースティック編成で、1オクターブ下で歌唱。あれだ、「Home Sweet Home」カバーと同じ手法だ。こういう編成でカバーする以上は、会場で披露するよりも収録はベストだったのでしょうね。

セットリスト
1. Changes

 

GUNS N' ROSES
アクセル・ローズ(Vo)、スラッシュ(G)、ダフ・マッケイガン(B)のオリメンに、リチャード・フォータス(G)、新加入のアイザック・カーペンター(Dr)という最小編成でのステージ。いきなりピアノの前に座ったアクセルが、サバス「It's Alright」からステージ開始。これは以前からライブのみで披露してきたから予想がついたけど、その後の「Never Say Die」「Junior's Eyes」「Sabbath Bloody Sabbath」は意外だったな。ま、前者2曲はガンズっぽさが感じられる選曲だったので納得。「Sabbath Bloody Sabbath」はアクセルのシャウトがビシッと決まればカッコいいんだろうけど、今の彼の歌声はファルセット中心だからどうにもソフトになりがち。かつ、この日はイヤモニの影響だろうか、バンドの音と歌がズレまくり。これはいただけなかった。お客さんも地味なサバス曲が続いたせいか、盛り上がりがイマイチのように映ったけど、ラスト2曲の代表曲連発で帳消しに。まあなんにせよ、アクセル御大がとても楽しそうだったのでよかったです(小学生の作文並み感想)。

セットリスト
1. It's Alright
2. Never Say Die
3. Junior's Eyes
4. Sabbath Bloody Sabbath
5. Welcome To The Jungle
6. Paradise City

 

METALLICA
サバス、オジー前の単体出演としてはトリを務めるのは、当然のようにMETALLICA。SEなしでステージに登場すると、「Hole In The Sky」といういかにも彼ららしい選曲からスタート。新作に入っていても違和感ないくらいに馴染んでた。そこから「Creeping Death」で一気にギアが入り、「For Whom The Bell Tolls」と自分たちらしいモードに引き摺り込んでいく流れもさすがの一言。会場の盛り上がり、一体感も(主役であるその後の2組を除けば)この日一番だったように感じました。今回、彼らはもう1曲サバスカバーを用意したのですが、それが「Johnny Blade」という意外な1曲。ガンズといいMETALLICAといい、こういうときにファンが求める初期曲から“外して”くるのが実にらしくていいです。にしても「Johnny Blade」、こうやって聴くといい曲だなという再発見があってよかった。そして「Battery」「Master Of Puppets」の連発でフィニッシュ。ガンズも彼らも最新モードを無理してねじ込まず、この場にいるメタルヘッズが何を求めているかに100%応えているのがさすがでした。

セットリスト
1. Hole In The Sky
2. Creeping Death
3. For Whom The Bell Tolls
4. Johnny Blade
5. Battery
6. Master Of Puppets

 

OZZY OSBOURNE
いよいよメインアクトの時間。恒例となったオープニングSE「Carmina Burana」に乗せて玉座に座ったオジーが床から迫り上がると、会場の熱量も一気に高まる。オジーの「I can't hear you! Are you ready?」を合図に、ライブは「I Don't Know」からスタート。この日のバンドはザック(G)、トミー・クルフェトス(Dr)、アダム・ウェイクマン(Key)に90年代前半を支えたマイク・イネズ(B/ALICE IN CHAINS)という特別編成。ルディ・サーゾやロバート・トゥルヒーヨ(METALLICA)といった歴代ベーシストがいるんだから、彼らでもよかったのにね。もはやカエル跳びもバケツ水掛けも期待できない御年76歳のオジーですが、それでも今できる全力でステージに臨んでくれているその姿に涙が溢れそうになります。時ににこやかに嬉しそうな表情を浮かべるオジーですが、手拍子を促す際の動きがぎこちなかったりと、いろいろパーキンソン病の症状も表れている中、足をバタバタさせ、今にも立ち上がりそうなその動きからは彼の生命力の強さがしっかり伝わります。

選曲的には1st『BLIZZARD OF OZZ』(1980年)から4曲、6th『NO MORE TEARS』(1991年)から1曲と、2大ヒット作収録曲中心。今のオジーが歌える曲、体力的に最後まで維持できそうな曲と考えるとこの5曲でしょうね。いいんです、散々聴きまくって飽きがきそうな楽曲群ですが、オジーが生で歌うこれらの5曲はこの日が最後でしょうから。「Mr. Crowley」や「Mama, I'm Coming Home」では感傷的な気持ちに浸ってしまい、珍しく涙腺が刺激されましたし、特に後者を歌う際のオジーのどこか感極まっている様子にももらい泣きしてしまう始末。会場のお客さんもしっかり泣いてましたもんね……。ラストの「Crazy Train」ではランディ・ローズ(G)の演奏シーンとザックのソロがリンクして、そこでまた涙腺やられる。まさかオジーのライブでこんな気持ちになる日が来るとはね。自分も歳取ったなあ……(遠い目)。

セットリスト
1. I Don't Know
2. Mr. Crowley
3. Suicide Solution
4. Mama, I'm Coming Home
5. Crazy Train

 

BLACK SABBATH
いよいよ宴も終わりの時間です。空もいい感じに暗くなった中、サバスの歴史を紹介するようなドキュメンタリータッチの映像に続いてバンドロゴが浮かび上がる。そして、デビューアルバム『BLACK SABBATH』のイントロダクションともいえる鐘の音と雨音が会場中に響き、続いて無数ものサイレンの音からステー上にオジー、トニー・アイオミ(G)、ギーザー・バトラー(B)、ビル・ワード(Dr)とメンバー4人の姿が浮かび上がり、ライブは「War Pigs」からスタート。オジーはここでも終始玉座に座ったままですが、先ほど同様いい感じにオーディエンスを煽り続けます。ビルのドラムは多少もたり気味でミスヒットも多いものの、このスウィング感あってこそのサバスだと改めて実感させられます。ギーザーはしばらく見ない間に老けまくったなと思うものの、トニーの容姿は10年前となんら変わらず。この4人だからこそ生み出せる極上のグルーヴに乗せて、オリジナルサバスらしい重々しい「War Pigs」が繰り出されていきます。

この4人だからこそのグルーヴがより活きるのが、2曲目「N.I.B.」。シンプルな8ビートのようで微妙に跳ね気味でスウィングするリズムは、このバンドがジャズやブルースの流れを汲んでることが大きいんでしょうね。なので、普通に演奏したらただただ流れていってしまいがちなんですよ(と変に力説)。この日の演奏も実にオリジナルサバスらしいもので、冒頭のギーザーのベースソロからトニーの若干泣き気味のソロ、随所にキメを取り入れながらブレイクするドラム、単調ながらも耳に残るオジーのキャッチーな歌。この曲が収録されたデビューアルバムの時点で、彼らのスタイルはほぼ完成されていたようなものです(そしてこのスタイルはのちにMETALLICAらに引き継がれていく、と)。

3曲目「Iron Man」ではだらしない半裸(笑)のビルがバスドラでリズムを刻む中、トニーの重々しいリフが重なっていく。今まで聴いた中で一番スローで一番ヘヴィな「Iron Man」かもしれないな。どの曲も原曲に忠実なアレンジで、1音1音を4人が大切にしていることが伝わってくる、そんな演奏でした。あと、最後の曲に入る前、オジーが挨拶をするんだけど、ちょっと涙ぐんでたのが印象的でしたね。

BLACK SABBATHおよびオジーの生涯最後のライブで歌われたラストナンバーは「Paranoid」。わー、この曲でもこんな感傷的な気分になるのかと完全に喰らってしまいました。ビルのドラムはボロボロだけど、なぜか今まで聴いた中で一番響く「Paranoid」だった。そしてエンディング。打ち上がる花火を見上げるオジーのシルエットは、すべてやり切ったという満足感よりもどこか寂しげに映りました。

セットリスト
1. War Pigs
2. N.I.B.
3. Iron Man
4. Paranoid

このほか幕間映像にはマリリン・マンソンジョナサン・デイヴィスKORN)、JUDAS PRIEST、シンディ・ローパー、ドリー・パートンなどの著名人からのメッセージも。そういえば、ジョナサンやフレッド・ダーストは告知ポスターに名前が載っていたものの、結局会場には来なかったんですね。直前にキャンセルとなったウルフギャング・ヴァン・ヘイレンのようにいろいろあったのでしょう(察し)。

さて、約10時間にわたる配信をたっぷり観たわけですが(TOOL以降はアーカイブで視聴)……このジャンルにおいて、今後ここまでの規模感のイベントは今後二度とないんじゃないかな、と思わせられるくらいの最終回感濃厚な1日でしたね。きっとMETALLICAあたりが引退するときは、これに匹敵するようなイベントを開けるかもしれないけど、充実度や多くを納得、圧倒させるという点ではこの世代が最後なのかもしれませんね。そういう意味でも、このイベントは「HR/HMのお葬式」のようにも映りました(ちょっとネガティブすぎか)。

その一方で、事前のフォトセッションで重鎮たちが一同に会すした際、ラーズ・ウルリッヒは「まるでヘヴィメタルのサマーキャンプだな!」と嬉々として発言していたのも印象的で。当事者的にはこれくらいポジティブなお祭り感覚なであり、その温度差がリスナー視点とはまた違っているのも面白かったです。

2022年11月 1日 (火)

V.A.『IMMORTAL RANDY RHOADS - THE ULTIMATE TRIBUTE』(2015)

2015年3月3日にリリースされた、ランディ・ローズ(G/ex. OZZY OSBOURNE、ex. QUIET RIOT)のトリビュートアルバム。日本盤は同年3月25日発売。

ランディのトリビュートアルバムは、過去にオジーの楽曲のみを集めた『RANDY RHOADS TRIBUTE』(2000年)が発表されていますが、今作は1970年代のQUIET RIOT時代の楽曲も含む選曲。また、前作がピュアなHR/HM系アーティストによるものなら、今作はランディと同時代に登場したミュージシャンや活動を共にしたアーティスト、90年代以降のモダンなメタルを奏でるミュージシャンなど、より幅広さを感じさせる人選となっています。

まあとにかく、オープニングの「Crazy Train」を聴いて多くのリスナーがひっくり返るのではないでしょうか。だって、ボーカルがサージ・タンキアンSYSTEM OF A DOWN)、ギターがトム・モレロRAGE AGAINST THE MACHINE)ですからね。正統派メタルリスナーやランディを妄信的に愛する方からは非難の嵐じゃないかな(苦笑)。ただ、個人的にはサージのボーカルにはオジー愛を感じたし、トムのギターもただコピーするんじゃなくて自分らしさを貫きながらランディのスタイルを表現しようとする強い意志も伝わりましたが、いかがでしょうか。

その後も、シンガーはオジーやケヴィン・ダブロウをコピーしつつ(ほとんどティム・リッパー・オーウェンズですが。笑)、ギタリストたちはランディの印象的なフレーズを随所に残しつつ、各々の個性を発揮させる。原曲レイプだ、けしからん!と怒る気持ちもわかりますが、だったらそもそもトリビュートアルバムだのカバーアルバムだの聴かないほうがいいし、これくらい遊んでくれるから聴きがいもあるわけで。個人的にはどれくらい原曲を“壊す”かが楽しみなわけで、そういう意味では本作は……ギターに関しては及第点だけど、それ以外のパートや楽曲アレンジに関しては普通すぎるかな。

そんな中、己を突き通しまくるチャック・ビリー(TESTAMENT)による「Mr. Crowley」が、サージ歌唱の「Crazy Train」並みによかったな。この曲では、今は亡きアレクシ・ライホ(G/BODOM AFTER MIDNIGHT、ex. CHILDREN OF BODOM)の泣きまくりギターも楽しめるので、なお良し。あと、ジョエル・ホーケストラ(G/WHITESNAKE)が頑張りまくりの「Killer Girls」も悪くなかったな。

逆に、実際にオジーバンドに在籍した経験を持つガス・G.(FIREWIND)による「Goodbye To Romance」や、ブラッド・ギルス(NIGHT RANGER)による「Suicide Solution」が、ランディ云々よりも自分らしさ全開なのが笑えます。特にガス・G.、君はやりすぎだ(笑)。

まあ、あれです。こういったカバーアルバムやトリビュートアルバムはマジになりすぎないのが一番。笑いながら「お、意外と良いじゃん」「いやいや、それはないでしょ」とかツッコミ入れつつ楽しむのが、精神衛生上もっとも好ましいと思います。

なお、本作はサブスクでも配信されていますが、2015年のCD/アナログ盤と曲順が若干異なっているのでご注意を(オリジナルの曲順はこのあたりでご確認いただけます)。

 


▼V.A.『IMMORTAL RANDY RHOADS - THE ULTIMATE TRIBUTE』
(amazon:国内盤CD+DVD / 海外盤CD+DVD / 海外盤アナログ / MP3

 

2022年3月19日 (土)

V.A.『SPAWN: THE ALBUM』(1997)

1997年7月29日にリリースされた、映画『スポーン』のサウンドトラックアルバム。日本盤は同年9月10日発売(日本盤はオリジナルアートワークを採用)。

本作は『JUDGEMENT NIGHT: MUSIC FROM THE MOTION PICTURE』(1993年)のように、当時旬のロック/メタルバンドと先鋭的なクラブミュージックアーティストを組み合わせた、コラボ曲のみで構成されたコンピレーションアルバムで、純粋なサウンドトラック盤とは異なる仕様となっています。また、『JUDGEMENT NIGHT: MUSIC FROM THE MOTION PICTURE』がメタル/グランジ系バンドとヒップホップアーティストとのコラボレーションが中心だったのに対し、この『SPAWN: THE ALBUM』ではメタル/グランジ/オルタナティヴロック/ニューメタル勢とエレクトロニカ/テクノ系アーティストとのコラボで構成されています。

楽曲の大半はジャンルの異なる2組との共作で制作されたものですが、中にはMETALLICA「For Whom The Bell Tolls」をDJスプーキーがリミックスしたテイクや、ORBITALの1990年のヒット曲「Satan」をカーク・ハメット(G/METALLICA)がギタリストとして参加した形での再録バージョンも含まれており、すべてが純粋な新曲とは言えません。ですが、いろんな変遷を経た2022年の耳で聴くとどれも非常に親しみやすいテイクばかりで、リリース当時よりも今のほうがフィットするような印象を受けます。

ロック系からの参加アーティストはFILTERMARILYN MANSON、カーク・ハメット、KORN、BUTTHOLE SURFERS、METALLICA、STABBING WESTWARD、MANSUNトム・モレロRAGE AGAINST THE MACHINE)、SILVERCHAIR、ヘンリー・ロリンズ、INCUBUSSLAYER、SOUL COUGHING。テクノ系からはTHE CRYSTAL METHOD、SNEAKER PIMPS、ORBITAL、THE DUST BROTHERS、モービー、DJスプーキー、ジョシュ・ウィンク、808 STATE、THE PRODIGY、ヴィトロ、ゴールディ、DJグレイボーイ、ATARI TEENAGE RIOT、ロニ・サイズとかなりバラエティに富んだ面々が揃っています。

FILTER×THE CRYSTAL METHOD「(Can't You) Trip Like I Do」やマンソン×SNEAKER PIMPS「Long Hard Road Out Of Hell」、KORN×THE DUST BROTHERS「Kick The P.A.」などはそれぞれのバンドのカラーが強く、このままオリジナルアルバムに入っていたとしても不識じゃない仕上がり。ドラムンベース調に味付けされたMETALLICA×DJスプーキー「For Whom The Bell Tolls (The Irony Of It All)」も当時は「……へっ?」と困惑したものの、今聴くと全然アリに思えるから不思議。当時全米1位を記録したノリノリのTHE PRODIGYは「One Man Army」でトム・モレロをギターに迎えたことで、非常にロック色濃厚なトラックを楽しむことができます。

かと思えば、当時はまだブレイク前だったINCUBUSは、早くも独特のテイストを持つ「Familiar」で個性を発揮しまくっているし、SLAYER×ATARI TEENAGE RIOTという最強&最狂の組み合わせによる「No Remorse (I Wanna Die)」では前のめりなアゲアゲドラムンベースを堪能できる。曲によって出来のまちまちはあるものの、全体を通して非常に気持ちよく“踊れる”ラウドロックアルバムではないかと思っています。

とはいえ、リリース当時は『JUDGEMENT NIGHT: MUSIC FROM THE MOTION PICTURE』ほどのインパクトは与えられず、かつメタル寄りリスナーからはあまり歓迎された記憶もなかったかな。チャート的にはBillboard 200(全米アルバムチャート)で最高7位まで上昇し、50万枚以上のヒットになっているので、ここ日本では“早すぎた”1枚だったのかもしれません。

現在のミクスチャーロック的スタンスを考えると、90年代に映画のサウンドトラックとして制作された『JUDGEMENT NIGHT: MUSIC FROM THE MOTION PICTURE』とこの『SPAWN: THE ALBUM』って、実は非常に重要な役割を果たした作品集だと思うんですよね。日本では評価は低いのかもしれないけど、このタイミングだからこそ改めて触れておきたい重要作だと断言しておきます。

 


▼V.A.『SPAWN: THE ALBUM』
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2021年12月22日 (水)

TOM MORELLO『THE ATLAS UNDERGROUND FLOOD』(2021)

2021年12月3日にデジタルリリースされたトム・モレロの、ソロ名義では3作目のオリジナルアルバム。海外でのフィジカルリリースは2022年1月7日、日本では同年1月26日発売予定。

2021年10月15日に『THE ATLAS UNDERGROUND FIRE』を発表したばかりのトムですが、そこから1ヶ月強で届け届けられた本作は『THE ATLAS UNDERGROUND』(2018年)からスタートした“THE ATLAS UNDERGROUND”シリーズの第3弾。過去2作同様、すべての楽曲に異なるコラボレーターをフィーチャーし、楽曲ごとに異なる世界観/音楽性を展開してたコンピレーションアルバム/プレイリスト風な内容に仕上げられています。

前作『THE ATLAS UNDERGROUND FIRE』ではブルース・スプリングスティーンエディ・ヴェダーPEARL JAM)、BRING ME THE HORIZON、デニス・リクセゼン(REFUSED)など比較的派手なロックスターも多数フィーチャーしていたものの、今作はロック度は比較的低め。HR/HM層に引っかかるメンツといえば「I Have Seen The Way」でのアレックス・ライフソン(G/RUSH)、カーク・ハメット(G/METALLICA)程度でしょうか。もちろん、それ以外にもベン・ハーパーを迎えた「Raising Hell」やRODRIGO Y GABRIELA参加のWarrior Spirit」、元SOMETHING CORPORATEのシンガー、アンドリュー・マクマホン(Vo)率いるANDREW McMAHON IN THE WILDERNESSとのコラボ曲「The Maze」、IDLES参加の「The Bachelor」なども用意されているので、幅広くロックを聴くリスナーなら文句なしで楽しめる内容かと思います。

序盤の2曲(「A Radical In The Family」「Human」)ではいわゆるモダンポップに接近した作風で、ロックのロの字も感じられないものの、続く3曲目「Hard Times」では多くのファンがトムに求めるスタイル(いわゆるRAGE AGAINST THE MACHINE的なもの)に近い音/曲調が飛び込んでくるので、少しは安心できるはず。とはいえ、過去2作同様ジャンルレスなアルバムなので、ロックやハードロック的な側面だけを求める層には今作も厳しい内容と言えるかもしれません。そこだけははっきり言っておきます。

筆者的にはこの“音のごった煮感”は非常に楽しめるものなので、過去作同様に文句なしに楽しめるものがあるのですが、前作のレビューでも述べたようにトムはギタリストというよりはソングライターに徹している節があり、彼の変態的ギタープレイはそこまで多くフィーチャーされていません。「I Have Seen The Way」のように世代の異なる名ギタリストたちとのギターバトルが楽しめる曲や「Ride At Dawn」みたいにリフのカッコいい曲もあるにはありますが、「You'll Get Yours」のようにアコギメインの楽曲もあれば、「The Lost Cause」や「Parallels」を筆頭とした歌中心の楽曲もある。要は、ひとつのスタイル/音楽性に固執するリスナーには少々厳しい内容であり、ジャンル問わず“音楽”を楽しめる層にはカラフルに映るバラエティ豊かな1枚である、と。聴き手の立ち位置の違いにより、評価が分かれるアルバムと言えるでしょう。

個人的には、今回も十分に満足できる内容であり、それこそ先に書いたようにプレイリスト感覚で気軽に接することができる良作だと思っています。

さまざまなコラボレーターと共作することで、ソングライターとしての実力/個性に磨きをかけているトムですが、この実験は今後も“THE ATLAS UNDERGROUND”という名の下に続いていくことになるのでしょうか。もちろんHR/HM界隈にこだわる必要はありませんが、今後も若手/ベテラン問わずジャンルレスな面々とのコラボに期待しつつ、時には豪快なギタープレイも披露していただきたいところです。

 


▼TOM MORELLO『THE ATLAS UNDERGROUND FLOOD』
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2021年10月16日 (土)

TOM MORELLO『THE ATLAS UNDERGROUND FIRE』(2021)

2021年10月15日にリリースされたトム・モレロの最新ソロアルバム。日本盤(輸入盤国内仕様)は同年10月20日発売予定。

個人名義では『THE ATLAS UNDERGROUND』(2018年)に続く3年ぶり2作目のソロアルバムですが、THE NIGHTWATCHMAN名義を含めるとこれが6作目。RAGE AGAINST THE MACHINEAUDIOSLAVE、STREET SWEEPER SCIAL CLUB、PROPHETS OF RAGEとは異なり、曲ごとにコラボレーターが異なるという点においては、『THE ATLAS UNDERGROUND』同様に真の意味でのソロ作品と言えるでしょう。

今作も相変わらずゲスト陣が豪華で、ブルース・スプリングスティーンエディ・ヴェダーPEARL JAM)、BRING ME THE HORIZON、PHANTOGRAM、クリス・ステイプルトン、グランドサン、マイク・ポズナー、ダミアン・マーリー、フェム、プロトハイプ、デニス・リクセゼン(REFUSED)、サマ・アブドゥルハーディとジャンルも多岐にわたる人選。トムはそれぞれのコラボレーターに合わせた作風、曲調で楽曲制作を進め、その中でいかにも彼らしいギタープレイを披露しています。

オープニングを飾る「Harlem Hellfighter」ではEDM調のトラックに日本語で歌う女性ボーカル(おそらくボーカロイドか?)に、いきなり度肝を抜かれる。かと思えば、続くAC/DCのカバー「Highway To Hell」ではブルース・スプリングスティーン&エディ・ヴェダーという新旧“Voice of America”が暑苦しいボーカルバトルを繰り広げる(笑)。ここではさすがにトムの個性がボーカルに負けてしまっていますね。さらに、BMTHを大々的にフィーチャーした「Let's Get The Party Started」もBMTHの色が強すぎる。あれれ、大丈夫かトム・モレロ……。

PHANTOGRAMをフィーチャーしたエレクトロポップ「Driving To Texas」以降も、ギターの活躍頻度はそこまで高くない。というより、ギターをギターと聴かせないようなエフェクトが施されていたり、楽曲を構築する上での素材と化していたりと、むしろトムはコンポーザー/アレンジャーとしての個性を発揮しているような作品なのかなと、聴き進めていくうちに感じました。いわゆるRATM的なテイストを期待すると痛い目に遭いますが、彼が制作してきた楽曲の色は至るところに散りばめられているので、聴く人が聴けば「トム・モレロらしい1枚」と理解できるかもしれません。

ラップボーカルものよりも、しっかり聴かせる歌モノのほうがらしい色を発揮しているし、「Naraka」や「The Achilles List」で聴くことができるエレクトロ調エフェクトのギターソロに今のトムがやりたいことが表れている気がしたりと、過去にとらわれずに前進を続ける彼にリスナー側がどこまでついていけているのか……。個人的にはベースはいかにもRATMテイストながらもエレクトロな味付けを施すことで新鮮味が増した「Charmed I'm Sure」や「Save Our Souls」、女性ボーカルならではの艶やかさが心地よい「Driving To Texas」や「Night Witch」みたいな楽曲がお気に入りです。

統一性の強いスタイルではなく、あくまで現代的なプレイリスト風の作風もいかにもソロらしくて好印象。この手の作品はコラボ相手の人選やネームバリューに多少左右されがちですが、今作においてはバランス感に優れていると思うし、前作以上なんじゃないかなという気がしました。しばらくは難しいことを考えずに、大音量で楽しみたいと思います。

 


▼TOM MORELLO『THE ATLAS UNDERGROUND FIRE』
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2021年2月14日 (日)

THE PRETTY RECKLESS『DEATH BY ROCK AND ROLL』(2021)

2021年2月12日にリリースされたTHE PRETTY RECKLESSの4thアルバム。日本盤は2月24日発売予定。

前作『WHO YOU SELLING FOR』(2016年)から約4年半ぶりの新作。海外ではFearless Records / Century Media Recordsへ、日本ではSony Musicへとレーベル移籍しての第1弾作品となります。

前作リリース後、バンドはSOUNDGARDENとのツアーを行なっていましたが、そのツアー途中でクリス・コーネルが亡くなるという悲劇に見舞われます。さらに、デビュー作からタッグを組んできたプロデューサーのケイトー・カンドゥワラが2018年春にバイク事故で急逝。バンドは負のスパイラルに陥ります。

しかし、2018年暮れから次作に向けた制作に着手。長年の友人ジョナサン・ワイマンを新たな共同プロデューサーとして迎え、1年以上にわたるスタジオセッションを経て完成に至ったのがこの『DEATH BY ROCK AND ROLL』という象徴的なタイトルが付けられたアルバムです。

バンドの中心人物であるテイラー・モムセン(Vo, G)に対して、ドラマ『ゴシップガール』のイメージをいまだに持っているという人も少なくないかもしれませんが、THE PRETTY RECKLESSとしての活動もすでに10数年。個人的にはデビューアルバム『LIGHT ME UP』(2010年)で一発ノックアウトされたクチなので(かつ『ゴシップガール』は観ていなかったので)、テイラー・モムセン=次世代のロック・ヒロインという印象が強く、本作もその延長で接したのですが……完全に化けましたね。適度なヘヴィさと適度なスモーキーさ、それでいてしっかりポップさも際立っている。問答無用にカッコいいロックアルバムだと断言できます。

本作には象徴的なタイトルの「Death By Rock And Roll」や「Rock And Roll Heaven」、SOUNDGARDENのキム・セイル(G)&マット・キャメロン(Dr)がゲスト参加した「Only Love Can Save Me Now」や、RAGE AGAINST THE MACHINEのトム・モレロをフィーチャーした「And So It Went」のようなガッツのある楽曲がある一方で、キャッチーなミディアムスローナンバー「Got So High」、つなぎ的な短尺曲ですが異色の仕上がりな「Broomsticks」、切なげなアコースティックバラード「Standing At The Wall」、テイラーにとってターニングポイントとなった25歳について歌った不穏な「25」、ブルースハープを取り入れたアーシーな「Harley Darling」など、非常にバラエティ豊かな内容。序盤こそタフでヘヴィに感じられるかもしれませんが、曲が進むにつれて中盤以降の奥行きの広さには驚かされることでしょう。ビビッドなカラフルさとは異なる、モノトーンの中でグラデーションで変化を付けていくスタイルは、まさにこのバンドならではといったところでしょうか。

スタートはダークなところから始まったのかもしれませんが、結果としては前進することを強くアピールした本作。ジャケットのセクシーさにドキッとさせられますが、中身は正真正銘のアメリカンロックンロールが鳴らされている。そんな非常にシンプルでわかりやすい、2021年ならではのロックアルバムの良作だと断言させてください。

 


▼THE PRETTY RECKLESS『DEATH BY ROCK AND ROLL』
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2020年10月19日 (月)

THE STRUTS『STRANGE DAYS』(2020)

2020年10月16日にリリースされたTHE STRUTSの3rdアルバム。

前作『YOUNG & DANGEROUS』(2018年)からちょうど2年ぶりに到着した今作は、彼らにしては珍しく1つの場所にとどまって集中的にレコーディングを実施したという意欲作。今春、新型コロナウイルスの検査を受け安全が確認されてから、LAにあるプロデューサーのジョン・レヴィン宅に泊まり込み、10日間で10曲をレコーディング。ロックダウン中だからこそ集中して制作に臨めたというのもあったのでしょう、その内容はこれまで同様にバラエティに富んだものであるのですが、過去2作以上に軸足がしっかりし、芯の通った内容に仕上げられています。

また、本作には多彩なゲストアーティストも多数フィーチャー。アルバム冒頭を飾るタイトルトラック「Strange Days」にはロビー・ウィリアムス、「I Hate How Much I Want You」にはDEF LEPPARDからジョー・エリオット&フィル・コリン、「Wild Child」にはRAGE AGAINST THE MACHINEからトム・モレロ、そして「Another Hit Of Showmanship」にはTHE STROKESからアルバート・ハモンドJr.と、錚々たる面々がアルバムに華を添えています。

しかし、そういったゲスト参加は単なる味付けにすぎず、アルバム自体はTHE STRUTS節全開。過去2作の延長線上にありながらも、よりポップさに磨きがかかり、サウンドの質感もよりモダンさが強まっているように感じられます。

それに、これまではフロントマンのルーク・スピラー(Vo)のルックスや歌唱スタイルかフレディ・マーキュリーおよびQUEENと比較されることが多かった彼らですが、本作ではKISSの「Do You Love Me」をカバーするなど、どことなくジーン・シモンズ言うところの“Larger Than Life”的な香りも強まっています。とはいっても、このテイスト自体が元来QUEENにも備わっているものなので、変わってないっちゃあ変わってないとも言えるわけですが(笑)。

ただ、そのQUEEN的質感も本作の場合、より80年代の彼らに近づいているのかなという印象も受けました。例えば、バラードチックなスローナンバー「Strange Days」からスタートする構成や、ルーツ的でシンプルなロックンロールに挑戦していたり、パワーポップ風の楽曲があったり、R&Bやソウルからの影響が濃厚な楽曲が加わっていたりと、どこか『THE GAME』(1980年)にも通ずるものがあるというか。同作から40年という長い歳月を経て、正統的後継者がたどり着いた『THE GAME』の“その先”……というのは言い過ぎでしょうか。今作をリピートするたびに、そんな思いがよぎるのです。

とはいえ、そんな小難しいことを考えずに、無心で楽しめる1枚ですので、まずは分析を抜きにしてこの極上のポップネスを心の底から楽しんでいただきたい。そんな至高の1枚です。

 


▼THE STRUTS『STRANGE DAYS』
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2020年2月22日 (土)

OZZY OSBOURNE『ORDINARY MAN』(2020)

2020年2月下旬にリリースされたオジー・オズボーンの11thオリジナルアルバム。カバー曲で構成されたアルバム『UNDER COVER』(2005年)を含めると、通算12作目のスタジオアルバムということになります。

前作『SCREAM』(2010年)が2010年6月発売だったので、ほぼ10年ぶりということになりますが、その10年の間にはBLACK SABBATHとしてのラストアルバム『13』(2013年)もあったので、実質7年ぶりの新作ということになるのかな。ま、どちらにせよオジークラスのリリース間隔としてはだいぶ空いたことには違いありません。

ここ数年、新作に向けた噂はいろいろ上がっては消え、上がっては消えを繰り返していました。個人的に記憶に残っているところではスティーヴ・スティーヴンス&ビリー・モリソン(ともにビリー・アイドルBANDのギタリスト)と共作しているなんて話もありました。しかし、新曲は一向にリリースされる気配はなく、2年前には『NO MORE TOURS』と題した最後のワールドツアーを行うことが発表され、日本にも昨年3月に『DOWNLOAD JAPAN』のヘッドライナーとして来日することが決まっていました。が、実際にはご存知のとおり。2015年秋の『OZZFEST JAPAN 2015』を最後に、オジーの来日公演は実現しておりません。

もともと、オジーはこの10年でスタジオ入りにだいぶ消極的だったようで、前作『SCREAM』は完成までに約1年半もの歳月を要したとのこと。これがあって、長期間スタジオにこもるのを嫌がったみたいなんです。ところが、ポスト・マローンとの共演曲「Take Me What You Want」で出会ったプロデューサー/マルチプレイヤーのアンドリュー・ワットにけしかけられ、ついに重い腰を上げアルバム制作に突入。ザック・ワイルド(G)をはじめとする現在のバンドメンバーではなく、アンドリュー側がお膳立てしたレコーディングメンバー……ダフ・マッケイガン(B/GUNS N' ROSES)とチャド・スミス(Dr/RED HOT CHILI PEPPERS)、そしてギターはアンドリュー自身という布陣で曲作りを含む制作を実施。さらには、スラッシュ(G/GN'R)やトム・モレロ(G/RAGE AGAINST THE MACHINE)、エルトン・ジョン(Vo, Piano)という豪華ゲストまで迎え、これまでの躊躇が嘘みたいに待望のオリジナルアルバムは1年かからずして我々の手元に届けられたわけです。

昨年11月にリードトラック「Under The Graveyard」がまず配信されましたが、ぶっちゃけた話をすると僕、この曲に対してはまずネガティブな感情が溢れ出てしまいました。「ああ、なんだかわかんねえ若造プロデューサーにそそのかされて、ソロでもサバスみたいなことやらされて……10年待った結果がこれか」と。

ところが、その2週間後に発表された2ndシングル「Straight To Hell」を聴いて、気持ちを改めることになります。路線的には確かにサバス以降の流れにあるものでしたが、しっかりオジーのソロワークスらしさも感じられる。ポップさやキャッチーさは薄いものの、確かにこれはオジーのソロ曲だわ、と。

さらに年が明け、1月初頭には3rdシングル「Ordinary Man」も配信。エルトン・ジョンとのデュエットという話題もありましたが、何よりこれが“いかにも”なオジー流スローバラードで一聴して心を持っていかれたわけです。うん、これは期待できそうだなと。

あれから約1ヶ月。リリースより少々先にアルバムをまるまる聴く機会を得たのですが、最初の「Under The Graveyard」に対するネガティブな感情がまるでなかったかのように本作を全面的に受け入れる自分がいました。うん、どこからどう聴いてもオジー・オズボーンのニューアルバムだと、そう素直に思えたのです。

確かに、テイスト的にはソロよりもサバス時代に寄った作風かもしれません。しかし、リリースタイミング的にもBLACK SABBATHのレコードデビュー50周年(2020年2月13日)とかぶっていたり、ここ最近のオジーの体調面での問題なども相まって、「もしかしたらこれが最後かもしれない……」という不安も少なからず感じていた。だからこそ、本作をもっと前向きに捉えようと気持ちを持ち直したのかもしれませんね。

けど、作品への評価とそういった個人的感情はできるだけ切り離して楽しみたい。そう思って何度かリピートしてみましたが……やっぱりどうしても感傷的な気持ちは切り離すことはできませんでした。できなかったんだけど……それでも「ああ、オジーの新作カッコいい!」と思える自分が存在するのもまた事実。もうそれでいいじゃん!

スラッシュらしいギターソロがフィーチャーされた「Straight To Hell」から始まる本作は、序盤こそ8thアルバム『DOWN TO EARTH』(2001年)以降の流れを汲む、“21世紀のオジー”らしいアルバムかと思いきや、ところどころに6thアルバム『NO MORE TEARS』(1991年)のテイストも散りばめられているし、もちろんサバスらしさもあるし、もっと言えばオジーのルーツであるビートルズからの影響もしっかり残されている。そこまで含めて、従来のオジーのソロらしいんですよね。しかも、その“らしさ”がセルフ・パロディで終わっていないし、しっかり新しいオリジナル作品にまで昇華されている。きっとザックを含むイツメンで作っていたら、セルフ・パロディとまでは言わないまでも焼き直し感を残したまま消化不良で終わっていたのかもしれない。だからこそ、スタジオワークに無駄な時間がかかりすぎてしまうのかな……いや、わからないけど。

アルバムの流れで聴くと、不思議と「Under The Graveyard」も悪くない。いや、むしろ「Ordinary Man」のあとにこの曲が続く必然が感じられるし、「Under The Graveyard」のあとに「Eat Me」が並ぶ意味も理解できる。個人的にはこの「Eat Me」以降のアルバム後半の流れがめっちゃツボで、トム・モレロらしいソロをフィーチャーした「Scary Little Green Men」、アンドリュー・ワットの素晴らしいギターソロと美しいメロディ&アレンジがオジーソロ史上ベストワークと思えるほどの「Holy For Tonight」、ポスト・マローンがゲスト参加したパンキッシュな「It's Raid」と、“らしさ”と“斬新さ”が共存する構成なのです。そこからボーナストラックの「Take What You Want」、日本盤ボーナストラックとなる短尺曲「Darkside Blues」へと続くエンディングまで含めて、しっかり楽しめました。

『NO MORE TEARS』でひとつの極みへと到達し、続く7thアルバム『OZZMOSIS』(1995年)以降は試行錯誤の繰り返しだったオジーでしたが、ようやく“やりたかったこと”を全うすることができたんじゃないか。こんなこと書いたら不吉だって思われるかもしれないけど、この集大成的な1枚はオジー流“辞世の句”であり、昨年12月に71歳になったばかりのアーティスト:オジー・オズボーンにとっての“スワン・ソング”なのかなと。そんな重みと凄みと説得力を感じずにはいられない、会心の1枚だと思います。

 


▼OZZY OSBOURNE『ORDINARY MAN』
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2020年1月12日 (日)

祝ご成人(1999年4月〜2000年3月発売の洋楽アルバム20選)

新成人の皆さん、おめでとうございます。2014年度に初めて執筆したこの“洋楽版成人アルバム”企画、今年で6回目となります。毎年この時期にこの企画をやることで、温故知新というよりは「自分の20年前の音楽ライフはどんなだったか」を思い返す上で非常に重要なコンテンツになりつつあります。

しかも、前回(1998年4月〜1999年3月)から当サイトの前身サイトがスタートした時期(1998年12月)と被っていることもあり、選出時いろいろ感慨深いものがあったりするのですから、長く続けてみるものですね。

さて、企画説明です。この1月に成人式を迎えたの皆さんが生まれた年(学年的に1999年4月〜2000年3月の期間)にリリースされた洋楽アルバムの中から、個人的思い入れが強い作品のうちSpotifyやApple Musicで試聴可能なものを20枚ピックアップしました。

でも、どれも名盤ばかりですし、もしまだ聴いたことがないという作品がありましたら、この機会にチェックしてみてはどうでしょう。特に、現在20歳の方々は「これ、自分が生まれた年に出たんだ」とかいろいろ感慨深いものがあるような気もしますし。ちなみに、作品の並びはすべてアルファベット順です。(2014年度の新成人編はこちら、2015年度の新成人編はこちら、2016年度の新成人編はこちら、2017年度の新成人編はこちら、2018年度の新成人編はこちらです)

 

AC/DC『STIFF UPPER LIP』(2000年2月発売)(Spotify)(レビュー

ATARI TEENAGE RIOT『60 SECOND WIPE OUT』(1999年5月発売)(Spotify)(レビュー

BUCKCHERRY『BUCKCHERRY』(1999年4月発売)(Spotify)(レビュー

THE CHEMICAL BROTHERS『SURRENDER』(1999年6月発売)(Spotify)(レビュー

CIBO MATTO『STEREO☆TYPE A』(1999年6月発売)(Spotify

D'ANGELO『VOODOO』(2000年1月発売)(Spotify

THE DILLINGER ESCAPE PLAN『CALCULATING INFINITY』(1999年9月発売)(Spotify

DISTURBED『THE SICKNESS』(2000年3月発売/US)(Spotify)(レビュー

THE FLAMING LIPS『THE SOFT BULLETIN』(1999年5月発売)(Spotify

FOUNTAINS OF WAYNE『UTOPIA PARKWAY』(1999年4月発売)(Spotify)(レビュー

 

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2020年1月 5日 (日)

RAGE AGAINST THE MACHINE『RENEGADES』(2000)

2000年12月に発表されたRAGE AGAINST THE MACHINE唯一のカバーアルバム。現時点(2020年1月)におけるラストアルバムでもあります。日本盤は海外に数日先駆け、11月末にリリースされました。

RATMは同年10月、ザック・デ・ラ・ロッチャ(Vo)のバンド脱退により事実上解散状態に。今作のレコーディングは同年春に終えていたことから、アルバムは当初の予定どおり無事リリースされることとなりました。つまり、バンドが事実上存在しないタイミングでの“最後の置き土産”となったわけです。

カバー集ということで、その選曲はある種バンドのルーツと呼べるようなものばかり。選出時期も最古はボブ・ディランの「Maggie's Farm」(1965年)、最新のものでもブルース・スプリングスティーンの「The Ghost Of Tom Joad」(1995年)と選曲の幅が30年という面白いことになっています。

AFRIKA BAMBAATAAやERIC B. & RAKIM、CYPRESS HILLなどヒップホップ方面でのルーツもあれば、MC5やTHE STOOGESといったパンクのオリジンたち、MINOR THREATなんていうハードコアでのルーツもある。そこにTHE ROLLING STONES、ディラン、スプリングスティーンというロック/フォークなどの先駆者の楽曲も名を連ねますが、これらは“プロテスト・ソング”という意味での影響が多いいのでしょう。そんな中、ニューウェイヴに属するDEVOの楽曲が含まれているのが非常に興味深いところです。

そういった多ジャンルにわたる楽曲群を、いかにもRATMらしい味付けでリフォーム&リメイクしているわけですが……これがカッコイイのなんの。カバー集と知らずに聴いたら、確実に「RATMの新しいアルバム」もしくは「RATMの未発表曲集」と勘違いしてしまうのではないでしょうか。それくらい、どの曲でもザックのラップ、トム・モレロ(G)やリズム隊の主張がハンパないんです。

アレンジ力という点においても、オープニングの「Microphone Fiend」(原曲:ERIC B. & RAKIM)から完全にオリジナルなものだし、原曲の雰囲気を最大限に生かした「Kick Out The Jams」(原曲:MC5)や「Down On The Street」(原曲:THE STOOGES)みたいにストレートな楽曲もある。すでにライブではおなじみだったスプリングスティーンの「The Ghost Of Tom Joad」なんて、ある意味別の曲ですからね。さらに、ストーンズの名曲「Street Fighting Man」でのタガの外れ方や、原曲は疾走感が強い「Beautiful World」(原曲:DEVO)をシンプル&スローなバラードに変えてしまうアレンジ力はさすがの一言。特に後者では、あのザックが朗々と“歌って”いるのですから。いろんな意味で驚きと新鮮さが感じられる1枚です。

SpotifyやApple Musicではこれらの原曲も手軽に聴くことができるので(アルバムリリース当時は、それぞれ探すのが面倒だったんだよなあ。笑)、こちらで作成したプレイリストを参考にしてみてください。ね、聴き比べると面白いでしょ?

ストリーミング版ではカットされていますが、CDですとこの12曲のあとに「Kick Out The Jams」と「How I Could Just Kill A Man」のライブテイクが追加されていますが、これらはのちにリリースされたライブアルバム『LIVE AT THE GRAND OLYMPIC AUDIORIUM』(2003年)にも収録されているので、気になる方はこちらもチェックしてみてはどうでしょう。

 


▼RAGE AGAINST THE MACHINE『RENEGADES』
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