カテゴリー「Red Hot Chili Peppers」の24件の記事

2024年4月21日 (日)

PEARL JAM『DARK MATTER』(2024)

2024年4月19日にリリースされたPEARL JAMの12thアルバム。

前作『GIGATON』(2020年)から4年ぶりの新作。同作リリース後には北米ツアーを予定していたものの、ちょうどコロナ禍に突入してしまったこともあり、思うような動きが取れなくなってしまいます。2021年9月には約3年ぶりのライブを実施し、ここからサポートメンバーとして元RED HOT CHILI PEPPERSのジョシュ・クリングホッファー(G, Key)が参加するようになります。また、エディ・ヴェダー(Vo)は2021年8月にキャット・パワーやアイルランドの詩人グレン・ハンサードとのコラボレーションによる映画『FLAG DAY』のオリジナル・サウンドトラックを、2022年2月には約10年ぶりのソロアルバム『EARTHLING』(2022年)も発表しています。

ジョシュ・エヴァンスと初タッグを組んだ前作から一転、今作ではエディの『EARTHLING』にも携わっていたアンドリュー・ワット(イギー・ポップオジー・オズボーンTHE ROLLING STONESなど)がプロデューサーとして初参加。意外な組み合わせではあるものの、かつてのリック・ルービンのように「クラシックロック再生工場」として重宝されている現在のアンドリューの立ち位置を考えると納得できるところもあります。

で、実際に完成したアルバムですが……リードシングル「Dark Matter」の時点で大きな手応えが感じられましたが、アルバム全編通して聴いたときの興奮度は想像以上のもので、久しぶりに頭からラストまで大満足。正直、PEARL JAMのアルバムでここまで圧倒されたのは90年代の初期3作(1stアルバム『TEN』、2ndアルバム『VS.』、3rdアルバム『VITALOGY』)以来かもしれません。

わかりやすいストレートなアップチューン「Scared Of Fear」「React, Respond」の2連発で完全に心を鷲掴みにされ、穏やかさと大らかさに伝わるミディアムチューン「Wreckage」、ニューウェイヴ meets ハードロック的な「Dark Matter」、メロウでじっくり聴かせる「Won't Tell」と、前半の流れは完璧。変に小難しいことをしようとしていないし、メロディアスさも初期の彼らに通ずるシンプルさが復調している。このへんがもしかしたらアンドリューの手腕によるものなのかもしれませんね(事実、アンドリューはすべての楽曲のソングライターとしてバンドとともにクレジットされています)。

ムーディーなイントロダクションから始まる後半は、1stアルバムの頃の彼らを彷彿とさせるミディアムナンバー「Upper Hand」を筆頭に、同じく初期の彼らを思わせるダイナミックな「Waiting For Stevie」、パンキッシュなファストチューン「Running」、軽やかなリズムが心地よい「Something Special」、キャッチーさの際立つ「Got To Give」、ここまでのポジティブな空気を引き継く爽やかな「Setting Sun」で締めくくり。先ほど初期3作を例に挙げたものの、内容的にはその頃とも異なりダークさがほとんど感じられない。むしろ、この混迷の時代をひたすら“陽”のエネルギーで突き進もうとする覚悟が全編から伝わり、バンドとして新たな絶頂期を迎えつつあることも想像に難しくありません。

また、今作のレコーディングにはライブサポートのジョシュも参加しており、このへんも新たな刺激につながったのかもしれませんね。実際、「Something Special」の作曲クレジットにはジョシュの名前も見つけられますし。

約7年ぶりという長いインターバルを経て届けられた前作『GIGATON』では、新境地に一歩踏み出してバンドの再生を図ったPEARL JAMですが、アンドリュー・ワットやジョシュ・クリングホッファーらの手を借りて「新境地を見たからこその原点回帰」へとたどり着いた。しかも、単なる原点回帰では終わらず、バンドとして何歩も前進してみせるというおまけまで用意されている。改めて、すごい境地に到達したなと驚かされます。間違いなくPEARL JAMの最高傑作(もちろん2024年時点での)。入門編としても最適な1枚です。

 


▼PEARL JAM『DARK MATTER』
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2023年1月12日 (木)

IGGY POP『EVERY LOSER』(2023)

2023年1月6日にリリースされたイギー・ポップの19thアルバム。日本盤は同年1月18日発売予定。

前作『FREE』(2019年)から3年4ヶ月ぶりの新作。Atlantic Recordsが新設した傘下レーベル・Gold Tooth Recordsへの移籍第1弾アルバムとなり、プロデューサーにも若手のアンドリュー・ワット(オジー・オズボーン、ポスト・マローン、ジャスティン・ビーバーなど)を迎えるなど心機一転の1枚に仕上がっています。

レコーディングにはアンドリューがギターのベーシックトラックで参加したほか、ダフ・マッケイガン(B/GUNS N' ROSES)&チャド・スミス(Dr/RED HOT CHILI PEPPERS)というオジーの近作でもプレイしたリズム隊やジョシュ・クリングホッファー(G/ex. RED HOT CHILI PEPPERS)、ストーン・ゴッサード(G/PEARL JAM)、デイヴ・ナヴァロ(G/JANE'S ADDICTION)、エリック・エイヴリー(B/JANE'S ADDICTION)、クリス・チェイニー(B/ex. JANE'S ADDICTIONなど)、トラヴィス・バーカー(Dr/BLINK-182)、テイラー・ホーキンス(Dr, Piano/FOO FIGHTERS)といった、これぞ“イギー・ポップ・チルドレン”と言わんばかりの精鋭が顔を揃えています。

近年は生々しいガレージロックと穏やかなジャズ/ブルース的作品をほぼ交互に発表してきたイギー。前作『FREE』が後者寄りの作品だったこともあり、続く今作は再びエネルギッシュなパンクロックが期待されるところですが、その期待を大きく上回る内容に仕上がっています。といっても、全曲パンクロック/ガレージロックで固められているわけではなく、むしろイギーのソロキャリアの原点である『THE IDIOT』(1977年)『LUST FOR LIFE』(1977年)、80年代半ばに本格的復活を果たした『BLAH-BLAH-BLAH』(1986年)あたり、そして90年代以降のハードロック的なテイスト、さらにはTHE STOOGES時代をも網羅したキャリア総括的な作風。なもんですから、悪いわけがない。

オープニングを飾る「Frenzy」や「Day Rip Off」のようなパブリックイメージどおりのガレージロックで華やかさを演出しつつも、初期のニューウェイヴ的色合いを見せるミディアムチューン「Strung Out Johnny」、低音域でアダルトさを醸し出すバラード「Morning Show」など、多彩さに満ちた内容は聴き手をまったく飽きさせることがありません。かと思えば、ジャズ/ブルース路線を彷彿とさせる1分前後のインタールード「The News For Andy」では、イギーのナレーションのようなボーカルワークも楽しめる。そこから「Neo Punk」という疾走ナンバーに続く構成には、思い切り笑わせてもらいました。最高ったらありゃしない。

この4月には76歳(!)の誕生日を迎えるイギー、なお盛んです。日本公演は2007年のフジロック(THE STOOGESとして出演)以来16年も実現していませんが、この傑作を携えた夏フェス出演に期待したいところです。また「The Passenger」でステージに上がりたいですからね(笑)。

 


▼IGGY POP『EVERY LOSER』
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2023年1月 9日 (月)

2002年4月〜2003年3月発売の洋楽アルバム20選

2015年から毎年この時期に用意してきたこの成人企画。ちょうど昨年から成人年齢が18歳へと引き下げされ、現在は成人式の概念も崩れつつあります。が、この企画はこの企画として毎年やっていってはどうかと思い直し、タイトルから「祝ご成人」の文字を外し、20年前を振り返る企画として残すことにしました。

通常なら1月はじまりでカウントするところを、これまで同様4月はじまりの翌年3月終わりという年度縛りで進めるのは、ちょっと日本的なのかな。とはいえ、今さらこのフォーマットを崩すのも何かなと思い、このまま続けさせていただきます。

この1月に成人式を迎えたの皆さんが生まれた年(学年的に2002年4月〜2003年3月の期間)にリリースされた洋楽アルバムの中から、個人的思い入れが強い作品のうちSpotifyやApple Musicで試聴可能なものを20枚ピックアップする……というのが本来の趣旨。20年って結構節目にもなると思うので、改めて「ああ、自分が生まれた頃はこういうアルバムがヒットしていたのか」とか「これってもう20年前の作品なのか」とか、いろいろ浸っていただいたり驚いていただけるとうれしいです。

 

では、サブスクを通して20年前の名盤20枚をお楽しみください。

 

AVRIL LAVIGNE『LET GO』(2002年6月発売)(Spotify)(レビュー

 

BECK『SEA CHANGE』(2002年9月発売)(Spotify

 

COLDPLAY『A RUSH OF BLOOD TO THE HEAD』(2002年8月発売)(Spotify

 

EMINEM『8 MILES: MUSIC FROM AND INSPIRED BY THE MOTION PICTURE』(海外:2002年10月発売、日本:2003年4月発売)(Spotify

 

EVANESCENCE『FALLEN』(2003年3月発売)(Spotify)(レビュー

 

FOO FIGHTERS『ONE BY ONE』(2002年10月発売)(Spotify)(レビュー

 

JURASSIC 5『POWER IN NUMBERS』(2002年10月発売)(Spotify

 

KILLSWITCH ENGAGE『ALIVE OR JUST BREATHING』(2002年5月発売)(Spotify

 

THE LIBERTINES『UP THE BRACKET』(2002年10月発売)(Spotify)(レビュー

 

LINKIN PARK『METEORA』(2003年3月発売)(Spotify)(レビュー

 

MAROON 5『SONGS ABOUT JANE』(2002年6月発売)(Spotify

 

MASSIVE ATTACK『100TH WINDOW』(2003年2月発売)(Spotify)(レビュー

 

MOBY『18』(2002年5月発売)(Spotify

 

THE MUSIC『THE MUSIC』(2002年9月発売)(Spotify

 

RED HOT CHILI PEPPERS『BY THE WAY』(2002年7月発売)(Spotify)(レビュー

 

SIGUR ROS『( )』(2002年10月発売)(Spotify

 

STONE SOUR『STONE SOUR』(2002年8月発売)(Spotify)(レビュー

 

SUM 41『DOES THIS LOOK INFECTED?』(2002年11月発売)(Spotify

 

t.A.T.u.『200 KM/H IN THE WRONG LANE』(海外:2002年12月発売、日本:2003年3月発売)(Spotify)(レビュー

 

UNDERWORLD『A HUNDRED DAYS OFF』(2002年9月発売)(Spotify)(レビュー

 

このほかにも、以下の作品を候補に挙げていました。

ASIAN DUB FOUNDATION『ENEMY OF THE ENEMY』
BEN HARPER『DIAMONDS ON THE INSIDE』
BON JOVI『BOUNCE』(レビュー
BRUCE SPRINGSTEEN『THE RISING』
DAVID BOWIE『HEATHEN』(レビュー
DISTURBED『BELIEVE』(レビュー
EMINEM『THE EMINEM SHOW』
FEEDER『COMFORT IN SOUND』(レビュー
HANOI ROCKS『TWELVE SHOTS ON THE ROCKS』(レビュー
THE HELLACOPTERS『BY THE GRACE OF GOD』(レビュー
IN FLAMES『REROUTE TO REMAIN』
KING CRIMSON『THE POWER TO BELIEVE』
KORN『UNTOUCHABLES』(レビュー
MESHUGGAH『NOTHING』
OASIS『HEATHEN CHEMISTRY』(レビュー
OK GO『OK GO』
OPETH『DELIVERANCE』
PET SHOP BOYS『RELEASE』
PETER GABRIEL『UP』
PRIMAL SCREAM『EVIL HEAT』(レビュー
QUEENS OF THE STONE AGE『SONGS FOR THE DEAF』
ROYKSOPP『MELODY A.M.』
RUSH『VAPOR TRAILS』(レビュー
SPARTA『WIRETAP SCARS』(レビュー
THE USED『THE USED』(レビュー
THE VINES『HIGHLY EVOLVED』

 

2022年10月30日 (日)

OZZY OSBOURNE『PATIENT NUMBER 9』(2022)

2022年9月9日にリリースされたオジー・オズボーンの12thアルバム(スタジオアルバムとしては通算13作目)。

コロナ禍ということもあり、前作『ORDINARY MAN』(2020年)から約2年半という非常に短いスパンで届けられた今作。前作が10年ぶりの新作だったことを考えると、この間隔の短さは異常と思わずにはいられません。

全米3位という過去最高順位を獲得した前作に倣い、今作も引き続きアンドリュー・ワット(ポスト・マローン、ジャスティン・ビーバー、マイリー・サイラスなど)がプロデュースを担当。ただ、前作がダフ・マッケイガン(B/GUNS N' ROSES)とチャド・スミス(Dr/RED HOT CHILI PEPPERS)、そしてアンドリュー(G)がベースのトラックをレコーディングにしたのに対し、今回はベースにダフ、ロバート・トゥルヒーヨ(METALLICA)、クリス・チェイニー(ex. JANE'S ADDICITIONなど)、ドラムにチャドのほかテイラー・ホーキンス(FOO FIGHTERS/本作が生前最後のレコーディング作品)が参加し、ギターのベーシックトラックもアンドリューに加えザック・ワイルドBLACK LABEL SOCIETY )もプレイしていることから、前作以上に“戻ってきた感”が強まっています。

また、リードギター/ギターソロに関しても曲ごとに豪華なゲストを迎えているのが本作最大の特徴。ザックが4曲でそれらしいプレイを披露しているほか、マイク・マクレディ(PEARL JAM)が1曲、BLACK SABBATH時代の盟友トニー・アイオミが2曲、60年代“3大ギタリスト”のうちの2人……ジェフ・ベックが2曲、エリック・クラプトンが1曲にゲスト参加と、ツアーが行えず固定バンドを持たない今のタイミングならではのバラエティ豊かな布陣が華を添えています。

楽曲の指向自体は『ORDINARY MAN』の延長線上にある、“BLACK SABBATHのいいとこ採り+『NO MORE TEARS』(1991年)以降の王道ハードロック”路線を踏襲した楽曲ばかり。例えば、アイオミ参加の「No Escape From Now」はアレンジ含め完全にサバスを踏襲したものだし、ジェフ・ベックがプレイするタイトルトラックも前作に収録されていても不思議じゃない仕上がり。そんな中、クラプトンがいかにもなプレイを披露する「One Of Those Days」が“サバス meets CREAM”みたいなサイケデリックハードロックで、思わずニヤリとしてしまいます。

かと思えば、ザックが豪快なギタープレイを聴かせてくれる「Parasite」や「Evil Shuffle」はもろにBLACK LABEL SOCIETY経由のオジーサウンドだし、「Mr. Darkness」や「Nothing Feels Right」は良い意味で『NO MORE TEARS』以降を思わせるコラボレーションといった印象。さすが息が合っていると言いますか、痒いところに手が届く仕上がりです。

個人的には、マイク・マクレディ参加の「Immortal」が曲調/メロディ含め『NO REST FOR THE WICKED』(1988年)〜『NO MORE TEARS』期のオジーっぽかったり、終盤に収められた「Dead And Gone」も『THE ULTIMATE SIN』(1986年)期を彷彿とさせたりと好印象。さらに、ラストを飾る2分程度のスローブルース「Darkside Blues」もお遊び以上の魅力があり、非常に気に入っています。

前作に存在したピアノバラードなどスローナンバー皆無、全13曲で60分強と非常にボリューミーな内容で、消化するまでに少々時間を要する作品ですが、個人的には今作って前作『ORDINARY MAN』と対で存在することで成立する1枚なのかなという気がしています。これ1枚だけで評価するとミスリーディングしてしまいそうだけど、『ORDINARY MAN』から地続きの連作として捉えると初めて見えてくるものがある。そんな意味深な良作ではないでしょうか。

 


▼OZZY OSBOURNE『PATIENT NUMBER 9』
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2022年4月 3日 (日)

RED HOT CHILI PEPPERS『UNLIMITED LOVE』(2022)

2022年4月1日にリリースされたRED HOT CHILI PEPPERSの12thアルバム。

2019年12月にジョン・フルシアンテ(G)が10年ぶり/二度目の復帰を果たし、黄金期の布陣……アンソニー・キーディス(Vo)、フリー(B)、チャド・スミス(Dr)、ジョンの4人が三度揃ったレッチリ。2020年2月には絵画展の最中だったチャドにかわりステファン・パーキンス(JANE'S ADDICTIONなど)が参加した編成でジョン再復帰初パフォーマンスを実施するも、その直後にコロナ禍に伴うロックダウンに突入。その後の動向が心配されましたが、2021年に入るとバンドはアルバムの制作に突入し、同年9月には翌2022年6月からワールドツアーをスタートさせることをYouTubeを通じて発表します。このタイミングから、新作は2022年初夏発売かと予想されましたが、2022年2月に新曲「Black Summer」のデジタル配信が始まり、これと同時にアルバムが4月1日にリリースされることもアナウンスされたのでした。

前作『THE GETAWAY』(2016年)から約5年10ヶ月と過去最長のリリース間隔を経て届けられた本作。前作で初プロデュースを担当したデンジャー・マウスから、『BLOOD SUGAR SEX MAGIK』(1991年)から『I'M WITH YOU』(2011年)まで20年にわたりタッグを組んだリック・ルービンを再び迎えて制作されました。全17曲/約74分というCD1枚もの作品としては過去最長となり、日本盤はそこにもう1曲「Never Flip」を加えた全18曲/約77分というボリューミーな内容に。もはや『STADIUM ARCADIUM』(2006年)に次ぐダブルアルバムと呼んでしまっても差し支えないほどの充実感ではないでしょうか。

『I'M WITH YOU』や『THE GETAWAY』といった“ジョン不在”の2作では、ジョシュ・クリングホッファー(G)を迎えたバンドの第3章を強くアピールしようとするあまり、ジョン時代のカラーと新たな側面のバランス加減に苦悩した様子が伺えました。特に『THE GETAWAY』ではリック・ルービンからデンジャー・マウスにプロデューサーを変更し、新しい道を模索しながら何とか活路を見出し始めていたことも伺えます。しかし、新編成での3作目に取り掛かる中でアンソニー、フリー、チャドは「やはりジョンが必要」という結論に達し、第3章は志半ばで道を閉ざすことになります。

ジョシュには悪いですが、「Black Summer」からスタートするこの新作を聴いたときの安定感は過去2作の比ではありませんでした。この新作も『CALIFORNICATION』(1999年)以降のアルバム同様、地味な方向性です。しかし、説得力の強さや深みに関しては過去2作以上であり、『STADIUM ARCADIUM』の正当的後継アルバムであることが理解できるはず。いや、『STADIUM ARCADIUM』の“続き”というよりは不思議と『CALIFORNICATION』の頃に戻ったかのような。「また新しく始めようぜ!」という意識の現れなのか、リスタートへ向けた強い思いが楽曲や演奏にしっかり表れているように感じられたのです。

ジョンのギターフレーズから始まる「Black Summer」でアルバムが幕開けするというのも印象的ですし、比較的地味ながらもアンソニーの歌やジョンのギターがエモみを強めていることも特徴的。そこから続く「Here Ever After」や「Aquatic Mouth Dance」のファンキーさは、派手さこそ皆無ながらも躍動感は一級品。楽曲至上主義な90年代末からの方向性と、各プレイヤーの技量の高さをバランスよくフィーチャーしたアレンジが絶妙な割合でミックスされている。このへんが無意識のうちに共有できているこの4人ならではの楽曲群と言えるでしょう。

「Not The One」のAOR寄りテイストのバラードもさすがの一言ですし、クールなファンクチューン「Poster Child」、ジョンのギタープレイが異彩を放つ「The Great Apes」や「She's A Lover」を経て、中盤から後半にかけてアルバムは徐々に熱量を高めていく……この流れ自体は『STADIUM ARCADIUM』に通ずるものがありますが、その爆発力は同アルバム以上のものがあり、そういった点においても『CALIFORNICATION』との共通点が見受けられる。もしかしたら本当に、バンドの中で“『CALIFORNICATION』よ再び”的な意識が少なからずあったのかもしれませんね。もちろん、同じものをもう1枚作ろうという意味ではなく、向き合う姿勢という点においてね。

珍しく最初に聴いたときに何度かリピートしてしまったレッチリの作品。好きな曲もこれまでより多く見つけられ、上に挙げたような楽曲に加え「These Are The Ways」や「Whatchu Thinkin'」、「One Way Traffic」から「Tangelo」までの流れなど、やはり中盤以降にお気に入りが並ぶのは過去と同様のようです。

アルバムとしては「Tangelo」で綺麗に締めくくられますが、日本盤ボーナストラックの「Never Flip」もなかなかの1曲。ヘヴィさでは本作随一ですが、やはりアルバムの最後に置くにはちょっと場違いかな。と同時に、アルバムの中に置くにもちょっと収まりが悪い気もする。本編から外された理由もわからくないですが、とはいえ悪い曲ではない。こういう曲がほかにもっとありそうな気がするので、半年〜1年後にはボーナスディスクにアウトテイクをまとめた2枚組デラックスエディションとか発売(もしくは配信)されそうな予感です(苦笑。それはそれで楽しみですが)。

どうやら今年の夏フェスタイミングは北米ツアーと重なり、苗場や幕張方面でのヘッドライナーは2023年以降に持ち越しかな。どうせなら、久しぶりの単独公演に期待したいところですね。

 


▼RED HOT CHILI PEPPERS『UNLIMITED LOVE』
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2022年3月30日 (水)

RED HOT CHILI PEPPERS『THE GETAWAY』(2016)

2016年6月17日にリリースされたRED HOT CHILI PEPPERSの11thアルバム。

ジョシュ・クリングホッファー(G)を新たに迎えて制作した前作『I'M WITH YOU』(2011年)から約4年10ヶ月ぶりの新作。『BLOOD SUGAR SEX MAGIK』(1991年)以降20年以上にわたりタッグを組んできたリック・ルービンのもとを離れ、新たにデンジャー・マウス(ベックGORILLAZ、THE BLACK KEYSなど)をプロデューサーに、ナイジェル・ゴドリッチ(RADIOHEADR.E.M.U2など)をミキサーに迎えて制作した、真の意味での“第3章の幕開け”を宣言する1枚です。

フリー(B)&チャド・スミス(Dr)のリズム隊を強調したミックスは前作から引き続きですが、前作では調和を取ることに徹したジョシュのギターが随所で主張し始めているのも今作の特徴。かつ、デンジャー・マウス自身もソングライティングやサウンドメイキングに加わることで、90年代以降の楽曲至上主義を引き継ぎつつもサウンド面での進化が感じられる、カラフルな内容に仕上がっています。

それは冒頭の「The Getaway」や続くリードシングル「Dark Necessities」、MVも印象的だった「Go Robot」などからも存分に感じられるはず。ただ、前作では若々しさが多少復調した感があったものの、今作では再び地味かつ落ち着いた作風へと回帰し、アルバム全体を年相応の穏やかさで覆っている。アンソニー・キーディス(Vo)のボーカルも比較的抑揚を抑えた歌い方で、伝説的なバンドの新作ながらも若いリスナーにはちょっと刺激が足りないかもしれませんね。

とはいえ、楽曲自体の完成度はどれも水準以上で、先にも記したようにサウンドメイキングでの遊びが随所に散りばめられていることから、全13曲/54分という程よいトータルランニングを飽きずに楽しむことができるはず。聴き込めば聴き込むほどに濃度の高さが伝わる、入り口は狭いけど奥行きは無限大なスルメアルバムではないでしょうか。

また、先の楽曲至上主義の延長でしょうか、本作では「Sick Love」でエルトン・ジョン&バーニー・トーピンがソングライティングに参加。エルトンは同曲でピアノも披露しています。この曲も地味なテイストですが、聴けば聴くほどクセになる1曲で、ジョシュの泣きまくりなギターソロも好み。何気にリリース当時よりも今のほうがお気に入りだったりします。

若い頃のアルバムは即効性の強い“スーパーストロング”のような作品でしたが、本作は香りや風味を楽しみつつチビチビ味わう極上の日本酒みたいな内容ではないかなと。何気に前作以上に大好きな1枚です。と同時に、ここからさらにバンドとして進化していくのかな、第3章は期待できるかも……と思っていたら、この実験作で短命に終わるとは(苦笑)。

 


▼RED HOT CHILI PEPPERS『THE GETAWAY』
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2022年3月27日 (日)

RED HOT CHILI PEPPERS『I'M WITH YOU』(2011)

2011年8月26日にヨーロッパ、同年8月29日に北米でリリースされたRED HOT CHILI PEPPERSの10thアルバム。日本盤は同年8月31日発売。

初のCD2枚組オリジナルアルバム『STADIUM ARCADIUM』(2006年)で念願の全米1位を獲得し、ジョン・フルシアンテ(G)再加入後のピークを迎えたレッチリ。日本でも東京ドーム2DAYS&京セラドーム大阪公演(2007年6月)が実現するなど、名実ともに最高潮といっていい時期だったのではないでしょうか。しかし、同作ですべてやり切ったと感じたジョンが2009年にバンドを再脱退。バンドは2007年から活動休止期間に入っていたこともありましたが、次のアクションに向けて新たなギタリストを探すことになります。

1回目の脱退後にはデイヴ・ナヴァロ(JANE'S ADDICTION)の加入が話題となりましたが、今回は2007年の『STADIUM ARCADIUM』ツアーにサポートミュージシャンとして参加していたジョシュ・クリングホッファーが正式加入。バンドとの関係値もすでにあり、かつジョンとも課外活動での共演経験があるだけに、この人選は非常に納得がいくものがありました。

2010年秋から本格的にアルバム制作に突入したジョシュを含む新編成レッチリは、20年来の盟友であるリック・ルービン(SLAYERBEASTIE BOYSWEEZERなど)を迎え約半年でアルバムを完成。全14曲/約59分という近年の彼ららしい長尺の作品に仕上がりました。

グレッグ・カースティン(Piano/THE BIRD AND THE BEE)やマニー・マーク(Organ)、マウロ・レファスコ(Per)、レニー・カストロ(Per)などゲストプレイヤーも多数参加した本作。地味な作風ながらも『CALIFORNICATION』(1999年)以降の方向性を突き詰めた前作から一歩前進し、“楽曲至上主義”はそのままながらもかつてのエネルギッシュさや躍動感を取り戻したサウンドを楽しめる、良質な1枚です。

オープニングを飾る「Monarchy Of Roses」冒頭の、チャド・スミス(Dr)の激しいドラミングやギターのフィードバック音からは、ここから新たな物語が始まるワクワク感が伝わりますし、そこから突き抜けるような強いリズム、親しみやすいアンソニー・キーディス(Vo)歌メロなど、当時の彼らに求める要素がしっかり備わっているように感じます。続く「Factory Of Faith」も同様の流れを汲む作風で、大半の楽曲にパーカッショニストをフィーチャーしていること、アンドリュー・シェップス&グレッグ・フィデルマンのミックスによるものが大きいのかフリー(B)のベースがやや強調された音作りが施されていることに、過去数作のテイストとの違いを実感させられます。

ジョシュのギターは前に出過ぎることなく、かといって存在感を消すこともなくという適材適所感が強いもので、楽曲至上主義のこの路線にはぴったりかな。ただ、次世代ギターヒーロー感の強かったジョンと比較してしまうと、どうしても物足りなさを覚えてしまうのもまた事実。個人的にこれ!というギターリフや胸に刺さるギターソロが皆無なのは、従来のファンからすると残念ポイントかもしれません(そのぶん、久しぶりにベースがぐいぐい入り込んでくる作りですが)。しかし、メンバーチェンジを機に新しい方向にシフトしようとしている過渡期と捉えると、多少はポジティブに感じられるかな。

大半の楽曲を書き下ろしてきたジョンの不在により、バンド4人が膝を突き合わせて制作した本作。平均点は軽く超えているものの、傑作とまでは言えない。「Look Around」や「Goodbye Hooray」「Even You Brutus?」「Dance, Dance, Dance」など中盤〜後半も個人的にグッとくる曲は少なくありませんが、ちょっと上品すぎやしないかい?と思えてしまうのもまた事実。“破綻”した部分が一欠片でも見つけられたら、きっとガッツポーズしていたんだろうな。痒いところに手は届くものの、完食後に「あれっ?」と若干の物足りなさに気づいてしまう、そんな「傑作まであと一歩」な1枚。

 


▼RED HOT CHILI PEPPERS『I'M WITH YOU』
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2022年2月21日 (月)

RED HOT CHILI PEPPERS『STADIUM ARCADIUM』(2006)

2006年5月9日にリリースされたRED HOT CHILI PEPPERSの9thアルバム。日本盤は同年5月10日発売。

全米2位、全英1位という好記録を残した前作『BY THE WAY』(2002年)のあと、Warner移籍後の楽曲を中心とした初の本格的なベストアルバム『GREATEST HITS』(2003年)、バンド初のライブアルバム『LIVE IN HYDE PARK』(2004年)を立て続けに発表したレッチリ。長期にわたるワールドツアーを経て、バンドは2004年秋から1年以上かけて新作制作に臨みます。

ジョン・フルシアンテ(G)を中心に楽曲制作が進められ、最終的に38曲もの新曲をレコーディング。当初はCD3枚組アルバムも計画していたそうですが、そこからさらに厳選された28曲を2枚のCDにまとめ、DISC 1を“JUPITER(木星)”、DISC 2を“MARS(火星)”とそれぞれ命名した大作アルバムが完成しました。

通常、ロックバンドが2枚組アルバムを制作すると、その内容はカラフルでバラエティ豊かなものになることが多いと思います。THE BEATLESなら『ホワイト・アルバム』(1968年)LED ZEPPELINなら『PHYSICAL GRAFFITI』(1975年)GUNS N' ROSESなら『USE YOUR ILLUSION I』および『同II』(1991年)SMASHING PUMPKINSなら『MELLON COLLIE AND THE INFINITE SADNESS』(1995年)あたりがその代表的な例でしょう。ところが、レッチリの本作の場合は必ずしも上記のような過去の名盤とリンクするわけではありません。

本作は前々作『CALIFORNICATION』(1999年)、そして前作『BY THE WAY』の流れを汲む、同路線の決定版的内容。要するに、地味なのです。オープニングを飾る「Dani California」からして地味。派手なギミックで惹きつけるようなタイプではなく、じっくり聴かせる“作り込まれた”楽曲からスタートし、そのトーンを一定に保ちながらグラデーションを付けていく、そういう作風なのです。なもんですから、全28曲/約2時間を通して大きな波もなく、ユラユラと流れていくような印象を受ける。それに対して「退屈」や「オッサン趣味」と片付けることは簡単です。でもね、聴けば聴くほど奥が深い作品集なのです。

僕も正直、最初に聴いたときは「これは長く愛聴できるような内容ではないな」と若干肩をすくめた記憶があります。実際、本作を携えたライブ(同年夏のフジロック)の寒々しさといったら……野外、しかも苗場の夜に聴くにはちょっと地味だったのは否めません。それ以降、本作を聴く頻度はレッチリの全カタログ中、もっとも低かったのもまた事実です。

ところが、フルシアンテ再復帰&ニューアルバム『UNLIMITE LOVE』(2022年)を前に過去のアルバムを聴き返してみたところ……この2枚組アルバムはバンドのキャリアにおいて、もっとも濃厚で奥が深い作品であることに気付かされたのです。

1曲1曲の完成度は非常に高い。それは間違いない事実です。かつ、派手なアレンジで惹きつけるような細工は皆無で、むしろ職人による玄人好みのプレイが随所に散りばめられており、それらが過不足なく絶妙なバランス感でまとめ上げられている。特にフリー(B)&チャド・スミス(Dr)のリズム隊にフルシアンテが加わった鉄壁のアンサンブルに関しては、過去2作でのトライがひとつの頂点に達したが本作だと断言できます。

アンソニー・キーディス(Vo)のボーカルもエモーショナルなメロディを歌い上げるに十分な表現力が加わり、各楽曲の完成度をさらに高めている。また、フルシアンテもすべての楽曲でしっかりギターソロをフィーチャーし、地味な中にもロックバンドのシンプルなカッコよさを最良の形で体現している。ぶっちゃけ、ここまですべてがカチッと噛み合っているロックアルバム、そうはないと思いますよ。

個人的にはDISC 1の後半、「Torture Me」以降から高まる熱量と、同じくDISC 2の後半、「Make You Feel Better」以降の流れがロックバンドの理想形だと思うのですが、如何でしょう?(それと比べると、各DISCの前半はちょっと地味すぎかな?という印象も) 曲順次第ではさらに聴きやすいような気がして、そこだけが残念でなりません。

なんにせよ、『CALIFORNICATION』から始まった第2期フルシアンテ政権(苦笑)の究極の形が本作なのは、間違いなく、事実本国アメリカではついに初の1位を獲得するのですから。このほか、イギリスなど世界24ヶ国でアルバムチャート1位を記録。ここ日本でもオリコン総合チャート1位という快挙を成し遂げ、『FUJI ROCK FESTIVAL '06』でのヘッドライナーと、2007年6月の東京ドーム&京セラドーム大阪公演と二度の来日が実現し、「Dani California」と「Snow ((Hey Oh))」は映画『デスノート』および『デスノート the Last name』の主題歌にそれぞれ採用されるなど、ここ日本でも人気がピークに達しましたしね。しかし、ここですべてを出し切ったフルシアンテは2009年に再びバンドを脱退することになります。そういった意味でも、本作は究極であり臨界点でもあったわけですね。罪作りな大作アルバムです。

 


▼RED HOT CHILI PEPPERS『STADIUM ARCADIUM』
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2022年2月20日 (日)

RED HOT CHILI PEPPERS『BY THE WAY』(2002)

2002年7月9日にリリースされたRED HOT CHILI PEPPERSの8thアルバム。日本盤は同年7月10日発売。

ジョン・フルシアンテ(G)が復帰して制作された前作『CALIFORNICATION』(1999年)が全米3位まで上昇し、アメリカのみの売り上げ700万枚超えと5thアルバム『BLOOD SUGAR SEX MAGIK』(1991年)に並ぶメガヒット作となったレッチリ。「Scar Tissue」(全米9位)、「Otherside」(同14位)、「Californication」(同69位)、「Around The World」などのヒットシングルも多数生まれ、第二の黄金期突入をさらに後押しする今作が3年のスパンを経て届けられました。

引き続きリック・ルービン(SLAYERSYSTEM OF A DOWNMETALLICAなど)をプロデューサーに迎えた本作は、メンバーが“Very John”と例えるように、前作以上にジョン・フルシアンテ色濃厚な仕上がり。ファンク色は徐々に抑え気味になり、ポップな色彩やサイケデリック感が強調された、前作以上に聴きやすい/親しみやすい内容に仕上げられています。その結果、チャート的も前作を上回る全米2位まで到達し、イギリスでは初の1位も獲得。「By The Way」(全米34位/全英2位)、「The Zephyr Song」(全米49位/全英11位)、「Can't Stop」(全英57位/22位)、「Universally Speaking」(全英27位)といったスマッシュヒットシングルも多数生まれました。アルバム自体セールス的には前作には及ばず、アメリカでは200万枚止まりでしたが、全世界では1000万枚近い売り上げに到達。『CALIFORNICATION』同様レッチリ入門に適した1枚とも言えるでしょう。

オープニングを飾るタイトルトラック「By The Way」はドライブ感がたまらない1曲で、特にフリー(B)とチャド・スミス(Dr)の織りなすグルーヴィーなリズムと、その上に小気味良いカッティングを響かせるジョンのギター、パーカッシヴさとメロウさが適度に織り交ぜられたアンソニー・キーディス(Vo)が乗ることで絶妙なハーモニーを作り上げています。もうこの1曲で勝ったも同然です。

かと思えば、続く「Universally Speaking」はかつてないほどにポップさが強調された1曲で、レッチリの新たな扉を開いたと言える仕上がり。ダークなサイケロック「This Is The Place」や「Don't Forget Me」、哀愁味の強い「Dosed」は前作までの流れを汲むもので、『CALIFORNICATION』で得た手応えがさらにブラッシュアップされた形で踏襲されています。ヒットシングル「The Zephyr Song」も同様ですね。

ギター初心者がフルシアンテのフレーズをコピーするのに最適なサイケデリックファンクロック「Can't Stop」、穏やかなバラード「I Could Die For You」や「Midnight」、リズム隊の生み出すグルーヴ感がたまらない「Throw Away Your Television」などが並ぶアルバム中盤の流れも非常に味わい深いものがあります。なにせこのアルバム、全16曲/約69分という超大作。前作も全15曲と比較的曲数が多かったものの、トータルランニングは56分と10数分短い。そういった意味では『CALIFORNICATION』以上にプレイヤー/表現者としての側面がより濃厚に遭われたのが『BY THE WAY』という作品かもしれません。メンバーの言う“Very John”という表現には、そういった強い拘りも含まれているんでしょうね。

アコースティック色の強いポップな「Cabron」、ミディアムスローの「Tear」、ラテン色が散りばめられた新境地のアップチューン「On Mercury」、うねるようなグルーウが気持ち良い「Minor Thing」、不思議な浮遊感が味わえる「Warm Tape」と後半も構成的な楽曲が続き、最後は当時のレッチリらしさが凝縮されたドラマチックなマイナーチューン「Venice Queen」で締め括り。ここから2〜3曲間引いたらより聴きやすかったのかな?なんて思いつつも、じゃあどれを削るかと言われると答えが難しい。結局、ジョン・フルシアンテの才能が沸点に達したという点を考慮するとこのセットリスト、構成で正解なのかもしれません。

この才能はさらに爆発をし続け、ここから4年後に届けられる9thアルバム『STADIUM ARCADIUM』(2006年)はCD2枚組/全28曲入りと臨界点に突破。いろいろな意味でピークを迎えることになります。

 


▼RED HOT CHILI PEPPERS『BY THE WAY』
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2022年2月13日 (日)

EDDIE VEDDER『EARTHLING』(2022)

2022年2月11日にリリースされたエディ・ヴェダーPEARL JAM)の3rdソロアルバム。

昨年8月にはキャット・パワーやアイルランドの詩人グレン・ハンサードとのコラボレーションによる映画『FLAG DAY』のオリジナル・サウンドトラックも制作していますが、純粋なソロアルバムは意外にも『UKULELE SONGS』(2011年)以来10年ぶりの新作。特にここ数年はPEARL JAMの新作『GIGATON』(2020年)もあったので、コロナ禍ながらも精力的なリリースが続いている印象です。

本作のプロデュースを手がけたのは、オジー・オズボーンの最新作『ORDINARY MAN』(2020年)でのタッグも話題になったアンドリュー・ワット(そのほかにポスト・マローンやマイリー・サイラス、ジャスティン・ビーバーなど)。レコーディングにはそのアンドリューのほか、チャド・スミス(Dr/RED HOT CHILI PEPPERS)やジョシュ・クリングホッファー(G, Key, Vo/ex. RED HOT CHILI PEPPERS)、スティーヴィー・ワンダー、リンゴ・スター、エルトン・ジョンなど豪華な布陣が参加しています。もはやメインストリームのロック/ポップスターらしいメンツと言えるのではないでしょうか。

サウンド的には非常にメジャー感の強いアメリカンロックが中心。アルバム冒頭を飾る「Invincible」や「Power Of Right」などからはニューウェイヴの流れを汲むアリーナロック的な香りも伝わり、その質感はグランジ以前の80's MTVライクなメインストリームロックと重なるものがあります。極端な話ですが、それこそブルース・スプリングスティーンやジョン・メレンキャンプ、ヒューイ・ルイスなどのMTV世代には懐かしいアーティストたちとリンクするものがあるんじゃないかなと。そのへんはPEARL JAMの最新作『GIGATON』にも含まれていた要素のひとつでもあるので、あの色合いはエディによるものだったのかな?と今さらながらに感じています。

良くも悪くも、開き直りが伝わるこのスタイル。昨年12月に57歳になったばかりのエディにとってはもはや「最新のスタイルを作り上げるより、自分の成長期に慣れ親しんだロックを再構築する」ことが活動の主軸なのかもしれません。もちろん、活動のメインにPEARL JAMがあるぶんソロではこういったスタイルを追求することができるわけで、それ自体は否定しません。実際、僕自身も中高生の頃に慣れ親しんだアメリカンロックやMTVで流れていたヒット曲を聴いている感覚で楽しめましたし。

ただ、前作『UKULELE SONGS』はもうちょっと遊び心に満ち溢れていた印象もあっただけに、真の意味で“老いて”しまった感が伝わり、そこだけが残念だったかなと。アルバム自体の完成度が非常に高いだけに……。とはいいつつ、実はエディってもともと“そっち側”の人で、こういったスタイルに回帰するのは実は自然な流れなのかもしれません。

個人的には日中延々とリピートするよりも、たまに聴くぶんには申し分なしな1枚。「あのPEARL JAMのフロントマンによるソロアルバム」という視点ではなく、「純粋に良曲揃いのアメリカンロック&ポップス集」として接するのがベストかな。

 


▼EDDIE VEDDER『EARTHLING』
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