カテゴリー「Reef」の13件の記事

2022年5月 3日 (火)

StringerBessant『YARD』(2010)

2010年7月12日にリリースされたStringerBessantの1stアルバム。日本盤未発売。

StringerBessantはREEF解散後にメンバーのゲイリー・ストリンガー(Vo)とジャック・ベッサント(B)がスタートさせたプロジェクト。もともとはこの2人にギター&ドラムを加えた4人でTHEM IS MEというバンドを始めたのですが、StringerBessantはその延長で生まれたアコースティックユニットで、いくつかのデモを制作しているうちにXtra Mile Recordingsと契約し、アルバムを発表することになったのでした。

レコーディングは基本的にゲイリーとジャックがアコギを弾きながら歌い、そこに曲によってストリングスやリズム隊などが加わる形。オープニング「Hey Girl」からしばらくはアコギのみをバックに、低いキーで淡々と歌うゲイリーの歌に驚かされることでしょう。あのハイテンションで暑苦しい歌声が皆無ですからね。

もともとこうした質感はREEF時代からチラホラ見せてきていましたし、3rdアルバム『RIDES』(1999年)にはそのカラーがかなり濃く表れていました。なので、その流れで触れれば特に違和感はないかと思います。にしても、ここまでそういったトーンの楽曲が続くと、バンドの面影を求めて本作に触れたリスナーにはちょっとキツいかもしれませんが(そういう方にはTHEM IS ME唯一のアルバムがオススメです。国内サブスクでは見当たりませんが……)。

「Give Me The Key」ではリズム隊やエレキギター(歪みなし)が加わり、ようやくハイトーンボーカルも楽しむことができますが、その次の「Shutting Down」では再びダウナー&スローな曲調と囁くようなボーカルに戻ってしまう。曲によってはジャックとのツインボーカルだったりするので、あくまで「REEFのボーカルがソロで落ち着いたフォークロックをやってる」くらいのテンションで接することが一番かなと。

先の「Give Me The Key」や「Wild Day」「Lord Please Come」あたりは『RIDES』路線の一環として楽しめる良曲だけど、全部が全部水準以上とは言い難いかな。全12曲/42分をリラックスして楽しめるかどうかは、聴き手の向き合い方次第かもしれません。悪くはないけど、たまに息抜きとして聴くくらいがちょうどいい1枚ではないでしょうか。

なお、このプロジェクトはのちにREEFのドミニク・グリーンスミス(Dr)と、ソロアーティストとしても活躍するエイミー・ニュートン(G, Vo)が加わりTHE SB BANDへと進化。2013年には同名義によるアルバム『THE SB BAND』も発表しています。

 


▼StringerBessant『YARD』
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REEF『SHOOT ME YOUR ACE』(2022)

2022年4月29日にリリースされたREEFの6thアルバム。日本盤は同年4月27日先行発売。

再結成後初のオリジナルアルバムにあたる前作『REVELATION』(2018年)から約4年ぶりの新作。この期間にライブアルバム+映像作品『IN MOTION: LIVE FROM HAMMERSMITH』(2019年)や、ゲイリー・ストリンガー(Vo)がアンディ・テイラー(ex. DURAN DURANTHE POWER STATION)久々の新曲「Love Or Liberation」に参加したりなどのトピックがありましたが、バンドとしてはドミニク・グリーンスミス(Dr)が脱退・引退を表明し、ルーク・ブレン(Dr)が新たに加入するなど大きな転換期を迎えています。

久しぶりの新作でプロデューサーを務めたのは、先のゲイリーとのコラボがきっかけでREEFのサポートギタリストも担当しているアンディ・テイラーその人。アンディはプロデュースのみならず、曲作りやギタリストとしてレコーディングにも加わっており、本作では“第5のメンバー”として手腕を発揮しています(タイトルトラック「Shoot Me Your Ace」のMVでは、そのアンディがプレイする姿も確認できます)。

過去のスタイリッシュなテイストから大きく異なるアートワークのダサさに一歩退いてしまいましたが(苦笑)、実際に鳴らされている音/楽曲もこのアートワークに比例して(良い意味で)ダサいハードロックが展開されています。オープニングのタイトルトラックを聴いた瞬間、きっと誰もが「あれ、REEFってこんなバンドだっけ?」と疑問に思うことでしょう。これ、完全にアンディの色が濃く出ちゃってますよね。あちゃあ。

でも、それ以降は良くも悪くも従来のREEF節全開。古めかしい土着的ハードロックとソウルフル&メロウなミディアム/スローナンバーがバランスよく並べられたアルバムは、シンプルなギターリフでぐいぐい引っ張りながらゲイリーが暑苦しい歌声を響かせていくスタイル含め、前作以上に90年代の彼らに回帰したもの。若干レイドバック気味で大人しくまとめられた前作に物足りなさを覚えた方なら、この脳天直下型のウザさ(笑)に「そうそう、これこれ!」と膝を叩くことでしょう。

ギターに関してはジェシー・ウッド(G/ご存じロニー・ウッドの息子)とアンディ、どちらが主導権を握っていたのか正直疑問すら覚えますが(絶対にアンディが必要以上に首突っ込んでる気がするし)、アルバムを聴く限りではそこまで悪い方向に進んでいないと思いますし、「I See Your Face」みたいにツインリードが楽しめるのもこの編成ならではなので、ポジティブに受け取ることにしておきます。

唯一、ネガティブ要素に触れておくとすれば……ミックス含めたエンジニアリングにもうちょっと頑張ってほしかったかな(特にリズムトラック)。これが前作や名作『GLOW』(1997年)あたりの質感でまとめ上げられていたら、意外と2022年のUKロック裏名盤になったんじゃないかという気がしてなりません(別に裏じゃなくてもいいんだけど)。そういった残念さも含めて、実にアンディ・テイラーらしいなと思いました。

 


▼REEF『SHOOT ME YOUR ACE』
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2022年4月 6日 (水)

REEF『REPLENISH』(1995)

1995年6月19日にリリースされたREEFの1stアルバム。日本盤は同年10月1日発売。

REEFは1993年にイギリス・グラストンベリー出身の4人組ロックバンドで、当時のメンバーはゲイリー・ストリンガー(Vo)、ケンウィン・ハウス(G)、ジャック・ベッサント(B)、ドミニク・グリーンスミス(Dr)。ブリットポップ・ブームど真ん中の1995年にシングル「Good Feeling」でメジャーデビューを果たし、いきなり全英24位という好記録を樹立。続く「Naked」も最高11位まで上昇し、アルバム自体も9位と新人ながらも大きな成功を収めます。

ブルースやクラシックロックを下地にしたロックバンドという点においては、同時期にシーンを賑わせたOCEAN COLOUR SCENEやその先輩格であるポール・ウェラーと並列で語られるべきかもしれませんが、REEFはそういったモッズ寄りのサウンドというよりは同じTHE WHOをベースにしたブリティッシュ・ハードロックバンド側に寄った方向性で、ブリットポップファンよりもTHUNDERあたりを愛聴していた古き良きハードロックリスナーにこそ受け入れられるべき存在かもしれません。しかし、世が世ということもあり、当時はそのへんがうまく伝わらなかった。彼らの不幸はその一点に尽きます。

アルバム冒頭を飾る「Feed Me」の野生味溢れるハードロックサウンド、オルタナティヴロックからの影響も伝わるスマートな仕上がりの「Naked」や「Good Feeling」、ヘヴィな演奏が心地よく響く「Together」、ダーク&アーシーなブルースロック「Choose To Live」、ソウルフルなミディアムバラード「Comfort」、ライブの最後に演奏されることの多いダイナミックな「End」など、時代を超越した楽曲群は今聴いても古臭さを感じることなく(逆に1995年当時はどこか懐かしさを感じたのですが)、普遍性の強いブルースロック/ハードロックを思う存分堪能できるはずです。

また、よくよく聴くとTHE BLACK CROWESなどクラシックロック・リバイバル勢との共通点も見つけられ、それが続く2ndアルバム『GLOW』(1997年)でのジョージ・ドラクリアス起用につながるのかなと思うと、非常に興味深いものがあります。ただ、この1stアルバムの時点では要所要所にモダンな味付けも散りばめられているので(「Naked」のビートは、明らかに当時のダンスビートからの影響でしょうし)、完全にクラシックロック側に振り切るだけの自信が足りなかったのかなと予想します。

その後の『GLOW』や『RIDES』(1999年)と比べると、まだ完全に振り切るまでに至らず、どこか躊躇しているようにも映る本作ですが、まあこれはこれで素晴らしいバランスの上で成り立っているので、デビューアルバムとしては及第点かな。あの頃敬遠していた方にこそ今このタイミングに触れてほしい、THE STONE ROSES『SECOND COMING』(1994年)と並ぶ“90'sハードロックの隠れた名盤”のひとつです。

 


▼REEF『REPLENISH』
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REEF『IN MOTION: LIVE FROM HAMMERSMITH』(2019)

2019年2月22日にリリースされたREEFのライブ作品。日本盤未発売。

本作は2018年5月(日本盤は同年10月)に発表された18年ぶりのアルバム『REVELATION』を携え、同年5月6日にロンドン・Hammersmith Apollo(Eventim Apollo)にて開催されたライブの模様を収録したもので、CD+Blu-rayおよびアナログ2枚組+Blu-rayの形態にてリリース(海外では音源のみデジタル&ストリーミングあり)。90年代の全盛期はライブアルバムを一切制作しなかったバンドですが、2010年の再結成以降は『LIFE FROM METROPOLIS STUDIOS』(2013年/配信のみ)、『LIVE AT ST. IVES』(2016年)に続く3作目。また、ライブ映像作品としては2003年のDVD『REEF LIVE』(のちに音源のみデジタル配信)に続く2作目となります。

当時のメンバーはゲイリー・ストリンガー(Vo)、ジェシー・ウッド(G)、ジャック・ベッサント(B)、ドミニク・グリーンスミス(Dr)の4人。ライブにはキーボーディスト、2人の女性コーラスがサポート参加しており、アルバムの世界観に近い形で名曲たちが再現されています。

ライブアルバムには当日披露された全17曲が完全収録(「Summer's In Bloom」と「Naked」が入れ替わり、アンコールに披露された「Revalation」が「Summer's In Bloom」のあとに移動される編集あり)とされていますが(パッケージ裏面のその表記あり)、実際には「Summer's In Bloom」「Revalation」「Yer Old」「End」のラスト4曲は5月25日のMotion Bristol公演からのようです。また、ライブBlu-rayは「Summer's In Bloom」「Revalation」の2曲がカットされています。ライブ映像がフル収録で音源はいくつかカットされるというケースが通例かもしれませんが、Hammersmith Apollo公演での一部楽曲の出来に満足がいかなかった結果なのでしょうか。

選曲的には1stアルバム『REPLENISH』(1995年)から2曲(「Naked」「End」)、2ndアルバム『GLOW』(1997年)から8曲(「Place Your Hands」「I Would Have Left You」「Summer's In Bloom」「Consideration」「Don't You Like It?」「Come Back Bright」「Higher Vibration」「Yer Old」)、3rdアルバム『RIDES』(1999年)から1曲(「I've Got Something To Say」)、ベストアルバム『TOGETHER, THE BEST OF...』(2002年)から1曲(「Stone For Your Love」)、5thアルバム『REVELATION』から5曲(「First Mistake」「How I Got Over」「My Sweet Love」「Precious Metal」「Revelation」)と非常に偏った内容。最大のヒット作『GLOW』から8曲というのはさすがに偏りすぎだし、4thアルバム『GETAWAY』(2000年)からのセレクトなしというのも解せない。そもそも当時の最新作より『GLOW』全曲披露みたいな形になってしまっている点で、当時のバンドの状況や世間から求められるものが透けて見える気がして、ちょっと悲しくなります。

ロニー・ウッドTHE ROLLING STONES)の息子であるジェシー・ウッドはバンドの4分の1に徹し、そつないプレイを披露している印象。そのへんも父親譲りかな。見た目的にモサい長髪&髭のゲイリー&ジャックに押され気味の印象もなきにしもあらずですが、2022年現在もバンドに在籍していることを考えるとそれなりに馴染んでいるのでしょう。よかった。

とにかく、このバンドらしいグルーヴィーでアーシーなロック、クラシカル&ソウルフルなハードロックを堪能できるという点においては、スタジオアルバム以上に最適な作品かな。結果としてオリジナルメンバーのドミニク・グリーンスミスが参加した最後の作品となってしまいましたし(このライブの約2ヶ月後、ドミニクはドラマーからの引退を表明、同時にREEFも脱退)、そういった意味でも貴重なドキュメントかもしれません。

今月末にはアンディ・テイラー(ex. DURAN DURAN、ex. THE POWER STATION)をプロデューサーに迎えた4年ぶりの新作『SHOOT ME YOUR ACE』のリリースも控えているので、クラシックロックファンにこそぜひとも映像と合わせて楽しんでいただきたいところです。

 


▼REEF『IN MOTION: LIVE FROM HAMMERSMITH』
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2019年9月 3日 (火)

REEF『RIDES』(1999)

1999年4月にリリースされた、REEFの3rdアルバム。

前作『GLOW』(1997年)が全英1位とバカ売れし、同作から「Place Your Hands」(同6位)、「Come Back Brighter」(同8位)、「Consideration」(同13位)、「Yer Old」(同21位)とヒットシングルが連発。サウンドそのものはオールドスークルなブリティッシュロックでしたが、ブリットポップ末期の波にうまく乗ることができた結果、トップバンドの仲間入りを果たすことができました。

続く本作は、ブレイクした前作の延長線上にありながらもより無駄を削ぎ落とした、“バンドの芯”のみで勝負する意欲作。ポップさよりもハードさが際立つぶん、全キャリア中もっともハードロック色の強い内容に仕上がっています。

まず、オープニングの「New Bird」(全英73位)のヘヴィ&グルーヴィー、かつスリリングな演奏&アレンジからしてハードロック以外の何者でもありませんよね。ゲイリー・ストリンガー(Vo)のボーカルも冴え渡っているし、散々ヘタだと言われてきた(一部でね)ジャック・ベサント(B)のベースもゴリゴリいいながらキラリと光るプレイを聴かせてくれる。ケンウィン・ハウス(G)のギタープレイ/フレージング、ドミニク・グリーンスミス(Dr)のドラミングも文句なしのカッコよさですしね。

かと思えば、2曲目でいきなりレイドバックした「I've Got Something To Say」(全英15位)が飛び出したり、地味ながらもボディブローのようにじわじわ効いてくるミドルチューン「Wandering」「Metro」などがあり、グルーヴィーなドラッドポップ「Sweety」(全英46位)やじっくり聴かせるフォーキーなバラード「Locked Inside」もある。

後半でも「New Bird」にも匹敵するヘヴィな「Back In My Place」に再びノックアウトされ、REEF流ブルースハードロック「Undone And Sober」、本作では珍しいストレートなロックチューン「Who You Are」、じっくり歌を聴かせる「Love Feeder」やファンキーな「Moaner Snap」、ゲイリーのファルセットが心地よい壮大な「Funny Feeling」、アルバムを静かに締めくくるアコースティックナンバー「Electric Sunday」と、とにかくバラエティ豊かな楽曲がずらり。内容の多彩さでいえば前作以上なのですが、トーンが調整されているため統一感が強まっています。そういう意味では、なぜか前作よりも地味なんですよね。

その地味さが災いしてか、大きなシングルヒットが生まれることはなく、アルバム自体も前作の1位には届かず、最高3位止まりでした。それでもヒット作には違いないんだけどね。

ちょうどブリットポップが終焉を迎えたこともあり、その枠で括られていたバンドたちの動向が注目されていましたが、REEFはその翌年に早くも4thアルバム『GETAWAY』(2000年)を発表。2003年初頭(日本では2002年末)には5thアルバム用に制作された新録曲を含むベストアルバム『TOGETHER, THE BEST OF…』を発表してバンドは解散してしまいます。

悪いアルバムではないのですが、“芯”をむき出しにしたことでバンドが傾き始めてしまったという。タイミングも悪かったですけどね。とはいえ、(ブリットポップではなく)ブリティッシュロック/ブリティッシュハードロックとしては非常に優れた作品ですので、クラシックロックファンやハードロックファンに触れてほしい1枚です。

 


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2018年6月25日 (月)

REEF『REVELATION』(2018)

イギリスの4人組ロックバンド、REEFの通算5枚目となるスタジオアルバム。前作が『GETAWAY』(2000年)だから、実に18年ぶりですか……まあ2003年に一度解散して、2010年に再結成しているので、それも納得っちゃあ納得ですけどね。

現在のバンドメンバーはゲイリー・ストリンガー(Vo/最近SKINDREDの新作『BIG TINGS』にもゲスト参加してました)、ジャック・ベサント(B)、ドミニク・グリーンスミス(Dr)のオリジナルメンバーに、2015年に加入したジェシー・ウッド(G/ストーンズロニー・ウッドの実子)の4人。再結成以降、2012年には過去の音源と2002年に制作途中で頓挫した幻の5thアルバムのデモ音源をまとめたボックスセット『93/03』、2013年には配信限定ライブアルバム『LIVE FROM METROPOLIS STUDIO』、2014年にはシングル「Barking At Trees」、2016年にはライブアルバム『LIVE AT ST. IVES』とシングル「How I Got Over」といろいろ発表してきたものの、純粋なオリジナルアルバムは本当に久しぶりなんですね。

本作のプロデュースは名盤『GLOW』(1997年)や『RIDES』(1999年)を手がけたジョージ・ドラキュリアス(THE BLACK CROWESPRIMAL SCREAMKULA SHAKERRIDEなど)が担当。18年の空白をまったく感じさせない、『GLOW』や『RIDES』から地続きの楽曲やサウンドを楽しむことができます。

オープニングのタイトルチューン「Revelation」からいきなり飛ばしてきますが、シェリル・クロウをフィーチャーした2曲目「My Sweet Love」以降はいかにも彼ららしい、ユルくてまったりとしながらも地に足の着いた、グルーヴィーでアーシーなロックンロールが展開されていきます。

いやあ、良い意味で何も変わってない。いや、表層的には変わってないけど、ボーカルやサウンドからは以前以上の深みが感じられる。単に18年分歳を重ねたというのも大きいけど、再結成以降はライブを軸にマイペースな活動を続けてきた彼らならではの説得力が大きいのかなと。

確かに『GLOW』と比べたら勢いはないのかもしれないし、あれほどの奇跡的な整合感はないかもしれない。けど、聴けば間違いなく「これぞREEF!」と納得できる内容。このバンドに何を求めるかによって評価は異なるかもしれないけど、少なくとも彼らの作品を複数追ってきたリスナーにはぴったりフィットする内容だと思います。

ちなみに、本作には3曲のカバー曲を収録。2年前にシングルリリースされた「How I Got Over」はアレサ・フランクリンなどで知られるゴスペルのスタンダート、「Darling Be Home Soon」はTHE LOVIN' SPOONFULが1967年に発表して全米15位まで上昇したナンバー、「Like A Ship (Without A Sail)」はPASTOR T.L. BARRETT & THE YOUTH FOR CHRIST CHOIRが1971年に発表したソウルナンバー。それぞれ原曲の雰囲気を残しつつ、よりREEFらしく生まれ変わっています。「How I Got Over」や「Like A Ship (Without A Sail)」なんてゴスペル隊までフィーチャーしてゴージャスさが増しているし、「Darling Be Home Soon」はフォーキーな原曲がよりファンクロック調に生まれ変わっている。特に「Darling Be Home Soon」や「Like A Ship (Without A Sail)」あたりは、90年代初頭のマンチェムーブメントを彷彿とさせるものがあるので、あのへんのダンサブルでソウル寄りのバンドが好きだった人にもオススメできるかも。

本作は日本盤リリースなし、デジタルリリースやストリーミングも今のところ国内配信なし。なのに、9月には実に15年ぶりの来日公演が決定しています。もしかしたら直近に国内盤リリースが決まってるのかな? せっかく来日するのに勿体ないですよね。ぜひしっかり流通させてもらいたいと思います。

※追記
2018年10月3日にボーナスディスク付き形態で日本盤がリリースされました。



▼REEF『REVELATION』
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2018年5月13日 (日)

SKINDRED『BIG TINGS』(2018)

2018年4月にリリースされたSKINDREDの通算7作目のスタジオアルバム。前作『VOLUME』(2015年)発売後、2016年春と2017年秋の2度にわたり来日公演を行い、前者ではCrossfaithをはじめとする国内勢らと共演、後者では『LOUD PARK』という国内最大級のメタルフェスでパフォーマンスしました。これまでSiMやCrossfaithなどの国内ラウドロックバンドと共演することが多く、そちら側のリスナーにはある程度知られていたものの、生粋のメタルファンには「レゲエメタル? そんな邪道」と若干敬遠されていたところもあったのではないでしょうか。それが、あのライブパフォーマンスを観て、いや見せられてしまったら、みんなイチコロですよね。

また、特に彼らのアルバムはアルバムごとに国内でのリリース先がコロコロ変わり、情報が得難いことも少なくありませんでしたが、今回は前作から引き続き国内盤はビクターから発売。前作での来日も好評だったので、きっと今回も……期待しています(笑)。

さて、国内盤を購入した方ならすでにご存知かもしれませんが、本作のライナーノーツを筆者が担当させていただきました。実は、このライナー執筆後にメンバーのベンジー・ウェッブ(Vo)にインタビューする機会を得まして、そちらが『BURRN!』6月号に掲載中です。ライナーでは拾いきれなかった情報(メンバーの脱退やレコーディングに関して)も多数フィーチャーされておりますので、ぜひ併せてチェックしていただけると幸いです。

ということで、以上の資料を読んでいただければ、本作の素晴らしさは十分伝わると思うので、今回はこれにて……というわけにはいかないですよね(苦笑)。まだ聴いてない!っていう人は、『VOLUME』のレビューを読んでからこちらを読んでいただいて……。

基本的には、路線は前作から大きくは変わっていません。ただ、若干ストレートな作風かな?といった程度の変化はありまして、それがメタルファンにとっては聴きやすさにつながっているのではないでしょうか。特にリードトラックの「Machine」はAC/DCを彷彿とさせる軽快なロックンロールですし、ゲストボーカルでREEFのゲイリー・ストリンガー、ギターソロで元MOTÖRHEAD、現PHIL CAMPBELL AND THE BASTARD SONSのフィル・キャンベルが参加しているので、よりとっつきやすいと思います。

それ以外の楽曲もレッチリほどファンクというわけでもなく、レゲエ要素も味付けとして曲の幅を広げることに成功してますし。前作が好きなら間違いなく気にいる1枚ですし、前作を聴いてなくても存分に楽しめる入門編的な1枚ではないかと断言します。はい。

なお、日本盤のみボーナストラックとしてマックス・ロメロというレゲエシンガーの代表曲「Chase The Devil」をパンキッシュにカバーしております。パンクとレゲエはもともと地続きな存在ですし、このアレンジは納得の一言。残念ながら配信バージョンでは聴けないので、気になる方はぜひ国内盤を購入いただけますと(クドイですね。笑)。

インタビュー時にはまだ来日は決まっていないという話でしたが、ぜひこの際また10月に来日していただいて、そのタイミングに小箱での単独公演も……お願いします!



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2017年8月23日 (水)

REEF『GLOW』(1997)

ブリットポップ全盛のイギリスで、無骨でオールドスクールなハードロックとダンサブルなビートを取り入れたデビュー作『REPLENISH』(1995年)が全英トップ10入りを果たすなど、いきなり好成績を残したREEF。彼らが1997年1月に発表したのが、今回紹介する2ndアルバム『GLOW』です。

デビューアルバムでは古臭さとモダンさがミックスされた、非常に“イマドキ”感を匂わせた存在で、当時は音源自体は好きだったけどそこまでのめり込むほどではなかったんですが……この2ndアルバムに先駆けてリリースされたシングル「Place Your Hands」によって、それまでの印象を一新されてしまったのでした。

本作のプロデュースを手がけたのは、THE BLACK CROWESの諸作品やPRIMAL SCREAM『GIVE OUT BUT DON'T GIVE UP』(1994年)、RIDE『CARNIVAL OF LIGHT』(1994年)などで知られるジョージ・ドラクリアス。アルバム全体はこれらのアーティスト、作品から想像できるアーシーで生々しい、ストロングスタイルのロックアルバムに仕上げられています。

デビューアルバムではどこか線の細さが感じられたゲイリー・ストリンガー(Vo)の歌声も、「Place Your Hands」を聴けばわかるように非常に骨太に進化しているし、「Consideration」のようなゴスペルバラードではファルセットを駆使した艶やかな声も聞かせてくれる。楽曲自体もどれもよく練り込まれたものばかりで、「Yer Old」みたいな高速ナンバーから、『STICKY FINGERS』(1971年)期のROLLING STONESを彷彿とさせる「Summer's In Bloom」、モダンなダンスミュージック色を導入した「Robot Riff」など単なるロックンロールアルバムでは済まされない、バラエティ豊かな1枚となっています。このへんはうまく時流に乗った、と受け取ることもできるでしょうけど、デビュー作の時点で持ち合わせていたモダンさが単に後退しただけでなく、見えないところでエッセンスとして効いていると理解するのが正解かもしれません。

「Place Your Hands」(全英6位)や「Come Back Brighter」(全英8位)など4曲のシングルヒットを生み出した本作は、アルバム自体も初の全英1位を獲得。当時のムーブメントの影響もあるとはいえ、こういう土着的なロックは90年代後半のイギリスで受け入れられたという事実は今考えると、非常に興味深いものがありますね。



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2017年1月 9日 (月)

祝ご成人(1996年4月〜1997年3月発売の洋楽アルバム20枚)

新成人の皆さん、おめでとうございます。2014年度に初めて実施したこの企画、今回で3回目を迎えます。今年も新成人の皆さんが生まれた年(学年的に1996年4月〜1997年3月の期間)にリリースされた洋楽アルバムの中から、個人的思い入れがある作品を20枚ピックアップしました。どれも名盤ばかりなので、もし聴いたことがないという作品がありましたら、この機会にお手にしてみてはいかがでしょうか。とは言いながらも大半が名盤中の名盤なので、聴いたことがあるものばかりかもしれませんが。

作品の並びはすべてアルファベット順です。(2014年度の新成人編はこちら、2015年度の新成人編はこちらです)


ATARI TEENAGE RIOT『THE FUTURE OF WAR』(Amazon

BECK『ODELAY』(Amazon

BLUR『BLUR』(Amazon)(レビュー

DEF LEPPARD『SLANG』(Amazon)(レビュー

THE HELLACOPTERS『SUPERSHITTY TO THE MAX!』(Amazon)(レビュー

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2016年1月10日 (日)

祝ご成人(1995年4月〜1996年3月発売の洋楽アルバム20枚)

新成人の皆さん、おめでとうございます。昨年度に初めて実施したこの企画、今回も新成人の皆さんが生まれた年(学年的に1995年4月〜1996年3月の期間)にリリースされた洋楽アルバムの中から、個人的思い入れがある作品を20枚ピックアップしました。どれも名盤ばかりなので、もし聴いたことがないという作品がありましたら、この機会にお手にしてみてはいかがでしょうか。とは言いながらも大半が名盤中の名盤なので、聴いたことがあるものばかりかもしれませんが。

並びはすべてアルファベット順です。(2014年度の新成人編はこちら


Alice in Chains『Alice in Chains』(Amazon)(レビュー

Ben Folds Five『Ben Folds Five』(Amazon

Björk『Post』(Amazon

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