カテゴリー「Reef」の9件の記事

2019年9月 3日 (火)

REEF『RIDES』(1999)

1999年4月にリリースされた、REEFの3rdアルバム。

前作『GLOW』(1997年)が全英1位とバカ売れし、同作から「Place Your Hands」(同6位)、「Come Back Brighter」(同8位)、「Consideration」(同13位)、「Yer Old」(同21位)とヒットシングルが連発。サウンドそのものはオールドスークルなブリティッシュロックでしたが、ブリットポップ末期の波にうまく乗ることができた結果、トップバンドの仲間入りを果たすことができました。

続く本作は、ブレイクした前作の延長線上にありながらもより無駄を削ぎ落とした、“バンドの芯”のみで勝負する意欲作。ポップさよりもハードさが際立つぶん、全キャリア中もっともハードロック色の強い内容に仕上がっています。

まず、オープニングの「New Bird」(全英73位)のヘヴィ&グルーヴィー、かつスリリングな演奏&アレンジからしてハードロック以外の何者でもありませんよね。ゲイリー・ストリンガー(Vo)のボーカルも冴え渡っているし、散々ヘタだと言われてきた(一部でね)ジャック・ベサント(B)のベースもゴリゴリいいながらキラリと光るプレイを聴かせてくれる。ケンウィン・ハウス(G)のギタープレイ/フレージング、ドミニク・グリーンスミス(Dr)のドラミングも文句なしのカッコよさですしね。

かと思えば、2曲目でいきなりレイドバックした「I've Got Something To Say」(全英15位)が飛び出したり、地味ながらもボディブローのようにじわじわ効いてくるミドルチューン「Wandering」「Metro」などがあり、グルーヴィーなドラッドポップ「Sweety」(全英46位)やじっくり聴かせるフォーキーなバラード「Locked Inside」もある。

後半でも「New Bird」にも匹敵するヘヴィな「Back In My Place」に再びノックアウトされ、REEF流ブルースハードロック「Undone And Sober」、本作では珍しいストレートなロックチューン「Who You Are」、じっくり歌を聴かせる「Love Feeder」やファンキーな「Moaner Snap」、ゲイリーのファルセットが心地よい壮大な「Funny Feeling」、アルバムを静かに締めくくるアコースティックナンバー「Electric Sunday」と、とにかくバラエティ豊かな楽曲がずらり。内容の多彩さでいえば前作以上なのですが、トーンが調整されているため統一感が強まっています。そういう意味では、なぜか前作よりも地味なんですよね。

その地味さが災いしてか、大きなシングルヒットが生まれることはなく、アルバム自体も前作の1位には届かず、最高3位止まりでした。それでもヒット作には違いないんだけどね。

ちょうどブリットポップが終焉を迎えたこともあり、その枠で括られていたバンドたちの動向が注目されていましたが、REEFはその翌年に早くも4thアルバム『GETAWAY』(2000年)を発表。2003年初頭(日本では2002年末)には5thアルバム用に制作された新録曲を含むベストアルバム『TOGETHER, THE BEST OF…』を発表してバンドは解散してしまいます。

悪いアルバムではないのですが、“芯”をむき出しにしたことでバンドが傾き始めてしまったという。タイミングも悪かったですけどね。とはいえ、(ブリットポップではなく)ブリティッシュロック/ブリティッシュハードロックとしては非常に優れた作品ですので、クラシックロックファンやハードロックファンに触れてほしい1枚です。

 


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2018年6月25日 (月)

REEF『REVELATION』(2018)

イギリスの4人組ロックバンド、REEFの通算5枚目となるスタジオアルバム。前作が『GETAWAY』(2000年)だから、実に18年ぶりですか……まあ2003年に一度解散して、2010年に再結成しているので、それも納得っちゃあ納得ですけどね。

現在のバンドメンバーはゲイリー・ストリンガー(Vo/最近SKINDREDの新作『BIG TINGS』にもゲスト参加してました)、ジャック・ベサント(B)、ドミニク・グリーンスミス(Dr)のオリジナルメンバーに、2015年に加入したジェシー・ウッド(G/ストーンズのロニー・ウッドの実子)の4人。再結成以降、2012年には過去の音源と2002年に制作途中で頓挫した幻の5thアルバムのデモ音源をまとめたボックスセット『93/03』、2013年には配信限定ライブアルバム『LIVE FROM METROPOLIS STUDIO』、2014年にはシングル「Barking At Trees」、2016年にはライブアルバム『LIVE AT ST. IVES』とシングル「How I Got Over」といろいろ発表してきたものの、純粋なオリジナルアルバムは本当に久しぶりなんですね。

本作のプロデュースは名盤『GLOW』(1997年)や『RIDES』(1999年)を手がけたジョージ・ドラキュリアス(THE BLACK CROWESPRIMAL SCREAMKULA SHAKERRIDEなど)が担当。18年の空白をまったく感じさせない、『GLOW』や『RIDES』から地続きの楽曲やサウンドを楽しむことができます。

オープニングのタイトルチューン「Revelation」からいきなり飛ばしてきますが、シェリル・クロウをフィーチャーした2曲目「My Sweet Love」以降はいかにも彼ららしい、ユルくてまったりとしながらも地に足の着いた、グルーヴィーでアーシーなロックンロールが展開されていきます。

いやあ、良い意味で何も変わってない。いや、表層的には変わってないけど、ボーカルやサウンドからは以前以上の深みが感じられる。単に18年分歳を重ねたというのも大きいけど、再結成以降はライブを軸にマイペースな活動を続けてきた彼らならではの説得力が大きいのかなと。

確かに『GLOW』と比べたら勢いはないのかもしれないし、あれほどの奇跡的な整合感はないかもしれない。けど、聴けば間違いなく「これぞREEF!」と納得できる内容。このバンドに何を求めるかによって評価は異なるかもしれないけど、少なくとも彼らの作品を複数追ってきたリスナーにはぴったりフィットする内容だと思います。

ちなみに、本作には3曲のカバー曲を収録。2年前にシングルリリースされた「How I Got Over」はアレサ・フランクリンなどで知られるゴスペルのスタンダート、「Darling Be Home Soon」はTHE LOVIN' SPOONFULが1967年に発表して全米15位まで上昇したナンバー、「Like A Ship (Without A Sail)」はPASTOR T.L. BARRETT & THE YOUTH FOR CHRIST CHOIRが1971年に発表したソウルナンバー。それぞれ原曲の雰囲気を残しつつ、よりREEFらしく生まれ変わっています。「How I Got Over」や「Like A Ship (Without A Sail)」なんてゴスペル隊までフィーチャーしてゴージャスさが増しているし、「Darling Be Home Soon」はフォーキーな原曲がよりファンクロック調に生まれ変わっている。特に「Darling Be Home Soon」や「Like A Ship (Without A Sail)」あたりは、90年代初頭のマンチェムーブメントを彷彿とさせるものがあるので、あのへんのダンサブルでソウル寄りのバンドが好きだった人にもオススメできるかも。

本作は日本盤リリースなし、デジタルリリースやストリーミングも今のところ国内配信なし。なのに、9月には実に15年ぶりの来日公演が決定しています。もしかしたら直近に国内盤リリースが決まってるのかな? せっかく来日するのに勿体ないですよね。ぜひしっかり流通させてもらいたいと思います。

※追記
2018年10月3日にボーナスディスク付き形態で日本盤がリリースされました。



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2018年5月13日 (日)

SKINDRED『BIG TINGS』(2018)

2018年4月にリリースされたSKINDREDの通算7作目のスタジオアルバム。前作『VOLUME』(2015年)発売後、2016年春と2017年秋の2度にわたり来日公演を行い、前者ではCrossfaithをはじめとする国内勢らと共演、後者では『LOUD PARK』という国内最大級のメタルフェスでパフォーマンスしました。これまでSiMやCrossfaithなどの国内ラウドロックバンドと共演することが多く、そちら側のリスナーにはある程度知られていたものの、生粋のメタルファンには「レゲエメタル? そんな邪道」と若干敬遠されていたところもあったのではないでしょうか。それが、あのライブパフォーマンスを観て、いや見せられてしまったら、みんなイチコロですよね。

また、特に彼らのアルバムはアルバムごとに国内でのリリース先がコロコロ変わり、情報が得難いことも少なくありませんでしたが、今回は前作から引き続き国内盤はビクターから発売。前作での来日も好評だったので、きっと今回も……期待しています(笑)。

さて、国内盤を購入した方ならすでにご存知かもしれませんが、本作のライナーノーツを筆者が担当させていただきました。実は、このライナー執筆後にメンバーのベンジー・ウェッブ(Vo)にインタビューする機会を得まして、そちらが『BURRN!』6月号に掲載中です。ライナーでは拾いきれなかった情報(メンバーの脱退やレコーディングに関して)も多数フィーチャーされておりますので、ぜひ併せてチェックしていただけると幸いです。

ということで、以上の資料を読んでいただければ、本作の素晴らしさは十分伝わると思うので、今回はこれにて……というわけにはいかないですよね(苦笑)。まだ聴いてない!っていう人は、『VOLUME』のレビューを読んでからこちらを読んでいただいて……。

基本的には、路線は前作から大きくは変わっていません。ただ、若干ストレートな作風かな?といった程度の変化はありまして、それがメタルファンにとっては聴きやすさにつながっているのではないでしょうか。特にリードトラックの「Machine」はAC/DCを彷彿とさせる軽快なロックンロールですし、ゲストボーカルでREEFのゲイリー・ストリンガー、ギターソロで元MOTÖRHEAD、現PHIL CAMPBELL AND THE BASTARD SONSのフィル・キャンベルが参加しているので、よりとっつきやすいと思います。

それ以外の楽曲もレッチリほどファンクというわけでもなく、レゲエ要素も味付けとして曲の幅を広げることに成功してますし。前作が好きなら間違いなく気にいる1枚ですし、前作を聴いてなくても存分に楽しめる入門編的な1枚ではないかと断言します。はい。

なお、日本盤のみボーナストラックとしてマックス・ロメロというレゲエシンガーの代表曲「Chase The Devil」をパンキッシュにカバーしております。パンクとレゲエはもともと地続きな存在ですし、このアレンジは納得の一言。残念ながら配信バージョンでは聴けないので、気になる方はぜひ国内盤を購入いただけますと(クドイですね。笑)。

インタビュー時にはまだ来日は決まっていないという話でしたが、ぜひこの際また10月に来日していただいて、そのタイミングに小箱での単独公演も……お願いします!



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2017年8月23日 (水)

REEF『GLOW』(1997)

ブリットポップ全盛のイギリスで、無骨でオールドスクールなハードロックとダンサブルなビートを取り入れたデビュー作『REPLENISH』(1995年)が全英トップ10入りを果たすなど、いきなり好成績を残したREEF。彼らが1997年1月に発表したのが、今回紹介する2ndアルバム『GLOW』です。

デビューアルバムでは古臭さとモダンさがミックスされた、非常に“イマドキ”感を匂わせた存在で、当時は音源自体は好きだったけどそこまでのめり込むほどではなかったんですが……この2ndアルバムに先駆けてリリースされたシングル「Place Your Hands」によって、それまでの印象を一新されてしまったのでした。

本作のプロデュースを手がけたのは、THE BLACK CROWESの諸作品やPRIMAL SCREAM『GIVE OUT BUT DON'T GIVE UP』(1994年)、RIDE『CARNIVAL OF LIGHT』(1994年)などで知られるジョージ・ドラクリアス。アルバム全体はこれらのアーティスト、作品から想像できるアーシーで生々しい、ストロングスタイルのロックアルバムに仕上げられています。

デビューアルバムではどこか線の細さが感じられたゲイリー・ストリンガー(Vo)の歌声も、「Place Your Hands」を聴けばわかるように非常に骨太に進化しているし、「Consideration」のようなゴスペルバラードではファルセットを駆使した艶やかな声も聞かせてくれる。楽曲自体もどれもよく練り込まれたものばかりで、「Yer Old」みたいな高速ナンバーから、『STICKY FINGERS』(1971年)期のROLLING STONESを彷彿とさせる「Summer's In Bloom」、モダンなダンスミュージック色を導入した「Robot Riff」など単なるロックンロールアルバムでは済まされない、バラエティ豊かな1枚となっています。このへんはうまく時流に乗った、と受け取ることもできるでしょうけど、デビュー作の時点で持ち合わせていたモダンさが単に後退しただけでなく、見えないところでエッセンスとして効いていると理解するのが正解かもしれません。

「Place Your Hands」(全英6位)や「Come Back Brighter」(全英8位)など4曲のシングルヒットを生み出した本作は、アルバム自体も初の全英1位を獲得。当時のムーブメントの影響もあるとはいえ、こういう土着的なロックは90年代後半のイギリスで受け入れられたという事実は今考えると、非常に興味深いものがありますね。



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2017年1月 9日 (月)

祝ご成人(1996年4月〜1997年3月発売の洋楽アルバム20枚)

新成人の皆さん、おめでとうございます。2014年度に初めて実施したこの企画、今回で3回目を迎えます。今年も新成人の皆さんが生まれた年(学年的に1996年4月〜1997年3月の期間)にリリースされた洋楽アルバムの中から、個人的思い入れがある作品を20枚ピックアップしました。どれも名盤ばかりなので、もし聴いたことがないという作品がありましたら、この機会にお手にしてみてはいかがでしょうか。とは言いながらも大半が名盤中の名盤なので、聴いたことがあるものばかりかもしれませんが。

作品の並びはすべてアルファベット順です。(2014年度の新成人編はこちら、2015年度の新成人編はこちらです)


ATARI TEENAGE RIOT『THE FUTURE OF WAR』(Amazon

BECK『ODELAY』(Amazon

BLUR『BLUR』(Amazon)(レビュー

DEF LEPPARD『SLANG』(Amazon)(レビュー

THE HELLACOPTERS『SUPERSHITTY TO THE MAX!』(Amazon)(レビュー

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2016年1月10日 (日)

祝ご成人(1995年4月〜1996年3月発売の洋楽アルバム20枚)

新成人の皆さん、おめでとうございます。昨年度に初めて実施したこの企画、今回も新成人の皆さんが生まれた年(学年的に1995年4月〜1996年3月の期間)にリリースされた洋楽アルバムの中から、個人的思い入れがある作品を20枚ピックアップしました。どれも名盤ばかりなので、もし聴いたことがないという作品がありましたら、この機会にお手にしてみてはいかがでしょうか。とは言いながらも大半が名盤中の名盤なので、聴いたことがあるものばかりかもしれませんが。

並びはすべてアルファベット順です。(2015年の新成人編はこちら


Alice in Chains『Alice in Chains』(Amazon)(レビュー

Ben Folds Five『Ben Folds Five』(Amazon

Björk『Post』(Amazon

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2003年12月 2日 (火)

REEF『TOGETHER, THE BEST OF...』(2002)

昨日の更新でLED ZEPPELIN『HOW THE WEST WAS WON』というライヴ盤を取り上げましたが、あの音源自体30年以上も前のものなんですが、全然色褪せてないんですよ。所謂「ブリティッシュ・ロック」と呼ばれるスタイルの基本となるものの全てがあそこに凝縮されているという意味でも、非常に興味深い作品であると同時に‥‥果たして最近のバンドでこういったスタイルを受け継いでいるバンドがどれくらいいるのか‥‥非常に気になるところです。

よくZEPをハードロックバンドとして捉える人がいます。それも間違いではありませんが‥‥そうすると、後期に行くに従って徐々に苦しくなるわけです。そういったスタイルからかけ離れていくわけですし。そういった意味での「ハードロック的側面の後継者」というのは、これまでもかなりの数いたと思うんですが、もっと広意義での「ロックバンド」となると‥‥特に'90年代以降のイギリスにはあまりいなかったように思います。そんな中、THE STONE ROSESがセカンドアルバム『SECOND COMING』で示したスタイルというのは正しく「'90年代的ZEPスタイル」でした(が、ファンには不評でしたが)。同じようなスタイルで考えると昨年ブレイクしたTHE MUSICもこの系譜に入るでしょう。

しかしもっと泥臭い、コテコテなスタイルとなると‥‥これが本当に数少ない。自分が思いつく限りでは、今回紹介するREEFくらいじゃないでしょうか。他にももっといたんでしょうけど、セールス的にも成功を収めたバンドとなると、やはりREEFしか思いつきません。上記の2バンドが非常に現代的でスタイリッシュなのに対し、このREEFはホントに時代遅れで、何もこんなことを21世紀目前にやらなくても‥‥と呆れてしまうようなど真ん中の剛速球を投げ続けてきたんですから。そんな直球勝負の歴史を綴ったのが、今回紹介するベストアルバム『TOGETHER, THE BEST OF...』。日本では2002年の秋に先行発売され、本国イギリスでは今年2003年初頭になってようやくリリースされたこのアルバム、歴史を総括する以上の意味合いを持つ1枚となってしまいました。

所謂シングルヒットを殆ど抑えた内容になっていて(勿論選外になった曲もあるんですが、大ヒットナンバーはほぼ収録されてます)、ファーストアルバムから2曲、ファースト『REPLENISH』未収録のシングル1曲、大ヒットしたセカンド『GLOW』から4曲、サード『RIDES』からは1曲(何故「New Bird」を外したんだよ!!)、4作目『GETAWAY』からも1曲という形になってます。まぁ確かにサードと4作目は大ヒットには程遠いし(サードはそれでもまだトップ10入りしたんだよね。4枚目は10位圏外だったけど)、大ヒットしたセカンドからのシングルは全部入ってるんで、入門編としては非常に重宝する内容かと思います。

そしてこのアルバムの凄いところは、それ以外に新曲が5曲収録されている点でしょう。ポップでストレートな方向に移行した『GETAWAY』路線ではなく、サード以前の泥臭いルーズでグルーヴィーなロックンロール路線に回帰している点が非常に興味深く、「やっぱ小難しいこと、俺達にゃ無理!」という開き直りすら感じられます。自分達が最も得意とする方法で、更に純度の高いモノを生み出す。これが功を奏し、ただのベスト盤というよりも「REEFの第2章」を予感させる内容になってるんですね。プロデューサーもセカンドやサードを手掛けたジョージ・ドラクリアスが復帰、正に「あの時代」を彷彿させる作風で、好きな人にはたまらない内容になってます。

日本盤には更に2曲の新曲(内1曲はスティーヴィー・ワンダーのカバー「Love Having You Around」)がボーナストラックとして追加収録されてます。これはシングルカットされた新曲「Give Me Your Love」のカップリング用にレコーディングされた曲なんですが、これらを含めると都合7曲の新曲が聴けることになります。既出ヒット曲が9曲に新録曲が7曲。バランスとしては最高じゃないでしょうか? ベスト盤だからいいや‥‥とかいって無視すると罰が当たりそうな程に豪華で、重要な1枚。ブリティッシュ・ロック好きを自称する人なら絶対に聴くべき1枚ですよ、これ。

上で「歴史を総括する以上の意味合いを持つ1枚」と書きましたが、正にそういうことなんです。ところが‥‥それだけでは済まなくなってしまったんですね。まず‥‥ま、ベスト盤リリースの時点で何となく想像がついてましたが‥‥このベスト盤リリースを機に、REEFはレーベルからドロップしてしまいます。更にドラムのドミニクが脱退してしまったという話が飛び込んできてます(今年4月には来日公演も行ってるし、6月にはインディーズ・レーベルから新曲「Waster」もリリースしてるので、恐らくその後のことなんでしょうね)。今後を占う意味でも非常に重要な作品だったのに、ホントの意味での一区切りとなる作品集になってしまうとは‥‥残念でなりません。

とにかくこのアルバム、日本盤をオススメします。全16曲で60分にも満たない、本当に濃い作品集ですよ。「グルーヴって何さ?」とか言ってる人、これ聴けば判りますから。

 


▼REEF『TOGETHER, THE BEST OF...』
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2000年11月15日 (水)

REEF『GETAWAY』(2000)

前作「RIDES」('99) からたったの1年4ヶ月で届けられた、REEFの4作目となるアルバム。プロデューサーを2作目「GLOW」('97)と前作を手掛けたジョージ・ドラキュリアスからアル・クレイ(STEREOPHONICS, THERAPY?, WiLDHEARTS等)に変え、スタイル的にもこれまでよりも一歩前進させた、意欲作となっている。それにしてもこいつら、今年の2月には前作のツアーで来日し、こないだ(8月)にはサマーソニックで再来日してるのに、一体いつの間にアルバムなんて作ったんだよ!?(って3月から7月の間ですね、ハイ/笑)前作のセールス的失速が原因なのか、こんなハイペースでのリリースは? まぁファンとしては素晴らしいバンドの素晴らしいアルバムがもう1枚、こんなに早く聴けるんだから嬉しいけどね?

意欲作って事で、これまでとはちょっと違う面を打ち出しているこのアルバム。まず、聴いて貰えば判る通り、楽曲のテンポアップを図っている。サマーソニックでも披露されたM-1~3("Set The Record Straight", "Superhero", "Getaway")のハイパー振りには、当日のライヴを体験した俺も驚いた。特に"Superhero"なんてツェッペリンの"The Song Remains The Same"みたいなリフを持った、素晴らしいロック・アンセムだ。楽曲の良さに関しては文句なし。前作でのグルーヴィーな曲とアコースティカルな曲を全面に出した作りから更に新たな地点にたどり着いた印象を受ける。勿 論、従来通りのグルーヴィーな楽曲もあれば、男泣きのバラードもある。この手のロックが好きな人間にはたまらない内容だ。

さて、ここで改めて彼等の素晴らしさを説くのも面白みに欠けるので、ちょっと視点を変えて‥‥「逆猿メタル」的お薦めをしてみようかと思う。逆猿メタル‥‥つまり、メタル・オンリーの方々にもお薦め出来る作品という視点で語っていこうかと ‥‥

まず‥‥REEFというバンド。俺は彼等を「現代のHUMBLE PIE」だと思っている。よく俺はTHUNDERとREEFを比較してきた。オールドスタイルのブリティッシュロックを伝承するバンドとして、常にに注目していた。世間がブリットポップだ何だと大騒ぎしてた中、これらのバンドは「周りなんて関係ねぇぜ」てな感じで独走してきた。特にブームの真っ直中にデビューしたREEFはその煽りを受けてもいいものの、全く無関係な立ち位置を取り、成功を勝ち取ってきた。

THUNDERを俺は「現代のFREE/BAD COMPANY」と表現した事がある。ブルーズ寄りのFREEと比べると、HUMBLE PIEにはソウルやゴスペルの要素を感じる事ができる(勿論、ブルーズの要素だってあるだろう)。ただここで言っておきたいのは、両バンド共にブルーズやゴスペルの影響は受けているだろうという事。特にその色が濃く現れているという意味で、それぞれを「現代の~」と表現しているので、勘違いなさらないように‥‥

これまでのREEFというと、特にセカンドの音の感触が「STICKY FINGERS」(ROLLING STONESが1971年に発表した名作)みたいだという事からROLLING STONESと比較される事があった。実際にREEFはストーンズの前座もやったしね。まぁ伝統的なブルーズロックを体現しているという意味では、ストーンズと比較されるのも判らんでもないけど‥‥1枚目の頃はFREEとか言われてなかったっけ?(笑)で、そんな彼 らがよりアーシーなサウンドにシフトチェンジしようとしたのが前作「RIDES」だったように思う。そしてその完成型により近づいた(よりナチュラルになった)のが、今回の「GETAWAY」なのではないだろうか?

さて、そのHAMBLE PIEというと、HM/HRファンはあるバンドを思い浮かべないだろうか?‥‥ちょっと強引だけど、彼らの曲"30 Days In A Hole"をカバーした、あのMR.BIG。今回の「GETAWAY」を最初に聴いた時、MR.BIG(ファーストの頃や、リッチー・コッツェン加入後の最近に限定)をまず思い浮かべた。もっと金属的なサウンドだったら、間違いなくMR.BIGだ。特に今作のM-5バラード"All I Want"なんてMR.BIGの"Just Take My Heart"みたいだし(特にサビメロがかなりいい感じに似てる)。他にも共通点は山程ある。REEFのギタリスト、ケンウィンがテレキャスターをよく使っているが、MR.BIGの2代目ギタリスト、リッチー・コッツェンもテレキャスターをメインに使っている。ベーシストが両バンド共よく暴れる(笑)、等々。多少こじつけているが‥‥それでもエリック・マーティンとゲイリー・ストリンガーが共にソウルフルな歌い手だという点は間違いなく共通しているし、その歌をバンドの軸としている点、楽器隊が個々を主張しながら歌を見事にバックアップしている点、楽曲に独特なグルーヴ感が存在する点‥‥もし、互いのバンドの曲を交換して演奏したら(例えばREEFがMR.BIGの"Superfantastic"を、MR.BIGがREEFの"Place Your Hands"を)意外とハマるんじゃないだろうか? もし機会があったら、シングルのカップリングにでも如何だろうか?

てなわけで、意外な共通点を今回は紹介してみたが、もしMR.BIGとかあの辺のブルージーなロックが好きなHM/HRファンがこれを読んでいたら、騙されたと思って一度、REEFの「GETAWAY」に手をだしてもらいたい。こういう音が好きなら、どこかしらリンクするところがあるはずだ。



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2000年8月14日 (月)

「SUMMER SONIC 2000」DAY 1@富士急ハイランド・コニファーフォレスト(2000年8月5日)

  SUMMER SONIC 2000のライヴ・レポートです。音楽以外の、純粋にイベントに対して思ったことは日記の方にまとめたので、そちらも併せてご覧ください。


◎SPRING NO.1

  「SPRING NO.1」‥‥何のことはない、春一番のことだ。(笑)オープニングMCを務めることになったわけだが、司会の男性のコールに合わせて流れた音楽は‥‥そう、アントニオ猪木の入場テーマ! 勿論会場が一丸となって唄う。そして登場した春一番は白の闘魂ガウンを着て現れた。開口一発「元気ですかーっ!!」場内大歓声&大爆笑。当然大喜びする俺。今日はこんなに大勢の人が集まってくれてとても嬉しいこと、そして今日一番楽しみにしているアーティストはジェームズ・ブラウンだということを、司会者に質問され答えた。最後に彼は「道はどんなに険しくても、笑って歩いていこうぜ」ってなことを言って(合ってるかな?)、お約束の「いくぞーっ、いーっち、にーい、さーん、ダァーッ!!!」を会場と一丸になって叫ぶ。そして大きな拍手。間違いなく、会場がひとつになった瞬間だ。そう、どんなアーティストよりも。(笑)もうつかみはOKってとこだろうか? 一番見れて嬉しかったのは、実は俺だったのかもね?


◎MUSE

  富士急でのトップバッターはイギリスからの新人トリオ、MUSEだ。この春に発売されたファーストアルバムは雑誌等で話題になったようだが、今年に入ってその手の雑誌を読まなくなった自分にとっては、今回が音・ビジュアル共に初体験である。実は会場入りする前に1~2曲だけ、アルバムを聴かせてもらったのだけど、いまいちピンとこなかった。早朝、高速を飛ばしてる最中の車の中というシチュエーションには合わない音だったのは確かだろう。

  ステージに登場したメンバーは簡単な挨拶を交わした後に演奏を開始した。髪の青いギタリストがボーカルを兼任している。声質や高音の地声から裏声に切り替わる辺りの発声が確かにRADIOHEADのトム・ヨークに似てなくもないが、音楽的にはそれ程RADIOHEADっぽいとは感じなかった。むしろ、そのRADIOHEADも間接的に影響を受けているであろうKING CRIMSONのアンサンブルに近いものを感じた。ギターもトム・モレノやロバート・フリップからの影響が伺える効果音的ギタープレイが随所に登場し、聴いてて気持ちいい。演奏全体がとてもヘヴィで、想像していたものとは違った(もっと内向的で、イギリス特有の根暗ロックかと思っていたが)。メロディは確かに潤いあるヨーロッパ色を感じさせたが、それを支えるバックは昨今のヘヴィロックにも負けない力強さを感じた。アルバムはそれ程ヘヴィと感じなかったが‥‥俺の好みかというと、それ程「最高!」とまで感じなかったのも、また事実。あの炎天下の野外という環境も合わなかったのかもしれないし、トップバッターということもあって、こっちも構えてしまっていたし。ただ、これを切っ掛けにアルバムだけはちゃんと聴いてみようと思う。それ次第では10月の単独公演にも足を運ぶかもしれないし。悪くはないが最高でもない、それが第一印象だろうか。


◎REEF

  本来なら昨年KULA SHAKERを脱退したクリスピアン・ミルズの、ソロとしての初ステージとなるはずだったが、急遽DUST BROTHERSとのレコーディングが決定したため、残念ながら出演キャンセルとなり、それに代わって登場となったのが、俺も大好きなREEFである。なにげに初REEFだったんだわ、これが。アルバムはこれほど聴き込んでるくせして、初ライヴ。しかも野外。とっても野外が合うバンド/音だと思うよ♪

  ステージに登場したボーカルのゲイリーは、既に上半身裸だった。おおっ、体毛濃いぃなぁ。(笑)いきなり"Place Your Hands"からスタートするとは、反則モノだ!! MUSEよりもお客が少なくなっていたにも関わらず、このスタートに客席にいた者は歓声を上げ、一緒に大声で唄いながら踊った。この日はこれまでのシングルヒット曲を中心に、8月下旬にもうリリースされてしまう4枚目のアルバム「GETAWAY」からの新曲3曲も披露された。新曲はこれまでよりもストレートな印象を受けたが、メンバーの演奏力とゲイリーの歌唱力/テクニックの向上によって、より深みを感じ取ることが出来た。興味深かったのは前作「RIDES」からはたった1曲しか選曲されていなかったこと。今となっては気に入っていないのか、それとも単に演奏時間の関係上削っただけなのか‥‥俺としてはREEF史上ベスト3に入る"New Bird"が聴きたかったのだが‥‥

  メディア等で「ベースは煽るだけ煽って、演奏が疎かになる」という話を耳にしていたが、確かに1番よく動いていたが、それ程下手とも感じなかったし、あれはあれでいいと思った。むしろ、ああいう「おバカ・キャラ」がいなきゃバンドとしては‥‥ねぇ? そうそう、"Good Feeling"の時だったかな。ゲイリー、ステージから降りてお客と握手したり、柵に登ったりしてた。(笑)そして、そこから客席にダイブ!(爆)何か下にいた女の子が潰されてしまったみたいで、ちょっと前のブロックが大騒ぎ。ゲイリー、バツが悪そうにステージに戻っていった。(笑)その後も何度もステージから降りたけど、スタッフに注意されたのかどうか知らないが、あまりお客にタッチしていなかったように思う(少なくとも、モニターで見た限りでは)。けど、お客の煽りはこの日一番だった。ドラムも途中で感極まったのか、フロアタムをドラムライザーから蹴り落とすし。(笑)もうハチャメチャ(そういえば、この人達初来日の時もリキッドルームでの「ナニシテモイイヨ事件」という前科があるしな/笑)。勿論曲はグレイテスト・ヒッツ的内容だし、演奏はガッチリしてるし。ただアクが強い分、MUSEが好きっていう「ごく一般的な」UKロックファンには敬遠されてしまうのね。こんなにかっこいいのに‥‥間違いなく、この日のベストアクトでしょう! 次は絶対に単独公演、行くもんね‥‥と思ってたら、何と早くも来年1月に再来日決定!!!


◎THE MAD CAPSULE MARKETS

  こいつら見たさにフジロック蹴って、こっちを選んだようなもんだから。ステージに現れたメンバーは3人‥‥あれ、ひとり足りない‥‥ギターでしょ、ドラムでしょ、ベース‥‥あれ、ベース持ってない。ターンテーブルみたいなの、いじってる。そう、いきなり未発表のインストナンバーからスタート。これがアップテンポで気持ちいい曲だった。そして曲終了と共にボーカルが登場し、「OSC-DIS」の1曲目"Tribe"がスタート。最前ブロックでは既にボディサーファーやダイブする者が続出。そうそう、こうじゃなくっちゃ! 禁止されてても、やっちゃうんだよなぁ‥‥たとえ怪我したとしてもそれは自分の責任だし、周りも怪我させないように気遣って協力してくれる。最近のヘヴィ系やパンク系のライヴでよく見かける光景だが、すごく一体感を感じる瞬間だ。個々が楽しければいいのではなく、みんなで楽しくやる、みんなで盛り上げる。ここ10年くらいで日本もライヴの流れが随分と変わった気がするな。

  この日の選曲は新曲2曲と前作からの"Systematic"以外は、最新アルバムからの曲だった。コアなファンは「もっと昔の曲を‥‥」って不満だったようだが、俺は大満足だった。だって、俺が本格的にのめり込んで聴くようになったの、「OSC-DIS」からだし。勿論前作も好きだけどね。その新曲2曲の内、もう1曲はとてもサイケ色が強いミディアムヘヴィナンバーだった。所謂サビのパートにくるまでギターが入らず、ベースが独特な和音を奏でていた。そこにラップ調ボーカルが乗り、サビでドカーン‥‥ともならず、メロウなサビだけど意外と単調な感じの曲だった。何となくだけど、DEFTONESの新作で感じた冷たさと同じものを感じたのは俺だけだろうか? もしマッドの新作がこういう方向にいくとしたら、それはそれで興味深い。常に前進するバンドなだけに、それもアリだと思う。

  とにかく「上手いな」と思った。前のREEFとは正反対のタイプかもしれないが、それぞれがやはり一流のプレイヤーと一流のパフォーマーの集まりなんだと思う。シーケンサーを中心にバンドが動くわけだが、ドラムは機械以上に暴力性を感じさせるプレイで気持ちよくさせてくれたし、ギターのザクザクしたクランチも気持ちよかった。ただ残念なのは、音響の酷さだろうか。こういうタイプのバンドの場合、どうしても野外だと全体がグシャッとしてしまって、聴き難くなる。けど、それに負けないだけのパワーと熱意を感じ、それを受け取った。十分だった。足が痛くなる程踊ったし。また観たい、素直にそう思わせてくれるパフォーマンスだった。


◎DRAGON ASH

  マッドの後、休憩をした為に311やアレステッド、SUPERCARといったところは断念した。明日もあるし。やはり去年フジロック3日間での教訓が活かされているのだろうか、すごくマイペースに観てる気がする。最前ブロックに行くこともなかったし(単に歳だ、っていう話もあるが/笑)

  さて、DRAGON ASH。実はこいつらも初めて観る。音は随分聴いてきた気がするけど、まぁ最近ではチケットも取り難くなったし、こういう機会でもないと観れないだろうから、俺は大歓迎だった。けど、多くの「自称」ロックファンにとっては休憩タイムだったようだ。いいけどね、こんなにガラガラな環境で彼等が観れるなんてさ、得した気分だし。

  実はDRAGON ASHが今回、どういう方法で自分達をアピールするかが結構楽しみだった。ひとつはこれまで通りのヒップホップ路線を誇示する形。まぁアルバム「VIVA LA REVOLUTION」を中心とした選曲かな、と。そしてもうひとつが‥‥絶対にないとは判っていたが‥‥フェス仕様の、ヒット曲のオンパレード。つまり最近では殆ど演奏されることもなくなったであろう"陽はまたのぼりくりかえす"や"Under Age's Song"を最近のヒット曲と一緒に演奏してしまう、本来のミクスチャーバンドとしての形。ないと判っていても、やっぱり期待してしまう。

  で、実際はどうだったかというと‥‥言うまでもなく、前者でした。(笑)「VIVA LA REVOLUTION」からパンクナンバーを抜いて、最近のシングル2枚("Deep Impact"、"Summer Tribe")を追加した形。すごく潔かった。アレステッドとJBに挟まれるという、'97年フジロックでのレイジとレッチリに挟まれたイエモン状態だったのも関わらず、気負いせずに最高のパフォーマンスを見せてくれた。思ってた以上に降谷がお客に対して紳士的だったのがとても意外だった。前の方の熱心なお客以外は冷めた目で彼等を見つめていた。ヒップホップがこれだけ市民権を得ていても、やっぱ今日のお客にはキツいのかね?とも思ったが‥‥やっぱ別の理由からだろう。(苦笑)

  ここで俺の中で1回目のピークが‥‥ライヴ後半に登場した大ヒット曲"Let Yourself Go, Let Myself Go"のイントロを聴いた瞬間、鳥肌が立った。そしてそれまで静かだった後方からも歓声が。やっぱりヒット曲を持っているバンドは強い。降谷や馬場は右へ左へと大忙し。それがまた嫌みになってないからかっこいい。続けざまに"Deep Impact"に突入‥‥いいのか? だってこの曲ではラッパ我リヤが重要なパートを受け持っているのに‥‥サンプリングで済ますのか、と思っていた。それにしては声が生々しいな、と感じていたら‥‥ステージ袖から見覚えのある2人が‥‥ラッパ我リヤだった! 何とDRAGON ASHはラッパ我リヤをスペシャルゲストとして、この1曲だけのために連れてきていたのだ。おお、こりゃお得だわ! お客とのコミュニケーションもうまくいき、最後の曲として「みんなが一番好きな曲をやります」と降谷。おおっ!?と思ったが、そこは今の彼等。最後に披露されたのは"Viva La Revolution"だったという‥‥(苦笑)けど、気持ちよかったな。すごく感動的だったし。それまで彼等に見向きもしていなかった俺の周りのお客も、この時には彼等に夢中になっていた。やっぱり変な色眼鏡を抜きにして、実際に体験してしまえば彼等の良さが判るのよ‥‥勝ったんだよね、彼等は。そして最後の最後まで自分達のファン以外のお客にも気を遣って「この後にはJBが待ち構えてるからね。俺も楽しみ♪」とか言ったり。きっと自分も楽しんでるんだろうな‥‥そう感じた。

  改めて今のDRAGON ASHを観て思ったのは、彼等はヒップホップでもなんでもない、それまでと何ら変わらないロックバンドだったという事。ラップを中心とした曲をやっているものの、やはり、まこっちゃんのドラムと馬場さんのベースが入れば、どこから切ってもロックになっている。サポートギタリストが入った分、降谷がギターを弾く比率は低くなったが(この日も"Dark Cherries"1曲のみ)、その分歌(ラップ)にパフォーマンスに集中する事が出来るようになった。きっと今後も彼等はこの路線で突き進むだろうが、何も悲しむ事はない。彼等はこれまでもロックバンドでなくなった時は1度だってなかったのだから。そしてそれは今後も変わらないだろう。この4人でやっていく限りは‥‥とにかく今回観れたことで、胸のつっかえが取れた気がした。


◎SPRING NO.1

  JB登場の前に、再び「イノキッ、ボンバイエッ!」が‥‥おいおい、ここでも登場か?(笑)今度は赤いガウンを着て登場の春一番。「ジェームズ・ブラウンと皆さんにこの言葉を‥‥」てな感じで始まったのは‥‥「この道を行けば、どうなるものか~」って、おいおい、「道」かよ!!(爆)生で聞いちまったぜ!!! 勿論最後は「ダァー!」で占める。「アリガトーッ!」とステージを去る春一番。あんた‥‥やっぱ、今日の主役だよ♪ JBを食うつもりか、あんた‥‥(笑)


◎JAMES BROWN

  今何故にJB!?とも思ったが、これはこれで「飛び道具」として成り立つのだから面白い。いや、彼が出演する事によってこの1日目の色が決まったも同然だった。REEF、マッド、311、アレステッド、DRAGON ASH、そしてジョンスペ‥‥この日出演のアーティスト達は音楽性こそ異なるものの、それぞれに「踊る/踊らせる」事に長けた人達ばかりだ。2日目がどちらかといえばロック色が濃いだけに、俺はJBにはすごく期待していたのだ。

  もう既にご存知だろうが、彼は本来の持ち時間の60分を更に1時間近くオーバーした。フルステージやっちまったようなもんだ。(笑)いくら時間限定されたフェスだろうが、「よい子ちゃんではここまでやってこれないんだよ!?」と言わんばかりの暴走ステージ。まさに「俺がJBだっ、文句あっか!」な内容だった。だって、頭2曲ではJB登場しないし。始まって20分くらいしてから勿体ぶって登場するし、とにかくゴージャスなステージで、ツインドラム、ツインベース、ギターも2人、ホーンセクションにキーボーディスト、パーカッション、女性コーラス3人に「レイク・エンジェルズ」みたいな(笑)女性ダンサー3人、更に男女ソロボーカリストに、MC(マント・パフォーマンスの要となる人/笑)‥‥総勢20人以上ですから。富士の裾野がこの時だけ、ラスベガスに変わってしまったのだった。

  でもね、やっぱりプロだよ、そこは。非常に楽しかったもん。ただ疲れたけど。(苦笑)JBはさ、それこそキーボードも弾くし、ドラムも叩いちゃうし、ベースもお手のもの、ダンスまで披露したからね。まさに「俺様ショー」だわ、こりゃ。嫌いな人にとっては「ジャイアン・オンステージ」と同じくらい苦痛なんだろうけどね。(笑)

  そうそう、中盤で空ペットボトルをステージに向かって投げつけた方がいらっしゃって、それが「俺様」の気に障ったらしく、ステージ中断(当たり前だ!)。JBご立腹。マイク倒してたもん。ものすごい威圧感を感じ取った観客、2万人が黙りこくり「ドンッ!」とデカい音だけが静寂の中に響くのだった。あんな緊張感、二度と味わいたくない。(苦笑)

  まぁそれはさておき、やっぱり何十年とやってきたプロの仕事を昨年のZZ TOPに続いて観れただけでも、俺にとっては収穫だった。なんてったって「KING OF SOUL」ですからなぁ‥‥自分の曲以外にもオーティス・レディングの曲なんかもやってたし。やっぱり俺様だしね♪(笑)


◎THE JON SPENCER BLUES EXPLOSION

  JBによる1時間押し、更に直前に雨に見舞われ、最悪の形でのトリとなってしまったジョンスペ。残念ながら最初の10分ちょっとは雨宿りしてたために観れなかった。よって"2Kindsa Love"や"Attack"といった曲は、遠くからぼんやり聞こえる程度だった。(涙)

  やっぱり去年フジロックでBLURを選んだがために観れなかった事をこの1年後悔してきたので、何としても観ようと小雨の中突進した。やっぱJBの後だけに、何を観てもスケールダウンして見えてしまう。実際にJBの時と比べれば、照明も暗い。しかも3人だし。音も小さいよ。雨降ってるからか? 「時間押しても延長ナシよ?」っていう重圧なのか、これは? とにかくね、すごい気迫を感じた。JBに対する怒りなのか、それとも元々こんな感じのステージを繰り広げるバンドなのか‥‥って後者だろうけど。

  この日初めて彼等を生で観たわけだけど‥‥何故彼等がこういうバンド名(BLUES EXPLOSION)を付けたのかがよ~く解った。だって、本当にブルーズがEXPLOSION(爆発)してたもん! これ以外にどうやって表現すればいいのさ!?って音だったよ、マジで。ベースがいない分、音が薄くなるのは目に見えているけど、あのスカスカ感が逆に気持ちよいのであって、それこそこの3人以外には考えられないアンサンブルなんだろうな? マジでかっこいいし、凄くセクシーだった。俺が女だったら惚れるね、ジョンに。(笑)

  悲しいかな、俺が見始めてから5曲程度でステージは終わろうとしていた。実質40分前後だろうか? 本来なら70分の予定だったのに‥‥最後はカオスというか絶頂というか、もう暴れまくり。床をのたうち回ったり‥‥予定通り20時に終わらせられたようで、空には打ち上げ花火が上がり、主催者側の人間が「これをもちまして、本日の公演は全て終了しました~」とアナウンス。が‥‥がっ!! それを振り切り3人がステージに再び!!! うぉぉ! 大歓声。つうか、花火まで上げてしまった主催者、面目丸つぶれ。(笑)最後の1曲は何でもあり。もう「Fuck!」は連呼するわ、マイクは床に叩き付けて壊すわ‥‥そうとう鬱積してたんだろうな‥‥最後の最後で、本当に「EXPLOSION」してしまった彼等。もしこのアンコールがなかったら、俺は不完全燃焼のまま、また1年を過ごすところだった。けど、これで十分満足できた。この日最高に鳥肌が立った瞬間だった。そして「何でロックはかっこいいのか?」という本質に、ちょっとだけ触れたような気がしたのは俺だけだろうか?

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