カテゴリー「Ride」の11件の記事

2019年12月31日 (火)

2019年総括:①洋楽アルバム編

2019年もあと半日で終わり。いわゆる「テン年代」が終わるわけですね。さて、毎年恒例となった1年の総括を今年もじっくり書いていこうと思います。

今年からちょっと趣向を変えてみました。まず、①洋楽アルバム編(ジャンルレスでその年リリースのお気に入りアルバム10枚+次点10枚)、②邦楽アルバム編(同アルバム10枚+次点10枚)までは一緒、ここ数年続けてきた「その年の気になったアイドルソング10曲(+次点5曲)」をやめ、昨年から番外編として公開した③HR/HM、ラウドロック編(その年リリースのお気に入りアルバム10枚+次点10枚)と、④楽曲編(洋楽邦楽/ジャンル/リリース年関係なく、その年よく聴いた楽曲20曲)を新たに公開することにしました。

①、②および④に関してはアルファベット順、五十音順に並べており、順位は付けていませんが特に印象に残った作品には「●」を付けて、③には意図的に順位をつけております(③は別媒体で準備を発表しているので、それを転載します)。特にこの結果で今の音楽シーンを斬ろうとかそういった思いは一切ありません。ごく私的な、単純に気に入った/よく聴いたレベルでの「今年の10枚」です。

まずは①洋楽アルバム編です。

 

■洋楽10枚(アルファベット順)

上位10枚を紹介する前に、次点となった10枚をご紹介。

<次点>
・CHELSEA WOLFE『BIRTH OF VIOLENCE』(レビュー
・THE CHEMICAL BROTHERS『NO GEOGRAPHY』
・CIRCA WAVES『WHAT'S IT LIKE OVER THERE?』
・FAYE WEBSTER『ATLANTA MILLIONAIRES CLUB』
・RIDE『THIS IS NOT A SAFE PLACE』(レビュー
・RUSSIAN CIRCLES『BLOOD YEAR』(レビュー
・SHARON VAN ETTEN『REMIND ME TOMORROW』
・TEMPLES『HOT MOTION』
・TORO Y MOI『OUTER PEACE』
・TWO DOOR CHINEMA CLUB『FALSE ALARM』

昨年の年間企画にも書きましたが、自宅で音楽を聴くときってメタル/ラウド系以外はほぼ女性ボーカルのまったりした音楽が中心だったんですね。単に老いただけかもしれませんが(笑)、そういった類の音楽に心地よさ、気持ち良さを求めるようになったのは事実です。が、単にアコースティックでまったりしたものよりは、どこか尖っているほうが惹きつけられるし、何度も聴きたくなるのもまた事実。ここに挙げた次点10枚にはそういった作品が多く含まれている気がしてなりません。

さて、ここからが本編。僕が選んだ2019年洋楽アルバムTOP10です。

 

・BILLIE EILISH『WHEN WE ALL FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO?』(Spotify

・BON IVER『i,i』(Spotify

・BRING ME THE HORIZON『amo』(Spotify)(レビュー

●BRING ME THE HORIZON『Music to listen to-dance to-blaze to-pray to-feed to-sleep to-talk to-grind to-trip to-breathe to-help to-hurt to-scroll to-roll to-love to-hate to-learn Too-plot to-play to-be to-feel to-breed to-sweat to-dream to-hide to-live to-die to-GO TO』(Spotify)(レビュー

・EX: RE『EX: RE』(Spotify

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2019年8月25日 (日)

RIDE『THIS IS NOT A SAFE PLACE』(2019)

2019年8月リリースの、RIDE通算6枚目のオリジナルアルバム。

2014年に再結成を果たし、2017年6月には『TARANTULA』(1996年)以来21年ぶりの新作『WEATHER DIARIES』を発表し、全英11位という好記録を残したRIDE。そこから2年2ヶ月という(このご時世においては比較的)短いスパンで届けられた新作は、前作を超える全英7位という好結果を残しています(全英TOP10入りは1994年の3rdアルバム『CARNIVAL OF LIGHT』の5位以来のこと)。

復活作となった前作『WEATHER DIARIES』はRIDEの歴史を総括するような、集大成的な内容で古くからのリスナーから再結成後に彼らをしったビギナーまで、幅広い層を楽しませてくれました。続く本作も基本的な作風な一緒で、RIDEなりに“2019年のシューゲイザー/ドリームポップ”と真摯に向き合った力作に仕上がっています。

オープニングの「R.I.D.E.」のゴリゴリしたデジタル風カラーに若干驚かされますが、続く「Future Love」では従来のRIDEらしさが表現されたポップチューンが楽しめます。

その後もキャッチーな楽曲、独自の解釈でシューゲイザーを表現したナンバーがズラリと並びます。作風こそ前作以上にモダンさを感じさせるものですが、どの曲も聴けばそれがRIDEの新曲だとわかるものばかり。単なる焼き直しで終わっておらず、しっかりと“今を生きるバンド”としての生命力がアルバム中至るところから感じられます。

プロデュースを手がけたのは、前作から引き続きエロル・アルカンが担当。前作にもその香りは感じられましたが、今作はその比じゃないくらいにエロル・アルカン色が強まっているのかなと感じました。もともとロッキン色の強いDJ/アーティストですが、今作ではエレクトロ/ダンスミュージックのテイストをロック/シューゲイザー/ドリームポップと掛け合わせることで、従来のRIDEらしさをうまいことバージョンアップさせることに成功しているように感じました。そりゃあ嫌いな人、いないでしょ?っていう内容ですよ、これは。

なおかつ、しっかりと内省的なアコースティックナンバーや、『CARNIVAL OF LIGHT』あたりで実験したアーシーな路線もしっかり含まれている。つまり、“最強のRIDE”ってことです。

まさか解散から20年以上経ってから再結成してオリジナルアルバムを2枚も届けてくれるとは思ってもみなかったし、それら2作品が(個人的に)その年を代表する1枚になるなんて、彼らが解散した90年代半ばは想像もしてなかったなあ。感慨深さ以上に、聴いているだけで胸が熱くなる1枚です。

 


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2018年10月20日 (土)

HURRICANE #1『HURRICANE #1』(1997)

アンディ・ベル(Vo, G)がRIDE解散後に結成した4人組バンドHURRICANE #1の、1997年9月発売のデビューアルバム(日本では本国よりも早い同年7月に先行リリース。アメリカでは10月に発売)。メンバーはギターに専念したアンディのほか、アレックス・ロウ(Vo, G)、ウィル・ペッパー(B)、ガレス・ファーマー(Dr)という4人編成。RIDEから引き続き Creation Recordsからのリリースで、「Step Into My World」(全英29位)、「Just Another Illusion」(同35位)というシングルに続いてアルバムも全英22位まで上昇。その後も「Chain Reaction」(同30位)とヒットシングルが続き、デビュー作としてはひとまず成功を収めた部類に入るのかな。

後期はレイドバックしたカントリーロックに片足突っ込んだり、ラスト作では中途半端なロックを聴かせたりと、踏んだり蹴ったりだったRIDEでしたが、初期はバンドの中心人物だったアンディがこの新バンドで鳴らしているのは、モロに“OASIS以降”のUKロック。いや、UKロックというよりもブリットポップと呼んだほうが正しいか。

アレックス・ロウの歌声や歌唱法、「Step Into My World」で鳴らされているサウンドもあって、本当にOASISのそれなんですよね。しかも、単なる亜流では終わらない、しっかり作り込まれた曲だったりするから余計にタチが悪い(笑)。いや、本当に良い曲なんですよ。

まあそれもそもはず、当時のアンディは血迷ったのか「OASISとTHE STONE ROSESを足して2で割ったようなバンド」をいたのですから……ちゃんとそのとおりになっていますよね!

ビート感の強さはローゼズ、メロディの強さはOASIS。しかし、そこに“RIDEのアンディ”の個性はちゃんと出ているのか、と問われると正直答えに困ります。「Mother Superior」や「Let Go Of The Dream」といった楽曲は、確かにアンディ・ベルというソングライターでなければ書けなかった曲かもしれないけど、別にアンディがこれをやらなくてもいいんじゃない?っていう思いもある。無駄に曲の出来が良いもんだから、当時は非常に評価に迷った記憶があります。

その後、アンディが当のOASISに加入し(しかもベーシストとして。苦笑)、OASIS解散後は紆余曲折を経てRIDEを復活させアルバムまで制作した。そんな20年を経て、今改めてフラットな気持ちで接してみると……やっぱり「良いアルバム」以上の感想は持てないかな。まあ、それでいいじゃない?って声もありますけど、やっぱりアンディ・ベルという人には“もっと上”を求めてしまいたくなるんですよね。

ちなみにHURRICANE #1、2014年にアレックス・ロウ中心に再結成しています。アンディはRIDEがあるので正式復帰はしていませんが、16年ぶりの新作『FINE WHAT YOU LOVE AND LET IT KILL YOU』(2015年)には1曲のみアンディもギターでゲスト参加しております。解散前と異なり、アレックス中心で書かれた新作の楽曲群もなかなかの出来です。



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2018年10月14日 (日)

RIDE『GOING BLANK AGAIN』(1992)

1992年3月にリリースされた、RIDE通算2枚目のオリジナルアルバム(日本では4月に発売)。1stアルバム『NOWHERE』(1990年)から1年半という短いスパンで届けられた本作は、プロデュースをバンド自身と前作のミックスを手がけたアラン・モウルダー(MY BLOODY VALENTINETHE SMASHING PUMPKINSNINE INCH NAILSなど)が担当。自己最高の全英5位を記録し、本国では10万枚を超えるヒット作に。「Leave Them All Behind」(同9位)、「Twisterella」(同36位)というシングルヒットも生まれました。

8分を超えるオープニングトラック「Leave Them All Behind」こそ“これぞシューゲイザー!”と呼びたくなるほど完成度の高い楽曲ですが、本作は決してシューゲイザー一辺倒というわけではありません。むしろ、シューゲイザーのフィールドに片足を突っ込みながら、もう片方で“脱シューゲイザー”を宣言するような、そんな力作に仕上がっています。

前作『NOWHERE』は確かにシューゲイザーの代名詞的作品だったと思います。しかし、「Leave Them All Behind」を初めて聴いたとき……ぶっちゃけ「あ、軽く前作を超えやがった」と思ったものです。強度という点においては、本作の無双感はハンパないんですよ。

かと思えば、歪み系の弱いギターポップチューン「Twisterella」にびっくりさせられ、“もはやパワーポップじゃん!”と叫びたくなる「Not Fazed」、前作にあったスタイルのひとつを進化させた叙情的な「Chrome Waves」など、音楽性の幅を一気に広げ始めています。

これってつまり、友達同士で「これやろうぜ!」って軽い気持ちで始めたバンドが、経験を積んだことで急激に進化していった……その一番良いタイミングを捉えたということなんでしょうかね。事実、この先メンバー間のバランスがいびつになり始め、急速に終焉へと向かっていくわけですから。

「Leave Them All Behind」とは別の形でシューゲイザーを体現している「Cool Your Boots」や「OX4」など、次作『CARNIVAL OF LIGHT』(1994年)ではもう聴けない輝き……バンドとしてここでクライマックスを迎えるなんて、あの当時は考えもしなかったなぁ。

個人的な思い出をひとつ。このアルバムがリリースされた頃、僕はイギリスに留学中でした。たまたま観たBBC『TOP OF THE POPS』で流れた「Leave Them All Behind」のスタジオライブ映像(たぶん当て振りだったと思う)に衝撃を受け、アルバムは発売されてすぐに購入。当時ポータブルCDプレイヤーなんて持っておらず、カセットしか聴けない状況だったので、当然カセット版を購入するわけです。旅の間、ずっと聴きまくったなぁ……。で、帰国してCDを購入したんだった。マニックス『GENERATION TERRORISTS』とこれはイギリス滞在中、本当にお世話になったアルバムでした。そんな大切な思い出の詰まった1枚です。



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2017年12月31日 (日)

2017年総括(1):洋楽アルバム編

2017年もあと半日で終わりということで、毎年恒例となった今年の総括を書いていこうと思います。

その年のお気に入りアルバムを洋楽10枚(+次点10枚)、邦楽10枚(+次点10枚)、2017年気になったアイドルソング10曲(次点なし)、そして今年印象に残ったライブ5本をピックアップしました。アルファベット順、五十音順に並べており、順位は付けていませんが特に印象に残った作品には「●」を付けています。

特にこの結果で今の音楽シーンを斬ろうとかそういった思いは一切ありません。ごく私的な、単純に気に入った/よく聴いたレベルでの「今年の10枚」です。

まずは洋楽アルバム編です。


■洋楽10枚(アルファベット順)

・Björk『UTOPIA』(amazon)(レビューはこちら

・CIGARETTES AFTER SEX『CIGARETTES AFTER SEX』(amazon

・CONVERGE『THE DUSK IN US』(amazon)(レビューはこちら

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2017年7月 4日 (火)

RIDE『WEATHER DIARIES』(2017)

ジザメリの19年ぶりにもひっくり返ったけど、RIDEの21年ぶり新作という現実にもただただ驚かされたわけでして。2015年のフジロックで、彼らの勇姿を観てアガったという人、少なくないはずです。その年の秋には単独再来日も実現し(僕はチケットを持っていながら、隣の駅にあるスタジオでずっと取材をしてたので行けず終い)、「もう1stアルバムや2ndアルバムの曲を中心にライブしてくれるだけで十分! この再結成、継続させてほしい……」と願っていたところ、なんとニューアルバムまで作ってしまったのだから驚きです。

先行公開された「Charm Assault」はしっかり従来のRIDEらしさが伴っており、それでいて末期(1996年のラストアルバム『TARANTULA』期)にも通ずるストロングスタイルのロック色もありで、「ああ、奴らはちゃんとあれもなかったことにせず、全部引き受けて先に進もうとしてるんだ」と思ったものです。さらに続けて公開された「Home Is A Feeling」は完全の初期RIDEそのもので、この2曲だけで「本当にRIDEが完全新作携えて戻ってきた!」と喜びの声を上げたのでした……この気持ち、共感してくれる人、多いですよね?

それから4ヶ月後、いよいよリリースされた通算5枚目のスタジオアルバム『WEATHER DIARIES』には、RIDEの“すべて”が詰まっています。それは名作と呼ばれる初期のシングル群や1stアルバム『NOWHERE』(1990年)、2ndアルバム『GOING BLANK AGAIN』(1992年)での「我々がイメージするRIDE像」をしっかり具現化しつつ、この21年の間にメンバー4人が培ってきた音楽的素養もしっかり反映されたものになっている。プロデューサーには英国クラブミュージック界の人気DJエロール・アルカン、ミキシングには『GOING BLANK AGAIN』などを手がけたお馴染みのアラン・モウルダーをそれぞれ迎え、しっかりと「2017年に鳴らされること」を意識して制作されています。

シューゲイザー、ドリームポップなどこのアルバムに対する表現はいろいろあると思います。実際そういう音だと思うし、アルバムまるごとセンチメンタリズムの塊ではあるんだけども、決して単なるノスタルジーでは終わらない、今の音として成立している。これを実現するためには、解散前みたいに「この曲は俺が書いた」「これはあいつが書いたからあいつが歌えばいい」といったいざこざは無用。初期の頃のように、4人がひとつとなって何かに取り組む。それが実現できるかできないかで、このアルバムを作るかどうかが決まったのではないでしょうか。で、実際本作はそういう作品になったと。ちゃんと「今のリスナーにモノ言わしてやろうぜ!」という気概も感じられるしね。

まさか2017年にRIDEの新作が、しかも傑作とちゃんと断言できるアルバムが聴けるなんて。2年前は想像もしてなかったなぁ。そして彼らはこのアルバムを携えて、8月に『SUMMER SONIC 2017』深夜の部『HOSTES CLUB ALL-NIGHTER』で2年ぶり日本へ戻ってきます。行かない理由はないよね。



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2017年7月 1日 (土)

2017年上半期総括

恒例となった上半期ベスト。ひとまず7月1日現在の10枚を紹介したいと思います。バランスとしては洋楽5枚、邦楽5枚というセレクトになります。


DEPECHE MODE『SPIRIT』(amazon)(レビューはこちら

THE JESUS & MARY CHAIN『DAMAGE AND JOY』(amazon)(レビューはこちら

KREATOR『GODS OF VIOLENCE』(amazon)(レビューはこちら

MASTODON『EMPEROR OF SAND』(amazon)(レビューはこちら

RIDE『WEATHER DIARIES』(amazon)(レビューはこちら

Cornelius『Mellow Waves』(amazon)(レビューはこちら

Maison book girl『image』(amazon

Mondo Grosso『何度でも新しく生まれる』(amazon

ONE OK ROCK『Ambitions』(amazon)(レビューはこちら

ドレスコーズ『平凡』(amazon)(レビューはこちら

2015年6月 4日 (木)

Rideの私的ベスト10

昨年秋に再結成が正式発表され、今年7月にはフジロック出演のため来日も果たすこととなったRide。個人的な思い入れで言えば、リアルタイムでは完全に2ndアルバム「Going Blank Again」までなんですが(もちろん3rd「Carnival Of Light」も4th「Tarantula」もリアルタイムで聴いてましたが)、数年前に改めて編集盤「Smile」から「Tarantula」までじっくり聴く機会があって。その際に3rdも4thも特に嫌いじゃないなと再認識したものです。

さて、ということで今回はRideの私的ベスト10。間違いなく90年代初頭の作品に集中してしまうと思いますが、まあそれは自分がRideというバンドに何を求めていたかを認識するいい機会になるのでは……ということで、行ってみたいと思います。


1. Chelsea Girl

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2004年10月25日 (月)

RIDE『CARNIVAL OF LIGHT』(1994)

1994年6月発売の、RIDE通算3作目のオリジナルアルバム。プロデューサーを前作『GOING BLANK AGAIN』(1992年)でのアラン・モウルダーからジョン・レッキー(THE STONE ROSESRADIOHEADNEW ORDERなど)に交代した本作は、文字どおり“脱・シューゲイザー”な1枚に仕上がっています。

前作の時点ですでにその予兆はあったのですが、今作ではいわゆるギターポップ的側面をより強調し、かつ全体的にレイドバックした作風へ。いわゆるギターポップのルーツにある、60〜70年代のトラッドミュージックをベースにしたロックが展開されています。

ディストーションもフィードバックもありませんが、メロディ自体は我々が知る“あのRIDE”のまま。実は「Like A Daydream」の頃から変化していないことが伺えます。

なのに、リリース当初は「?」なアルバムだったんですよね、僕的に。リードシングル「Birdman」がどうにも退屈に思えて……いや、今聴くとその良さを理解できるし、アルバム自体もすごく良いんだけど。この頃からマーク・ガードナー(Vo, G)よりもアンディ・ベル(Vo, G)が主導権を握り始めたんでしたっけ? アルバムクレジットを見ると、前半がマーク作中心、後半がアンディ作メインなんですが、前半の“らしさ”はわかるものの、「Birdman」以降の新機軸が最初は本当に理解できなかったんです(あくまで「RIDEがやる」という上で)。

RIDEというバンドには確固たるリーダーが最初から存在していなかったところ、マークとアンディのエゴがより強く表出し始めた。それがこのアルバムから形になり始めて、次の『TARANTULA』(1996年)で空中分解してしまう結果を生み出すわけです。

RIDEというバンドが本来持つポップネスを、轟音ギターやフィードバックという“ガワ”を取っ払うことでより強靭なものへと昇華させた。そういった意味では、本作の果たした役割は非常に大きなものがあるのではないでしょうか。

けど、一番好きな曲がディストーションギターをフィーチャーしたカバー曲「How Does It Feel To Feel?」というのは、今となっては皮肉な話ですよね(苦笑)。今はそのほかの曲も同じくらい愛せていますけど。



▼RIDE『CARNIVAL OF LIGHT』
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2004年10月20日 (水)

とみぃ洋楽100番勝負(63)

●第63回:「Like A Daydream」 RIDE ('90)

 '90年前後、俺の周りは皆STONE ROSESにハマッてたんですね。恐らく雑誌の影響ってのが強かったと思うんですが(当時の「rockin'on」や「CROSS BEAT」ではこぞって取り上げてましたからね)、その頃読んでた雑誌は「BURRN!」でしたからね、俺‥‥PRETTY MAIDSの復活作が凄いらしい!とか、QUEENSRYCHEがもの凄いコンセプトアルバムを作った!とか唸ってた時代ですからね。

 それでもUKロック自体は嫌いじゃなかった‥‥いや、むしろ「ブリティッシュ・ロック」と呼ばれるような世界観を持つバンドの方が個人的には好みだったんですけどね。でもまぁ'80年代末以降のイギリスの(ハード)ロック・シーンは死んでましたしね。期待はしてませんでしたけど。

 だからというわけじゃないですが‥‥ハードロックとは違う、珍しいバンドを好むようになってたんですね。まぁ珍しいというか‥‥俺なりに「カッコいい」と思えるバンド。そのひとつが当時のRIDE。これはまぁ高校時代の友人、俺にいろいろ教えてくれたAくんが「四の五の言わずに、とにかく聴け!」といってわざわざテープを下宿先にまで送ってくれたわけですが。その中に入ってたのが、所謂「赤RIDE」と「黄RIDE」と呼ばれる初期のEP2枚。

 特に「黄RIDE」‥‥この "Like A Daydream" に一発でヤラれちゃったんですわ。メロウだけどギターはうるさいし、ボーカルも冷たい感じなんだけど妙に心地よいし。うわーこれライヴ観てみたいなぁって瞬時に思いましたね。とにかくこのEP2枚の8曲はテープが擦り切れる程聴いたかも。後に1枚にまとめられて「SMILE」というアルバムとしてリリースされることになるんですが(当然CDで買い直しましたが)、その前に‥‥1stフルアルバム「NOWHERE」があるのか‥‥そこでまたガツンとやられて。当然初来日公演には行きましたよ。つーか、来日の度に行ってたなぁ‥‥

 初めてイギリスに行った時、たまたま目にしたテレビ番組「TOP OF THE POPS」に、ホント偶然に出演してたRIDE。丁度新曲 "Leave Them All Behind" をリリースした頃で、それを演奏(口パク&当て振り)して‥‥また鳥肌立ててね。'90年代はマニックスが登場するまで、俺にとってのイギリスはRIDEと‥‥そしてJESUS JONESさえいればいいや‥‥そういう時期でしたね。笑っちゃうくらいに。



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