2019年2月16日 (土)

RIVAL SONS『FERAL ROOTS』(2019)

RIVAL SONSが2019年1月に発表した通算6枚目のスタジオアルバム。本作から新たにLow Country Sound / Atlantic Recordsと契約し、晴れてメジャーリリースを飾ることとなりました。プロデュースはこれまで同様、デイヴ・コブが担当。実は新たに契約したLow Country Sound自体がデイヴ主宰レーベルなので、この流れは自然なものだったりするんですね。

ということで、メジャーに移籍しようが制作陣がこれまでと変わらないので、音そのものに及ぼす変化もまったくなし。相変わらず時代錯誤なオールドスクールかつサイケデリックなハードロックを聴かせてくれます。

ジェイ・ブキャナン(Vo)の太くてソウルフルな歌声は、本作でも健在。冒頭の「Do Your Worst」から最高のボーカルを轟かせています。その後もブルースやソウルをベースにした豪快なハードロックが展開されていくのですが、4曲目「Look Away」ではトラッドミュージック的なアコースティックギター&オルガンで序盤を飾り「おっ!?」と驚かされる。が、2分ほどすると本編(バンド演奏によるストロングスタイルのハードロック)が始まりひと安心(笑)。このテイストは続くタイトルトラック「Feral Roots」にも登場し、ある意味ではこのアルバムにおける武器のひとつと言えるのではないでしょうか。

こういうアレンジの幅が広がったことで、よりロックバンドとしての王道感が強まったと感じたのは僕だけでしょうか。このアコースティックアレンジ含め、スコット・ホリデイ(G)のギターワークは過去の作品と比べても特に本作では秀でていると思います。と同時に、デイヴ・ベステ(B)&マイク・マイリー(Dr)によるシンプルで無駄がなく、それでいてぶっとくて耳に残るリズムアンサンブルは昨今のこの手のロックバンドの中でも最強だと断言できます。

中盤以降も最高にソウルフルな「Too Bad」や「Stood By Me」、中期ツェッペリンを彷彿とさせるサイケな「All Directions」、打ち込み同期アレンジながらも他の楽曲から浮いていない「End Of Forever」、ゴスペル調バラード「Shooting Stars」と名曲目白押し。捨て曲皆無の、完全無欠の1枚です。

最近はGRETA VAN FLEETこそのこの手のハードロックの救世主と持て囃されていますが……正直言うと、最初は「ちょっと待て、RIVAL SONSがいるじゃないか?」と思ったんですね。Earache Records所属なのにこの音というアンバランスさ含め、最高に個性的だと思っていたんですが、やっぱり宣伝力の違いなのか……と思っていたところに、Atlantic Recordsとの契約決定。ついにRIVAL SONSが世の中に見つかるときが来た! やったー!と思ったのも束の間、本作は今のところ日本盤のリリースなし。なんだよっ!(苦笑)

頭からケツまで、終始ストロングスタイルの“黒っぽい”王道ハードロックを轟かせるRIVAL SONSのニューアルバム『FERAL ROOTS』。今こそこの傑作とあわせて、バンドとしても再評価されるべきだと思うのですが……ねえ?



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投稿: 2019 02 16 12:00 午前 [2019年の作品, Rival Sons] | 固定リンク

2014年12月17日 (水)

Rival Sons『Great Western Valkyries』(2014)

アメリカはカリフォルニア州ロング・ビーチ出身の4人組バンドによる、通算4作目のオリジナルアルバム。恥ずかしながらこのバンド、名前しか知らず音はずっと未聴でした。そんな僕がなぜ今回この新作を手にしたかというと、ジャケット写真の雰囲気とEaracheからのリリースという2人に惹かれて。実は一切試聴せずに購入したのでした。完全なる“ジャケ買い”ですね。

さて、実際に聴いてみたら……なんですかこれ? なんで誰も教えてくれなかったんですか?ってくらいに、自分的にドストライクな音なんですが。説明するまでもないでしょうけど、ここで展開されているのは1960〜70年代の英国ロックそのもの。中でもCreamやLed Zeppelinなどブルースをベースにしたハードロックやサイケデリックロックが軸になっていて、ぶっちゃけ音質をグッと落としたら「60年代末に日の目を見ることがなかったB級ブリティッシュバンド」と言われても信じてしまうようなサウンド / 楽曲が楽しめます。

ちょうど2014年はLed Zeppelinのオリジナルアルバムがリマスタリング&リイシューされ、元Creamのジャック・ブルースが10月に急逝したこともあり、個人的にこういったバンドの諸作品を引っ張り出す機会が増えた時期でした。そんなタイミングに、自分の前に登場したこのアルバム。悪いわけがない。ちょっとしたアレンジ、サウンドエフェクトから感じられる先人たちへのリスペクトと偏愛。楽曲の構成、メロディにもこだわりが感じられ、とても2014年とは思えないものばかり……と思ったんですけど、実は1周回ってすごく2014年的なんじゃないかと。だって今年はファレル・ウィリアムスの「Happy」がバカ売れしたんですよ。2013年のDaft Punk以降の流れを考えると、ファンク / ソウルだけじゃなくてロックだって……と思ってしまうんです。

とはいえ、結局Rival Sonsは今のところ大きなヒットには恵まれてないわけですが、メジャーシーンでFoo Fightersが気を吐き続け、大御所であるAC/DCやPink Floydが新作をリリースした今、こういったインディバンドが日の目を見るチャンスはゼロでないと信じています。いや、それくらいの夢は見てもいいよね。



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投稿: 2014 12 17 04:02 午前 [2014年の作品, Rival Sons] | 固定リンク