2001/11/18

RIZE『ROOKEY』(2000)

  昨年登場した日本のバンドには、本当に活きがいい奴らが多かった。特にインディーリリースなしにいきなりメジャーからデビューした新人‥‥RIZEだったりGO!GO!7188といった奴らは、今を生きるあの年代の子達にしか出せない音・言葉を発していたと思う。時にそれが「先陣からの借り物」と非難される事が多かろうが、俺は間違いなく「絶対に成長する、化けるバンド」だと確信していた。特に上の2バンドに関しては本気でそう思っている(実際に今年に入ってライヴを観たGO!GO!7188はもの凄いスピードで化けていたし、先頃リリースされたセカンドも凄いことになっていた)。

  で、今回紹介するのはRIZEの方。そのRIZEも数週間後には同年代のメンバーを集めて再編成された後初のアルバムが発表される。先行シングル"LIGHT YOUR FIRE"や"DREAM CHATCHER"を聴けば、その充実振り/爆裂振りは十分すぎる程に伝わってくる。もう今から楽しみで楽しみで‥‥

  で、本来なら昨年末に発表されたこのファーストアルバムをもっと前にレビューしておくべきだったのだろうけど‥‥気付けば後回しにしてて(苦笑)。本当に申し訳ない。しかも現時点においても未だに彼らのライヴを観れてないし‥‥是非今度のツアーでは目にしたいと思っているのだが(「ひたちなか」やサマソニで観るチャンスがありながら、それを逃してしまったのは大きかったなぁ)

  では、このアルバムについて‥‥まず現在とは編成が違っているのはご存じの通り。ボーカル&ギターのJesseとドラムの金子に加え、その後AJICO等で活躍することとなるTokieさんがベースで参加している。まずファーストとそれ以後‥‥4人編成になってからの音の違い。ファーストはTokieさんのベースを軸にアンサンブルを組んでるような面が見受けられる。いい意味で「セッション」色が強い曲が幾つか見受けられる。Tokieさんのベースもシングルギターの隙間を埋めるようなフレーズやプレイが多いし。また、そういった事が影響してるのかどうか判らないが、ゴリゴリしていながらもしなやか‥‥スマートさが感じられる。これはTokieさんが女性だからとか、そういう事とは関係ないとは思うのだが、この辺は他の日本のラウド系には感じられない特徴だ。そういう意味では、よく比較されるDragon Ashや、欧米のラウドロック系とも一線を画するような気がする。

  で、そのDragon Ashとの比較だが。確かにざっと聴いた感じでは「昨今のラウドロックにラップボーカル」という点での共通点しか感じられない。むしろ、もっと最近の‥‥所謂B級ラウドロック‥‥ZEBRAHEADやMACHINE HEAD辺りからの影響を感じるのだが、如何だろうか? Dragon Ashがどの辺のラウド系と比較されているのか判らないが、俺にはRIZEの方がもっと「ロック」に拘っているように感じる。もしかしたらRIZE自身も今後作品を重ねていく内に、Dragon Ashのようにヒップホップ・ユニットのように変化していくのかもしれない。けど、少なくとも今のメンバー(4人編成)でいる限りは大丈夫なような気がするのだが。逆に、ファースト時のようなトリオ編成のままだったら、もしかしたらDragon Ashのような道を辿っていたかも‥‥とも思う。まぁそんな事は俺が心配することではないが。とにかく、ルーツ面では共通するものが被ってるのだろうけど、降谷とJesseは全く別のパーソナリティーを持った表現者なのだから、もっと長い目で見てやってもいいのではないだろうか?(確かに唄い方なんかが似てるという意見も判るのだが、これも降谷やJesseが直接ZEEBRAから影響を受けている事が大きいのではないのだろうか?)

  Tokieさんはともかく、ドラムの金子のプレイがマジで凄まじい‥‥というか、激上手だと思う。よくパンクはテクがなくても出来るなんていう固定観念があるけど、少なくても現代のパンクと呼ばれる機会の多いラウド系バンドには非常に卓越したテクニックを持った人間が多い。RAGE AGAINST THE MACHINEの楽器隊やKORNの面々、LIMP BIZKITのリズム隊なんてかなりテクニシャンだし。それぞれにジャズやファンク、メタル等といったテクニックを要するジャンルを通過している事も大いに関係しているのだろうけど、RIZEの場合もJesseや金子には尋常じゃないテクニックが備わっているように感じる。その辺は先の欧米バンドと同様、Jesseや金子もRIZEの前身バンドではPANTERAやレッチリタイプのバンドをやっていた事も関係してるのかもしれない。そしてヒップホップにありがちなサンプリングに頼ることなく、あくまで自身がプレイしたものをそのまま残す。サンプリングに頼る事の多いDragon Ashとも、この辺が大きく違うように思う。勿論、どちらが悪いという問題ではない。表現の仕方の違いなのだから。

  歌詞に目をやると‥‥非常に青臭いことを語っている。目線の位置がJesseやメンバーと同じ高さ、あるいはもっと低い位置‥‥それこそ尾崎豊のように地べたから睨みつけるような、そういうモノの見方を感じる。時にマジになり、時におちゃらけてみせる。この辺の感覚はDragon Ash以降のバンドに多く見られるものだ。勿論、ヒップホップからの影響だ。
  これは俺個人の感じ方なのだけど‥‥日本語で判りやすく唄っている点から、欧米からの二束三文のラウドロックバンドよりも信頼できる。10年前はガンズみたいなバンドやってました、5年前はグランジやってました、そして今は‥‥っていう奴らが多い中、どれだけの奴らが今やってる事をモノに出来てるのだろうか? それはここ日本においても同じことで、Hi-STANDARDが流行ればみんな3ピースのパンクに走り、BRAHMANがブレイクすれば和・沖縄テイストを含んだパンクに走る。物真似やパクリを非難してるのではない。要はそこからどれだけ「自分らしさ」や「オリジナリティー」を表現することができるか‥‥じゃなきゃやってる意味がないのでは? よくRIZEを非難する人は必ず「Dragon Ash云々」といって貶しているが、こういうロックが嫌いならまだしも、もっと本質的な部分に目を向けてみたらどうだろうか? 確かにパッと見/聴きの印象というのは大切だ。けど、それだけじゃ判断しにくい面だってあるだろ?

  まぁもっとも、こんな俺の戯言も12/5リリースのセカンドアルバム「FOREPLAY」が世に出ればどうでもいいものとなるだろう。同年代の4人の男達が生み出す「新しい音/言葉」によって少しは何かが変わるはずだから。



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投稿: 2001 11 18 12:00 午前 [2000年の作品, RIZE] | 固定リンク