2017/06/15

ROLLING STONES『THEIR SATANIC MAJESTIES REQUEST』(1967)

本家のリリースから遅れること約半年、“ストーンズ版『SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND』”として1967年12月に発表されたのが本作『THEIR SATANIC MAJESTIES REQUEST』です。いや、別にストーンズ側はそう呼んでませんけどね。

ブルースやR&Bをベースにしたライブ中心の音楽性ながらも、60年代後半に突入するとスタジオワークにも興味を示し始め(それがビートルズの後追いだったのかどうかは別として)、その集大成として制作されたのが本作。ビートルズ同様、本作からのシングルカット曲は一切なく(USなどでは「She's A Rainbow」がシングル化)、作風もサイケデリック色を強めた、およそ“我々の知るストーンズらしくない”内容。

しかし、これが聴けば聴くほどクセになる代物でして。正直、10代後半で初めて聴いたときはその良さにまったく気づけませんでしたが、今ではなぜか定期的に聴きたくなる1枚。無駄にゴージャスな「Sing This All Together」を筆頭に、ビル・ワイマン(B)が歌う(ラストのいびき含め)牧歌的な「In Another Land」、のちにKISSもカバーした「2000 Man」、のちにLED ZEPPELINに加入するジョン・ポール・ジョーンズがストリングス編曲を手がけた名曲「She's A Rainbow」、1989年の『STEEL WHEELS TOUR』でライブ初演奏された「2000 Ligh Years From Home」、明らかにビートルズを意識したであろう「On With The Show」など良曲多し。無駄にサイケなミックスの「The Lantern」あたりもなかなかの出来ですしね。

で、本作でもっとも問題作なのがアルバム中盤に登場する、8分以上にもおよぶ「Sing This All Together (See What Happens)」。生演奏によるコラージュ的楽曲で、サイケさとストーンズ本来が持つ野性味あふれる暴力性に満ちた大作……ということはなく、ビートルズにおける「Revolution 9」並みに難解です。アルバムのど真ん中にこんな難所を用意するなんて、ストーンズめ……(個人的にも3回に1回は飛ばしています)。

ということで、非常に評価が分かれるアルバムだと思いますし、これを真っ先に聴くぐらいだったら、60年代末から80年代半ばまでのアルバムを全部聴いたほうがいいと思います。それでも、「ほかの作品も聴いてみたい!」と思うのなら、積極的にオススメはしませんが話のネタとして聴いてみるのも良いかもしれません。



▼ROLLING STONES『THEIR SATANIC MAJESTIES REQUEST』
(amazon:国内盤CD / 国内盤SACD / 海外盤CD

投稿: 2017 06 15 12:00 午前 [1967年の作品, Rolling Stones] | 固定リンク

2016/12/03

ROLLING STONES『BLUE & LONESOME』(2016)

ストーンズの新作が2005年の『A BIGGER BANG』以来、実に11年ぶりという事実に震えています。しかも、その内容がすべてブルースのカバーで、たった3日間(ブックレットによると2015年12月11日、14日、15日)でレコーディングを済ませたとのこと。ダリル・ジョーンズ(B)、チャック・リーヴェル(Key, Piano)、マット・クリフォード(Key, Piano)という90年代以降のストーンズには欠かせないサポートメンバーに加え、ジム・ケルトナー(Per)や、さらにエリック・クラプトン(G)もゲスト参加するなど話題に事欠かない内容です。

ストーンズがこの11年、何もしてなかったのかというとまったくそんなことはなく、常にツアーを繰り返していたこと、ライブ映画『シャイン・ア・ライト』やドキュメンタリー映画『クロスファイア・ハリケーン』の公開、そして2012年に新曲2曲を含むベストアルバム『GRRR!』をリリースして以降はかなり長期にわたるワールドツアーを実施。ことリリースに関しては、先のライブ映画のサウンドトラックとしてライブアルバム『SHINE A LIGHT』を2008年にリリースしたのを筆頭に、70年代の名盤『STICKY FINGERS』『EXILE ON MAIN ST.』『SOME GIRLS』のデラックスエディションの発表、過去の秘蔵ライブ映像のDVD/Blu-ray化など、毎年何かしらの新しいアイテムが市場に並んでいました。そいう意味での飢餓感はほぼ皆無でしたが、こと新録作品となると先に書いた『A BIGGER BANG』以降は、2012年の新曲「Doom And Gloom」「One Last Shot」のみ。しかもこれらがカッコイイもんだから、「もっとまとまった形で聴きたい!」と熱望したロックファンは少なくなかったはずです。

そんな彼らが新作に向けて動き出した、なんて話がこの1年の間に何度か話題になりました。特に今年の夏以降はそれがより具体的な形で話題となり、「クラプトンがレコーディングに参加した」「どうやらブルースの名曲を録ったらしい」「ブルースアルバムになるらしい」とネタが小出しになっていきます。

そんな経緯を経て、ついに発表されたニューアルバム『BLUE & LONESOME』。「新曲ゼロかよ!」とか「ジャケ、ダッサ!」とかいろいろ突っ込みたい気持ちを抑えつつアルバムに向かうと……「すみませんでした!」と土下座したい気持ちいっぱいになります。だって、「これこれ! これが聴きたかったんだよ!」っていう濃厚なストーンズ節炸裂な1枚なんですもの。

60年代のストーンズはブルースのカバーをアルバムやシングルに収録してきましたが、70年代のストーンズはブルースをベースにしつつもより拡散した音楽性を見せ始めます。そして80年代は前半こそ70年代の延長線上でしたが、半ばは空白期間、89年にアルバム『STEEL WHEELS』でようやく本腰をあげます。この『STEEL WHEELS』は従来のストーンズが好きというファンからは敬遠されがちな1枚かもしれませんが(テクノロジーを用いた、“Well-made”なストーンズ)、このアルバムの制作時にはシングルのカップリング向けにいくつかオリジナルのブルースナンバーが制作されています。つまり、再始動にあたり最新のことをやりつつもルーツも取り戻す、そんなタイミングだったのかもしれません。

以降のストーンズは『VOODOO LOUNGE』(1994年)、『BRIDGES TO BABYLON』(1997年)、『A BIGGER BANG』(2005年)と適度に流行を取り入れつつも、本質的にはより生々しい本来の姿へと戻りつつありました。そして、ついにいろんな皮を剥いで生まれたままの姿を現した。しかもただ生まれたままの姿ではない、年季の入った形で。それが今回の『BLUE & LONESOME』かな、と思いました。

ストーンズやクラプトンを通じてブルースにハマった人なら、ここでカバーされている楽曲の大半は知っているものでしょう。ラストナンバー「I Can't Quit You Baby」はLED ZEPPELINのカバーで初めて知ったなんて人も多いはずです。ブルースのカバーということで楽曲の解説は野暮かなと思うので、今回は割愛。それ以上に触れるべきなのは、やはりキース・リチャーズやロン・ウッドのより渋みの増した隙だらけのギタープレイ、チャーリー・ワッツのタメの効いたドラミング、そしてミック・ジャガーの本気な歌いっぷりとブルースハープでしょう。久しぶりに『A BIGGER BANG』を引っ張り出して聴いてからこの『BLUE & LONESOME』に触れたのですが、これが同じバンドか!?と驚かされます。本作を前にすると、『A BIGGER BANG』ですらカッチリとキメすぎに聴こえるし……いかに彼らがこの『BLUE & LONESOME』を楽しみながら制作したかが、その音からもしっかり伝わってきます。

また、ビル・ワイマン(B)在籍時しか認めないみたいなオールドファンから散々叩かれてきたダリル・ジョーンズのベース、この隙だらけのバンドアンサンブルとスウィングしまくりなチャーリーのドラムに、今回ばかりはガッチリハマってる。そういう奇跡(?)もこのアルバムでは存分に味わえます。もちろんクラプトンのギターソロ(M-6「Everybody Knows About My Good Thing」とM-12「I Can't Quit You Baby」)もさすがに一言で、前者ではスライドギターによるソロも楽しめます。

個人的には特にタイトルトラックのM-3「Blue And Lonesome」、そしてラストのM-12が「I Can't Quit You Baby」がグッときたかな。もちろん全曲捨て曲なしですけどね。ああ、これは飽きが来ないし、何回でも聴き返せる。改めてROLLING STONESというバンドの凄みを思い知らされた1枚でした。

ちなみに、彼らは本作を作り終えた直後にオリジナル作品の制作に移行した、なんて話もありますが……もし本当なら、そう遠くない将来にポンと発表されるんでしょうね。楽しみ楽しみ。



▼ROLLING STONES『BLUE & LONESOME』
(amazon:国内盤CD / 国内盤デラックスエディション / 海外盤CD


【ROLLING STONES ディスクレビュー一覧】
『FLASHPOINT』(1991)
『A BIGGER BANG』(2005)

【ROLLING STONES ライブレポート一覧】
2006年3月22日@東京ドーム

投稿: 2016 12 03 12:36 午後 [2016年の作品, Rolling Stones] | 固定リンク

2006/03/23

ROLLING STONES「A BIGGER BANG JAPAN TOUR」初日に行ってきた。

stones というわけで、昨日の日記の続きです。行ってきました、ROLLING STONESのジャパン・ツアー初日@東京ドームに。今夜はあいにくの雨でしたが、それをも吹き飛ばすかの熱気でしたね。いやー、やっぱり自分の勘を信じて行って正解だったよ。まだ行くかどうか迷ってる人。ホント行っておいた方がいいよ。多分過去4回の来日公演中で、一番良いはずだから。

 16年前の初来日の記憶と、その際に民放地上波で放送されたライヴ(日テレだったかな)を録画した映像を何度も観返して挑んだ今回の来日公演。勿論、その後のツアーも市販されてるDVD等で目にはしてたんだけど‥‥羨ましいと思いつつ、ね。

 でもあれだね。内容と出来は多分今回が過去最高じゃないかと。初日だったってのも大きいのかもしれないけど、とにかく良かった。だって、選曲が絶妙だったもんなぁ‥‥

 さてさて。ここからは完全ネタバレです。セットリストも載せちゃいますので、これから行こうと思っててまだ知りたくない人は公演観た後に目を通してくださいね。いきなりきますからね!

 それでは‥‥

 はい、というわけでワンクッション置いたので、セットリスト載せます。


[SETLIST]
01. Jumpin' Jack Flash
02. Let's Spend The Night Together
03. She's So Cold
04. Oh No Not You Again
05. Sway
06. As Tears Go By
07. Tumbling Dice
08. Rain Fall Down
09. Night Time Is The Right Time [Ray Charles]
10. This Place Is Empthy [Vo/Keith]
11. Happy [Vo/Keith]
12. Miss You [to B Stage]
13. Rough Justice [B Stage]
14. Get Off Of My Cloud [B Stage]
15. Honky Tonk Women [Back to A Stage]
16. Sympathy For The Devil
17. Paint It Black
18. Start Me Up
19. Brown Sugar
--encore--
20. You Can't Always Get What You Want
21. (I Can't Get No) Satisfaction


 選曲的には、昨年夏スタートのUSツアーと若干変わってますよね。1曲目がいきなり違うし。ただ、今年に入って始まったカナダツアーは大体こんな感じなんですよ。1曲目が "Jumpin' Jack Flash" に変わってて。その後、数曲入れ替わりがありつつも、大体20曲前後かと。カナダでは "Midnight Rambler" とかやってたのね。あと、レイ・チャールズのカバー "Night Time Is The Right Time" も今年に入ってからやるようになったのかな?(違ってたらゴメン)

 とにかく日本ツアーは、まず2曲目の "Let's Spend The Night Together" に驚かされた。頭3曲の緩さ&渋さといったら。まずさ、初来日の頃と比べたら、完全に贅肉を削ぎ落とした音数の少なさが印象的なわけ。ある種「ケミカル」だった1989〜90年のストーンズも捨て難いけど、やっぱり今回の方がより「真のストーンズ」に近いというか。生々しいんだよね。

 でさ、"Sway" だよね。これはビックリした。鳥肌立ったもん。だって、2006年のライヴでこの曲が聴けるなんて思ってなかったからさ。基本的に俺、「STICKY FINGERS」の曲って全部好きだし。そりゃ "Can't You Hear Me Knocking" とか "Sister Morphine" とか "I Got The Blues" とかやられた日にゃ、その場に倒れ込みますよ、ええ。

 あとは‥‥"As Tears Go By" な。始まった瞬間、ジワーッと目に涙が。この曲、高校生の頃ホントによく聴いてた。"Under My Thumb" とか "Play With Fire" とか。勿論 "Time Is On My Side" も。ホント好きだ、この曲。っつーか全部好きだ。

 新作の曲も、まぁまだ馴染んでないかなっていうところがあったけど("Rain Fall Down" でのミックのギターは酷いね。しかも音デカイし)、概ね良かったと思う。ていうか、このアルバムの曲を軸にして、セットリストが組まれてるんじゃないかって程に、アーシーな曲が多かったなぁ。勿論、大半が定番曲なんだけど、それすらこれまでとは別のノリが感じられるほど。

 あと、Bステージに移動してきたら、意外と自分の席から近くて、結構楽しんで観れた。ちゃんとミックっぽい人とキースっぽい人とロニーっぽい人が確認できたし。それと、今日のチャーリーは絶好調だった。ゼンマイの巻き方が良かったのかな。無駄にテンポ早かったし(失礼な)。

 後半。"Sympathy For The Devil" のパーカッションが聴こえてくると、やっぱりアガルね。もうそれだけで。キースのスカスカなんだけど味わい深いソロも印象に残ってるし。"Paint It Black" は勿論オリジナル音源のが一番良いんだけど、16年前のケミカルなアレンジより今回の方が全然良かったなぁ。ロニーが弾いてたエレクトリック・シタール(かな?)も妙にカッコ良かったし。

 つーかあれだね、ステージセットの派手さは16年前から何ら変わってないんだけど、演奏やアレンジがどんどん音数少なくなってるような。キーボードもチャック・リーヴェルだけだし、ブラスも思った程入ってない。あのケミカルなイメージのストーンズも、あれはあれで嫌いじゃないけど、やっぱり今の方が「自分が好きになったROLLING STONES」に最も近いのかな、と。

 終わった後は、完全に放心状態。言葉にならないような感情が押し寄せてきて‥‥残念ながら、感動とか衝撃度でいったら完全に初来日には敵わないんだけどさ。でも内容や演奏、ショーとしては完全に今回の方がクオリティー高かった。それだけは胸張って言えるよ。

 何で16年経った今、観ようと思ったのか。実は今でもよく判んない。思い付きだったんだけど‥‥でも、自分の勘を信じて良かったと思う。本当に良いライヴだった。初日だったこともあるだろうし。あとミックとキースがホントご機嫌だったね。俺の大好きなロニーさんも絶好調だったし。とにかく、チャーリー含めてあの4人の笑顔がまた観れて本当に良かった。

 あ‥‥前はビル・ワイマン含めて5人だったっけ(汗)。

 あー、やっぱもう1回観たいなぁ‥‥さいたま行こうかなぁ‥‥


 
▼ROLLING STONES「STICKY FINGERS」(amazon:US盤JP盤JP盤でかジャケ

投稿: 2006 03 23 03:07 午前 [2006年のライブ, Rolling Stones] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/03/22

ROLLING STONES『A BIGGER BANG』(2005)

 いよいよ本日3月22日より、ROLLING STONESの5度目の来日公演が始まります。前にも書いたことあるかもしれませんが、実は俺、STONESを初来日しか観たことがないんですよ。いや、言い方を変えれば「ビル・ワイマンのいるSTONESを観てる」わけですが‥‥決してその後彼等が嫌いになったわけではなく、もう単純に‥‥十代の一番多感な時期にSTONESを初体験しちまって、もうその後は「この思い出を今後一生反芻して生きていこう」くらいに思ってたわけですよ。だってさ、その後の人生を棒に振るくらい、当時俺の生活においてROLLING STONESって重要な位置に属するバンドだったわけですから。

 その後は、ロニー・ウッドやチャーリー・ワッツがソロで来た時に、それぞれ武道館だったりブルーノートだったりに観に行ったりはしてたんですが、どうしてもSTONES単体には行こうと思わないで。さすがに前回の来日時、武道館公演が決まった時には心ときめきましたが(結局チケット取れなかったんだけど)。でも‥‥何故か今回は行こうって思ったんですよ。どういうわけか判らないけど。ただ、何となくかな‥‥自分の勘を信じて、今回は行こうかな、と。

 今回のツアーは、昨年9月にリリースされた約8年振りのオリジナルアルバム「A BIGGER BANG」をフォローするもの。前回のツアーが所謂ベスト盤ツアーだったことを考えると、今回は純粋な新作を引っ提げたツアーなんだよね。勿論新作からの曲も幾つかやってるようだけど、まぁ基本的にSTONESのツアーってヒットメドレー+意外な'60〜'70年代の隠れた名曲みたいな感じだから、正直新曲要らないって言っちゃあ要らないのかもしれないけど。でも今回のアルバムの曲ってのきなみクオリティが高いと思うんだけど。

 いや、クオリティが高いって言い方は変かな。なんつーか、俺等がよく知ってるROLLING STONESをなぞって作ったというか。決して前作「BRIDGES TO BABYLON」みたいな現代的な要素を取り込もうとしたアルバムではないよね(ま、前作のアレはアレでまたSTONESらしいんだけどね。俺は大好きですよ、あのアルバムも「STEEL WHEELS」も)。アルバム1曲目から'70年代の、いろんな時期のSTONESをなぞった楽曲が登場する。ストレートなロックチューンにしても、例えば'70年代初頭の印象があったり、'70年代後半から'80年代前半のイメージを彷彿させるものがあったり。やさぐれてたり、ポップだったり。そしてディスコチューンがあったり、ソウルフルなバラードがあったり、どブルーズがあったり。そういった「STONESなりのロックンロール」が16曲も詰まった大作に仕上がってる。「VOODOO LOUNGE」もそういう意味では近い作風なのかもしれないけど、あっちはもっと筋が通ってたような気がする。どっちが良い/悪いって意味ではなくね。すごくナチュラルかな、今回の方が。好き放題やったらこうなりました、みたいな感じで。だって冷静に聴いてみても、60超えたジイさん共がやりたい放題やったアルバムにしか聴こえないよね。確かに革新性みたいなものを求める人には向かないだろうけど、単純にロックンロールが好きな奴はこれ聴けばいいじゃない。屁理屈こねくり回す奴がよくいるじゃない、ロックはこうじゃなきゃいけない、とか、OASISがどうのとか、やれ若いバンドがどうのとか。そうは言ってもさ、ここまで確信的に、尚かつ説得力を持ってこの音を鳴らせる若手がどんだけいるんだよ?って話だよね。どうせアルバム1枚か2枚で消えちまうような奴らより、それこそ毎回同じことしか出来ないRAMONESやAC/DCやSTONESの方が、どんだけ信用できるかって話ですよ。

 だからそういう意味じゃ、もう新譜出さなくてもいいんだよね、彼等は。毎回曲名と歌詞だけ変えて、リフとバックトラックだけ同じみたいなアルバム作っても許されるんじゃないかって気もするけど‥‥いや、STONESの場合は許されないか。他が許されても。でも俺は許すよ。今回のアルバムも、全然アリ。ベスト10にこそ選ばなかったものの、恐らく昨年よく聴いたアルバムの10枚に入るかもしれないし。

 さて、もう19時間もすれば‥‥東京ドームで彼等を16年振り(!!)に観るわけですね。楽しみですよ、ホント。



▼ROLLING STONES「A BIGGER BANG」
(amazon:US盤JP盤

投稿: 2006 03 22 12:37 午前 [2005年の作品, Rolling Stones] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/08/04

iTunes Music Store、本日待望の日本上陸。

 以前からいろいろと噂になっていた通り、本日iTunes Music Store日本版がスタートしました(→参考記事)。本日、出先から携帯でいろんなサイト等を読んで状況把握させてもらい、帰宅後早速試してみましたよ、iTMS。

_2 詳しいことは音ハメを読んでもらうとして。Mac使いの俺としてはようやくiTunesでiTMSが、国内でちゃんと使える(購入できる)ってのが嬉しいわけですよ。これまでも同様のサービスってのはあったけど、あくまで独自のソフトのみでの再生やコピーの不可やiPodへの転送不可等、いろいろと制限の多いものばかりで非常に使い勝手が悪く、当然ながら使用/購入する頻度もそれ程大きなものではありませんでしが。が、今回のiTMSは海外のそれと同じ条件を満たし、値段的にも1曲150円(一部邦楽で200円あり)、アルバム購入が1,500円〜と非常に納得のいく内容。試しに聴いてみようっていう人にとっては、自宅にいながらして手軽に試聴し、欲しい曲のみを購入できるというのは本当にありがたいことなんですよね。レンタル店まで行って借りてきて、PCに取り込んで‥‥という煩わしさが減ったのは嬉しいかな、と。ま、レンタルよりも値段は高い設定ですが、(俺個人は)本当に欲しいと思う音源は『パッケージ』として持っていたいので、AmazonやHMVでネット注文したり、あるいは店頭に出向いて買ったりするし、ちょっと買うまでいかないけど試しに‥‥ていう分には本当に便利でありがたいものなんじゃないですかね?


 で、先の通り、早速購入してみました。まずは購入のためのアカウント登録。アカウントは既に持っていたので、それをiTMS用にも使い、更に支払いに使用するクレジットカードの登録もして、登録完了。

 さて。記念すべき初購入楽曲、まずは何にしようかな‥‥と目に飛び込んできたのが、8/1にiTMSでリリースされたばかりのROLLING STONESの新曲3曲。日本では8/31、海外では9/6にリリース予定の、約8年振りとなるオリジナルアルバム「A BIGGER BANG」に収録予定の3曲を、先行シングルとしてiTMS先行でリリースしたようです。各曲の主な内容は以下の通り。

 ・Streets of Love:如何にもなスローバラード。これがリードトラック。
 ・Back of My Hand:如何にもなブルーズナンバー。
 ・Rough Justice:如何にもなロックンロールナンバー。両A面だそうです。

以上、1曲150円で計450円也。ま、東芝なんで国内盤シングルは当然CCCDだし、EU盤シングルもCCCDが多いので、ここでこういう風に、しかも500円以下で手に入れられるというのは、ファンにとっても非常にありがたいし、いち早く聴けるというのが凄く嬉しいし(=アルバムへの期待感を煽るし)、仮にここにアルバム未収録曲が含まれたとして、アルバム買った後に「アルバム未収録の曲だけ欲しいけど、シングル買うのは勿体なくて抵抗ある」って人は未収録の曲だけ、つまり150円か300円を払えばそれらの曲が手に入る。更に普通にCD-Rに焼いたりiPodに転送できるわけですよ。何でこれが今までできなかったのか、と。

_4 STONESはアルバムも日本先行だけどCCCDだし、まぁ当然AmazonでUS盤を予約してるわけですが、その前にiTMSでも購入するかもしれません(iTMSで予約すると、レコーディング風景を収めたボーナス映像が入手できるそうです)。

 もうさっきから、ずっとこのSTONESの曲ばかり聴きまくりですよ。ホントカッコいいのよ、これが。でも、折角のiTMS日本版なので、J-POPも何か購入してみよう。やっぱあれか、大塚愛の「さくらんぼ」辺りを‥‥(ってアルバムまるまる購入しようかしら) →結局、"さくらんぼ" 1曲と、CCCDで泣く泣く断念した星井七瀬 "恋愛15シミュレーション" を購入。更に現在無料ダウンロードが可能なHIFANAの曲も落としました)さすがにSMEが参加してないってことでモーニング娘。を始めとするハロプロ系は1曲も登録されてませんでした。いや、「カバー!モーニング娘。」の1作目は登録されてた。まぁCDで持ってるけどね。

 ホント、ここに辿り着くまで長かったねぇ‥‥ひとまずスタートラインに立ったiTMS日本版。まずはおめでとうと言いたい。今後どう転がっていくかは、使っていく俺等次第かもしれないよね。温かい目で見守りたいと思います。勿論応援してるし、積極的に利用していきたいと思いますよ、Mac+iTunes+iPodユーザーとしては。



▼ROLLING STONES「A BIGGER BANG」(amazon:日本盤:CCCDUS盤:CD-DA


投稿: 2005 08 04 10:11 午後 [Rolling Stones, 「音楽配信」] | 固定リンク | コメント (1) | トラックバック

2005/05/11

ROLLING STONES、夏にツアー&新作!

Stones Regroup For New Tour, Album(Billboard.com)
ローリング・ストーンズ、今夏からワールド・ツアーへ(ロイター)
ローリング・ストーンズ、世界ツアーへ(CNN.co.jp)

 ストーンズが! 俺達のストーンズが無事帰ってきますよ!!

 勿論、この夏から再びツアーが始まるって話はずっと言われてきてましたし、それに合わせて約8年振り(!)のオリジナル・アルバムもリリースするなんて噂もありました。けど、メンバーの姿を見るまでは、メンバーの口から耳にするまでは信じられなかった部分もあり。

 8/21から全米ツアー、スタートします。アジアは来春予定。今回だけは、ドームだろうが武道館だろうが、とにかく四の五の言わずに行けるだけ行く! 例えチケット代が12,000円だろうが、武道館チケットが2万円越えようが、絶対に行く!

 そんなストーンズ。ホントにアルバムが出ますよ! こないだのツアーは2枚組ベスト盤「FOURTY LICKS」に伴うもので、一応新曲が4曲含まれてましたが、それ全部やったわけじゃないしな。この時は時間が足りなかったのと、多分本当に曲が出来なかったんだと思うわ。俺、もうこのままストーンズはオリジナル・アルバムを出さないんじゃないか、つーか出なくてもいいからツアーだけは続けて欲しいってマジで思ったもんなぁ。それなのに、ちゃっかり作っちゃいましたか。嬉しいったらありゃしない。

 現時点では約85%程度完成しているというこのアルバム、過去の例から見て恐らくリリースは7月中旬〜9月上旬とみた。「STEEL WHEELS」の時だっけ、アルバム出るより先にツアー始まっちゃったのって? それ以外は確かアルバムリリース後だよね? 違ったっけ? こないだのベスト盤ツアーの時もツアー開始が先だっけ? よく覚えてねーや。まぁどっちにしろ、出ます。間違いなく。

 この5/10のジュリアード音楽院での発表時、3曲演奏してくれたんだよね。久し振りじゃない、この手のツアー発表会見は? ここのところ、大掛かりだけどライヴはなかったように記憶してるけど‥‥ちなみに演奏されたのは、

  1. Start Me Up
  2. Oh No Not You Again(新曲)
  3. Brown Sugar

の3曲。当然2曲目は新作収録予定曲。今朝のワイドショーでチラッと聴いたけど、如何にもなストーンズチューン。ちょっとだけアッパー気味だけど、キースとロニーのルーズがギターが絡み合って、相変わらずかっけーの何のって。

 いやー、楽しみで楽しみで仕方ないね!



▼ROLLING STONES「LIVE LICKS」[US / CD-DA](amazon

投稿: 2005 05 11 08:31 午後 [Rolling Stones] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/03/23

KEITH RICHARDS『MAIN OFFENDER』(1992)

 第1回目から随分と間が空いてしまいましたが、不定期連載企画『ロケンロールと無理心中』第2回、いきますよーっ。

 この企画で選ぶアルバム、比較的メジャーではない作品‥‥まぁ取り上げるアーティストはメジャー中のメジャー、ロックンロールの世界でいったらど真ん中な人達ばかりなんでしょうけど、そんな中でも個人的に好きでオススメしたい作品がたまたま地味なモノばかりになる、という‥‥ホントに需要があるのかどうか判りませんが、まぁ自己満足でやってる企画なので特に気にしないことにします。

 んで第2回目にして、超王道中の王道、ROLLING STONESのギタリスト、キース・リチャーズを取り上げたいと思います。

 キースのソロ活動はといいますと、ストーンズでデビューして24年目(1988年)にして初めてソロアルバムをリリースするんですね。その前には単発シングルや映画サントラ(チャック・ベリーのやつね)はあったけど、キースが中心となって主導権を握り、彼が曲を書いて彼が歌う完全なソロアルバムっていうのは、その'88年にリリースされた「TALK IS CHEAP」が最初だったわけですよ。これにしたって当初は出すつもりのなかったもので、単にミック・ジャガーがなかなかストーンズに戻ってこなくてソロ活動に精を出してたから、しびれを切らしたキースがとうとう動き出した、という‥‥まぁある意味では偶然の副産物なんですよね。その後ストーンズは'89年に合流して「STEEL WHEELS」というアルバムを作って、同年夏から翌年夏にかけてワールドツアーを敢行、その中には初となる日本公演(東京ドーム10公演がソールドアウト!)が含まれるわけです。で、'91年には新曲2曲を含むライヴ盤「FLASHBACK」をリリース、その後はまた暫くストーンズはお休み、それぞれ自由な活動へと移るわけです。ま、ここでビル・ワイマンが脱退してしまうので、その休憩時間は結局'94年頃にまで及ぶわけですが。

 この長い休憩期間に、各メンバーそれぞれソロアルバムをリリースしてます。ミックも、ロン・ウッドも、そしてチャーリー・ワッツまでもジャズでアルバムをリリース。当然キースもソロアルバム第二弾を制作するわけです。それが今回紹介する1992年リリースの「MAIN OFFENDER」です。

 「TALK IS CHEAP」がストーンズの次回作を待つ間に作られた『偶然の副産物』だとしたら、この「MAIN OFFENDER」は最初から『ソロアルバム』としてキッチリ作られた、ホントの意味での1stアルバムになるのかもしれません。そういうこともあってか、「TALK IS CHEAP」にはストーンズ的な『陽』のイメージが強く感じられるものの、この「MAIN OFFENDER」はもっと『閉じた』ような‥‥『個』であったり『陰』のイメージをこれまで以上に強く感じるんですね。勿論ストーンズの顔が作るアルバムですから、ストーンズらしさも十分感じられるんですが、何だろう‥‥無理をしてないというか、肩の力がいい具合に抜けた、タイトなんだけど適度に緩さを持った、独特且つ唯一無二の世界観を表現してます。一聴しての印象は『地味』以外の何ものでもなく、特に引っかかる名曲も存在しない、聴く人が聴いたらそのままスルーしてしまいそうなアルバムかもしれません。実際、俺も最初手にした時は‥‥まだ20才とかそのくらいだったのかな、その良さが完全に判ったとは言い難い年頃で、無理して何度も聴いてみたけど‥‥「TALK IS CHEAP」以上に好きにはなれなかったのね。まぁ「MAIN OFFENDER」より前のストーンズの作品が「STEEL WHEELS」みたいな派手な作品だったから、余計かもね。

 ところがね‥‥このアルバム、年を取るに連れ、聴く頻度がどんどん高くなってるんですよ。何時頃からだろう‥‥5〜6年前からかな、気づいたらこのアルバムばかり聴いてる時期ってのが必ず年に1〜2度あって。それが年に3〜4回に増え、また翌年には2ヶ月に1回になり、最近じゃ月に1回は必ずCD棚から引っ張り出す機会があるわけ。何でか知らないけどさ、聴いてると非常に落ち着くんだよね‥‥テンポ間が心地よいのかなぁ。変化球もなく、リズム的にもミドルテンポが中心で、途中でスロウチューンやレゲエのリズムが取り入れられたり。ストーンズみたいな速い曲もシャッフルもヘヴィなブルーズもない。肩肘張らない自然体の、空気みたいなロックンロール。当たり前のように鳴らされるキースのギターに、呼吸するかのようなキースの歌声。癒されるってやつとはちょっと違うけど‥‥ロックンロール・チルドレンにとっては、これが子守唄みたいなもんなのかしら。まぁ50超えた(当時)オジイに子守唄なんて歌ってもらうような趣味は持ち合わせてないけどさ‥‥それでもこの音、このタイム感、このフィーリング、この空気感‥‥全てが自分の生活に必要なものなんだなぁ、と。今改めてこのアルバムを聴いてそれを噛み締めています。

 キースのソロアルバムをこれから聴こう、っていうなら最初は「TALK IS CHEAP」を聴くといいですよ。この「MAIN OFFENDER」を最初に聴くことはオススメしません。ましてやストーンズをしっかり聴いてこなかったなら尚更ね。ストーンズにドップリと浸かった人生を送って来た人なら‥‥既に2枚共聴いてるか。

 まぁアレですよ‥‥俺にとっては墓場まで持っていきたいアルバムなわけですよ。



▼KEITH RICHARDS『MAIN OFFENDER』
amazon

投稿: 2005 03 23 12:00 午前 [1992年の作品, Keith Richards, Rolling Stones] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/03/22

いくら『新作』が出ないからって‥‥

ローリング・ストーンズ廃盤コンピ2作、日本でも復刻に(CDJournal.com)

 当時のアメリカのレコード会社がリリースしたコンピ盤、「MADE IN THE SHADE」と「SUCKING IN THE 70'S」。'90年代頭、ソニーが権利を持っていた頃は世界的にこの2枚は『公式盤』としてリリースされていたんですが、'93年の『Virgin/EMI』移籍に伴いベスト盤やライヴ盤関係は全て廃盤にされてしまったんですよね、スタジオ盤のみリマスター再発されて(その後、'90年代末にライヴ盤関係はリマスター再発されてます)。ベスト盤やコンピ関係は『Virgin/EMI』移籍後にリリースされたもの(「JUMP BACK」とか「FOURTY LICKS」等)のみ。

 それがここにきて、何故か「MADE IN THE SHADE」と「SUCKING IN THE 70'S」がリマスター再発されることになりました。もしかしてそろそろ『Virgin/EMI』とも契約が切れるとか?(ってのは考え過ぎか) だってさ、貴重な音源(今やここでしか聴けないシングルB面曲やライヴテイク)を含む「SUCKING IN〜」はまだしも、全て既出音源のみの中途半端なベスト盤('75年リリース。「STICKY FINGERS」から「IT'S ONLY ROCK'N'ROLL」までの4枚から選曲)「MADE IN THE SHADE」までリマスター再発される意図が判らない‥‥単なるコレクターズ・アイテムでしかないじゃん。謎が謎を呼びます。

 ちなみに俺、ソニーからEMIに権利が移ってオリジナル盤がリマスター化されて再発された際に、「STICKY FINGERS」から「STEEL WHEELS」までのスタジオ盤を全部売っ払い、リマスター盤に買い替えたんですが、しっかり「MADE IN THE SHADE」と「SUCKING IN〜」及びライヴ盤関係は手元に残したんです(実はストーンズ、何気にコンピ盤を含めた全アルバム網羅する程好きだったりします)。これを機に、また全部売り払おうかしら‥‥マニアなら飛びついてくれるだろうしね(ってマニアは既に全部持ってるか)。

 ‥‥って何、日本盤はまたCCCDなの!? ホント頭悪いね、東芝EMI! だ・か・らぁ〜、既出音源によるコンピ盤じゃんかよぉー。アホかってぇの。

 賢いファンの皆様は、非CCCDのUS盤(デジパック版と通常版の2種類あるようです)をお買い求めくださいまし。日本盤よりも1ヶ月早いリリースですしね(US盤は4/5、日本盤は5/11)。



▼ROLLING STONES「MADE IN THE SHADE」(amazon


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投稿: 2005 03 22 11:06 午後 [Rolling Stones, 「CCCD」] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/10/08

とみぃ洋楽100番勝負(50)

●第50回:「Paint It, Black」 ROLLING STONES ('66)

 50回目にしてようやくストーンズ。このバンドの存在も自分にかなり大きな影響を与えてくれました‥‥ええ、こいつらのせいで浪人覚悟しましたから‥‥

 ストーンズ自体は中学の頃から‥‥リアルタイムだと「UNDERCOVER」か「DIRTY WORKS」辺りかな‥‥ヒットしてる曲は聴いてたし、実際アルバムも手にしてたんですね。でもそんなに重要な存在ではなかったのよ、当時の俺には。バンドで "Satisfaction" とかカバーしててもね。

 ところがさ‥‥高校2年の頃かな。「フルメタル・ジャケット」っていうベトナム戦争をテーマにした映画があったでしょ、スタンリー・キューブリックの。あれを観に行ってさ。丁度「プラトーン」がヒットした後だったのかな。けど俺的にはあの映画、そんなにグッとくることもなく、普通に素通りしてたのね。

 でもさ‥‥「フルメタル・ジャケット」は‥‥多分忘れられない映画だよね、いろんな意味で‥‥狂ってるもの。それはベトナム戦争というものが狂っていたのか、あるいはキューブリックが狂っていたのか‥‥その全部が微妙にズレ合って、更に狂気に拍車をかけてたんだろうけど‥‥吐きそうだったもの。

 その映画のエンディング‥‥ミッキーマウス・マーチを歌いながら行進する部隊のシーンで終わって、エンドロールでこの "Paint It, Black" が流れるのね。もうさ、そのインパクトがね。映画のインパクトと、この何ともいえない今日の雰囲気が見事にマッチングして、俺の心を鷲掴みしたわけ。

 それから狂ったようにストーンズのアルバムを買い漁り(丁度そのすぐ後に新作リリースと来日発表が重なったんだっけか)、受験勉強も程々で来日公演のチケット確保に動き回り、東京ドームのアリーナ前から20数列目という至近距離で初ストーンズを体験することになるのでした。お陰で受験は大失敗。ま、ストーンズのせいじゃなくて俺がバカだっただけなんだけど。

 「フルメタル・ジャケット」という映画を通して、俺にとってふたつの大きな「とみぃ史に重要な要素」が生まれました。それがストーンズ、そしてキューブリックだったのです。



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投稿: 2004 10 08 12:00 午前 [1966年の作品, Rolling Stones, 「100番勝負」] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2003/03/15

ROLLING STONES『FLASHPOINT』(1991)

ROLLING STONES何度目かの来日中ですね。今やアルバムを出せば必ずワールドツアーの一環でここ日本にもやってきてくれるので、もしかしたら既に有り難みがない存在なのかもしれませんが、それでも若いロックファンにとっては「これを見逃したら最後になるかも‥‥」と焦って、高い金払ってドームや武道館や横浜アリーナへ足を運んでいるんでしょうね。

このサイトを4年以上続けて、実は初めて公で告白しますが‥‥ストーンズが死ぬほど好きでした。「でした。」って過去形なのは、単に自分の中で自己完結させてしまってるだけで、別に興味がなくなったとかそういった問題ではなくて‥‥なんつーか‥‥生意気言わせてもらえば、ビル・ワイマンが脱退した時点で俺が知ってるストーンズは終わった、と。だから「VOODOO LOUNGE」の時点で既に数歩引いたところから見てる感じなんですよね。けど、その割りにオリジナルアルバムは全て、編集盤やライヴ盤に至るまで、恐らく公式発売されているものはかなりの数を持ってたりするんですよね。そこに加えて各メンバーのソロやら、終いにはブートまで‥‥ストーンズ関連だけで7~80枚はあるんじゃないか、と。いや、もっとある気が‥‥数えたことないからな。ま、その位好きだったし、今でも嫌いじゃないわけですけど‥‥やっぱりどこか醒めた目で見てる自分がいるという‥‥ねぇ。

何でこんなことを書くかというと、それなりに理由がありまして‥‥どんなアーティストでも、やっぱり一番最初に観た時のインパクトが強いと、やはりそれに勝るステージってなかなかないんですよね。例えばAEROSMITHにしても過去何度と観てますが、どんなに「GET A GRIP」ツアーが素晴らしい内容だったからといっても、やはり一番最初に観た'88年の武道館には勝てないし、GUNS N'ROSESが東京ドームでどんなに素晴らしいショーをやっても、最初に観た初来日の40分で終わった公演、そしてその次に観た武道館のインパクトってのは超えられないわけですよ。内容的にはどんなに優れていても、あの日心に焼き付けられたものは、なかなか消えることはないし、あるいは一生その刻印を引きずって生きていくことだってあるわけですよ。

で、俺の中でもそのスペシャルな部類に入る‥‥俺の心に刻印を刻んだライヴを見せてくれたのが、'90年2月のストーンズ初来日なんですね。2月21日だったかな? チケットの半券が今見当たらないんで記憶違いかもしれないけど、多分その頃。丁度俺、高校3年で受験生だったんですね。で、この頃は正にその真っ直中でして、入試の為に1週間以上東京にいて、試験が終わったらビジネスホテルに戻って勉強、という日々が続いてたわけです。けど、たった1日だけ、俺は試験の合間にストーンズを観に行ってしまったわけです。あの頃、本当にチケット争奪戦でして、電話はなかなか繋がらない。地元にプレイガイドがまだなかった頃だったので、発売日に店頭に並ぶことも出来ず、俺は片田舎からひたすら電話をしまくって、ようやく取れた1枚のチケット‥‥しかもそれがアリーナ席、ステージほぼ真正面の20数列目‥‥嘘みたいな本当の話。最前ブロックのそんな席を、田舎の高校生だった俺が取れたわけです。そりゃもう舞い上がったわけですよ。確か12月だったかな、チケット発売は。周りが受験でピリピリしてる中、ロック仲間の同級生と「俺、ストーンズすっげー前取れたよ!」とか「いや、俺はポール・マッカートニーに行くよ!」って感じで互いに盛り上がって、受験勉強もそっちのけで(当時は共に初来日だったんですね)‥‥嗚呼、今思えば、あそこで俺の人生が大きく変わっちゃったんだよなぁ‥‥


このアルバムは'91年春にリリースされた、ストーンズとしては通算5枚目のライヴ盤。ワールドツアー自体が確か7年とかそれくらい振りだったこともあり、かなり盛り上がったんだよね、当時は。しかも初の来日公演(東京ドームを10回!しかも即日完売!!)まで含まれていたんだから。それまでここ日本ではストーンズって、名前の割りに全然売れてなかったし、盛り上がってなかったんだよね。けど、初来日が大きく影響して、当時リリースされたアルバム「STEEL WHEELS」はここ日本でもバカ売れしたし、ツアースポンサーに「ポカリスエット」がついたことでCMに起用されたり、等々‥‥で、来日直前から空前の盛り上がり。当時はライヴの模様が地上波でテレビ放送までされた程でして(GWに夜9時から2時間半という破格の扱い!未だに俺、そのビデオ持ってるよ)。ここ数年の間にロックファンになった子には判らないかもしれないけど、とにかくそれくらい日本が盛り上がったんですよ。で、このアルバムはその日本公演の音源も一部収録してるってことも、当時のファンにとっては大きな記念になってます("Ruby Tuesday"がそれ)。

ここで聴けるストーンズってのはある種異色かもしれないね。というのも、かなり当時のテクノロジーを駆使したサウンドになってるし(何せキーボードのチャック・リーヴェルの他に、シンセ/マニピュレーターとしてマット・クリフォードが参加してるんだから)、絵に描いたような'80年代的サウンドで、人によっては違和感を感じるかもしれません‥‥その後「VOODOO LOUNGE」でのツアー辺りからどんどん過去のアーシーなサウンドへと回帰していって、今現在行われてるツアーでもより自然体なストーンズを味わえると思うんですが、俺はこういうストーンズもまたストーンズらしいと思うんですね。それにさ、やっぱり自分が観たミック、キース、ロニー、チャーリー、ビルという「5人のストーンズ」が残した最後の音源集だからね。

マット・クリフォードという男が参加したお陰で、演奏はかなりスタジオ音源に近い印象を受けます。シーケンサーを使い出したのもこのツアーからだし("Sympathy For The Devil"のパーカッションとかね)、今や演奏してないであろう"Paint It Black"や当時の新作からの"Sad Sad Sad"、"Rock And A Hard Place"、キースの歌う"Can't Be Seen"等は、やはりあの編成でなければ表現出来なかった楽曲だろうと思うし、かと思うと"Little Red Rooster"(エリック・クラプトンが参加したテイク。恐らくキースのバースデー公演からのものでしょう。ブートで持ってるし)ではちゃんとルーツを垣間見ることができるし、ラストの"Brown Sugar"~"Jumping Jack Flash"、そしてアンコール"Satisfaction"の畳み掛けるような構成は圧巻だし。けど‥‥やっぱりイントロの"Continental Drift"からオープニングの"Start Me Up"に入る瞬間の花火のドカン!という音。これが一番ゾクッとくるね。当日を思い出すもん。

そうそう、このアルバムオンリーのスタジオ録音の新曲が収録されている点もポイントかな。"Highwire"と"Sex Drive"は結局その後何枚かリリースされたベスト盤にも収録されることもなく(共にシングルカットされてるのにね)、ファン以外にはアピールが弱い楽曲かもしれないけど、俺は好きだな。"Highwire"は湾岸戦争に対する彼等なりの皮肉だし(ま、リリースされた頃にはもう終わってたけどね)、"Sex Drive"のドス黒さはやはり彼等にしか表現できない味だし。共にビル最後の参加曲なだけに、やっぱりファンになった人には是非聴いてもらいたい曲だね。ま、その後のライヴでも演奏されたって話は聞いたことないので、ストーンズにとってもどうでもいい楽曲なのかもしれないけど‥‥


約3時間に及ぶストーンズ公演を観た俺は、興奮状態のままホテルに戻って、結局勉強も手につかないまま、一晩中ウォークマンでストーンズのアルバムを聴きまくって、翌日の試験も散々。結局ストーンズ熱が災いしたのか、その年の受験は全て失敗。晴れて俺は浪人生として上京することになったのでした。そして予備校にもろくすっぽ行かないで、学校のあった高田馬場や新宿へCDやブートを探し求めに行く日々‥‥そう、あのストーンズ初来日がそれまでの俺の全てを変えてしまって、あれやあれやと月日は流れて、こういうサイトをやる羽目になって、何の因果かそのストーンズについてレビューを書いているという‥‥って好き好んで書いてるんですけどね。

結局その後、今回を含めて3回来日公演を行っているわけですが、そのどれにも行ってない俺。さすがに今回の武道館公演には心惹かれたものの、抽選外れちゃったから行かなかったし。まぁきっと、このまま二度と観ることはないんだろうけど‥‥今10代の子達にこれだけは言っておきます。悪いことは言わないから、親の財布からネコババしてでも、1回はストーンズ観ておきなさい!‥‥ま、こんなどうしようもない大人になりたくなかったら、絶対に観ないように‥‥

けどこのアルバムは聴いてみてね。多分、もっとロックが好きになると思うからさ。



▼ROLLING STONES『FLASHPOINT』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD

投稿: 2003 03 15 12:59 午後 [1991年の作品, Rolling Stones] | 固定リンク