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カテゴリー「Rolling Stones」の39件の記事

2022年5月14日 (土)

THE ROLLING STONES『LOVE YOU LIVE』(1977)

1977年9月23日にリリースされたTHE ROLLING STONES通算2作目のライブアルバム(アメリカ限定の擬似ライブ盤『GET LIFE IF YOU WANT IT!』を含めると3作目)。

Decca Records / London Records時代に発表した『GET YER YA-YA'S OUT!』(1970年)に続くライブ作品は、アナログ/(のちの)CDともに2枚組とボリューミーな内容。ロニー・ウッド(G)が参加して初のツアーとなった1975年の全米ツアー、および翌1976年の欧州ツアー、そして1977年3月にカナダ・トロントのクラブEl Mocamboで実施された限定公演からの音源を含む全18トラック(オープニングSEを除けば全17トラック)を楽しむことができます。

タイミング的には『BLACK AND BLUE』(1976年)リリースを挟む時期のツアー音源となり、同作からは「Hot Stuff」がセレクトされたのみ。むしろ、その前作にあたる『IT'S ONLY ROCK 'N ROLL』(1974年)から3曲(「If You Can't Rock Me」「Fingerprint File」「It's Only Rock 'N' Roll (But I Like It)」)選ばれているあたり、同作のツアーが実現しなかった鬱憤が晴らされているような気がしてなりません(実際のツアーでは「Fool To Cry」や「Crazy Mama」あたりもセレクトされていますが)。

『GET YER YA-YA'S OUT!』でのダークな危うさこそ感じられませんが、全体を通して伝わる躍動感はこの時期ならでは。ミック・ジャガー(Vo)もキース・リチャーズ(G, Vo)も脂の乗ったパフォーマンスを展開しています。特にキースに関してはドーピングの結果とは言いませんが(苦笑)、そのテンションの高さはダウナーだった1970年前後と比較すると完全に別モノ。一概に比較はできませんが、どっちもストーンズらしいと思いますし、少なくとも80年代からストーンズに入っていった僕にとっては『LOVE YOU LIVE』でのストーンズがもっともパブリックイメージに近かったような記憶があります。事実、1990年2月の初来日時は『GET YER YA-YA'S OUT!』よりも『LOVE YOU LIVE』ばかりリピートしていましたしね(選曲的にもこちらのほうが近いですし)。

「Hot Stuff」や「Tumbling Dice」からじわじわ伝わる熱量、「Star Star」や『IT'S ONLY ROCK 'N ROLL』収録曲から伝わる爆発力、そして「Brown Sugar」から「Jumpin' Jack Flash」へと続きラストの「Sympathy For The Devil」へと到達するクライマックス感は、本作でしか味わえないものではないでしょうか。もちろん、「Fingerprint File」や「You Gotta Move」みたいに地味めな曲から伝わるファンキーさもたまりません。

そして、本作でもっとも注目すべきなのがDISC 2冒頭から4曲目まで(アナログC面)の、El Mocamboでの音源。すでにアリーナクラスのバンドだったストーンズが、300名収容のクラブで演奏するという貴重な機会というだけでなく、「Mannish Boy」「Crackin' Up」「Little Red Rooster」「Around and Around」と、ある種原点回帰と言える規模感でルーツとなるブルース/R&Rをカバー/選曲するあたりに、バンドのこだわりが見え隠れします。

ストーンズが次にライブアルバムをリリースするのは、1982年になってから。その『STILL LIFE』ではスタジアムでライブをするようになったストーンズの様子がコンパクトにまとめられています。続く『FLASHPOINT』(1991年)もスタジアムツアーの模様を収めたものですが、約10年の間にどれだけテクノロジーが進化したのかも確認でき、資料価値としても非常に高いものがあるので、そのへんも意識して楽しんでみてください

 


▼THE ROLLING STONES『LOVE YOU LIVE』
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2022年3月26日 (土)

KEITH RICHARDS『MAIN OFFENDER (DELUXE EDITION)』(2022)

2022年3月18日にリリースされた、キース・リチャーズの2ndソロアルバム『MAIN OFFENDER』のリマスター&デラックス・エディション。日本盤未発売。

『MAIN OFFENDER』のオリジナル盤は1992年10月に発売された、『TALK IS CHEAP』(1988年)から4年ぶりのソロアルバム。ミック・ジャガーがソロに熱心で、なかなかTHE ROLLING STONESを動かそうとしないことに痺れを切らしたキースが、当初制作するつもりではなかったソロアルバムに着手した、というのが前作の制作過程でしたが、この2作目は『STEEL WHEELS』(1989年)でストーンズが本格的復活、かつ長期にわたるワールドツアーを大成功させたあとのブレイクタイミングに作られたもので、向き合い方や作品への姿勢がまったく異なるものだったりします。それもあってなのか、『TALK IS CHEAP』が比較的わかりやすくてキャッチーなテイストなのに対し、この『MAIN OFFENDER』は完全にキースが趣味に走った“俺様”な内容と解釈することができます。

確かに、『TALK IS CHEAP』と比べたら地味ですし、キャッチーさも低い。しかし、聴いていてクセになるのは確実に『MAIN OFFENDER』のほうなんです。かつてのレビューにも書きましたが、『MAIN OFFENDER』って年齢を重ねれば重ねるほどその魅力に惹きつけられるといいますか、どんどん夢中になっていく不思議な引力が備わっているんです。無駄を一切削ぎ落としたそのいぶし銀の歌とギター、バンドアンサンブル(すべてのタイム感も含め)誰にも真似できないし、一生かかっても追いつけない孤高の存在感をこれでもかと味わえる。素材の持つ味だけで堪能する至高の料理みたいな1枚なのです。

そんな名作が最新リマスタリングされ、低音に若干ギアを入れたような質感に生まれ変わった。個人的にはオリジナルの音で十分すぎるのですが、リリースから30年経ったことでイマドキの味付けが施された逸品を、このタイミングに味わってみるのも悪くないかな、という感じでしょうか。

いやいや、このデラックス・エディション最大の聴きどころはそこじゃない。CDやアナログ・ボックスセット、デジタル版のために用意された“DISC 2”に注目していただきたいわけです。

『WINOS LIVE IN LONDON '92』と命名されたこのDISC 2には、1992年12月17、18日にロンドン・Town And Country Clubで行われたライブから12曲の未発表ライブ音源を収録。実際のライブでは両日とも18〜20曲程度披露されていますが、ライブアルバム化にあたり『TALK IS CHEAP』『MAIN OFFENDER』といったソロ作、そして「Gimme Shelter」「Before They Make Me Run」「Happy」などのストーンズクラシックをバランスよく交えた内容にまとめられています。

キース(Vo, G)と『MAIN OFFENDER』のプロデューサーでもあるスティーヴ・ジョーダン(Dr)、ワディ・ワクテル(G)、チャーリー・ドレイトン(B)、アイヴァン・ネヴィル(Key, G)、サラ・ダッシュ(Vo)、バビ・フロイド(Vo)といったレコーディングメンバーに、ストーンズでお馴染みのボビー・キーズ(Sax)を加えた編成=THE X-PENSIVE WINOSでのルーズながらもグルーヴ感の強いバンドサウンドは最高の一言で、キースが独自のメロディラインで歌う「Gimme Shelter」はミックの歌うそれとは異なる熱量(蒼い炎とでもいいましょうか)が伝わり、エンタメ色の強いストーンズ版との対比含め興味深く楽しめるはずです。

WINOSのライブ作品は『TALK IS CHEAP』を携えたツアーの模様を収めた『LIVE AT THE HOLLYWOOD PALLADIUM』(1991年)がすでに存在しますが、『MAIN OFFENDER』収録曲多めな今回の『WINOS LIVE IN LONDON '92』のほうが個人的には好みかな。とはいえ、ロックファンなら両方チェックしておいて損はないはずなので、スタジオ音源とあわせてすべて聴いてみることをオススメします。だって、ソロ作はスタジオアルバム3枚、ライブアルバムも(このデラックス版のおまけ含め)2枚だけなんですから。

 


▼KEITH RICHARDS『MAIN OFFENDER (DELUXE EDITION)』
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2021年5月 7日 (金)

RONNIE WOOD『I'VE GOT MY OWN ALBUM TO DO』(1974)

1974年9月13日に発売されたロニー・ウッドの1stソロアルバム。

当時FACESのギタリストだったロニーにとってキャリア初となるソロアルバムは、そのFACESのメンバーでもあるロッド・スチュワート(Vo)やイアン・マクレガン(Key)のほか、のちに加入することになるTHE ROLLING STONESミック・ジャガー(Vo)、キース・リチャーズ(G, Vo)、ミック・テイラー(G, B)、さらにはジョージ・ハリスン(G, Vo)なども参加する、まさに邦題の『俺と仲間』どおりの内容となっています。

FACESはもちろん、ストーンズの血が濃く混じっていることもあり、本作は両バンドの個性をロニーなりに消化したルーズなロックンロール&ソウルを存分に堪能することができます。ジャガー&リチャーズ書き下ろし曲「Act Together」「Sure The One You Need」や、ジョージとロニーの共作曲「Far East Man」、のちにイジー・ストラドリン(ex. GUNS N' ROSES)が本家ロニーをゲストに迎えてカバーする「Take A Look At The Guy」、ミックのボーカルもしっかりフィーチャーされた「I Can Feel The Fire」など、とにかく印象的な楽曲が多いのですが、どの曲もロニー以上にゲストミュージシャンの主張が強く(苦笑)、そういったところにロニーの人柄が表れているような気がしないでもないです。

だって、「Am I Grooving You」なんてミック・ジャガーとキース・リチャーズの掛け合いボーカルの印象が強いですし、「Far East Man」もジョージ・ハリスンのスライドギターが主役みたいなものですし(なんなら曲自体もジョージのそれだし)。いくら『I'VE GOT MY OWN ALBUM TO DO』とタイトルに掲げていても、「俺が俺が」の性格ではないことが良くも悪くも“フロントマン=ロニー・ウッド”の影を薄くしてしまっている。もっと言えば、迎え入れたゲストのアクが強すぎるんです。初のソロ作、ご祝儀がわりにゲストが豪華なのはよろしいのですが、もうちょっと考えたほうがいいんじゃないの?とこちらが心配になるという(苦笑)。

でも、アルバムとしてのまとまりや個々の楽曲の完成度は非常に高く、1枚のロックンロールアルバムとしてはかなりクオリティが高い。正直、個人的には同時期に制作されたFACESのアルバムよりもダントツに好きなんですよね、こっちのほうが。それは別にロッドがダメとかじゃなくて、単純にフィーリングの問題。本当は比べようがないんですが、趣味的にこっちのほうがど真ん中というだけの話です。

あと、このアルバムを聴いたあとにストーンズの『IT'S ONLY ROCK 'N ROLL』(1974年)を聴くと、非常に納得するものがあるという……ああ、そうか。単に自分がストーンズ側の人間なだけか。納得です。

ストーンズ・ワークスとしては先の『IT'S ONLY ROCK 'N ROLL』と、ロニー加入後の『BLACK AND BLUE』(1976年)の間にある1枚。実は両作をつなぐ上でも重要な作品ではないかと思うのですが、いかがでしょう。

 


▼RONNIE WOOD『I'VE GOT MY OWN ALBUM TO DO』
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2020年11月17日 (火)

THE ROLLING STONES『STEEL WHEELS LIVE』(2020)

2020年9月25日にリリースされたTHE ROLLING STONESのライブ作品。

ライブ作品のリリースを目的としたものではない録音物をレストアして公式発売する“Official Bootleg”の一環で発表されたもの。ここのところ90年代のライブ作品がいくつもリリースされてきましたが、1989年のアルバム『STEEL WHEELS』のツアー関連では2012年のライブ音源『LIVE AT THE TOKYO DOME』(デジタルリリースのみ)、2015年の“From The Vault”シリーズからのライブ映像『LIVE AT THE TOKYO DOME』に続く3作目となります。といっても、先の東京ドーム作品は同一公演のものなので、正しくは2作品目なのですが。

本作には1989年8月31日からスタートしたワールドツアーの中から、1989年最後の公演となった12月17、19、20日のニュージャージー州アトランティック・シティでのライブを収録したもの(セットリストどおりということになると、本作は19日の模様を収めたものでしょうか)。この3公演にはLA公演(同年10月)でオープニングアクトを務めたGUNS N' ROSESからアクセル・ローズ(Vo)&イジー・ストラドリン(G)、そしてエリック・クラプトン(G)とジョン・リー・フッカー(G)がゲスト参加。当時海外ではラジオ放送もされ、この音源が日本にもブートレッグとして流れてきたものです。確かCD3枚組の大容量で、値段も1万円前後したような……浪人生だった自分にはキツイ出費でした(苦笑)。

当時の記憶をたどりながら本作(音源)に触れたのですが、その音のクリアさ、きめ細かさに驚かされました。いや、FMラジオ音源(を元にしたブート)も相当聴きやすかったですが、あれから30年以上を経て公式に届けられたこの音源、通常のライブ作品として何ら問題のない仕上がりだと思います。

このライブの次(約2ヶ月後)が初の日本公演とあって、選曲的にはジャパンツアー序盤に近いものがあり、内容的には大きな驚きはないのですが、やはり特筆すべきはアクセル&イジー参加の「Salt Of The Earth」、クラプトン参加の「Little Red Rooster」、クラプトン&ジョン・リー・フッカーとの共演曲「Boogie Chillen'」でしょう。Setlist.fmによると、ストーンズが「Salt Of The Earth」をライブで披露するのは1968年以来21年ぶりとのこと。ミック・ジャガーキース・リチャーズ、アクセルの3人が歌い分けるこの「Salt Of The Earth」は豪華なものがあります。若き日のアクセルは若干緊張気味なのか、いつものアグレッシヴさが足りないような気がしないでもありません(笑)。イジーのギターは……と耳を傾けると、どうしてもロニー・ウッドのスライドプレイに耳が行ってしまうという(苦笑)。ゴメンね、イジー。

クラプトン参加の「Little Red Rooster」は、聴けばすぐにわかるプレイなので書くまでもなく。続く「Boogie Chillen'」はジョン・リー・フッカーのカバーなので、主役は彼自身。ストーンズやクラプトンがレジェンドのバックを務めつつ、随所で自身の個性を出すという微笑ましさもこの時期ならではでしょうか。

まだストリーミングで音源しか耳にしていないので、映像のほうはこれから購入して確認しようと思いますが、東京ドーム公演とは違った海外での盛り上がりは一見の価値ありかなと。なお、ボックスセットには東京ドーム公演のDVDと、『STEEL WHEELS RARE REELS』と題して「Play With Fire」「Dead Flowers」(1989年9月3日のトロント公演)、「Almost Hear You Sigh」「I Just Want To Make Love To You」「Street Fighting Man」(1990年7月6日ロンドン公演)を収録したボーナスCDが付いているので、値段は張るけどこちらを購入してみようと思います。

 


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2020年11月16日 (月)

KEITH RICHARDS & THE X-PENSIVE WINOS『LIVE AT THE HOLLYWOOD PALLADIUM』(1991)

1991年12月上旬にリリースされた、キース・リチャーズTHE ROLLING STONES)のライブアルバム。日本盤もほぼ同時期に発売されましたが、当初はCD+VHSビデオ+Tシャツのボックスセットで3万セット限定販売(1万円の高額商品でしたが当時購入しました……)。翌1992年2月にようやくCD単品が国内リリースされました。

本作はしばらく廃盤状態でしたが、2020年11月13日にリリース元をVirgin RecordsからキースのプライベートレーベルMindless Records(BMG傘下)に変え、最新リマスタリングが施された状態で再発。オリジナル盤と同じく全13曲入りのCDに加え、レストアされた映像版(DVD)と2枚組アナログ盤、さらにアルバム未収録の3曲を収録した10インチアナログ、豪華フォトブックなどを同梱したボックスセット、アルバム未収録3曲を追加したデジタル版が用意されています(2枚組アナログ盤も単品発売)。

本編の内容は、初のソロアルバム『TALK IS CHEAP』(1988年)を携えて行われたソロツアーから、1988年12月15日のカリフォルニア州The Hollywood Palladiumでの公演を収めたもの。キース(G, Vo)のほか、ワディ・ワクテル(G)、チャーリー・ドレイトン(B, Dr)、スティーヴ・ジョーダン(Dr, B)、アイヴァン・ネヴィル(Key)、ボビー・キーズ(Sax)、サラ・ダッシュ(Vo)という布陣=THE X-PENSIVE WINOSによる、生々しくもルーズでグルーヴィーなロック&ソウルを存分に味わうことができます。

選曲は『TALK IS CHEAP』からの楽曲を軸に、ストーンズでもカバーした「Too Rude」や「Time Is On My Side」のほか、ストーンズでのキース歌唱曲「Happy」に加え「Connection」のキース歌唱バージョンが楽しめるという、ソロツアーならではのサプライズも用意。ミック・ジャガーがストーンズナンバーをソロで歌ったとしても「そりゃそうだよな」くらいの感想しか出てきませんが(それも超代表曲しか歌わないしね)、自身が作詞・作曲に携わったストーンズナンバーを片割れのキースが歌うのはちょっと感動モノというか、違った意味での重みを感じます。しかもこの「Connection」、演奏含めめちゃくちゃカッコいい。ぶっちゃけ、原曲より好きです。

また、「Time Is On My Side」ではキースがボーカルをとるのではなく、サラ・ダッシュが歌うというのがまた素晴らしい。アルバムではその直前の「Make No Mistake」でキースと艶やかなデュエットを聴かせているサラですが、この「Time Is On My Side」のソウルフルさはストーンズバージョンよりもエモーショナルさが増しており、非常に好印象。ソロツアーではあるものの、あくまで“バンド”であることを強調しているところからもキースらしさが伝わります。ここでの実力発揮があったからこそ、翌年のストーンズのアルバム『STEEL WHEELS』(1989年)及び同ツアーへの参加が実現するわけですものね。

ちなみに、新規追加された3曲は「I Wanna Be Your Man」「Little T & A」のストーンズナンバー2曲と、ソロアルバムからの「You Don't Move Me」。レノンマッカートニー書き下ろしの「I Wanna Be Your Man」はキースのみならずバンドメンバーが一斉に歌うのがバンドっぽくてよろしいですし、「Little T&A」はストーンズバージョンよりもタイトなのがまた素晴らしい。「You Don't Move Me」はライブアルバムのこの流れでは少々地味なのでカットされたのでしょうね、という印象。だとしても、オマケとしては十分すぎるほど。できることなら、当日のライブと同じ流れに組み直してほしかったかな。まあ、あくまでオマケなので聴けるだけでも十分っちゃあ十分ですけどね。

まあとにかく、貴重なキースのソロツアーライブ音源を存分に味わえる貴重な1枚なので、ソロ3作ともども聴いておくべき重要作だと思います。

 


▼KEITH RICHARDS & THE X-PENSIVE WINOS『LIVE AT THE HOLLYWOOD PALLADIUM』
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2020年8月17日 (月)

THE ROLLING STONES『IT'S ONLY ROCK 'N ROLL』(1974)

1974年10月にリリースされたTHE ROLLING STONESの12thアルバム(イギリスにて。アメリカでは14作目)。

ジャマイカで制作された前作『GOATS HEAD SOUP』(1973年)は破天荒さが際立った前々作『EXILE ON MAIN ST.』(1972年)とはある種真逆の、ダークさと穏やかさがミックスされた出色の1枚となり、セールス的にも大成功を収めました。続く今作ではその『GOATS HEAD SOUP』とも、さらにはそれ以前のアメリカ南部に傾倒した作風からも飛び出した、新機軸のロックンロールが展開されています。

ミック・ジャガーキース・リチャーズの匿名ユニット・THE GLIMMER TWINSによる初のプロデュース作品である本作は、特に80年代以降へとつながっていくソリッドかつストレートなストロングスタイルのロックンロールが展開されており、そのタイト&ファットな音像からハードロック的な志向も見え隠れします。また、近作で大活躍だったブラスセクションを排除することで、バンドの5人+ピアノというシンプルな編成で構築されたバンドアンサンブルを思う存分に味わうことができます。

まあなにより、本作はオープニングを飾る「If You Can't Rock Me」でのハードな音像&プレイに、いきなり度肝を抜かれるのではないでしょうか。THE TEMPTATIONSのカバー「Ain't Too Proud To Beg」で若干落ち着きを見せるも、本作のタイトルトラックである「It's Only Rock 'N Roll (But I Like It)」でロックバンドならではのタフさが再熱。アップテンポなライブバージョンに慣れ親しんでいると、この落ち着いたテンポの中でじわじわと熱量が高まっていくアレンジは新鮮に映るかもしれませんね。ちなみにこの曲、のちに加入することになるロン・ウッドが12弦アコースティックギターとコーラスでゲスト参加しています。

アルバム中盤の大きな聴きどころとなるのが、6分半を超える大作「Time Waits For No One」。本作を最後にバンドを去るミック・テイラーの素晴らしい長尺ギターソロと、ニッキー・ホプキンスによるドラマチックなピアノプレイをたっぷり楽しめる名曲です。さらに後半も、ノリ一発で攻めまくるハードなロックンロール「Dance Little Sister」、美しいバラード「If You Really Want To Be My Friend」、イワン・スチュアートの軽やかなピアノが耳に残る「Short And Curlies」、「Miss You」などのディスコ路線にも通ずる「Fingerprint File」など個性的な楽曲が目白押し。

そのわりに全体的には地味に映ってしまう本作、商業的には前作ほどの成功を収めることができず、イギリスでは4作連続1位記録も途絶え(最高2位)、アメリカでもかろうじて1位を記録するものの、売り上げ的にはギリギリ100万枚に届くか届かないか(80年代に入ってからミリオン突破)。シングルも「It's Only Rock 'N Roll (But I Like It)」(全英10位/全米16位)、「Ain't Too Proud To Beg」(全米17位)、「Dance Little Sister」(チャートインせず)とあまり大きなヒットに結びつきませんでした。

ミック・テイラーの脱退、新たなギタリスト・オーディションなどもあり、本作を携えたライブツアーはすぐには実現せず、結果ロン・ウッド参加(当時はFACES活動中だったためサポートメンバー)が発表されたあとの1975年6月から北米ツアーを行うのでした。ストーンズ的には、この頃はある種の低迷期だったのかもしれませんね。

 


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2020年6月 4日 (木)

THE ROLLING STONES『GOATS HEAD SOUP』(1973)

1973年8月末にリリースされた、THE ROLLING STONES通算11作目(イギリスにて。アメリカでは13作目)のスタジオアルバム。

無軌道なまでにやりたい放題をやり尽くした結果、アナログ2枚組の大作となった前作『EXILE ON MAIN ST.』(1972年)。派手な印象が強い同作から一転して、この『山羊の頭のスープ』という直訳邦題が付けられたアルバムはなんとジャマイカにてレコーディングを敢行。ボブ・マーリーが台頭し始めたタイミングということもあって、いよいよレゲエテイストを導入か?と思いきや、その内容は非常に穏やか、かつダークでファンキーという……一聴すると地味に聴こえなくもないですが、いやいや。じっくり聴き込むと前作以上の完成度で、実は70年代前半のストーンズにおけるベストワークでは?と思えるほどの出来なのです。

「Dancing With Mr. D」という怪しげな楽曲からスタートする本作は、基本的にこのテイストがアルバム全体を覆っているイメージといっていいでしょう。キース・リチャーズ(G, Vo)がリードボーカルを務める「Coming Down Again」といい、ビリー・プレストンのパーカッシヴなクラヴィネットが耳に残る「Doo Doo Doo Doo Doo (Heartbreaker)」といい、実は「Angie」よりも優れた名バラードだと思っている「Winter」といい、妖艶さと肩の力の抜けきったミック・ジャガー(Vo)のルーズなボーカルが気持ち良く響きます。

かと思えば、『BEGGARS BANQUET』(1968年)以降のストーンズらしいサザンロック・テイストをより強めた、「Silver Train」や「Star Star」のような軽やかなロックンロールもしっかり用意されている。激しさや破綻こそないものの、ダウナーなストーンズの魅力が端的に表れた良質な楽曲集と言えるのではないでしょうか。

それと興味深いのが、本作収録曲の多くがピアノやキーボードを軸にした楽曲だということ。このへんも、キースやミック・テイラー(G)のギターリフでグイグイ引っ張る前作、前々作とは一線を画するものがあります。とはいえ、この反動がまたすぐ次のアルバムに表れるんですけどね(笑)。

本国では『LET IT BLEED』(1969年)から4作連続1位、アメリカでも『STICKY FINGERS』(1971年)から3作連続で1位に輝き、特にアメリカでは『STICKY FINGERS』に次いでマルチプラチナム(現在までに300万枚以上)を達成。シングルも「Angie」が全英5位/全米1位という大ヒットを記録し、さらに「Doo Doo Doo Doo Doo (Heartbreaker)」も全米15位まで上昇しました。そう、完成度の高さとセールスがしっかり結果につながった1枚でもあるのですよ。

いわゆる誰もが知る代表曲は「Angie」程度しか見当たりませんし、そういう意味でも一見さんにオススメするには弱い内容かもしれません。が、ストーンズにハマればハマるほど、本作の魅力に気づかされるのでは。今では『BLACK AND BLUE』(1976年)と並んで愛聴しまくるベスト作品のひとつです。

 


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2020年2月19日 (水)

【振り返り記事】ROLLING STONES STEEL WHEELS JAPAN TOUR 1990@東京ドーム(1990年2月19日)

さて、振り返りライブ記事第2弾は今から30年前の記憶を掘り返そうというもの(笑)。ぶっちゃけ、かなり曖昧なところもありますが、なんとなく当時の思い出をよみがえらせて、ここに書き残してみたいと思います。

1990年2月14日から27日にかけて、全10公演という前代未聞の東京ドーム連続公演を成し遂げたTHE ROLLING STONES初来日公演。初めて実現した日本公演であると同時に、ストーンズにとっても1982年のヨーロッパツアー以来7年ぶりに実現した本格的なツアーとあって、1989年8月末にスタートした時点で世界中からかなりの注目が寄せられていました。

また、一時はミック・ジャガーキース・リチャーズの仲が修復不能とまで言われたあとだけに、同時期にリリースされた最新アルバム『STEEL WHEELS』も久々のヒット作となり、日本でも(来日効果もあり)かなりのヒットを記録しています。

実はこの東京ドーム公演、当初は9公演のみで、あとから2月19日の追加公演が発表されています。僕は当時高校3年生で、受験勉強まっただ中というタイミング。来日時期も大学受験シーズンとまるかぶりで、その1ヶ月後(1990年3月)に予定されていたポール・マッカートニー初来日のほうに心が動いたのですが、受験勉強でやさぐれた時期にストーンズばかり聴きまっくっていたこともあって、最終的にはストーンズのほうを選んだわけです。

しかし、当初の9公演は田舎に住む高校生にとってはプラチナ中のプラチナチケット。当時はネットが存在しいのはもちろんのこと、地元にもチケットぴあが存在しなかったので、新聞に載っていた特電にリダイアルしまくり。結局、一度もつながることなくソールドアウト。ところが、後日急遽決まった追加公演だけは30分もかからずして電話がつながり、見事チケットを確保できたのでした。

僕にとって生涯初の東京ドームは野球ではなく、ストーンズの初来日だったのです。

記憶では、確か1週間にわたる東京滞在の最終日、つまり最後の受験日が2月19日だったはず。それまでホテル住まいだったのですが、19日はもともと受験が終わったら電車で地元に帰る予定だったから宿もなく、親に頭を下げて親戚の家に一泊させてもらうことになりました。

都心からだいぶ離れた場所で受験を終え(結果は散々たるものでした。苦笑)、初めて水道橋へ……いや、ウソウソ。後楽園球場には行っているし、後楽園ゆうえんちにも行った経験があるから初めてではないんだけど、東京ドーム目的での水道橋下車はこれが初めて。周りにはストーンズグッズに身を包んだオッサンオバサン(18歳の自分にはそう見えたんだけど、今思えば30代前後が中心だったのかな)ばかり。たぶん高校生は自分だけなんじゃないか?と不安を抱えて入場するわけですが……実はこのとき、生涯初のドームアリーナを経験しています。そう、特電でアリーナ取れちゃったんですよ。中央から若干上手寄り、最前ブロックで19列目だったと記憶しています。

会場に入ってまず驚いたのが、そのセットのバカデカさ。最近のライブではまず考えられなほどのスケールのデカさに、思わず口があんぐり。当時の映像を見返してみても、やっぱりその大きさには驚かされます。イマドキ、ここまでセットに使うアーティストいないもんね(当のストーンズですら、どんどんシンプルになってますから)。

確か18時半スタートだったと思いますが(チケットの半券、当日購入したパンフレットと一緒に実家で保管しているはずです)、『STEEL WHEELS』収録のオリエンタルな異色ナンバー「Continental Drift」の後半パートがSEとして流れ始めると、これがライブが始まる合図。曲のクライマックにあわせてパイロ(音玉)が爆発すると、キースによるあの印象的なギターリフが……「Start Me Up」からライブがスタートしたわけです。

ハードロックやメタルに慣れた耳で聴く、初めての生ストーンズは……ぶっちゃけ下手クソに思えました(苦笑)。音はスカスカだし、ミックのボーカルも調子っぱずれで決して上手ではない。ドラムもところどころで走ったりもたったりと、正確無比なメタルを愛聴し続けた自分には厳しかったし、それこそAEROSMITHとも、RED WARRIORSのような日本のバンドとも全然演奏力が違う。すごく微妙な気持ちになりながら、「Start Me Up」を一緒に歌ったことだけは、非常に強い記憶として今も残っています。

ところが、続く「Bitch」でブラスセクションが加わると音の華やかさが一気に増す。そっか、厚みが足りなかったんだ……と、今になって振り返ると、そう思えてくるのですよ。それくら、全然違ったんですよ。もうね、このあたりからはあんまり記憶が……ただ楽しかった!ということしか覚えてないんです(笑)。のちに日本テレビで放送された2月26日の映像(2015年には別編集でDVD/Blu-ray化されましたね)を見返して「ああ、そうだそうだ、こんなだった!」と記憶が少しずつ蘇ってくるのですが……初めてドームで聴くロックサウンドの迫力のなさ(笑)と、放送やソフト化されたものがまったく異なることに戸惑う自分もいたり。それくらい、CDやレコードで聴いていたストーンズとのギャップがありすぎたんですよね。

バラード曲やキースの歌唱曲が公演日によって異なっていたようですが、僕が観た日は「Ruby Tuesday」と「Angie」だったりで、「Almost Hear You Sigh」がなかったり、キースは「Can't Be Seen」と「Happy」を歌ったりというオーソドックスな1日でした。「Angie」はちょっとグッと来たなあ。ミックの歌はボロボロだったけど(笑)。

「Honky Tonk Women」ではいかがわしい女性の巨大風船が膨らんだりというスタジアムクラスならではの演出もあって、そのケバケバしさに18歳の自分は苦笑い。けど、続く「Midnight Rambler」で空気が一変。これこそ自分が観たかったストーンズだったのです。ビル・ワイマンを含む“5人のストーンズ”にチャック・リーヴェル(Key)など可能な限りの最小編成で臨んだこの10分にもおよぶブルースナンバーは、僕が憧れたストーンズそのものだったのです。結局、ここまで来てようやく「ウマい下手じゃないんだ、味なんだ」とわかったような気になり始める自分。チョロいわ(笑)。(とはいえ、スカスカのアレンジの妙や、チャーリーの走ったりもたったりするリズムがグルーヴのゆらぎだと気づくのは、もっとあとになってからなんですけどね)

でもさ、それくらい「Midnight Rambler」でのミック(ブルースハープが最高!)やキース、ロニー、チャーリー、そしてビルがカッコよすぎたんです。「ああ俺、あのストーンズを今、肉眼で観てるんだ!」とアリーナ19列目から実感できた初めての瞬間だったんですよ。そこから「You Can't Always Get What You Want」へと続く構成といい、キースVo曲2連発といい、文句なしの流れでした。

キースのアコギをフィーチャーした、異様にキーの低い「Paint It Black」にキョトンとしつつ、サイケな「2000 Light Years From Home」、いろんな意味で狂気じみた「Sympathy For The Devil」や「Gimme Shelter」に発狂し、最後は定番のロックンロールナンバー連発。本編は「(I Can't Ge No) Satisfaction」、アンコールは「Jumpin' Jack Flash」というお約束で2時間半以上におよぶ初ストーンズ、初東京ドームは幕を降ろしました。終わったあとはどうやって親戚の家の最寄駅まで行ったか、記憶がおぼろげ。それくらい、終わったあとの充実感と「伝説を観た!」感が強かったのかも。そんな思いをしたの、初めて観たMETALLICAガンズ、そしてこのときのストーンズぐらいかもしれません。

結局、ここから数年後にビルがバンドを脱退。僕は受験した大学をすべて落ち、浪人生活を経て専門学生へ。ストーンズは1995年、1998年、2003年とその後も定期的に来日するのですが、95年と98年に関してはまったく行こうと思えなかったんです。理由はビルがいないストーンズだったから。「俺はビル・ワイマンのいるストーンズを観たんだ!」と優越感に浸りたかったんでしょうね(苦笑)。ただ、2003年のときは初の日本武道館公演が含まれていたので、このライブだけ抽選に申し込んだ記憶があります(当然のように外れましたが)。

そこから紆余曲折あり、2006年から音楽ライターとして再び東京で生活することになり、同年3月の東京ドーム公演で実に16年ぶりの生ストーンズを体験。「やっぱり、観れるときに観ておくべき!」という考えに変わり、次の2014年は3回の東京ドーム公演のうち2回観ることになったわけです。

年齢的には今の自分よりも若い46歳だったミックとキース。18歳の自分からしたら完全に親世代で、実年齢よりもおじいちゃんに見えた1990年のストーンズでしたが、2020年の今、あの頃の映像を見返すとその動き一つひとつが実に若々しいんですよね。ぶっちゃけ、ドーピングしてるんじゃないかって思えるほどにアクティブ(笑)。7年ぶりのツアー、しかもスタジアムクラスのバカでかいステージであんなに動き回れるなんて……今の自分なら絶対に無理(苦笑)。そう考えると、ものすごいことを成し遂げていたんだと改めて気づかされます。

選曲やアレンジ、演奏スタイルなどは1990年の来日よりも直近の2014年のほうが好みではあるものの、あの時代ならではのハイエナジーなストーンズも今となっては一周回ってカッコいい。あんなストーンズ、あとにも先にもあれ一回のみでしたしね。

結局、あのツアーを日本公演の映像で楽しめる2020年、最高かもしれない(笑)。

【セットリスト】
SE. Continental Drift
01. Start Me Up
02. Bitch
03. Sad Sad Sad
04. Harlem Shuffle
05. Tumbling Dice
06. Miss You
07. Ruby Tuesday
08. Angie
09. Rock And A Hard Place
10. Mixed Emotions
11. Honky Tonk Women
12. Midnight Rambler
13. You Can't Always Get What You Want
14. Can' Be Seen
15. Happy
16. Paint It Black
17. 2000 Light Years From Home
18. Sympathy For The Devil
19. Gimme Shelter
20. It's Only Rock 'N' Roll (But I Like It)
21. Brown Sugar
22. (I Can't Ge No) Satisfaction
<アンコール>
23. Jumpin' Jack Flash

 


▼THE ROLLING STONES『FROM THE VAULT: LIVE AT THE TOKYO DOME, TOKYO 1990』
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2020年1月 2日 (木)

banned songs of US radio after 9.11

つい先日、昨年の9月11日に配信されたKERRNG!の記事「HERE ARE THE 164 SONGS THAT WERE BANNED FROM AMERICAN RADIO AFTER 9/11」がTwitterで流れてきたんですね。このリスト自体、これまでも完全版・不完全版問わずさまざまな形で流出していたと思いますし、実際僕も学生時代に湾岸戦争をテーマに「表現の自由」や「自主規制」について卒論を書いていたので、常に気になってチェックしていました。今回の記事も特別目新しさはなかったのですが、急にふと「そういえば、卒論書いてた90年代前半は実際にそういう曲を全部聴くのに相当苦労したけど、今ってストリーミングサービスがあるし、もしかしてこのリストの曲全部聴けるんじゃないかな……」と思ったんですね。

で、実際にプレイリストを作ってみようと思い、検索を開始……始めたのが明け方だったのですが、気づいたら1、2時間でプレイリスト完成。記事中に登場する曲名やアーティスト名に多少の間違いがあったので、ネット上で公開されている同様の記事(結局Wikipediaが一番便利でした)とも照らし合わせつつ、完全なるプレイリストを完成させました。

さすがに全曲ありました。すごいですね、Spotify(今回はApple Music版は作成せず。だって2つも作るの時間かかるし)。RAGE AGAINST THE MACHINEのみ全曲放送禁止だったので、本来なら彼らの楽曲はすべて入れるべきなんでしょうけど、それだと埒が明かないので各アルバムから主要ナンバー1曲ずつ、計4曲を入れることにしました。そこに「Knockin' On Heaven's Door」のみボブ・ディラン版とGUNS N' ROSES版の2曲を用意して、全168曲/11時間14分というアホほど長いプレイリストが完成したわけです(笑)。

一応、アーティスト名アルファベット順、複数の曲がリストにあるアーティストに関しては曲名もアルファベット順で並べてあります。なので、AC/DCみたいにいきなり7曲も続いてしまうこともありますが、シャッフル再生すると普通にラジオ感覚で楽しめるのではないでしょうか……しかも、いい曲ばかりですし。

こんなご時世だからこそ、こういった楽曲を手軽に楽しめる自由をかみしめつつ、今の生活に感謝したいと思います。またいつ、これらの楽曲やほかのヒット曲が放送禁止になるか、本当にわかりませんしね(しかも、あの当時よりも状況的には最悪ですから)。

 

※ブラウザ(記事上)でプレイリストを再生すると100曲しか表示されないようなので、プレイヤー右上のSpotifyロゴをクリックして、自身のSpotifyプレイヤーで再生することをオススメします。

2019年6月26日 (水)

THE ROLLING STONES『EXILE ON MAIN ST.』(1972)

1972年5月に発表された、THE ROLLING STONES通算10作目(イギリスで。アメリカでは12枚目)のスタジオアルバム。前作『STICKY FINTERS』(1971年)から1年1ヶ月という短いスパンで届けられた、全18曲入りの2枚組アルバム(CDでは1枚)は引き続き全英/全米1位を獲得。「Tumbling Dice」(全英5位/全米7位)、「Happy」(全米22位)というヒットシングルにも恵まれました。

ミック・テイラー(G)加入後2作目に当たる本作はジミー・ミラーを再度プロデューサーに招き、ロンドンやロサンゼルス、フランスなどでレコーディングを敢行。曲によっては1969年頃から存在するものが含まれていたり、音楽的にもロックンロールやブルース、カントリー、ソウル、ゴスペル、ハードロックなどさまざまなサウンドが感じられることから雑多な印象も強い作品集でもあります。

その「ストーンズ流ロックの見本市」みたいなアナログ2枚組(彼らにとっては初の試みでした)はリリース当初こそ評価は高くなかったようでした。が、僕が洋楽ロックを意識的に聴き始めた中学生時代にはすでに「70'sストーンズの最高傑作」みたいな高評価を獲得しており、僕自身もそういう認識で本作と初めて接した記憶があります。

最高傑作かどうかは別として、確かにいろんなタイプの曲が含まれていてお得感があるし、1曲はひっかかる佳曲が存在する。けど、殺傷力としては前作『STICKY FINTERS』のほうが上じゃない?と感じたのもまた事実。アルバムとしてのまとまりという点においても、確実に前作のほうが上ですものね。

しかし、聴き込めば聴き込むほどにいろんな魅力が見えてくるのが、この『EXILE ON MAIN ST.』なのかなと。それくらいクセになるスルメ的アルバムと言えるんじゃないでしょうか。

とにかく、力みすぎていないのが良い。しかも1曲1曲がコンパクト。だから、18曲も収録されているのに聴く側のこちらも終始リラックスして楽しめる。そこが良し悪しあるとは思いますが、僕としてはこういう楽しみ方ができるストーンズのアルバムも良いんじゃないかと思っています。

それは、60年代末の『BEGGARS BANQUET』(1968年)から始まったアメリカ南部への傾倒に対する最終結論のようでもあり、いろいろ遊びまくった結果でもあるのかなと。それがこのリラックス感にもつながっているのかもしれませんね。

そういえば、この時期はメンバーの多くがドラッグ癖でだいぶひどい状態だったと聞きます。この「軸はあるのに雑多」な方向性はそういった当時の環境も大きく影響しているのでしょうか。そこも含めて、歴史的資料価値の高い1枚と言えるかもしれません。

ちなみに、本作は2010年に未発表テイクを追加したデラックス盤が発売済み。こちらは一部楽曲に追加レコーディングが行われたという話もあり、新曲としても十分通用する未発表曲があったりと、なかなかの内容です。それもあって、再発ながらも全英1位/全米2位を記録しています。こちらもオススメです。

 


▼THE ROLLING STONES『EXILE ON MAIN ST.』
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