2003/12/27

ハロー!プロジェクト『プッチベスト4』(2003)

  というわけで、毎年恒例となった「プッチベスト」シリーズの第4弾。年々、当初の意味合いから少しずつ外れてきてるような気がしてたんですが、今年の「プッチベスト4」収録曲を見てもらえば判るように、完全に『YOUNG PERSON'S GUIDE TO ハロー!プロジェクト』の役割を果たしていないと思うんですよ。単なるオムニバス、今年リリースした曲の寄せ集め。しかも、現時点ではモーニング娘。以上に影響力を持っていると言っても過言ではない松浦亜弥と、2003年最も活躍したといえるであろう後藤真希の楽曲が収録されていない。多分、来年早々彼女達のアルバムがリリースされるからカットされた‥‥という政治的理由があるのかもしれません。同じような理由で安倍なつみもソロシングルではなくて企画モノの方が収録されている、等々‥‥不透明な部分が多々あるんですが‥‥まぁ2003年のハロープロジェクトを振り返るという意味も込めて、1曲1曲簡単にコメントしていきますか(何か今年の年末って、振り返ってばかりだな、ハロプロに関しては)。


●M-1:壊れない愛が欲しいの / 7AIR
  7月リリースのシャッフルユニットEPより。レビューはこちら。個人的にはやはり3組の中で一番テンション的に落ちるかな、と。けどどれもここ数年のシャッフルの中ではかなりレベル高い方なんですけどね。そんな中での3番手。あくまで俺の中でね。

●M-2:GET UP! ラッパー / SALT5
  同EPより。レビューはこちら。バックトラックが一番好きなのがこの曲。EPのバックトラック(カラオケ)で一番聴いたのが、実はこの曲。松浦がサードアルバムの中でこの曲をソロで歌うようだけど(既にライヴでは披露済み。ま、あの時は稲葉貴子とのデュエットだったけど)、これをひとりで歌うのはかなりキツイんじゃないか‥‥と。

●M-3:BE ALL RIGHT! / 11WATER
  同EPより。レビューはこちら。一般的に一番人気があったのがこの曲みたいですね。最も「モーニング娘。らしさ」を伝承してるのがこの曲なのかな、と。俺も好きですけどね。

●M-4:晴れ 雨 のち スキ♡ / モーニング娘。さくら組
  9月リリースの「~さくら組」名義のファーストシングル。レビューはこちら。時間が経ってみて気づいたけど、音がちょっと良くない気が‥‥シンバル系の音にちょっと難あり。ま、それが楽曲の良さに影響するとは思いませんけど。やっぱりバンドサウンドで聴きたかった1曲。

●M-5:愛の園 ~Touch My Heart!~ / モーニング娘。おとめ組
  9月リリースの「~おとめ組」名義のファーストシングル。レビューはこちら。これもリズム隊、生バンドにすべきでしたよね。江川ほーじんがあんなに素晴らしいベースを聴かせてくれているのに。勿体ないです。曲もホントに良かったのにさ。

●M-6:行くZYX! FLY HIGH / ZYX
  8月リリースのファーストシングル。レビューはこちら。"白いTOKYO" を聴いてしまった今となってはちょっと個人的に軍配は後者に挙がるんだけど、それでも今年のハロプロを代表するナンバーだと思いますよ。いろんな意味で今年は「キッズの躍進」の年だったんだな、と。"がんばっちゃえ!" から始まってたんですよね、全部(その曲を外した時点で、このコンピ盤の意味合いが弱くなってる気が)。

●M-7:SEXY NIGHT ~忘れられない彼~ / ROMANS
  8月リリースのファーストシングル。レビューはこちら。何だかんだ言われながらも、やっぱり好きです、全てにおいて。勿論、カップリング曲 "ロマン" の方がもっと好みなんですけどね。第2弾は本当にあるんでしょうか‥‥

●M-8:FIRST KISS / あぁ!
  10月リリースのファーストシングル。レビューはこちら。文句なしの名曲。普通にポップスとして十分機能してると思う‥‥だけに、現状に泣けてくる。一般層からも無視され、ヲタからも無視され。多分2~3年後に大絶賛されてるような気が。つうかここまでのアルバムの流れ、かなり良くないですか? 自分が作ったCD-Rとほぼ同じ構成なのでビビッたもん(自分の場合、この後にミニモニ。の "CRAZY ABOUT YOU" を入れるんですけどね)。

●M-9:浮気なハニーパイ / カントリー娘。に紺野と藤本(モーニング娘。)
  7月リリースの「~紺野と藤本」名義のファーストシングル。レビューはこちら。怪作とか迷作とかいろいろ言われたこの曲、今更的ユーロビート&パラパラサウンドが玉に瑕だと思ってたけど、やっぱりこのバランス感が良かったんだね。意外とあさみの声がこういう曲に合ってることにも気づかされたし(って今気づいたんですが)。

●M-10:チャンス of LOVE / メロン記念日
  5月リリースの9枚目のシングル。レビューはこちら。よりによって、何でこの曲選ぶかなぁ~? 普通 "赤いフリージア" じゃねぇの? (メロン的に)大ヒット曲ですよ!? アルバム未収録曲を選んだ結果だというのはよく判るんですが、このセンスの駄目さ加減がハロプロ及びアップ・フロント・エージェンシー最大の欠点なんだよね。

●M-11:WOW WOW WOW / プッチモニ
  お蔵入りしていた、第3期プッチモニのファーストシングルとなる予定だった曲。今回初出にして、このアルバムの売り要素。'03年正月ハロプロコン及び同年春のモーニング娘。ツアーにて披露されていたこの曲、やはりアレンジが少し変わってる気が。ギターが重厚になってるし(多分)‥‥気のせいかしら? 最初の印象だと、もっとチープなイメージがあったんだけど‥‥まぁチープには違いないんですが、それでも許せるチープさだと個人的には思います。全部ギターに誤魔化されてる気がしないでもないけどね。

●M-12:ミニモニ。数え歌~お風呂ば~じょん~ / ミニモニ。
  5月リリースの7枚目(ミニハムず名義を含めれば9枚目)のシングル。ゆきどんを除けば俺が今年唯一買わなかったシングル‥‥かな? ミニモニ。ものは買ったり買わなかったりなんですが、正直この曲に対しては俺、かなりの嫌悪感があったんですよ。子供相手のユニットであるミニモニ。というのは理解できるのだけど、いくらなんでもこれは子供をバカにしてないかい?という疑問があって。未入学児あたりなら受け入れられなくもないだろうけど、小学生がこれ聴いてどう思うか‥‥結局彼女達のCDを買ってくれるのって、大人のファンか、そういった小学生児童なわけでしょ? その人達が買って恥ずかしくない作品かこれは!?っていうね‥‥ちょっと度が過ぎるぞ、つんく♂よ、とずっと感じてたわけ。
  けどね、今回このアルバムで、初めてちゃんとしたCD音源で聴いてみると‥‥思ってた程悪くなかったんですよ。まぁ確かにこの歌詞はやっぱりないよな‥‥って気持ちは変わらないですが、バックトラックや曲自体には特に文句ないんですよね。むしろミニモニ。にしては普通過ぎるくらい。そして "CRAZY ABOUT YOU" を通過した後だからこそ、この振り幅こそミニモニ。なんだな、と改めて実感したわけです。まぁだからといってシングルを買ったりはしないでしょうけど。

●M-13:母と娘のデュエットソング / おけいさんと安倍なつみ(モーニング娘。)
  5月リリースの企画ものシングル。レビューはこちら。改めて聴くと、なっちの歌声が凄く良いんですよ。"22歳の私" や "ピ~ヒャラ小唄" での歌声や歌唱法って、レコーディング方法の影響もあるでしょうけど、とにかく「重い」んですよ。ベッタリしてるというか。それと比べると、ここで聴けるなっちの歌声、本当に楽しそうで自然体。俺がこの曲を評価してるのって、実はそういった所が大きく影響してるのかもしれませんね。そして、今後はそういった「安倍なつみ」をもっと観たい/聴きたいと思うんですけどねぇ‥‥アルバム、期待してます!

●M-14:GET ALONG WITH YOU / 中澤裕子
  5月リリースの8枚目のシングル。レビューはこちら。最近ステージからまた離れつつありますが、来年2月には早くも新曲が。ホントに、ホントーに、そろそろアルバムお願いします。いい曲があんなに貯まったじゃないですか!

●M-15:東京きりぎりす / 前田有紀
  7月リリースの4枚目のシングル。「zetima」移籍後初の作品。移籍したからってわけじゃないでしょうけど、今年からシャッフルにも参加してるから、その兼ね合いもあってアルバムにも初収録。過去にもライヴオンリーであか組4に参加した経緯があるんですが、それを別としても今回の参加は興味深いですね。そしてこの曲。中澤の演歌時代の曲と比べると、演歌度が低い気が。バックトラックが薄っぺらいのは仕方ないとしても、メロとかは意外とポップス/歌謡曲の範疇なんですよね。勿論、そっち方面を狙った作品だとは思うんですが。これなら確かに若い子がハロコンとかで聴いても口ずさめるわな。

●M-16:夏 LOVE ロマンス / ハロー!プロジェクト
  今回初出の楽曲。ハロプロ勢全員で歌っていること、バックトラックが夏っぽい(スチールドラムやウクレレが登場したり、タイトルにも「夏」の文字が)ことから、"OH! BE MY FRIEND" ではなくて本来は実はこっちがシャッフルEPに収録される予定だったんじゃないかな?という気がするんですが、如何でしょう? で、この曲。いいんですよね、全体的に。飛び抜けて素晴らしいとは言いませんが、如何にも河野伸らしいアレンジで、非常に好感が持てる1曲。ピアノがカッコイイですよね、特に。モーニング娘。のアルバム曲として聴きたかったかも。

●M-17:シャボン玉(asia mix) / モーニング娘。
  7月リリースの19枚目のシングルの、リミックス・バージョン。オリジナル・テイクのレビューはこちら。毎回お馴染みのリミックスですが、これまでは原曲のイメージを残しつつ味付けするといった作風が多かったんですが、今回はかなり解体/再構築して遊んでる気が。いきなり石川のセリフから始まる辺り、ちょっとした悪意さえ感じてしまいますよ‥‥いやいや、俺はこれ好きですね。自分でDJの真似事とかする時には是非使いたいと思います。


●総評
  というわけで、全曲駆け足で解説してきましたが、如何でしたでしょうか? こうやって1枚にまとまって聴いてみると、必然的に今年を振り返ってしまうわけですが‥‥やはり何度も言うように、2003年って‥‥特に中盤辺りから‥‥そんなに悪い年でもなかったような気がするんですよ。初頭はアルバム連発で、ちょっと厳しい楽曲も多かったりしましたが、結果良ければ全て良しじゃないですが、個人的には2002年以上に平均的に楽しめたかも。ただ、突出した楽曲がなかったのも今年の象徴ですね。去年でいったら "そうだ!We're ALIVE" だったり "Yeah!めっちゃホリディ" だったり "さぁ!恋人になろう" といったタイプの曲がね。全体的に "香水" とかその辺の流れに行きつつあるという。それはそれでいいと思うんですが、やはり多くの人は前者的な楽曲を求めてるようですし、バランス的にもそろそろそういった「大きな一発」が欲しいところ。

  で、やっぱり選曲的にはこれが正解とは思えないよなぁ。去年の「プッチベスト3」の方が選曲だったらまだ良かったように思うんですが‥‥これからハロプロ聴こうって人に対してはオススメしません。ある程度好きで普段シングルとか買わない人、ある特定のユニットだけ追ってて他のユニットには興味もなければシングル1枚も持ってない人とか、そういった人にはオススメできるけど。

  でもね、いざ聴いてみると‥‥普通に聴けちゃう。いや、カタログとしての意味合いは薄いけど、ただ鳴らしておく分には凄くいいアルバムだと思います。だっていい曲ばかりだし。真剣に聴く作品集ではないけど、まぁパーティーアルバムですよね。これで松浦の "ね~え?" と後藤の "うわさのSEXY GUY" か "スクランブル" が入ってたら文句なしだったんですけどねぇ‥‥

  というわけで2003年、「最後のハロプロ論」をお送りしました。おしまい。



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投稿: 2003 12 27 12:00 午前 [2003年の作品, ROMANS, ZYX, あぁ!, カントリー娘。に紺野と藤本(モーニング娘。), ハロー!プロジェクト, プッチモニ, ミニモニ。, メロン記念日, モーニング娘。, モーニング娘。おとめ組, モーニング娘。さくら組, 中澤裕子, 安倍なつみ] | 固定リンク

2003/08/20

ROMANS『SEXY NIGHT~忘れられない彼~』(2003)

  ハロー!プロジェクト内、久し振りの問題作の登場です。モーニング娘。の矢口真里と石川梨華、メロン記念日の斎藤瞳、カントリー娘。の里田まい、ココナッツ娘。のアヤカの5人から成るROMANS(ロマンス)というユニット。関東地区では毎週月~金曜深夜0時50分から放送されている「セクシー女塾」という番組があるのですが、そこに出演しているこの5人がセクシーなユニットを結成してデビューする為に修行する的内容で毎晩バカなことをやらかすわけですよ。って番組内容の説明はこの辺にしといて‥‥当初このユニットは4人組で、石川・斎藤・里田とモーニング娘。加入前の藤本美貴が参加してたんですが、1ヶ月で脱落(番組的に。恐らくこの辺でカントリーへの助っ人参戦が決まったのでは!?)、代わりに矢口が加わり、更に1ヶ月後にアヤカが加わり現在の5人に。恐らく番組自体は2クール(6ヶ月)の予定みたいですから、この9月いっぱいで終わる運命だと思います。だとすると、このシングル自体リリースされる事が奇跡というか‥‥たった1回の企画モノ、として捉えた方が賢明かと思われます。

  最初に書いたようにこのユニット、賛否両論‥‥というよりも、明らかに否の方が多いような気が‥‥それはこのビジュアルイメージと、発表された楽曲"SEXY NIGHT~忘れられない彼~"が大きな原因となってるわけですが‥‥

  確かにね、俺も最初ラジオ音源をネットで拾って聴いた時、悪いとは思わなかったけど微妙だったのね。更にその後、テレビでの歌う姿を観たんですが‥‥正直厳しいと。歌メロが微妙というか、表現が難しそうなメロディかな、と。タダでさえ危うそうなメロなのに、それを歌う石川ときたら‥‥メロメロなわけですよ。矢口とか里田はかなり頑張ってるんですが‥‥もうね、正直「あー、CD買うかどうか疑問。レビューはとりあえずナシだな、こりゃ」と考えてたんですね。

  けどさ、買っちゃったと。勢い余って。

  確かにクリアーな音源(CD)を聴くと、印象がかなり良くなるわけですよ。アレンジにはAKIRAが全面的に参加(c/w曲含めて)してるせいもあってか、かなり手の込んだR&B歌謡といった印象で、テレビで聴くとちょっと平面的に聞こえたサウンドも、大音量で聴くと印象がガラリと変わり、確かに軽めなんだけど意外とゴージャス、みたいなそんな感じ。特にカーステレオで聴くと(まぁ我が車の設定もあるでしょうけど)更に良く聞こえたのね。もしかしたら安物のラジカセとかで聴くと更に良く聞こえたりして(avexモノが比較的そう聞こえるように、ね)。

  正直なところ、何で斎藤を歌に加えないんだよ!?とかいろいろ思うことはあるんですが、こうやって完成品を聴くと石川もそんなに悪くないし、むしろいい雰囲気出てると思うんですよね。矢口も歌い出しは結構いい感じなんですが、途中でちょっと印象が薄くなる場面が‥‥そういう意味ではこの曲、里田がかなり目立ってるように感じます。メインボーカルの3人(矢口・石川・里田)の個性が三者三様なこともあり、また普段のユニットみたいに歌パートが1小節のみとかそういったこともなく、安心して聴いていられるんですね。またラップ担当(斎藤・アヤカ)もそんなに耳障りでもなく、むしろつんく♂に同じ事やられるよりマシというか。

  決して「最高!」とは言い難いですが‥‥まぁ実験作ですしね。本来ならこういうの、T&Cボンバー辺りがやってた路線ですから。そういう「つんく♂にとっての捌け口」がなくなった今、こういう企画モノで消化するのも悪くはないかな、なんて思うんですよね。

  で‥‥話はここでは終わらないのです。カップリング曲"ロマン"の話題に移るわけですが‥‥これがね、予想外の出来で正直ビックリしてます。みんな、これの為にこのシングル買ってもいいんじゃない?って思える程、「ROMANS」というユニット名からは想像できないタイプの楽曲だったんですよ、これが。

  セクシーでもなく、R&Bでもなく。どちらかというと可愛らしい路線とでもいいましょうか‥‥ゴージャスなポップスというか‥‥例えば初期のモーニング娘。がやっても違和感がないタイプのポップス、と言えば判ってもらえるかなぁ‥‥いや、判ってもらえないか。タイプとしては小西康陽がアレンジしてもおかしくないような方向性。でね、これが石川や矢口の声に非常に合ってるわけですよ。勿論、里田や斎藤、アヤカも頑張ってるんですが、個人的にはどうしても石川と矢口の声に耳がいってしまう。で、気づくと脳内で飯田圭織や加護亜依の声をプラスしてシュミレートしてる自分がいたりで‥‥つまりはそういう楽曲。決してこの4人が例のユニットでやってたような方向性とは言い難いけど、別にやったとしても何ら違和感はないですよね、これ。途中に挿入されるフレンチっぽいスキャットや、急に登場するラテンアレンジとかはメロン記念日的と言えなくもないけど‥‥ああ、これって隠れた名曲の仲間入りしそうな1曲じゃない? 正直レベルはかなり高いと思うんですが。

  というわけで、タイプの違う2曲が収録されたこのシングル。「表」と「裏」、「光」と「影」といった2面性を持つこのユニット。別にセクシーに拘らなければ何でもこなせそうな5人が揃ってるって意味では、本当にアルバム向きなのかもしれませんね。あのビジュアルイメージに騙されず、一度このシングルを手にとってみてください。きっと新たなる発見が各自あるはずですから‥‥



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投稿: 2003 08 20 12:00 午前 [2003年の作品, ROMANS, ハロー!プロジェクト] | 固定リンク