RON RON CLOU『SECOND RUNNER』(2003)
8年振りのセカンドアルバム。もうこれだけで感動なのに、その内容が文句なしに素晴らしいんだから、もう‥‥間違いなく、今年前半にリリースされた中でもトップ3に入る1枚だと思います。そんなRON RON CLOUのアルバム、「SECOND RUNNER」。全14曲で約40分、全ての楽曲が2~3分台、4分を超える曲なんて1曲もなし。ただひたすら突っ走り、ギターがザクザクリフを刻み、メロディアスなメロディに心ときめかす。そんなポップパンク/ギターポップ/パワーポップ‥‥呼び名なんてどうでもいいや、とにかくそんな傑作ロックアルバム。
ギター&ボーカルのアライ・ヒトシが'90年代末からNORTHERN BRIGHTとしての活動も並行して行っていたため、ちょっとスローペースになっていたRON RON CLOUの活動も、ここに来て急に活発に。まさか2003年の今年にアルバムを聴けるなんて思ってもみなかったもんだから、最初その知らせを聞いた時はビックリしましたよ。そしてその知らせから数ヶ月、あっという間に我々の手元に届いたこのアルバム。何度も言うけど、この手のサウンドが好きな人には文句なしでしょう。少なくとも俺に関しては、この半年間にリリースされたこの手のものの中でブッチギリの1位ですから。
全14曲中、5曲("STANDING IN THE SHADOWS"、"THE GOLDEN COUNTRY"、"DO SPORTS!!"、"SMASH IT UP"、"LUCKY STAR")がシングルでの既発曲なんだけど全てこのアルバム用に再レコーディングされたバージョン。加えてボーナストラック扱いの2曲("READY STEADY GO!"と"I DON'T MIND")は'96年にリリースされた"STANDING IN THE SHADOWS"のアナログ盤及びピクチャー盤に収録されていたカバー曲。現在は共に廃盤の為、ここでしか聴けない音源になってます。ちなみに前者がGENERATION Xの、後者がBUZZCOCKSのカバー。アルバムには他にもMY BLOODY VALENTINEのカバー、"SUNNY SANDAE SMILE"も収録されています。
とにかくね、いきなり1曲目"MERRY-GO-ROUND"の疾走感&美メロにやられてしまうんですね。下手なメロコアバンドより気持ちいいし、何よりも主旋律&ハーモニーが気持ちいいの何のって。そのまま名曲"STANDING IN THE SHADOWS"、"THE GOLDEN COUNTRY"へと流れていく構成もさすが。中盤に並ぶ新曲群も安心して聴いてられるし、その後に訪れるシングル曲の数々も言うまでもなく。そして"LUCKY STAR"の余韻を引きずったままフェイドインする"DON'T BE AFRAID TO FLY"、本編ラストの"TEENAGE SONG"のミディアム2曲。これがもう素晴らし過ぎ。TEENAGE FANCLUBにも通ずる美メロ&コード進行にゾクゾクしっぱなし。いやーマジかっけー!
ライヴでいうところのアンコール的なボーナストラック2曲も、カバー曲なので特に問題なし。アルバムの構成を壊すどころか、むしろそのままリピートして1曲目に戻ってしまうという。まんまとRON RON CLOUのペースにはめられっぱなし。
こういうバンドの、こんなに充実したアルバムを聴いてしまうと‥‥ホントにバンドがやりたくてたまらなくなるんだよね。ギターとベースとドラム、3人揃ってスタジオで「いっせーのーせー!」でガツーンとデカイ音でこういう曲を勢いよく‥‥10代だろうが30代だろうが、年齢なんて関係なく、ねっ!
▼RON RON CLOU『SECOND RUNNER』
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