2018年8月 9日 (木)

SALEMS LOTT『MASK OF MORALITY』(2018)

3年半前、本サイトでデビューアルバム『SALEMS LOTT』(2015年)を紹介して局地的に話題となったLAのグラムメタル/ヴィジュアル系(笑)バンド、SALEMS LOTTがついに待望の2ndアルバム(前作はミニアルバムでしたが)をリリースしました。今回もフィジカルでの一般流通はなさそうですが、デジタル配信&ストリーミングでここ日本でも聴くことができるので、大きな問題はないですね。よかったよかった。

彼らはそのルックス&ファッション、そして音楽性から「80年代のジャパメタ、主にX(X JAPAN)からの影響が強い」HR/HMバンドとして認識されていました(「いました」って、そこまで気にしていた人、ほとんどいないと思いますが)。が、あれから3年強が経ち、そのサウンドに少し変化が生じています。あれだけ前作を「80年代に活躍したバンドのアウトテイク」と揶揄した自分も、今回の新作を聴いて、まず1曲目の「Enigma」で驚かされました。

え、どうしたの? (前作よりも)めっちゃモダンなんですけど……(汗)。

全体的に80年代後半から90年代初頭ぐらいにまでバージョンアップされています。80年代半ばのジャパメタアウトテイクから大きく成長したな、おい!

でね。単なるコピー的な、個性のカケラも感じられなかった前作(ヒドイ言い草だ)から、一気に“らしさ”を確立させているから、驚いたわけです。そりゃね、MOTLEY CRUEっぽかったり、W.A.S.P.っぽかたり、どことなくX JAPANっぽかったりするところもありますよ。至るところから先人からの影響も見え隠れするのですが、今作ではそれが“コピー”や“真似っこ”ではなく“エッセンス”程度にとどめられている。しかも、ヴィジュアル系的な色合いもサウンドからはほぼ消えて、全体的に無理してない感じが素敵なんですよ。

そういった意味では彼ら、初期のBLACK VEIL BRIDESフォロワーと見られてもおかしくないんですが……そこまでも才能もないか(苦笑)。ま、だからこそ愛せる存在なんですけどね。

音質的にも、前作より多少良くなり、アルバム全編通して聴くに耐えうる程度にはなっている……かな。個人的にはもうちょっと頑張ってほしかったとも思うけど、これはこれでアリなのかな、と。

もし今、『VISUAL SUMMIT JAPAN』や『V-ROCK FESTIVAL』が存在したら、ぜひエントリーしてもらいたいバンドのひとつ。つうかさ、絶対にウケるでしょ? 「良い」ではなく「ウケる」ね。彼らこそ日本の洋楽メタルファンではなく、V系ヲタクに見つかってほしいんですどね。難しいかしら。



▼SALEMS LOTT『MASK OF MORALITY』
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投稿: 2018 08 09 12:00 午前 [2018年の作品, Salems Lott] | 固定リンク

2015年1月30日 (金)

SALEMS LOTT『SALEMS LOTT』(2015)

昨年暮れから非常に気になっているアメリカのHR/HMバンド、SALEMS LOTT。まずはオフィシャルサイトでそのルックスをご覧ください。

……はい、確認しましたか? ケバいですね? 時代錯誤のLAメタルリバイバルかと思いましたよね? ちょっと日本のV系も入ってますよね? しかも微妙に時代遅れで、80年代のジャパメタっぽくもありますよね?

それでは、そんなあなたのために、ミュージックビデオを。

……はい、確認しましたか? 音も完全に時代遅れですよね? ていうかこれ、本当に2010年代の曲かよ!?っていう懐かしさすら感じさせますよね? 30代後半以上の方なら絶対に「これ、80年代のカバーだろ?」って錯覚しますよね? なんならビデオで確認できるファッションもメイクも、全部ジャパメタ的(昔懐かしのファッションショップ?「BLACK」を思い出すような)ビジュアルですよね? いやいや、ビックリですよ。いろんな意味で。個人的には2014年一番の衝撃だったかもしれません。あと、STEEL PANTHERとの共演経験が多いというのも、なにげに納得です。類は友を呼ぶんですね。

彼らはLAを拠点に活動する4人組バンドで、海外サイトでは「Glam / Speed Metal」バンドと紹介されています。“グラム”で“スピードメタル”かよ?とお思いでしょうが、それも納得できる映像をここでご紹介します。


※記事初出時に貼っていた動画が削除されていたので、別のMVを貼っておきます。

……ね? “スピードメタル”でしょ? そうなんです。彼ら、れっきとした「X(X JAPAN)フォロワー」なんです。そういう視点で彼らのことを見ると、あら不思議。そのファッションや佇まい、野暮ったい楽曲といったすべての要素が微笑ましく思えてしまうんです。オフィシャルサイトの右上に表示されてる「LUST, BLOOD, VIOLENCE AND RAW ENEGY!」ってフレーズも、Xのアレっぽくて納得でしょ? え、そんなことないですか? ちなみに彼ら、このほかにもKISS「Black Diamond」のライブ映像も公開してるので、もし興味があったらチェックしてみてください。

さて、本題に。そんなSALEMS LOTTが先日、待望の1stミニアルバム『SALEMS LOTT』をリリースしました。今作は日本国内ではCDなどのフィジカルでは販売されず、iTunes Store、Amazon MP3などでのデジタル配信のみとなっています(オフィシャルサイトではCDの通販も実施中)。バンドのオフィシャルサイトでは「Megadeth, Motley Crue, X-Japan, King Diamond, WASP, Alice Cooper, Racer X, Ozzy Osbourne and Accept」といったアーティストを比較例として上げてますが、なるほど納得。それっぽさは全部入ってますよね。そこにあえて加えるとしたら、「FLATBACKER, E.Z.O, 44 MAGNUM」といったジャパメタ勢。完全なる個人的偏見ですけど。

楽曲はどれも野暮ったさを残した、「これ、80年代に活躍したバンドのアウトテイク?」と思えるようなものばかり。正直、「これがSALEMS LOTTの個性だ!」と言い切れるようなものは現時点では見当たらないのですが、でも一度聴いて放り出してしまうこともなく、なぜか二度、三度と聴き返してしまう常習性がある。彼らの魅力をずっと文字で表現しようと考えてみたのですが、ダウンロードしてから10日近くたった現在もそれができずにいる。でも何度も聴いてしまうんですよね。不思議と。

それにしても、本当にXリスペクトな作品ですよね。ボーカルはウド・ダークシュナイダーやポール・スタンレーを彷彿とさせる声ですが。いきなり飛び出すベースソロの小楽曲やギターの刻み方、ピアノフレーズ、コーラスの入れ方、妙な“語り”等々……どれも『VANISHING VISION』であり『BLUE BLOOD』じゃねえか、と。そう、X JAPANじゃなくてXなんですよね、彼ら。ファッション的にも『BLUE BLOOD』初期のX的だし。自分がもっとも聴きまくっていた時期のXと共通する点が多いからこそ、惹かれるものがあるのかもしれません。

そういう意味ではもしかしたら僕は、世代的に「懐かしの80'sメタルを聴く感覚」でこの作品と接しているのかもしれません。そう、80年代のB級LAメタルや当時アナログを手に入れられなかったジャパメタ作品の復刻盤を楽しむように。特に思い入れはないんだけど、あの頃の空気を懐かしみたくて手を出す……今はそれが一番近いのかなあ、という結論に達しました。

そうは言っても、彼らが来日する機会がありましたらぜひライブを観てみたいんですけどね。きっとXの「オルガスム」もやってくれるでしょうし。どんな日本語聴かせてくれるのか楽しみ!



▼SALEMS LOTT『SALEMS LOTT』
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投稿: 2015 01 30 03:11 午前 [2015年の作品, Salems Lott] | 固定リンク