2005/05/11

SELFISH CUNT『NO WICKED HEART SHALL PROSPER』(2004)

 昨今、特にイギリス辺りではニューウェーブ・リバイバルなんてカテゴリーに区分けされるバンドが数多く登場してますが、当然ながら良いものもあれば、酷いものもある。そしてイギリスだけでなく、その余波を受けてアメリカからも、更には他のヨーロッパ諸国からもその流れにあるバンドが幾つも登場しています。これらも例に漏れず、良いもの/酷いものといろいろです。

 別にそういったニューウェーブ・リバイバルを意識してってわけでもないけど、CDショップに行った時、店員が書いたポップに目をやって「ニューウェーブ」なんて言葉が書かれてた場合には、結構積極的に聴くようにしてます。で、まずアルバムなりシングルなりの1曲目にインパクトがないと、当然ながら買わないわけですが‥‥

  今年の頭だったかな。デジパックでもない、ただの白黒写真の紙ジャケ、スポットライトを浴びるひとりの青年の写真、赤い文字で「SELFISH」、そして白い文字で「CUNT」と書かれたそのジャケット。だけど「CUNT」の上には白いシールが貼られてて、実際には「C**T」と遠目にしか見えない怪しいジャケット‥‥この質素なパッケージに惹かれて、試聴機のプレイボタンを押してみたら‥‥数十秒後、気づいたらこのアルバムを手にレジまで歩いてたんだよな、俺。

 イギリスの2人組らしいんですよ、このSELFISH CUNTというバンド(ユニット)は。昨年辺りから何かと話題になってるらしい存在だそうで、ボーカルとギターの2人構成で、ドラムは全部チープなドラムマシーン。ベースは当然なし。所謂「エレクトロ・パンク」の範疇に入るバンドなんでしょうけど‥‥これがね、ホント馬鹿っぽくて素敵なのよ。

 ライヴはとにかく全部ゲリラライヴらしく、リハーサルスタジオだったり画廊だったり倉庫だったり‥‥と場所を選ばず、いきなり告知なしに現れてライヴするらしいんだわ。何だか最近そんなバンド、イギリスに多くね? でも‥‥俺はこの「フェイク」感に惹かれちゃうんだよね、昔から。

 結構自由に弾きまくってるギターはある意味でパンクであり、ある意味ではブルージーですらある。ボーカルは兎に角叫んでるだけの曲あり、メロディーとも呼べないような何とも怪しげな曲あり、更にはかのボビー・ブラウンの大ヒット曲 "My Prerogative" のカバー(と言っていいのかこれ?)あり、とホントなんでもあり。そういう意味では‥‥立派なパンクでしょうね。

 ふと‥‥昔懐かしいエレクトロ・ボディ・ミュージックなんて言葉を思い浮かべてしまう程、ちょっとした懐かしさも併せ持った不思議な存在、SELFISH CUNT。もうバンド名が最高だよな。間違いなく日本盤は出ないでしょうけど‥‥来日してくんねぇかなぁ‥‥どんな破天荒なステージを見せてくれるのか、想像するだけで楽しそうじゃない?

 きっと‥‥多分'80年代〜'90年代初頭だったらこういう音、「インダストリアル」だとか先の「エレクトロ・ボディ」なんてカテゴリーで片付けられちゃったんだろうけど、2005年の今聴けば、これは紛うことなく「パンク」そのものなんだよね、うん。



▼SELFISH CUNT「NO WICKED HEART SHALL PROSPER」(amazon

投稿: 2005 05 11 12:14 午前 [2004年の作品, Selfish Cunt] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック