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2000年10月16日 (月)

SiLVER GiNGER 5 JAPAN TOUR 2000@赤坂BLITZ(2000年10月15日)

いきなり結論から言ってしまうと「やっぱホントに好きなんだな?」、そして「物足りないよ」。この二言に尽きると思う。

THE WiLDHEARTSの解散から早2年‥‥いや、事実上は3年という計算になるのか? とにかく、同じ赤坂ブリッツでラストツアーを観てから丸2年が経とうとしていた。昨年の一時的な再結成は経済的な理由から観れなかった為、本当に久し振りな気がする。考えてみれば'95年から毎年観れてたんだもんなぁ、ジンジャーを。そりゃ2年も空けば久し振りな気がするわな?

ソロになってからのジンジャー、日本での初ステージ(この際三軒茶屋での件は無視/笑)。しかも本人が力を入れている新しいプロジェクト(敢えてこういう言い方をさせてもらう)SiLVER GiNGER 5の初お披露目の最終公演である。事前にあまりいい評判を耳にしなかった為、ちょっとばかし不安に襲われたものの、まぁジンジャー自身はいつも不完全だったしな、これまでも‥‥とか思いながら(笑)、結構気楽に構えてる自分がいたりして、そんなに気構えずに当日会場に向かった。その割には開場30分前に既に着いてたりしたのだが。(笑)

小雨の降る中、開場時間の17時を回る。しかし会場内では未だにリハーサルをしている。あ、"Sonic Shake"じゃんか? おいおい、何最終日になってまでライヴの1曲目を練習してるのさ?(苦笑)しかもこの後入場出来たのが約1時間後という事もあって、不安が募る。そういえば、バンドメンバーはギリギリになって決まったって噂も耳にしただけに‥‥リハ不足って話もあながち嘘ではないかも‥‥

18時前後になり、ようやく会場入り。整理番号が153番という好ポジションだった為、入場前に手荷物はロッカーに入れ、会場入りと同時に物販にも目をくれず一目散にフロアへ突入。ほぼステージ中央の3列目を確保。まぁスタンディングだから始まれば揉まれ押されて後ろに追いやられるのだろうけど。入場を待つ間に一緒になった、ちょぎっふぃさんも整理番号が俺の10番くらい後だったので、途中で俺を見つけて合流。開演まで客入れ時の音楽が会場によって全く違う話や機材の話等をして暇を潰す。

時計をしていなかったのではっきりした時刻は判らなかったが、入場してから1時間と経たない内に会場が暗転。体格のいいオッサン(俗に言うデブ)が「Please welcome~!」っていう、ほら、KISSなんかのライヴ盤の頭に入ってるような、あのアナウンス! あれをやるわけよ!! ここらへんでもう、今回のプロジェクトの全てを観てしまった気がした。「That's Entertainment!」、もうこれに尽きるようだ。

メンバーが続々現れ、一番最後に黒のレザー上下にヘアバンド、顔に薄化粧を施した(笑)ジンジャーが登場。成る程、確かにマリリン・マンソンに通ずるモノがあるわ。何か人工的っつうか、作り物っぽいっていうか。衣装もWiLDHEARTS時代をちょっとだけゴージャスにした感じ。そして変形ギターを持ったジンジャーが最初に演奏したのは"Sonic Shake"。炭酸ガスがプシューっとステージから飛び出し、真っ白でステージが何も見えない。(笑)メンバーはギターに元ELECTRIC BOYSのコニー・ブルーム、ドラムにそのコニーの元バンドメイト、ベースはアルバムで弾いていた人(スキンヘッド)の4人編成。つまりWiLDHEARTSと同じ編成なわけだ。そりゃ嫌でも比べられるわな? そこに曲によって素人のオネェチャン4~5人からなるCHIPPIESっていうコーラス隊が加わるわけだが、声が小さい為殆ど機能しておらず。(苦笑)

とにかく演奏はカッチリしてる。WiLDHEARTS程の不安定要素もないし、即席の割には(いや、かなり)まとまっていたと思う。ジンジャーは終始真顔でWiLDHEARTS時代みたいに笑顔を見せない。これもこのプロジェクトでのコンセプトなのか?

ライヴの構成は下のセットリストを見てお判りの通り、ほぼアルバムの流れをなぞっている。特に1~4曲目は全くアルバム通りだ。アリーナロックを体現するバンドらしく、とにかくジンジャーとコニーはかっこよかった。髭面のコニー、その風貌からそのまま'90年代前半のKISSやMOTLEY CRUEに入っても何ら違和感はない。要するにゴージャスまでいかず、小汚いって事か。(笑)そのコニーは4曲目"Girls Are Better Than Boys"のセカンド・コーラスではリードボーカルも取っていた。なかなか味のあるシンガーだと感じた。またベースもコーラスを取っていて、比較的アルバムに近づけようという努力を感じるのだが、ボーカルに奇妙なエフェクト(かなり深いリバーブとディレイ)がかけられていた為、非常に聴きにくかった。これはジンジャーにも言える事で、これまでで一番丁寧に唄っているのは判るのだが、そのエフェクトの為、はっきりと聴き取れないのだ。きっとアリーナでやってる雰囲気を出したいのだろうけど、ちょっとこれは問題だな。WiLDHEARTS時代のジンジャーは声が出ない/唄えてない時の方が多かった(殆ど?)けど、それでもハッキリと聴き取れたのにね‥‥これは今後、絶対に改善してもらいたい(そういえばアルバムでもかなり深めのエフェクトがかかってたしな‥‥)。

そうそう、5曲目のエンディングではドラムソロが、7曲目のエンディングではギターソロがそれぞれ2~3分程挿入されていた。これもWiLDHEARTS時代には考えられなかった事だろう。まぁ短くまとめられていたし、内容も退屈なものではなかったので、これくらいならヨシとしよう。

今回、特に新鮮だったのは、やっぱりバラードの2曲(7曲目とアンコール1曲目)だろう。ここまであからさまなバラードはWiLDHEARTSにはなかったし、いい意味で小休止になる。それにこういう曲ではいよいよジンジャーの歌唱力が問われるわけだが(笑)‥‥まぁその点は、次回に持ち越しって事で‥‥いや、悪くはなかったと思う。ただ、エフェクターが‥‥

そのバラード"Church Of The Broken Hearted"が終了すると、いよいよ後半戦。というか、エンディングに向かってまっしぐら。"Too Many Hippies"や"I Wanna Be New"といったスピードナンバーは、WiLDHEARTS時代の"Suckerpunch"や"Caffeine Bomb"にあたる楽曲なので、勿論それなりに盛り上がるのだが‥‥思ったよりもダイブする客が少なかった。まぁそういうタイプのバンドでもないし、そういうタイプの楽曲も少ないから仕方ないけど‥‥ちょっと寂しかった。

アンコールではジンジャー、首に黒い鳥の羽のようなものをつけた襟巻き?みたいなものをまとって登場。まんまマリリン・マンソンだった。(笑)しかも本当に君が悪い。悪趣味っていうか‥‥何か勘違いしてるんだよなぁ‥‥まぁいい。まずバンドは"The Monkey Zoo"を披露。ここら辺で、かなりジンジャーの歌がキツくなる。まぁエフェクトのせいで聴きにくいから、そう感じなかった人も多いかもしれないが、明らかに唄えてない。

続いてバンドはWiLDHEARTS時代に1度も演奏されなかった"Inglorious"を披露。悲しいかな、この時が一番盛り上がっていたんだな、観客は。つうかさ、演奏完璧すぎだよ、マジで。この曲のみ、このプロジェクトのコンセプトには合ってないからアンコールで披露、っていうのには賛同する。つうかどうせなら、アルバムの曲を全て本セットでやり尽くして、アンコールでカバーやWiLDHEARTS時代の曲をやればよかったんじゃないの? これなら明らかに切り離して考えられると思うし、観客も。それに1~2曲じゃ古いファンも納得しないでしょう。まぁ確かに、目の前にいるのはジンジャーだけど、WiLDHEARTSではないわけだから、これ以上を望むのは酷かもしれないが‥‥とにかく、WiLDHEARTS時代の曲で一番盛り上がってしまうってのは、やはり悲しすぎる。

そして何より、ジンジャーが一番盛り上がっていたように感じた。前の曲で付けてた鳥の羽を取って、曲が始まれば終いにゃヘアバンドまで取って「WiLDHEARTSのジンジャー」へと戻っていった(ように俺には感じられた)。ステージアクションも心なしかこれまでと違って、昔に戻ったかのような感じだし‥‥

結局この日は、アンコールにこの2曲をプレイして終わった。正味1時間。そりゃ物足りないわな? 観客はその場を10分以上も動こうとせず、ジンジャー・コールを繰り返す。会場が明るくなり、退場のアナウンスをしているにも関わらず、彼らはずっと「ジンジャー!」と叫びつづけた。そりゃ、俺もそれに加わりたかったけど‥‥おもいっきり、アンプの電源切ってるんだもん。(苦笑)しかも、1時間押してスタートしたのも関係あるんじゃないかな。時計が20時近かったから‥‥恐らく会場を使用出来る時間も関係あったと思う。けど、客はそんな理由に納得するはずない。結局「ジンジャーは喉の調子が悪いので、これ以上続ける事は出来ません!」というアナウンス‥‥いつものことじゃん!(苦笑)でもジンジャー、今日はステージで一滴も(酒を)飲んでなかったなぁ。ミネラルウォーターのみだった、確かに。それだけ気合いが入ってたのか、ナーバスになってたのか。だから笑顔が殆どなかったのか? 唯一、客席からステージに投げ込まれた子供服とPUFFYの写真の載ってるフライヤーを見た時だけだもん、ニヤニヤしてたの(参考までに、ジンジャーはPUFFYが大好きで、自身の曲"Sonic Shake"ではコーラスをやって欲しいと宣った程だ)。そうか、世界初披露って事もあるし、いくらフレンドリーな日本の客の前でも失態は許されない、そう思ったのかもしれないな、ジンジャーは。それだけこのプロジェクトに賭けてるのかもしれない。だからギリギリまでメンバー選びに苦戦したのだろう。結局そのメンバーも彼が本来欲していたルックス(笑)を持った人が見つからなかったようだし。

と、何だかんだ言いながら、俺は終始ご機嫌だった事だけはちゃんと書いておく。何せかなり前で飛ぶ、首振る、拳上げる、叫ぶ、唄う‥‥全部やったもん。ここ最近で最も熱くなったライヴだった。マニックス以来!? 結局、ジンジャーの前では俺も赤子同然だという事か‥‥(苦笑)

しかし、決してこの程度に満足しているわけでもない。最初に書いた「物足りなさ」。一体何が原因だったんだろう? もしかしたらWiLDHEARTS時代に常にあった『不安定要素』がなくなった事が「物足りなさ」に直結してしまったのかもしれない。何贅沢な事言ってるんだよ?って我ながら思うけど、でもあの「ハラハラ/ドキドキ感」が全くなかったのは確かだし。演奏はしっかりしてた、特にかみ合ってなかったとも思わない。ジンジャーの歌も予想以上に良かった(後半ヤバかったが)。曲もいい曲が多い(けどライヴとしては短い)。

要するに、バンドとしてのマジックを全く感じられなかったのだ。何か‥‥例えが悪いけど、'80年代のKISSみたいな感じ? つまりポール・スタンレーとジーン・シモンズさえいればKISSとして成り立つ感じ? 後はブルース・キューリックだろうがエリック・シンガーだろうが誰でもいい。バンドとしてのマジックはないけど、カリスマ的存在がそこにはいて、その存在に観客が釘付けになる。けどこれが、エース・フレーリーとピーター・クリスが加わっただけで別物になってしまう。演奏力自体は前者の方が格段上なのに、それをも超越した『マジック』を生み出す。つまりジンジャーにとって(そして俺達にとっても)WiLDHEARTSというバンドはそういう存在だったのだ。そしてそれを越えるまでにはまだ至っていない。いや、本人は同じ土俵で勝負しようとは思っていない。けど、まだまだ『バンド』としては機能していない‥‥この辺のもどかしさがあるんじゃないかな?

結局、まだスタートしたばかりのプロジェクトだ。そう、あくまで現時点ではプロジェクトだろう。これがはっきりと『バンド』といえる状態になった時‥‥ジンジャーの片腕といえる存在が登場した時‥‥その時は正直ちょっと怖いな、と思う。ホントにWiLDHEARTSを越えちゃうのかな? まぁまだアルバム1枚だし、本当に今後の活動次第だな? とりあえずはこの形で行われるであろう英国公演の評価と「BLACK LEATHER MOJO」の評価を見た後に、改めて今後のジンジャーについて勝手にあれこれ考えてみたいと思う。


SiLVER GiNGER 5 @ AKASAKA BLITZ. 10/15/2000
01. Sonic Shake
02. Divine Imperfection
03. Anyway But Maybe
04. Girls Are Better Than Boys
05. (Whatever Happened To) Rock'n'Roll Girls
06. Brain Sugar
07. Church Of The Broken Hearted
08. Too Many Hippies
09. I Wanna Be New
10. Take It All, Why Don'tcha
[ENCORE]
11. The Monkey Zoo
12. Inglorious (THE WiLDHEARTS)



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2000年7月11日 (火)

SiLVER GiNGER 5『BLACK LEATHER MOJO』(2000)

「とみ宮」開設以来約1年7ヶ月、ようやく我愛するジンジャーの作品を取り上げることとなった。御存知の通り、俺のここ数年の心の支えともいえるアーティスト‥‥MANIC STREET PREACHERS, RADIOHEAD, WiLDHEARTS。MANICSに関しては開設第1発目に「THIS IS MY TRUTH TELL ME YOURS」を取り上げた。今後、旧譜やシングルについても続々と取り上げるだろう。RADIOHEADは「OK COMPUTER」を取り上げるつもりでいたが、つい後回しにしてしまい、気付けば10月には新作が出るというところまで来てしまった。まぁ秋には大々的に取り上げる事になるだろう。そして、我らがジンジャー率いるWiLDHEARTS‥‥正直、取り上げるのがこんなに遅くなるとは思ってもみなかった。最初に取り上げるならバンドとしての新作か、ジンジャーのソロを取り上げたかったのだ。旧譜をどんどん取り上げるというのも、何か解散してしまった「過去の遺物」みたいだし。(とはいうもののWiLDHEARTSは既に事実上解散しているわけだが‥‥)

バンドとしてのラストアルバム「ENDLESS, NAMELESS」を発表したのが'97年秋だったから、気付いてみれば3年近くもの歳月が経とうとしている。その間にもWiLDHEARTS関連としてはベスト盤やらボックスセットやらの編集盤、ライヴ盤や未発表曲集がリリースされた。'98年10月にはバンド活動を完結させる為に最後の日本ツアーを行い、その模様を収めたライヴアルバム「TOKYO SUITS ME」も発表された。(そして'99年8月には、イベントの為に日本でのみ「1回こっきりの再結成」も果たしている)

ではこの3年間新曲は一切発表されなかったのかというと‥‥「一切」ということはない。デヴィン・タウンゼントとの共作を始め、CLAM ABUSEとしてのアルバム「STOP THINKING」(これもいずれ取り上げる事になるだろう。評価に困る内容だが/苦笑)、そしてHELLACOPTERSのニッケ、BACKYARD BABIESのドレゲンとのプロジェクト、SUPER$HIT 666のミニアルバム。最後にジンジャーの初ソロ楽曲となる"Motorvate"(オムニバス盤「UP IN FLAMES」収録)。最後のソロを除けば、どれも他の個性の強いアーティストとの共作となっている。つまり、純粋にジンジャーの色が濃く出た内容というわけではなかった。だから、ジンジャーがWiLDHEARTS後の第一手としてどういう音で勝負してくるのかが、いまいち見えていなかった。"Motorvate"にしろ、これ1曲で今後を占うには難しかったし。(ジンジャーという多才なアーティストを前にすれば、たった1曲で判断してしまう事がどれだけ馬鹿馬鹿しい事か)そういう意味で、正当な評価を下すにはこのフルアルバムを待つしかなかった。そして、噂を聞きつけてから早半年、ようやくこうして耳にする事が出来たわけだ。

正直な感想を書こう。最初に一通り聴いた時、肩透かしを食らった。意外とあっさりと聴けてしまったからだ。もっとWiLDHEARTS的な、引っ掛かりのある内容になるものだとばかり思っていた‥‥これは過剰な期待だったのか、それとも単に俺がまだ「ジンジャー」という男のことを解っていなかっただけなのか。とにかくバンド時代よりも、もっとストレートな内容になっていたのだ。そう、とても聴きやすい‥‥

このアルバムに対して、ジンジャーはこう語っている。

「俺がこのアルバムで伝えたいのはエンターテイメント、ただそれだけさ。人を考え込ませるんじゃなくて、お楽しみの時間のサウンドトラックとなるものだよ。ロックンロールには信憑性なんてものはなくていい。ロックンロールは元々バカげたものだし、みんなが楽しんで大騒ぎする時間を過ごすためにある。このアルバムは、アリーナ・クラスの巨大なロックンロール・ショウをアルバムにしたもの、バラードやスケールのデカい曲や最後に爆発音でもってステージを終わるような曲の入ったアルバムを出すバンドを恋しく思うようなロック・リスナーに向けた『経験』なのさ。」
(アルバム・ライナーノーツより引用)

WiLDHEARTS程ひねくれ度が低いのは、こういう理由からだ。つまり、何か新しい音を作り出そうとか、2000年的サウンドをひねり出そうとか、そういったものではない。ジンジャーが子供の頃に慣れ親しんだロックンロール‥‥KISSであったりAEROSMITHであったり、それこそイギリスならSLADEやSWEETやゲイリー・グリッターのようなポップで判りやすく、それでいて聴いてて興奮するような。エンターテイメント性を前面に打ち出した、純粋に楽しむためだけのパーティーロック。今、こういう音が少ないと嘆いていたジンジャーは、だったら自分がやればいい、どうせKISSは今年で引退するんだろ?その座を俺が受け継いでやるよ、というコンセプトの元にこのアルバムを制作したのだった。

そのコンセプトはいきなり1曲目から爆発しまくっている。"Sonic Shake"、これはもう名曲だろう! メロディだけたどれば、どことなくWiLDHEARTSを連想させるが、所々に挿入された新機軸、そしてKISSのライヴを思い出させるようなハイパーロックンロール。OASISが何だって? BLURがどうしたって? 俺はここにいるぜ?と言わんばかりの主張が、それこそ1曲目からボーナストラックの最後の最後までぎっしり詰め込まれている。

音の感触がどことなくボブ・ロックが手掛けた作品に共通するものがあると思う。しかも最近のではなく、'80年代の、BON JOVI「NEW JERSEY」だったり、AEROSMITH「PERMANENT VACATION」だったり、MOTLEY CRUE「DR.FEELGOOD」だったり。とてもゴージャスなのだ。つまり、自分が慣れ親しんだ'70年代のロックンロール、常にエンターテイメント性を重視してきた'80年代のロックバンド、そして自分達が築き上げた'90年代。これらをうまくミックスして消化したものに自然となっているように感じる。ジンジャーが意図しなくても、自然と形として表れる‥‥天才というか、天然というか‥‥(笑)

確かにこれは新しい音楽ではないし、ある意味やり尽くされたタイプの音だろう。2000年を代表する音にはならないかもしれない。それでもこれをやる意味が、今のジンジャーにはあったのだ。そしてリスナーにも‥‥少なくとも、この俺にも意味のあるものだ。

WiLDHEARTS時代の作品と比べて、内容的にパーフェクトまでいっていないのは判ってる。しかし、このアルバムには完全試合は必要ないと思う‥‥言うならば、1発逆転サヨナラを狙った大振り連発‥‥こんなとこだろうか? 決してつまらない曲はないし、どれも標準以上だと思っている。しかし、WiLDHEARTSという「比較対象」が常に存在する限り、今後どんなアルバムを作っても「WiLDHEARTS時代と比べて~」と言われ続けるだろう(それがお門違いな愚問であっても)。KISSのアルバムには必ず1曲は「惜しいなぁ」と思わせる曲があった。作品として考えれば詰めが甘いのかもしれない。けど、KISSにとってアルバムは「新しいライヴをするための、新しい仕掛けを披露するための道具/手段」に過ぎなかった(勿論それらは標準をクリアしている、という最低条件はあったが)。MOTLEY CRUEだって、アルバム毎にコンセプトを変えてそれをライヴに反映してきた。もし今後ジンジャーがSiLVER GiNGER 5を続けているというなら、きっとそういう作品を連発し続けるだろう。

ライヴに関してはまだ何も見えてこないが、やっぱりこのアルバムはライヴと対で評価したいと考えている。これだけのアルバムを作っておきながら、ライヴがバンド時代と何ら変わらないものだったら‥‥俺はちょっと許さないよ。(笑)勿論、WiLDHEARTSのライヴが悪いというわけではない。あのライヴに惹かれたから、今の俺がいるわけだし。けどこのアルバム、このコンセプトに関してはジンジャーには初心を貫いて欲しい。ワールドワイドレベルで成功しているアーティストとは言えないので、セット等にお金をかけられないだろう。しかし、そこは持ち前のアイディアで乗り切って欲しい。そして今回はブリッツよりもデカい会場‥‥日比谷野音だったり渋公だったり‥‥可能なら、武道館で、こんじょ音を再現するスペクタル・エンターテイメント・ショウを俺達に見せて欲しい。

最後に我が儘放題言ってしまったが、ジンジャーならそれが出来ると信じているから。そしてそれをやる義務があると思うから。KISSの後を引き受けるなら、もうそれこそ本当にニッキー・シックスまでをも巻き込んで、何ならMOTLEY CRUEの前座としてワールドツアーに同行すればいい。このアルバムの音は、今必要とされている音だと思う。必要としている人間が沢山いると思う。だから、それを世に知らしめるために、出来る限りの活動をして欲しい。WiLDHEARTSで果たせなかった夢が、今なら実現出来るはずだから。今なら誰も邪魔する人間はいないし、やれない事は何もないはずだから。

今一度言う。俺はエンターテイメント性を重視したこのロックンロールを、断固支持する。「とみぃの宮殿」は今後もジンジャーを全面的に支持していく!!!



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