2018年5月13日 (日)

SKINDRED『BIG TINGS』(2018)

2018年4月にリリースされたSKINDREDの通算7作目のスタジオアルバム。前作『VOLUME』(2015年)発売後、2016年春と2017年秋の2度にわたり来日公演を行い、前者ではCrossfaithをはじめとする国内勢らと共演、後者では『LOUD PARK』という国内最大級のメタルフェスでパフォーマンスしました。これまでSiMやCrossfaithなどの国内ラウドロックバンドと共演することが多く、そちら側のリスナーにはある程度知られていたものの、生粋のメタルファンには「レゲエメタル? そんな邪道」と若干敬遠されていたところもあったのではないでしょうか。それが、あのライブパフォーマンスを観て、いや見せられてしまったら、みんなイチコロですよね。

また、特に彼らのアルバムはアルバムごとに国内でのリリース先がコロコロ変わり、情報が得難いことも少なくありませんでしたが、今回は前作から引き続き国内盤はビクターから発売。前作での来日も好評だったので、きっと今回も……期待しています(笑)。

さて、国内盤を購入した方ならすでにご存知かもしれませんが、本作のライナーノーツを筆者が担当させていただきました。実は、このライナー執筆後にメンバーのベンジー・ウェッブ(Vo)にインタビューする機会を得まして、そちらが『BURRN!』6月号に掲載中です。ライナーでは拾いきれなかった情報(メンバーの脱退やレコーディングに関して)も多数フィーチャーされておりますので、ぜひ併せてチェックしていただけると幸いです。

ということで、以上の資料を読んでいただければ、本作の素晴らしさは十分伝わると思うので、今回はこれにて……というわけにはいかないですよね(苦笑)。まだ聴いてない!っていう人は、『VOLUME』のレビューを読んでからこちらを読んでいただいて……。

基本的には、路線は前作から大きくは変わっていません。ただ、若干ストレートな作風かな?といった程度の変化はありまして、それがメタルファンにとっては聴きやすさにつながっているのではないでしょうか。特にリードトラックの「Machine」はAC/DCを彷彿とさせる軽快なロックンロールですし、ゲストボーカルでREEFのゲイリー・ストリンガー、ギターソロで元MOTÖRHEAD、現PHIL CAMPBELL AND THE BASTARD SONSのフィル・キャンベルが参加しているので、よりとっつきやすいと思います。

それ以外の楽曲もレッチリほどファンクというわけでもなく、レゲエ要素も味付けとして曲の幅を広げることに成功してますし。前作が好きなら間違いなく気にいる1枚ですし、前作を聴いてなくても存分に楽しめる入門編的な1枚ではないかと断言します。はい。

なお、日本盤のみボーナストラックとしてマックス・ロメロというレゲエシンガーの代表曲「Chase The Devil」をパンキッシュにカバーしております。パンクとレゲエはもともと地続きな存在ですし、このアレンジは納得の一言。残念ながら配信バージョンでは聴けないので、気になる方はぜひ国内盤を購入いただけますと(クドイですね。笑)。

インタビュー時にはまだ来日は決まっていないという話でしたが、ぜひこの際また10月に来日していただいて、そのタイミングに小箱での単独公演も……お願いします!



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投稿: 2018 05 13 12:00 午前 [2018年の作品, Motorhead, Phil Campbell And The Bastard Sons, Reef, Skindred] | 固定リンク

2018年3月20日 (火)

SKINDRED『VOLUME』(2015)

SKINDREDが2015年10月(UK/日本は11月)にリリースした通算6作目のオリジナルアルバム。日本ではデビュー作(通算2作目)の『ROOTS ROCK RIOT』(2008年)以降、毎回リリース元が異なっていましたが、この『VOLUME』が好評だったこともあってか、間もなく日本先行リリースされる新作『BIG TINGS』は引き続きビクターから日本盤が発表されるとのこと。こうやって安定してくれたら、日本にも呼びやすいんじゃないでしょうか。特に『VOLUME』を携えた来日公演は2度も実現しただけに、ぜひ今後も定期的に日本でライブをしてもらいたいものです。

さて。そんなSKINDREDのことを昨年秋の『LOUD PARK 17』でちゃんと知った、ちゃんと聴いたというメタルファンも少なくないのではないでしょうか。特に年季の入ったメタラーにとっては、ラガメタルと呼ばれるミクスチャーロックサウンドは敬遠されがちですからね。

このSKINDREDって2000年代半ば以降に日本で盛り上がり始めたラウドロックシーンとの親和性が非常に高く、それによってCrossfaithやSiMのようなバンドのと交流も深まっていった。そういった事実が、頭の固いリスナーからは敬遠される要因にもなったかもしれません。

しかし、この『VOLUME』ってアルバム、ゼロ年代以降のモダンヘヴィネスを通過したヘヴィメタル、もっといえば90年代後半のSEPUTLURAKORN以降のグルーヴィーなヘヴィロックバンドを愛好する人なら絶対に気にいる要素満載なんです。

実際にこのアルバムを聴くと、そこまでレゲエレゲエした楽曲はほんの数曲で、むしろヘヴィでノリの良い楽曲の上にレゲエをイメージさせる心地よい歌メロが乗っているものが大半。基本的にはその程度のノリなんですよ。ギターも適度にザクザクしていてヘヴィだし、ベースのゴリゴリ感やドラムの1音の重み、低音を強調したサウンドメイクは完全にゼロ年代以降のモダンなヘヴィメタルそのもの。そりゃあオールドスタイルの王道メタルだけが好きって人には厳しいかもしれませんが、現代的なサウンドに寛容なリスナーなら少なからず引っかかる要素は存在しているはずなんです。

本作はDJやエレクトロ系のサウンドメイクを担当するダン・スタージスが加入し、正式に5人編成となって初めて制作した1枚。が、ダンはこのアルバムを携えたツアー中にバンドを脱退。先の『LOUD PARK 17』はもとから在籍する4人で実施されました。

そういったサウンドエフェクトはインタールード含め、味付けとしては非常に面白いものがありますが、昨年のライブを観た人ならおわかりのとおり、特にそういった要素を排除してもバンドとしての魅力に何ら変化はない。そういったバンドの基礎体力が、間もなくリリースされる新作には反映されていることでしょう。

とにかく。ラガメタルだとかミクスチャーだとか、そういった小難しい枠は無視して、爆音で楽しみたいヘヴィロック/メタルアルバムの1枚。新作発表を前に、ぜひ復習してみてはいかがでしょう。



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投稿: 2018 03 20 12:00 午前 [2015年の作品, Skindred] | 固定リンク