カテゴリー「Slayer」の31件の記事

2024年5月31日 (金)

KERRY KING『FROM HELL I RISE』(2024)

2024年5月17日にリリースされたケリー・キングの初ソロアルバム。

言わずと知れたSLAYERのギタリスト、ケリー・キングがバンドのライブ活動休止(2019年)後に初めて取り組んだソロプロジェクト(本作リリースが解禁されたあとに、SLAYERは今年いくつかのフェスで数本ライブを行うことを発表)。2020年初頭から盟友ポール・ボスタフ(Dr/SLAYER)とともに本プロジェクトにじっくり取り掛かり、DEATH ANGELのマーク・オセグエダ(Vo)、MACHINE HEADやVIO-LENCEなどで名を馳せたフィル・デンメル(G)、HELLYEAHのカイル・サンダース(B)というスラッシュメタル/ヘヴィミュージック界のオールスターメンバーと呼べるような布陣が揃ったところで、2023年に本作を一気に完成させます。

プロデューサーに名手ジョシュ・ウィルバー(GOJIRALAMB OF GODMEGADETHTRIVIUMなど)を迎えた本作(ケリーにとっては初タッグになるのかな?)。首尾一貫して王道かつ正統的なオールドスクール・スラッシュメタルが展開されており、全13曲/約46分まったく息つく間を与えないほどの緊張感と殺傷力を持った、いかにもケリー・キングらしい刺々しいサウンドを楽しむことができます。

期待感を十分に高めてくれるオープニングSE「Diablo」からストロングスタイルの疾走スラッシュナンバー「Where I Reign」へと続く“お約束”的な流れや、緩急に富んだドラマチックなアレンジの「Crucifixation」、ケリーらしい不穏なリフワークを楽しめる「Tension」からメドレーのように続くショートチューン「Everything I Hate About You」など、切れ味鋭いアップチューンと重々しいミドルナンバーがバランスよく配置された構成は、SLAYERファン、いや黄金期のUSスラッシュメタルを愛重してきたリスナーにはたまらないものがあるのではないでしょうか。楽曲の1つひとつの完成度も非常に高く、目新しさこそないものの、ケリー・キングというアーティストに我々が求める要素はすべてここに詰め込まれているだけに、満足度は非常に高いはずです。

また、マーク・オセグエダのボーカルスタイルもどことなくトム・アラヤを彷彿とさせるものがあり(こんなに似てたっけ? 意図的に“寄せてる”のか、それともケリー側のリクエストなのか)、その楽曲スタイルや作風も相まって、「もしSLAYERが『REPENTLESS』(2015年)に続くスタジオアルバムを制作するとしたら……」なんて“Ifの世界”まで楽しめてしまう。SLAYERの“ブレイン”でありスラッシュメタルのオリジネーターのひとりであるケリーが、がそのSLAYERをお題にベイエリア・オールスターズと一緒に「存在するはずのないSLAYERの次作」を作ってしまった。本作はそんな解釈すら可能な1枚ではないでしょうか。

オールドスクールなヘヴィメタル、そしてエクストリームミュージックをとことん愛する者なら間違いなく琴線に触れるはず。局地的には「2024年を代表するような1枚」と呼べる本作を携え、ケリー・キングは現在ツアーを行なっている最中ですが、秋にSLAYERが稼働してしまうことで一時的に活動がストップしてしまいそう。そのあとでもいいので、できればこのメンツでの来日を実現させ、定期的に新作を届けてくれるとありがたいです。

 


▼KERRY KING『FROM HELL I RISE』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD / 海外盤アナログ / MP3

 

2022年3月19日 (土)

V.A.『SPAWN: THE ALBUM』(1997)

1997年7月29日にリリースされた、映画『スポーン』のサウンドトラックアルバム。日本盤は同年9月10日発売(日本盤はオリジナルアートワークを採用)。

本作は『JUDGEMENT NIGHT: MUSIC FROM THE MOTION PICTURE』(1993年)のように、当時旬のロック/メタルバンドと先鋭的なクラブミュージックアーティストを組み合わせた、コラボ曲のみで構成されたコンピレーションアルバムで、純粋なサウンドトラック盤とは異なる仕様となっています。また、『JUDGEMENT NIGHT: MUSIC FROM THE MOTION PICTURE』がメタル/グランジ系バンドとヒップホップアーティストとのコラボレーションが中心だったのに対し、この『SPAWN: THE ALBUM』ではメタル/グランジ/オルタナティヴロック/ニューメタル勢とエレクトロニカ/テクノ系アーティストとのコラボで構成されています。

楽曲の大半はジャンルの異なる2組との共作で制作されたものですが、中にはMETALLICA「For Whom The Bell Tolls」をDJスプーキーがリミックスしたテイクや、ORBITALの1990年のヒット曲「Satan」をカーク・ハメット(G/METALLICA)がギタリストとして参加した形での再録バージョンも含まれており、すべてが純粋な新曲とは言えません。ですが、いろんな変遷を経た2022年の耳で聴くとどれも非常に親しみやすいテイクばかりで、リリース当時よりも今のほうがフィットするような印象を受けます。

ロック系からの参加アーティストはFILTERMARILYN MANSON、カーク・ハメット、KORN、BUTTHOLE SURFERS、METALLICA、STABBING WESTWARD、MANSUNトム・モレロRAGE AGAINST THE MACHINE)、SILVERCHAIR、ヘンリー・ロリンズ、INCUBUSSLAYER、SOUL COUGHING。テクノ系からはTHE CRYSTAL METHOD、SNEAKER PIMPS、ORBITAL、THE DUST BROTHERS、モービー、DJスプーキー、ジョシュ・ウィンク、808 STATE、THE PRODIGY、ヴィトロ、ゴールディ、DJグレイボーイ、ATARI TEENAGE RIOT、ロニ・サイズとかなりバラエティに富んだ面々が揃っています。

FILTER×THE CRYSTAL METHOD「(Can't You) Trip Like I Do」やマンソン×SNEAKER PIMPS「Long Hard Road Out Of Hell」、KORN×THE DUST BROTHERS「Kick The P.A.」などはそれぞれのバンドのカラーが強く、このままオリジナルアルバムに入っていたとしても不識じゃない仕上がり。ドラムンベース調に味付けされたMETALLICA×DJスプーキー「For Whom The Bell Tolls (The Irony Of It All)」も当時は「……へっ?」と困惑したものの、今聴くと全然アリに思えるから不思議。当時全米1位を記録したノリノリのTHE PRODIGYは「One Man Army」でトム・モレロをギターに迎えたことで、非常にロック色濃厚なトラックを楽しむことができます。

かと思えば、当時はまだブレイク前だったINCUBUSは、早くも独特のテイストを持つ「Familiar」で個性を発揮しまくっているし、SLAYER×ATARI TEENAGE RIOTという最強&最狂の組み合わせによる「No Remorse (I Wanna Die)」では前のめりなアゲアゲドラムンベースを堪能できる。曲によって出来のまちまちはあるものの、全体を通して非常に気持ちよく“踊れる”ラウドロックアルバムではないかと思っています。

とはいえ、リリース当時は『JUDGEMENT NIGHT: MUSIC FROM THE MOTION PICTURE』ほどのインパクトは与えられず、かつメタル寄りリスナーからはあまり歓迎された記憶もなかったかな。チャート的にはBillboard 200(全米アルバムチャート)で最高7位まで上昇し、50万枚以上のヒットになっているので、ここ日本では“早すぎた”1枚だったのかもしれません。

現在のミクスチャーロック的スタンスを考えると、90年代に映画のサウンドトラックとして制作された『JUDGEMENT NIGHT: MUSIC FROM THE MOTION PICTURE』とこの『SPAWN: THE ALBUM』って、実は非常に重要な役割を果たした作品集だと思うんですよね。日本では評価は低いのかもしれないけど、このタイミングだからこそ改めて触れておきたい重要作だと断言しておきます。

 


▼V.A.『SPAWN: THE ALBUM』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD / MP3

 

2020年11月21日 (土)

ELLEFSON『NO COVER』(2020)

2020年11月20日にリリースされたデイヴィッド・“ジュニア”・エレフソン(B/MEGADETH)のソロアルバム第2弾。

日本では今年3月に発売された初のソロアルバム『SLEEPING GIANTS』(海外では2019年7月リリース)に続く今作は、全曲豪華ゲストを迎えたカバー集。全19曲の大半はエレフソンのルーツ的楽曲になるのでしょうが、そんな中にFIGHTの「Nailed To The Gun」があったり、ビリー・アイドル「Rebel Yell」やW.A.S.P.「Love Machine」といったMEGADETHのデビューと非常に近しい時期の楽曲も含まれています。これは相方のトム・ハザート(Vo)の趣味なんでしょうかね。

さてさて。そんな本作のレコーディングメンバーですが、ベーシックはトム、エレフソン、アンディ・マルトンジェリ(G/ARTHEMIS)の3人が中心で、曲によって以下のようなゲストが参加しています(とにかく長いのでご注意を)。

※ボーカル
ジェイソン・マクマスター(DANGEROUR TOYS、WATCHTOWER)、ドロ・ペッシュ、ジェイコブ・バントン(ミック・マーズ、LYNAM、ex. STEVE RILEY'S L.A. GUNS、ex. MARS ELECTRICなど)、アンドリュー・フリーマン(LAST IN LINE)、アル・ジュールゲンセン(MINSTRY)、ブランドン・イーグレイ(CROBOT)、デイヴ・アルヴィン(WHITE TRASH)、トッド・カーンズ(THE AGE OF ELECTRIC)、マーク・スローターSLAUGHTER)、チップ・ズナフENUFF Z' NUFF

※ギター
ロン・“バンブルフット”・サール(一部ボーカルも/SONS OF APOLLOASIAなど)、ガス・G(FIREWIND)、アンディ・ジェイムズ(ex. SACRED MOTHER TONGUE)、エディ・オヘダ(ex. TWISTED SISTER)、グレッグ・ハンデヴィット(KUBLAI KHAN、ex. MEGADETH)、フランク・ハノン(TESLA)、ラス・パリッシュ(STEEL PANTHER、ex. FIGHT)、ジョン・アクイリノ(ICON)、タイソン・レズリー、デイヴ・シャープ(DEAD BY WEDNESDAY)、シャニ・キメルマン、ドリュー・フォーティアー(ZEN FROM MARS)

※ドラム
パオロ・カリディ(HOLLOW HAZE、ex. KILLING TOUCH)、デイヴ・マクレイン(SACRED REICH、ex. MACHINE HEAD)、チャック・ビーラー(ex. MEGADETH)、チャーリー・ベナンテ(ANTHRAX)、デイヴ・ロンバード(SUICIDAL TENDENCIESDEAD CROSSMR. BUNGLE、ex. SLAYER)、ジミー・デグラッソ(ex. BLACK STAR RIDERS、ex. MEGADETH、ex. Y&Tなど)、ダーク・ヴェルビューレン(MEGADETH、ex. SOILWORK)、オーパス(DEAD BY WEDNESDAY)、トロイ・ルケッタ(TESLA)、マイク・ヘラー(RAVEN、ZEN FROM MARS、ex. FEAR FACTORY

演奏はどれも原曲に忠実で、可もなく不可もなくといったところ。トム・ハザートがメインで歌う前半はダミ声中心なので、曲によっては「う〜ん……」と思うものも含まれています。が、中盤から後半……「Riff Raff」(AC/DC)、「Over The Mountain」(オジー・オズボーン)、「Sweet F.A.」(SWEET)、「Downed」(CHEAP TRICK)あたりはトム不参加でそれぞれマイク・マクマスター、アンドリュー・フリーマン、トッド・カーンズ、チップ・ズナフが歌っているので安心して楽しめるはずです。また、「Sheer Heart Attack」(QUEEN)や「Love Me Like A Reptile」(MOTÖRHEAD)にはドロ・ペッシュが、「Say What You Will」(FASTWAY)にはマーク・スローターがそれぞれ参加しており、聴けばそれとすぐにわかるボーカルで楽しませてくれます。

まあ、こういうアルバムはああだこうだ言わずに無心で楽しむのが一番なんでしょうね。強いて言うなら……ジュニアってそんなにCHEAP TRICK好きだったんだ、と(笑)。あと、DEF LEPPARDもね(アートワークの話)。なんだかんだこの人、ポップなものが好きなんでしょうかね。

 


▼ELLEFSON『NO COVER』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD / 海外盤アナログ / MP3

 

2020年11月 2日 (月)

PANTERA『REINVENTING THE STEEL: 20TH ANNIVERSARY EDITION』(2020)

2000年3月(日本は4月)にリリースされたPANTERAの9thアルバムにしてラスト作を、20周年を記念してスペシャルエディション化。海外では2020年10月30日に発売され、日本盤は同年11月18日リリース予定です。

2003年にフィリップ・アンセルモ(Vo)とほかのメンバーが決裂し、そのまま解散。ダイムバッグ・ダレル(G)とヴィニー・ポール(Dr)はDAMEGEPLANを結成するのですが、ご存知のとおり2004年12月8日にダレルが不幸に見舞われ死去。黄金期PANTERAの再結成は二度と叶わなくなってしまうわけです。

結果として最終作となった本作、過去のレビュー「リリース当時に聴いたときは『ヘヴィでカッコいいけど、ちょっと聴き手を選ぶ内容かなぁ』と」「が、あれから18年経った今聴いてみると、意外とキャッチーな1枚であることに気づかされます」と書きましたが、そこから2年経った今……つまり、オリジナルリリースから20年経った2020年に聴いても、その思いは変わらず、非常に徹底して作り込まれた「ヘヴィなのに意外と触れやすい」1枚であることが再確認できます。

今回のアニバーサリーエディションはCD3枚組で、DISC 2にはスターリング・ウィンフィールド、メンバーのダイムバッグ・ダレル&ヴィニー・ポールがプロデュース&ミックスを手がけたオリジナル盤のリマスターバージョン(およびラジオエディット4曲)が収録されています。もとのバージョンよりも若干ギターの音色がふくよかになったように感じられるのですが、いかがでしょう。

今回特筆すべきポイントはそこではなく、DISC 1とDISC 3の内容ですよね。DISC 1にはアルバム本編を、『COWBOYS FROM HELL』(1990年)から『THE GREAT SOUTHERN TRENDKILL』(1996年)までのメジャー4作品を手がけたテリー・デイトが再ミックス。こちらがですね、非常に現代的なサウンドに生まれ変わっており、スリリングかつヘヴィなPANTERAの姿を再び拝めるのですよ。ぶっちゃけこの音で当時リリースされていたら、もっと高く評価されていたんじゃないか……というのは言い過ぎでしょうか。このバージョン、しばらくヘビロテしてしまいそうです。

DISC 3はアルバム未収録曲と同時期に制作/発表されたカバー曲と、『REINVENTING THE STEEL』収録曲の別ミックスバージョンで構成。「Avoid The Light」は映画『DRACULA 2000』、「Immortally Insane」は映画『HEAVY METALL 2000』の各サウンドトラック提供のアルバム未収録オリジナル曲。「Cat Scratch Fever」はテッド・ニュージェントのカバーで映画『DETROIT ROCK CITY』サントラ提供曲。「Hole In The Sky」はBLACK SABBATHのカバーで、EP「Revolution Is My Name」が初出、その後ベストアルバム『THE BEST OF PANTERA: FAR BEYOND THE GREAT SOUTHERN COWBOYS' VULGAR HITS!』(2003年)にも再収録。「Electric Funeral」も同じくBLACK SABBATHのカバーで、こちらはサバスのトリビュートアルバム『NATIVITY IN BLACK II: A TRIBUTE TO BLACK SABBATH』(2000年)が初出となります。ファンなら一度は耳にしたことのあるテイクかと思いますが、こうやってまとめて楽しめるのはありがたいものです。

で、注目の別ミックスですが、こちらはすべて“ボーカル抜きのラフミックス”という完成数歩手前のバージョン。全10曲、すべての別テイクが収められており、ミックス自体はリマスタリングが施されたDISC 1、DISC 2には劣るものの、楽器隊の一丸となったプレイを、ギターソロまで含めてじっくり楽しめるという意味では非常に貴重かもしれません。まあ、完全にマニア向けですね。

というわけで、すでにオリジナル盤を楽しみ尽くした輩にはDISC 1(とDISC 3)、これから本作に手を出そうと思っている人は……まずはオリジナルバージョンからでいいと思います(笑)。無理にミックス違いやインストバージョンまで含め、同じアルバムを3周もする必要はないでしょう。

にしても、今聴いても「Hellbound」やら「Revolution Is My Name」やら、SLAYERのケリー・キング(G)がアウトロでギターをプレイしている「Goddamn Electric」など、本当に名曲揃いだなあ……この“続き”聴いてみたかったなあ。もはや二分の一がこの世にいないことを考えると残念でなりませんが。

 


▼PANTERA『REINVENTING THE STEEL: 20TH ANNIVERSARY EDITION』
(amazon:国内盤3CD / 海外盤3CD / MP3

 

2020年10月31日 (土)

MR. BUNGLE『THE RAGING WRATH OF THE EASTER BUNNY DEMO』(2020)

2020年10月30日にリリースされたMR. BUNGLEの4thアルバム。

FAITH NO MOREやらDEAD CROSSやらいろいろ忙しいマイク・パットン先生ですが、MR. BUNGLEも約19年ぶりに再始動。この新作は『CALIFORNIA』(1999年)以来、実に21年ぶりの新作なのですが、その中身は1986年に制作したデモテープ『THE RAGING WRATH OF THE EASTER BUNNY』をプロフェッショナルなアルバムとして再レコーディングしたもの。純粋な新作というわけではないのですが、中身に触れたらそんなことどうでもなるくらい、頭も気持ちもかき乱されるはずです(笑)。

今回のMR. BUNGLEですが、メンバーはマイク・パットン(Vo)、トレイ・スプルーアンス(G)、トレヴァー・ダン(B)のオリジナルメンバーにANTHRAXのスコット・イアン(G)、元SLAYER、現在はDEAD CROSSやSUICIDAL TENDENCIESで活躍中のデイヴ・ロンバード(Dr)という最強/最狂の布陣なのですよ。なにこの「ぼくのつくったさいきょうのかいじゅう」みたいなラインナップ(笑)。

で、出してる音もですね……完全にスラッシュメタルやハードコアなんですわ。そっち寄りのサウンドはDEAD CROSSでやっていたとはいえ、まさかMR. BUNGLEでもこっちに傾倒するとは。しかもスコット・イアンまで連れてきちゃうなんて、徹底しすぎでしょう。

まあとにかく、カッコいいんですわ。オープニング「Gizzly Adams」からして初期スラッシュメタルやハードコアの作品によくあった短尺のインストナンバーで、そこから「Anarchy Up Your Anus」(てかタイトルよ!笑)で一気に爆発。「Hypocrites / Habla Español O Muere」あたりまで来ると完全に感情が麻痺して、気づけば頭を振り続けている自分に気づくことでしょう……ってこれ、知ってる曲じゃん!(笑) S.O.D(STORMTROOPERS OF DEATH)の「Speark English Or Die」のスペイン語カバーを織り交ぜているんですか。なにそのアイデア? 本家のスコット・イアンにそれやらせるの? ズルイ、ズルイわぁ……(苦笑)。

で、ここで気づくわけです。本作、スラッシュメタルと謳っているけど、どちらかというと80年代のクロスオーバースラッシュ作品、とりわけS.O.Dからの影響が相当強いんじゃないかと。楽曲自体は4〜5分台当たり前で、軸になるハードコア/クロスオーバー楽曲にスラッシュメタル的複雑怪奇な展開を交えることで、オリジナリティを確立させているような、そんな印象を受けました。

カバーといえばもう1曲、C.O.C(CORROSION OF CONFORMITY)のクロスオーバースラッシュ時代の「Loss For Words」も取り上げています。この曲が発表されたのが1985年、S.O.Dのアルバムリリースも1985年。そしてMR. BUNGLEが本作のもととなるデモ『THE RAGING WRATH OF THE EASTER BUNNY』を制作したのが1986年。時代だったんですね(笑)。

全11曲/約57分と比較的長尺作品ですが、好きな人なら無心で最後まで楽しめる1枚。これまでマイク・パットン周辺作品は苦手だったというメタル寄りリスナーも、本作やDEAD CROSSならとっつきやすいんじゃないでしょうか。入り口としても最適な1枚だと思いますよ。

 


▼MR. BUNGLE『THE RAGING WRATH OF THE EASTER BUNNY DEMO』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD / 海外盤アナログ / MP3

 

2019年11月30日 (土)

SLAYER『THE REPENTLESS KILLOGY (LIVE AT THE FORUM IN INGLEWOOD, CA)』(2019)

2019年11月に発売された、SLAYERの最新ライブアルバム。

オフィシャルな形で単体のライブアルバムが発売されるのは、名盤『DECADE OF AGGRESSION』(1991年)以来28年ぶり(!)。思えば『LIVE INTRUSION』(1995年)や『WAR AT THE WARFIELD』(2003年)、『STILL REIGNING』(2004年)などライブ映像は豊富にリリースされているんですよね。今作もライブアルバムと同じ公演がDVD/Blu-rayでも発売されますし、彼らの場合は音源よりも映像で楽しんでほしいっていうことなんでしょうかね。

それはさておき。今回は現地時間で本日11月30日、このライブ作品と同じLAのThe Forumでのライブを最後にツアー活動を停止させます。バンドのマネージャーは直近のインタビューで「ツアーがこれで終わりなだけで、バンドが終わるという意味ではない」と発言しているので、今後レコーディング作品として何かしらの予定が控えているのか、あるいはアーカイブ的な過去音源がどっさり発表されるのか、あるいは単発でのライブ活動があるのか……そこは悲観的にならないようにしておきたいと思います(とはいえ、今年3月の最後の来日公演では感傷的になってしまいましたが)。

さてさて。このライブ作品について触れておきましょう。本作は2017年8月5日のThe Forum公演をまるまる収めたもので、タイミング的にはフェアウェル・ツアーが発表される前のもの。同年10月には『LOUD PARK』で来日もしているので、セットリスト的にはほぼ同一となっています(ライブアルバムで演奏された「Hallowed Point」に替わり、日本では「Fight Till Death」というレア曲を披露)。現時点での最新オリジナルアルバム『REPENTLESS』(2015年)からの楽曲も程よく含まれた、グレイテストヒッツと呼ぶにふさわしいセットリストではないでしょうか。

上記のとおり、これからSLAYERに触れようというビギナーとっては現時点での入門編的1枚と言えるでしょう。が、いかんせん音質がイマイチなんですよね。なんていうか、軽すぎるんです。ボーカルが前にで過ぎていて、ギターが若干後ろに退いている、そしてドラムの音に重量感が一切感じられない。せっかくヘヴィで狂気的な演奏を繰り広げているのに、それが最良な形で伝わらないのは残念でなりません。これ、ライブ映像作品用のミックスをそのままCDにも流用したんでしょうね。

要するに、この点においても彼らがライブアルバムというアイテムをそこまで重視していないことが伺えます。おかげで、聴いても感傷的な気分に陥らずに済みました(笑)。あと、不思議とYouTubeに上がっている映像音声のほうが、実際のアルバムよりも音に厚みがある気がするのですが、これは気のせいなんでしょうか……。

初期の楽曲に限定してしまえば、バランス的には『DECADE OF AGGRESSION』が最高の1作ですし、オールキャリアを振り返りたい人には今作が最適(ただ、音質に難あり)。一長一短ありますが、まずはストリーミングサービスで聴き比べて、自分に合った作品を選んでみてはいかがでしょう。

肝心の映像作品に関しては、後日別枠でたっぷり触れたいと思います。

 


▼SLAYER『THE REPENTLESS KILLOGY (LIVE AT THE FORUM IN INGLEWOOD, CA)』
(amazon:日本盤2CD / 海外盤2CD / MP3

 

続きを読む "SLAYER『THE REPENTLESS KILLOGY (LIVE AT THE FORUM IN INGLEWOOD, CA)』(2019)" »

2019年11月20日 (水)

VOLBEAT『REWIND, REPLAY, REBOUND』(2019)

2019年8月初頭に発売されたVOLBEATの7thアルバム。日本では数週遅れて、同年8月末に3曲のボーナストラックを追加した形でリリースされています。

本国デンマークで1位、アメリカでも最高4位という好成績を残した前作『SEAL THE DEAL & LET'S BOOGIE』(2016年)からほぼ3年ぶりの新作に当たる今作は、デビューから一貫して制作に関わってきたヤコブ・ハンセン(DIZZY MIZZ LIZZYPRETTY MAIDSAMARANTHEなど)がプロデュースを担当。それだけで、従来の彼ららしい“メタル+パンク+ロカビリー”なサウンドが期待できそうですが、今作ではバンドとして新境地を迎えています。

従来のロカビリー・メタル要素はそのまま維持されているものの、各曲ともスケール感が急激に大きくなっており、それに伴いメロディのキャッチーさも過去イチで親しみやすいものに進化しています。

それこそ、オープニングを飾る「Last Day Under The Sun」の“真っ当なロック”然としたスタイルに、従来の彼らを知る者なら誰もが驚くはず。続く「Pelvis On Fire」もその系統に含まれますし、特にアルバム序盤はそういう新境地が続くことから、人によっては拒絶反応を起こすかもれませんね。

とはいえ、そのポップさの中にはメタルの枠を飛び越えた普遍性が感じられ、全体的にルーツロック的な色合いがより強くなっている。いえ、もっと言ってしまえばゴスペルやソウルなど、ロック以前のルーツミュージックからの影響すら感じさせるものも多く、そういった挑戦はバンドが新たな周回に突入したことをうかがわせます。

とはいえ、USストーナーロックの雄CLUTCHのニール・ファーロン(Vo)をゲストに迎えつつ、ピアノやサックスをフィーチャーしたシンプルなロックンロール「Die To Live」や、EXODUSSLAYERでおなじみのゲイリー・ホルト(G)がダークでメタリックなソロを披露する「Cheapside Sloggers」など、ヘヴィロックファンが唸りそうな共演も収録された本作。一見さんのみならず従来のリスナーもしっかり囲い込もうとする姿勢、さすがです。そりゃあ嫌いになれないわな。

もはやメタルの枠では語りきれない大きな存在となったVOLBEAT。だからこそ、本作はこれまで彼らに触れてこなかったリスナーにこそ届いてほしい、新たな入門編的1枚になるはずです。

日本には2013年8月の『SUMMER SONIC』、翌2014年2月の単独公演で二度来日している彼らですが、今のところそれっきりなんですよね。本作で久しぶりに日本盤もリリースされたことですし、ぜひ本作を携えた再来日を来春あたりに期待したいところです。お待ちしております。

 


▼VOLBEAT『REWIND, REPLAY, REBOUND』
(amazon:日本盤CD / 海外盤CD / MP3

 

続きを読む "VOLBEAT『REWIND, REPLAY, REBOUND』(2019)" »

2019年4月 1日 (月)

『DOWNLOAD JAPAN 2019』@幕張メッセ(2019年3月21日)

Img_4049
初開催の『DOWNLOAD FESTIVAL』の日本版、いざ蓋を開けてみたら大盛況でしたね。当初はチケットが売れてないなんて話もありましたし、オジー・オズボーンのキャンセルで開催危ういんじゃ?なんて悪い噂も飛び交うほど。けど、これだけ入ったんだったら、来年も大丈夫なんじゃないか?って気がしてきました(もっとも、それだけ魅力的なアクトが揃えばの話ですが)。

今回は雑誌のレポで入ったので、そちらの発売前に詳細なレポを書いてしまうのはルール違反。ということで、ここでは記録として簡単なメモ程度で収めておきたいと思います。

 

LIKE A STORM

ディジュリドゥメタル! ステージ中央にフロントマン、その左右にV字にクロスしたディジュリドゥ2本×2セット。ダウンチューニングのギターだけじゃ足りない“下”を補う、イマドキの低音は心地よいったらありゃしない……けど、序盤はよく聞こえなかったけど(苦笑)。まだアルバム2枚、曲調が似たり寄ったりなのが玉に瑕か。でも良い曲多いよね。

00. Intro
01. Pure Evil
02. The Bitterness
03. Solitary
04. Complicated (Stiches & Scars)
05. The Devil Inside
06. Love The Way You Hate Me


AMARANTHE

ライブ初見。ボーカル3人は多い……けど、ちゃんと役割が振り分けられているし、1人がフィーチャーされている間はほかの2人が休憩できるというフレキシブルさはなかなか。女性シンガーが良い声してたのと、本当に曲が良い。そりゃ売れるわけだ。納得のステージでした。

00. Helix Intro
01. Maximize
02. Digital World
03. Hunger
04. Amaranthine
05. GG6
06. Helix
07. Drop Dead Synical
08. Call Out My Name
09. The Nexus


MAN WITH A MISSION

唯一の日本代表(と、言ってもいいよね?)、かつ非メタルバンド。頭の固いメタルファンから拒絶されるんじゃ……と思っていたけど、さすが百戦錬磨のライブバンド。いざライブが始まれば、自分たちのペースで、自分たちの空間をしっかり作り上げる。最後の「FLY AGAIN」での手ふり、みんな完璧だったもんね。ホッとしました。

01. database
02. Broken People
03. Get Off of My Way
04. Dead End in Tokyo
05. Raise your flag
06. Left Alive
07. Take Me Under
08. FLY AGAIN


HALESTORM

リジーが男前すぎて……完全に21世紀のジョーン・ジェットでした。「Love Bites (So Do I)」では同名バンドLOVEBITESのフロントを担うasami嬢がゲスト参加。リジーに負けないパワフルさで場を盛り上げました。あと、彼らはメタルというよりは埃っぽいアメリカンロックなんだなと、ライブで聴いて再認識。次はフルセットで観たい!

01. Black Vultures
02. Mz. Hyde
03. Love Bites (So Do I) [with asami from LOVEBITES]
04. Tokyo
05. Amen
06. Do Not Disturb
07. Drum Solo
08. Freak Like Me
09. Uncomfortable
10. I Miss The Misery


ARCH ENEMY

ごめんなさい、朝からずっと立ちっぱなしだったので、ここで休憩。外で食事をとりながら音だけ聴いてました。5月にBLACK EARTH来日があるからか、初期曲はゼロ。日本人、みんなARCH ENEMY好きなのね。ラストの「Nemesis」だけじっくり観たけど、やっぱりカッコいいわ。

00. Set Flame To The Night
01. The World Is Yours
02. Ravenous
03. War Eternal
04. Blood On Your Hands
05. You Will Know My Name
06. Dead Eyes See No Future
07. The Eagle Flies Alone
08. As The Pages Burn
09. Dead Bury Their Dead
10. No Gods, No Masters
11. Nemesis
12. Enter The Machine (outro)


ANTHRAX

何気にベストアクトでは? 客の盛り上がり然り、ステージ上の熱量然り。PANTERA始まり&終わりはズルい。あと、久しぶりにライブで聴いた「Be All, End All」が最高すぎました。何度観ても良いバンドは良い。それで十分。

01. Cowboys From Hell (intro) 〜 Caught In A Mosh
02. Got The Time
03. Madhouse
04. Fight 'Em 'Til You Can't
05. I Am The Law
06. Be All, End All
07. Evil Twin
08. Antisocial
09. Indians 〜 Cowboys From Hell (outro)


GHOST

期待のGHOST。ステージセットや演出含め、完全に独自路線。メロウなハードロック感はどこかアリス・クーパー的。けど、ANTHRAXの後というのは分が悪すぎ。せめてSUM 41の後なら……ほかのお客ももっと引き込めたのでは。いや、僕は存分に満足しましたけど、もっと熱狂的な盛り上がりが観たかったな。

01. Ashes
02. Rats
03. Absolution
04. Ritual
05. From The Pinnacle To The Pit
06. Faith
07. Cirice
08. Miasma
09. Year Zero
10. Mummy Dust
11. Dance Macabre
12. Square Hammer


SUM 41

完全な休憩タイム。最後の2曲だけ観ました。代表曲が多いと、ジャンルは少し外れても盛り上がることは盛りがるのね。彼ら目当てのファンも少なくなかったようですし。

01. The Hell Song
02. Over My Head (Better Off Dead)
03. Motivation
04. We're All To Blame
05. Walking Disaster
06. Underclass Hero
07. No Reason
09. We Will Rock You
10. In Too Deep
11. Fat Lip
12. Still Waiting


SLAYER

ちょっと複雑な気持ちに。最高のステージだったんだけど、ラストのトム・アラヤによる日本語MCで感傷的な気分に。「どうせもう一回来るでしょ?」と高を括ってたけど、あれで一気に「本当に最後だ」と嫌でも実感させられた。帝王らしい潔い終焉でした。

00. Delusions Of Saviour
01. Repentless
02. Blood Red
03. Disciple
04. Mandatory Suicide
05. Hate Worldwide
06. War Ensemble
07. Jihad
08. When The Stillness Comes
09. Postmortem
10. Black Magic
11. Payback
12. Seasons In The Abyss
13. Born Of Fire
14. Dead Skin Mask
15. Hell Awaits
16. South Of Heaven
17. Raining Blood
18. Chemical Warfare
19. Angel Of Death


JUDAS PRIEST

4ヶ月ぶりのプリースト。ちょっと前に「Killing Machine」をやったって話があったから、日本でも……と思っていたら、気合い入れて半分近くセットリスト入れ替わってる! しかも選曲がマニアック! これはこれでアリ! あと、東京公演では聴けなかった「he Hellion 〜 Electric Eye」を堪能できたのはうれしかった。やっぱこれでしょ?

01. Firepower
02. Delivering The Goods
03. Sinner
04. The Ripper
05. Evil Never Die
06. Bloodstone
07. Saints In Hell
08. No Surrender
09. Turbo Lover
10. Devil's Child
11. Killing Machine
12. Some Heads Are Gonna Roll
13. Guardians 〜 Rising From Ruins
14. Rapid Fire
15. Hell Bent For Leather
16. Painkiller
--ENCORE--
17. The Hellion 〜 Electric Eye
18. Breaking The Law
19. Living After Midnight

2019年1月 1日 (火)

SLAYER『UNDISPUTED ATTITUDE』(1996)

1996年5月に発表された、SLAYER初のカバーアルバム。スタジオ作品としては『DIVINE INTERVENTION』(1994年)から約2年ぶり、通算7枚目のアルバムとなります。チャート的には全米34位と前作の8位には及びませんでしたが、この内容のわりにアメリカだけで20万枚以上も売り上げているので成功した部類に入るのではないでしょうか。

内容はハードコアパンクを中心としたもので、全14曲(日本盤初出時はボーナストラック2曲を含む16曲)中VERBAL ABUSEが3曲、T.S.O.L.が1曲、PAP SMEARが2曲、MINOR THREATが2曲、D.I.が2曲、DR. KNOWが1曲、D.R.I.が1曲、THE STOOGESが1曲、そしてSLAYERのオリジナル曲が1曲となっています(先の日本盤ボーナストラックはG.B.H.とSUICIDAL TENDENCIESのカバー)。しかも、曲によっては2曲を1曲にまとめたメドレー形式になっており、実質的にはプラス4曲くらいの感覚なんですけどね。

そう考えると「曲多すぎ!」と思われるかもしれませんが、そこはほら、ハードコアですから。どのトラックも1曲1〜2分台ですし。トータルで33分ちょっと(日本盤ですら36分程度)ですから。大丈夫、あっという間ですよ(笑)。

あ、補足を。先のカバーしたバンドのうち、PAP SMEARはジェフ・ハンネマン(G)が80年代前半にやってたサイドプロジェクトのこと。そう考えると、実はSLAYERみたいなもんなんです。だから、3曲はSLAYERって捉えることもできるかも。無理やりですが。

SLAYERというバンドにハードコアなどエクストリームミュージックの側面を感じており、そちら方面も愛好しているリスナーなら間違いなく楽しめる1枚でしょう。が、メタルしか聴かねえよ!っていう輩には若干厳しい内容かもしれません。だって様式美もへったくれもないですからね。ただ、前作『DIVINE INTERVENTION』からの流れであったり、それ以前の、『REIGN IN BLOOD』(1986年)をはじめとする80年代のSLAYERにあった残虐性や無軌道さを追体験したい人、そのルーツはどこにあるのかを知りたい人にはうってつけの1枚だと思います。まあ、頭を固くして接するのは違うかなと。もっと気楽に楽しみたい作品集です。

ちなみに、SLAYER名義で唯一の新曲「Gemini」ですが、全然ハードコアでもパンクでもありません。ヘヴィなミディアムナンバーで、『SOUTH OF HEAVEN』(1988年)以降、『DIVINE INTERVENTION』未満といった作風でしょうか。イントロのギターフレーズやボーカルのエフェクトからは、次作『DIABOLUS IN MUSICA』(1998年)の香りがすでに感じられるあたりも、今振り返ると興味深いものがあります。



▼SLAYER『UNDISPUTED ATTITUDE』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD / MP3

続きを読む "SLAYER『UNDISPUTED ATTITUDE』(1996)" »

2018年12月15日 (土)

SLAYER『DIABOLUS IN MUSICA』(1998)

1998年6月にリリースされた、SLAYER通算7枚目のオリジナルアルバム(カバーアルバム『UNDISPUTED ATTITUDE』を含めたら8枚目のスタジオアルバム)。トム・アラヤ(Vo, B)、ケリー・キング(G)、ジェフ・ハンネマン(G)、ポール・ボスタフ(Dr)の布陣では2作目のオリジナル作となり、初の全米TOP10入り(8位)を記録した6thアルバム『DIVINE INTERVENTION』(1994年)と比べると最高31位と近作の中では低調で終わっています。

アルバムタイトル『DIABOLUS IN MUSICA』はラテン語の音楽用語で「音楽の中の悪魔」と呼ばれる不協和音から取られているとのこと(Wikipedia情報)。ジャケットの不安を掻き立てるホラー映画感といい、これまでの直接的な邪悪さとはちょっと異なる恐怖感が演出されているような気がします。

というのも本作、これまでの残虐性の高い無慈悲なスラッシュメタルとは一線を画する、当時流行し始めていたニューメタルやヘヴィロック、ラップメタル的なテイストが導入されているのです。引きずるようなヘヴィさにヒップホップ的な“跳ね感”が加わったことで従来のサウンドよりもモダンさが際立っていますが、そこはSLAYERのこと。要所要所で“らしさ”をしっかり演出しているのでちゃんと「SLAYER」のアルバムとして成立していますのでご安心を。

とはいえ、ここまでのキャリアを総括すると、やっぱり異色の1枚なんですよね。例えば『DIVINE INTERVENTION』がケリー・キングの楽曲中心だったのに対し、今作は全11曲10曲がジェフ・ハンネマンの楽曲(日本盤ボーナストラック除く)。音楽的には上に述べたとおりで、さらに邪悪さをこれまでとは違った形で表現するためにトム・アラヤのボーカルを機械的にエフェクトしたり、SLAYERとしては初めてダウンチューニング(C#)も導入したりしています。そのへんの実験的要素の強さが、従来の正統派スラッシュメタルスタイルを愛するハードコアなリスナーから敬遠される理由なのかもしれません。

今となってはこういうヘヴィさも新鮮ですし、これがあったから続く『GOD HATES US ALL』(2001年)を生み出すことができたと捉えることもできるでしょう。しかし、1998年当時はかなりショッキングな内容に感じたことを、今でも昨日のことのように覚えています。ジャケット同様に、その音からも(別の意味で)不安をかきたてられるとは。

でもね。下手なヘヴィロックバンドやニューメタルバンド以上にヘヴィですし、内容も充実している。オープニングの「Bitter Peace」やエンディングの「Point」の、モダンさとSLAYERらしさを掛け合わせた独自性は、今こそ再評価されるべきではないでしょうか。そこに関しては太鼓判を押しておきます。まあ僕が言うまでもないでしょうけどね。



▼SLAYER『DIABOLUS IN MUSICA』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD / SMP3

続きを読む "SLAYER『DIABOLUS IN MUSICA』(1998)" »

その他のカテゴリー

1963年の作品 1964年の作品 1966年の作品 1967年の作品 1968年の作品 1969年の作品 1970年の作品 1971年の作品 1972年の作品 1973年の作品 1974年の作品 1975年の作品 1976年の作品 1977年の作品 1978年の作品 1979年の作品 1980年の作品 1981年の作品 1982年の作品 1983年の作品 1984年の作品 1985年の作品 1986年の作品 1987年の作品 1988年の作品 1989年の作品 1990年のライブ 1990年の作品 1991年の作品 1992年の作品 1993年の作品 1994年の作品 1995年の作品 1996年の作品 1997年の作品 1998年のライブ 1998年の作品 1999年のライブ 1999年の作品 2000年のライブ 2000年の作品 2001年のライブ 2001年の作品 2002年のライブ 2002年の作品 2003年のライブ 2003年の作品 2004年のライブ 2004年の作品 2005年のライブ 2005年の作品 2006年のライブ 2006年の作品 2007年のライブ 2007年の作品 2008年のライブ 2008年の作品 2009年のライブ 2009年の作品 2010年のライブ 2010年の作品 2011年の作品 2012年のライブ 2012年の作品 2013年のライブ 2013年の作品 2014年の作品 2015年のライブ 2015年の作品 2016年の作品 2017年のライブ 2017年の作品 2018年のライブ 2018年の作品 2019年のライブ 2019年の作品 2020年のライブ 2020年の作品 2021年のライブ 2021年の作品 2022年のライブ 2022年の作品 2023年のライブ 2023年の作品 2024年のライブ 2024年の作品 =LOVE A Day to Remember A New Revenge A Perfect Circle a-ha A.A. Williams AA= AAAMYYY ABBA Abbath AC/DC Acacia Strain, the Accept Ace Frehley Adam Lambert Adrian Younge Aerosmith AFI After the Burial Afterglow Ahab aiko Air (France) AIR (Japan) AKB48 ALAZEA Alcatrazz Alcest Aldious Alexisonfire Alice Cooper Alice in Chains Alicia Keys Allman Brothers Band, the Almighty, the Alter Bridge Altitudes & Attitude Amaranthe American Head Charge American Hi-Fi Amorphis Anaal Nathrakh Anaïs Anchoress, the Anderson .Paak Andrew W.K. Andy Bell Andy Black Andy McCoy Andy Taylor Angel Du$t Angel Witch Angels & Airwaves Angra Animals as Leaders Annihilator Annisokay Anohni ANTHEM Anthrax Anti-Flag Aphex Twin Appice Aqours Arcade Arcadia Arch Echo Arch Enemy Architects Arctic Monkeys Aretha Franklin Arlo Parks Armed, the Armored Saint ARROWS, the Art of Fighting Ash Asia Asian Dub Foundation ASIAN KUNG-FU GENERATION Asking Alexandria asmi At the Drive-In At the Gates Atari Teenage Riot ATATA Atomic Bitchwax, the Atreyu Audioslave August Burns Red Aurora Avalanches, the Avatarium Avenged Sevenfold Avril Lavigne Ayron Jones Azusa B'z Baby Chaos BABYMETAL Babyshambles Backstreet Girls Backyard Babies Bad Company Bad English Bad Moon Rising Bad Omens Badlands BAND-MAID Bang Tango Bangles, the Baroness BAROQUE Basement Jaxx Battle Beast Battles BAZRA BBHF BBM bdrmm Be the Wolf Beach House Beartooth Beastie Boys Beatles, the Beck Behemoth Belle & Sebastian Ben Folds Ben Harper Berlin Bernard Butler Berryz工房 Between the Buried and Me Beyoncé Biff Byford Biffy Clyro Big Brother and the Holding Company Big Scenic Nowhere bigLOVE Billie Eilish Billie Joe Armstrong Billy Corgan Billy F Gibbons Billy Idol Billy Talent BiSH Björk Black Crowes, the Black Earth Black Eyed Peas, the Black Label Society Black Lung Black Midi Black Sabbath Black Star Riders Black Swan Black Veil Brides BLANKEY JET CITY Bleachers Bleed from Within Blessing a Curse Bleu Blind Channel Blind Guardian Blind Melon Blink-182 Bloc Party Blondshell Blood Incantation Blood Orange Bloodywood Blue Murder Blues Pills Bluetones, the Blur Boards of Canada Bodom after Midnight Body Count Bodyslam Bon Iver Bon Jovi BON-BON BLANCO Bones UK Bonobo bonobos BOOM BOOM SATELLITES BOOM, THE Boris Born of Osiris Boston Boston Manor BOWWOW Boxer Rebellion, the Boy George BOYNEXTDOOR BOØWY BPMD BRAHMAN brainchild's Brian Eno Brian May Brides of Destruction Brides of Lucifer Bring Me the Horizon Brink, the British Lion Brkn Love Bronx, the Bruce Dickinson Bruce Springsteen Brujeria Bruno Mars Brutal Truth Bryan Adams BTS BUCK-TICK Buckcherry Budderside Buddy Guy Budgie Buffalo Daughter BUGY CRAXONE Bullet for My Valentine Bulletboys Bullets and Octane BUMP OF CHICKEN Buono! Burn the Priest Burning Witches Bury Tomorrow Bush Butch Walker Butcher Babies Cacoy Caesars Caliban callme Can't Swim Candlemass Candy Cane Hill Cannbal Corpse Capra Carcass CAROL Caroline Polachek Cars, the Catatonia Cathedral Cats in Boots Cavalera Conspiracy Cave in Celeste Chamber Charlatans, the Charlie Benante Charlie Sexton Cheap Trick chelmico Chelsea Wolfe Chemical Brothers, the Chic Children of Bodom Chip Z'nuff Chk Chk Chk (!!!) Chris Cornell Chris Poland Christina Aguilera Chrome Division Chthonic Chuck Berry Chvrches Cibo Matto Cigarettes After Sex Cinderella Circa Waves Clam Abuse Clash, the Classless Act Cleanbreak Click Five, the Clutch CO-FUSION Cocco Code Orange Coheed and Cambria Colbie Caillat Coldplay coldrain Comeback Kid Compilation Album COMPLEX Confusion Master Converge Corey Taylor Cornelius Cornershop Corrosion of Conformity Counterparts Courteeners, the Courtney Barnett Courtney Love Coverdale・Page Covet Cozy Powell CQ Cradle of Filth Crashdïet Crazy Lixx Cream Creature Creature Creed Creeper Cribs, the Crosses (✝✝✝) Crossfaith Crown the Empire Crown, the Cry of Love Cryptopsy Crystal Lake Cult, the Culture Club Cure, the Cutting Crew CYaRon! Cybernauts Cyhra Cymbals Cynic D'Angelo D'ERLANGER D-A-D D.A.N. Dachambo Daft Punk Damageplan Damn Yankees Damned Things, the Damned, the Damon Albarn Dance Gavin Dance Danger Danger Danko Jones Danny Elfman Danzig Dark Tranquillity Darkness, the Dashboard Confessional DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDEN DATS Datsuns, the Daughtry Dave Gahan Dave Lombardo David Bowie David Coverdale David Ellefson David Lee Roth David Sylvian Dead by April Dead by Sunrise Dead Cross Dead Daisies, the DEAD END Dead Kennedys Deafheaven Death Angel Death of Lovers Debbie Gibson DECAYS Deckard Dee Snider Deep Purple Def Leppard DEF.DIVA Deftones delofamilia Delorean Demolition 23. Departure, the Depeche Mode Deraps Derek Sherinian Desmond Child Destruction detroit7 Devil Wears Prada, the Devin Townsend Project Diamond Head DIAMOND☆YUKAI Diffuser Dillinger Escape Plan, the Dimmu Borgir Dinosaur Jr. Dio DIR EN GREY Dirty Honey Dirty Pretty Things Dirty Shirley Distillers, the Disturbed Dizzy Mizz Lizzy DMBQ Dogs D'Amour, the Dogs Die in Hot Cars Dokken Don Broco Don Dokken Donavon Frankenreiter Donnie Vie Doors, the Dorothy Down Down 'n' Outz downset. downy Dr. Feelgood Dragon Ash DragonForce Dream Theater Dream Widow Dreamboy Dreams Come True Dregen Drug Church DRY & HEAVY Dry Cleaning Dub War Duff McKagan Duran Duran Durbin DUST'N'BONEZ, THE Dweezil Zappa DYGL Dynazty Earthshaker eastern youth Echo & the Bunnymen Eclipse Eddie Vedder EGO-WRAPPIN' ELECTRAGLIDE Electric Century Electric Light Orchestra Electric Pyramid Electric Six ELLEGARDEN Elliott Smith Elton John Elvis Presley Eminem Emma Ruth Rundle Emperor Empire State Bastard Employed to Serve En Minor End Machine, the ENDRECHERI Enforcer Enter Shikari Entombed Enuff Z' Nuff Eric Clapton Eric Martin Erra Erykah Badu Eskimo Callboy Europe Eurythmics Evanescence Eve Every Time I Die Evil Stig Evile Ex: Re Exodus Explosions in the Sky Extreme Eyehategod E・Z・O Faceless, the Fair Warning Fairground Attraction Faith No More Falco Fall of Troy, the Fall Out Boy Faster Pussycat Fatboy Slim Fate Fates Warning Father John Misty Faye Webster Fear Factory Fear, and Loathing in Las Vegas Feeder Feeling, the Fever 333, the Fight Filter Finch Firehouse Firestarter Firewind Firstborne Fit for a King Five Finger Death Punch FKA Twigs Flaming Lips, the Flashcubes Flatbacker Fleetwood Mac Flotsam and Jetsam Flying Colors Flyleaf FM Foi Fontaines D.C. Foo Fighters Foreigner Fountains of Wayne fra-foa Francis Dunnery Frank Black Frank Turner Frankie Goes to Hollywood Franz Ferdinand Freddie Mercury Free Frost* Fudge Tunnel Fugees, the FUJI ROCK FESTIVAL Funeral for a Friend Futureshock Fuzzbubble G. Love Gabriels GALNERYUS Gamma Ray Garbage Garth Brooks Gary Moore GASTUNK Gatecreeper Gathering, the Gaupa Gene Simmons Genesis George Harrison George Lynch George Michael Georgia Satellites, the Get Up Kids, the GHEEE Ghost Ghost Inside, the Ghost Iris Ghostemane Ghostkid Gilby Clarke Gin Blossoms Ginger Wildheart Gits, the Giuda Glass Tiger Glassjaw GLAY Glenn Hughes GLIM SPANKY Go Ahead and Die GO!GO!7188 God is an Astronaut Godsmack Godspeed GOING STEADY GOING UNDER GROUND Gojira Goldie Lookin Chain Gorillaz Gotthard Graham Bonnet Grapevine Graupel GREAT ADVENTURE Great White Green Day Greg Puciato Greta Van Fleet Grey Daze Greyhaven Grimes GTR Guilty Kiss Gun Guns n' Roses H.E.A.T H.E.R.O. H.P. オールスターズ Hacktivist Halestorm Halford Halsey Hammer King Hanoi Rocks Hanson Harakiri for the Sky Hardcore Superstar Hardline Harem Scarem HARISS Harry Styles Hatebreed Haunted, the HAWAIIAN6 Hayley Williams HEAD PHONES PRESIDENT Health Heart Heartbreakers, the HEATWAVE Heaven & Hell Heaven Shall Burn Hell Freezes Over Hellacopters, the HELLO WORKS, THE Hellogoodbye Helloween Hellyeah Helmet HER NAME IN BLOOD Hermann H. & The Pacemakers Heroes and Monsters HEY-SMITH Hi-STANDARD hide HIGH and MIGHTY COLOR HIGH-LOWS, THE Higher Power HIM Hives, the Ho99o9 Hole Hollywood Rose Hollywood Vampires Honeycrack HoneyWorks Honne Hoobastank House of Lords Hu, the Huaska Hudson Mohawke Hurricane Hurricane #1 HUSKING BEE Hypocrisy I Mother Earth I Prevail I See Stars Ian Hunter Ibaraki Ice Nine Kills Iggy Pop Ihsahn Imminence Impellitteri Imperial State Electric In Flames In the Soup In This Moment Incubus Indianhead Infectious Grooves Inhaler INI INORAN Inter Arma International Noise Conspiracy, the Inxs Iron Maiden Issues It Bites Ithaca Izzy Stradlin J Jack Johnson Jack White Jaded Hearts Club, the Jake Bugg James Bay James Brown James Dean Bradfield James LaBrie Jamie XX Jamila Woods Jane's Addiction Janet Jackson Janis Joplin Japan Jeevas, the Jeff Beck Jeff Beck Group Jeff Buckley Jeff Healey Band, the Jeff Wootton Jellyfish Jerry Cantrell Jerusalem Slim Jessie Buckley Jesus & Mary Chain, the Jesus Jones Jet Jetboy Jim Steinman Jimi Hendrix Jimmy Eat World Jimmy Page Jimmy Page / Robert Plant Jinjer Joan Jett & the Blackhearts Joe Lean & the Jing Jang Jong Joe Lynn Turner Joe Perry Joe Satriani Joe Strummer & the Mescaleros Joel Hoekstra's 13 John Corabi John Diva & The Rockets of Love John Frusciante John Lennon John Mayer John Mellencamp John Sykes Johnny Thunders Johnny Winter Jomi Massage Jon Bon Jovi Jon Spencer Blues Explosion, the Jonathan Davis Josh Todd Josh Todd & the Conflict Joss Stone JOUJOUKA Journey Joy Division Judas Priest JUN SKY WALKER(S) Juno Reactor Jurassic 5 Justice Justin Timberlake JYOCHO Kaato Kadavar Kamasi Washington Kanye West Kaonashi Kasabian Katatonia Katmandu Keane Keith Richards Kelela Kelly Osbourne KEMURI Ken Yokoyama Kendrick Lamar Kenny Loggins KENZI & THE TRIPS Kerry King Khemmis Kid Laroi, the Kiko Loureiro Killer be Killed Killers, the Killing Joke Killswitch Engage King 810 King Crimson King Gizzard & the Lizard Wizard King Woman King's X Kingdom Come KinKi Kids Kirk Hammett KISS Kissin' Dynamite Kittie Kix KK's Priest Klan Aileen KLF, the Knack, the Knocked Loose KOOK Kooks, the Korn Korpiklaani Kottonmouth Kings Kraftwerk Kreator Kula Shaker Kurt Cobain Kurt Vile Kvelertak KXM Kylie Minogue Kyuss L'Arc-en-Ciel L.A.Guns La'cryma Christi LA-PPISCH Lacuna Coil Lady Gaga Lamb of God Landmvrks Last Days of April Laufey Led Zeppelin Lemon Twigs, the Lemonheads, the Lenny Kravitz Leprous Liam Gallagher Libertines, the Liella! Light the Torch Like a Storm Lil Uzi Vert Lily Allen Limp Bizkit Lindemann Lingua Ignota Linkin Park Lion Liquid Tension Experiment LiSA Lita Ford Little Angels Little Caesar Little Glee Monster Liturgy Living Colour Local Band, the Lock Up Lonerider Lordi Lords of Black LOST IN TIME Lotus Eater Lou Reed LOUD PARK LoudLion Loudness Love and Death LOVE PSYCHEDELICO LOVEBITES Loverboy LOW IQ 01 Luby Sparks Lucer Lucifer Lullacry LUNA SEA Lurking Fear, the Lynch Mob Lynyrd Skynyrd lyrical school M/A/R/R/S Machine Gun Kelly Machine Head Mad Capsule Markets, the Mad Season Madball Madonna Magic Numbers, the Maison book girl Mamiffer Mammoth Mammoth Mammoth WVH MAN WITH A MISSION Man, the Mando Diao Manic Eden Manic Street Preachers Manowar Mansun Mantar Marillion Marilyn Manson Mark Morton Mark Slaughter Marmozets Maroon 5 Mars Electric Mars Volta, the Marty Friedman Marvelous 3 Massive Attack Mastodon Matchbox Twenty Matt Bellamy Matt Cameron Matthew Sweet Mayhem McAuley Schenker Group MD.45 Mdou Moctar Meat Loaf Meathook Seed Megadeth MELTONE Melvins Mercury Rev Meshuggah Metal Church Metallica METALVERSE Methods of Mayhem Mew Michael Jackson Michael Monroe Michael Schenker Michael Schenker Fest Michael Schenker Group Michael Sweet Mick Jagger Mick Mars Mick Ronson Midnight Bankrobbers Midnite City Mighty Mighty Bosstones, the Migos mihimaru GT Mike Shinoda Ministry Mission, the Mitski MIYAVI MO'SOME TONEBENDER Moby MODS, THE Mogwai Mondo Generator Mondo Grosso Monkees, the MONO NO AWARE MONOEYES Monster Magnet Mooney Suzuki, the Mordred Morrie Mother Love Bone Motley Crue Motorhead Mott the Hoople Mountain Mouse on Mars Mr. Big Mr. Bungle Mr. Mister Mr.Children Mrs. Piss MUCC Mudhoney Mudvayne Muse Music, the Mutation My Bloody Valentine My Chemical Romance My Darkest Days My Dying Bride My Little Lover Myles Kennedy Myrkur Måneskin Møl Nailbomb NAMBA69 Nancy Wilson Napalm Death Nashville Pussy Nelly Nelson NEMOPHILA Nervosa Neurotic Outsiders Neve New Order New Years Day New York Dolls NewJeans NEWS Newsted NGT48 Nicke Borg Homeland Nickelback Night Ranger Nightwish Nile Nine Black Alps Nine Inch Nails Nirvana NiziU Noel Gallagher's High Flying Birds NoisyCell NOT WONK Nothing Nothing But Thieves nothing, nowhere. Nova Twins NOVEMBERS, THE Nuclear Valdez O.P.KING Oasis Obituary Oblivion Dust Obscura Ocean Colour Scene Ocean, the OCEANLANE Octavision Of Mice & Men Offspring, the OGRE YOU ASSHOLE Oingo Boingo Olivia Rodrigo ONE OK ROCK Oneohtrix Point Never Opeth ORANGE RANGE Oranssi Pazuzu Orbital Ordinary Boys, the Orgy Orianthi ORIGINAL LOVE Our Hollow, Our Home Out of This World Outkast Outrage Overkill Ozzy Osbourne Palace Palaye Royale Paledusk PALEDUSK Pallbearer Panic! at the Disco Pantera Papa Roach Paradise Lost Paradox Paramore Parkway Drive PassCode Patti Smith Paul Draper Paul Gilbert Paul McCartney Paul Rodgers Paul Stanley Paul Weller PE'Z Peach sugar snow PEALOUT Pearl Jam PENPALS Perfume Periphery PERSONZ Pet Shop Boys Peter Gabriel Phantom Excaliver Phantom Planet Phil Campbell and the Bastard Sons Phish Pig Destroyer pillows, the Pink Cream 69 Pink Floyd Pixies Placebo Plastic Tree Playmates, the Poison Polaris (Australia) Polaris (Japan) Police, the polly Polyphonic Spree, the POLYSICS Pop Evil Poppy Porcupine Tree Portishead Power Station, the Power Trip Powerman 5000 Praying Mantis Predators, the Pretty Boy Floyd Pretty Maids Pretty Reckless, the Pride & Glory Primal Scream Primus Prince Privates, the Probot Prodigy, the Prong Protest the Hero Public Enemy PUFFY Pulp PUNPEE pupa Pvris Qemists, the Queen Queen + Adam Lambert Queens of the Stone Age Queensryche Quicksand Quiet Riot Quireboys, the R.E.M. Raconteurs, the Radiohead RADWIMPS Rage against the Machine Raging Speedhorn Rainbow RAISE A SUILEN Rammstein Ramones RAMRIDER Rancid Randy Rhoads Rapture, the RAREDRUG Rasmus, the Ratt Raven RCサクセション Reckless Love Red Dragon Cartel Red Hot Chili Peppers Red Warriors Reef Refused Revolution Saints Rex Brown RHYMESTER Richie Kotzen Richie Sambora Ricky Warwick Ride Rina Sawayama Riot Riot V RIP SLYME Rise of the Northstar Rival Sons Riverdogs RIZE Rob Zombie Robert Palmer Robert Plant Rock City Angels ROCK IN JAPAN FESTIVAL Rock Star Supernova ROCKBOTTOM Rocket from the Crypt Rod Stewart Roger Daltrey Rolling Stones Rolo Tomassi ROMANS RON RON CLOU Ronnie Atkins Ronnie Wood Rooster ROOSTERS, THE Roselia ROSSO Rough Cutt ROVO Roxy Blue Roxy Music Royal Blood Royal Republic RSO Run D.M.C. Rush Russian Circles Ryan Adams Sabaton Sacred Reich Sads Saigon Kick Saint Snow Saint Vitus Salems Lott Sam Smith Samantha's Favourite Sami Yaffa Sammy Hagar Santa Cruz Santana Saosin Savages Savatage Saxon SBK Scissor Sisters Scorpions Scott Weiland Scour Screaming Soul Hill Sean Lennon Sebastian Bach Secret Machines SeeYouSpaceCowboy SEKAI NO OWARI Selfish Cunt Senses Fail Septic Tank Sepultura Serj Tankian Sevendust SEX MACHINEGUNS Sex Pistols Shadow King Shadows Fall Shark Island Sharon Van Etten Sharptooth Sheryl Crow Shinedown Shinning Shobaleader One showmore Siamese Sick of it all Sigh Sigue Sigue Sputnik Sigur Rós Silver Ginger 5 Silverstein Silvertide Simple Minds Simply Red SION Sixty-Eight Sixx:A.M. SKE48 SKETCH SHOW Skid Row Skillet skillkills Skills Skin Skindred Skunk Anansie Slash Slash's Snakepit Slaughter Slaughter to Prevail Slaves (US) Slayer Sleep Sleep Token Sleeping with Sirens sleepyhead Slipknot Sloan Slowdive SLY Smashing Pumpkins Smith/Kotzen Smiths, the smorgas SNAKE HIP SHAKES Sneeze Snow Patrol Snuts, the Sodom Soen SOFT BALLET Soft Cell Soilwork Sonics, the Sons of Apollo Sons of Texas SOPHIA sora tob sakana Soul Asylum Soul Flower Union Soul Glo Soulfly Soulsavers Soulwax Soundgarden South Spaghetti Vabune! Sparta Sparta Locals Spiritbox Spiritual Beggars Spiritualized Spoon Squarepusher SR-71 St. Vincent STALIN, THE Starcrawler Starmen Starset Static-X Steel Panther Steelheart Stella Donnelly Stenfors Stephen Pearcy Stereophonics Steriogram Steve Conte Steve Jones Steve Perry Steve Stevens Steve Vai Steve Whiteman Steve Winwood Steven Tyler Steven Wilson Stevie Salas Stevie Wonder Stick to Your Guns Stills, the Sting Stone Roses, the Stone Sour Stone Temple Pilots Stooges, the Stormtroopers of Death Strapping Young Lad Stratovarius StringerBessant Strokes, the Struts, the Stryper Strypes, the STU48 Style Council, the Styx Suede SuG Suicidal Tendencies Suicide Silence Sum 41 SUMMER SONIC Sunbomb SUPER BEAVER SUPER BUTTER DOG Super Furry Animals Super$hit 666 Superchunk Supergrass SUPERSNAZZ Survive Survivor Suspended 4th Sweet Sweet & Lynch Sweet Oblivion Swervedriver Switchfoot Syrup16g System of a Down Szuters, the T. Rex t.A.T.u. Taking Back Sunday Talas Tame Impala Tank task have fun Taylor Swift Tea Party, the Team Sleep Tears for Fears Tears, the Teenage Fanclub Television Temple of the Dog Temples TENDRE Terence Trent D'Arby Terrorizer Terrorvision Tesla Tesseract Testament THEE MICHELLE GUN ELEPHANT Them Crooked Vultures Therapy? THE冠 Thin Lizzy Thirteen Senses Thirty Seconds to Mars Thou Three Days Grace Thunder Thundercat Thundermother Thunderpussy Thy Art is Murder Times of Grace Tin Machine Tinted Windows TMG TNT To Kill Achilles Toad the Wet Sprocket Todos Tus Muertos Tokyo Dragons Tokyo Motor Fist TOKYO ZAWINUL BACH Tom Keifer Tom Misch Tom Morello Tomahawk Tommy Lee Tommy's Rocktrip Tony MacAlpine Tony Martin Tool Toro Y Moi Torres Tortoise Toto Touché Amoré Towers of London Traening Train Trapped Under Ice Travis Treatment, the TREEBERRYS Tribulation TRICERATOPS Trivium Trixter Turbulence Turmion Kätilöt Turnstile Twenty One Pilots Twisted Sister Two (2wo) Two Door Cinema Club Two Lone Swordsmen Tycho Tygers of Pan Tang Tyketto U.D.O. U2 UA UFO Ugly Kid Joe Ultraphonix Ultraísta Umbra Vitae Underoath Underworld Unearth United Unkle Uriah Heep Used, the UVERworld Vader Vain Van Halen Vandenberg Vandenberg's Moonkings Veil of Maya Velvet Revolver Venom Venom Prison Verve, the Vexed Vibrators, the Vicious Rumors Vince Neil Vinnie Vincent Invasion Violette Wautier Vivian Campbell Vixen Voivod Vola Volbeat Volumes VOW WOW VV (Ville Valo) w-inds. W.A.S.P. Wage War Waltari WANIMA Wardruna Wargasm (UK) Warrant Warrior Soul Waterparks Wavves Wear Your Wounds Weeknd, the Weezer Wet Leg Wham! Wheatus While She Sleeps White Lion White Stones White Stripes, the Whitechapel Whitesnake Who, the Wig Wam Wildhearts, the Wilko Johnson Willard, the Willow Winery Dogs, the Winger Wings Witch Witherfall Within Temptation Wombats, the Wrench W(ダブルユー) X JAPAN XG Xibalba Y&T Yeah Yeah Yeahs Year of the Knife Yellow Magic Orchestra YELLOW MONKEY, THE Yes Yngwie Malmsteen YO-KING Yo-Yo's, the YOASOBI Yonaka You Me at Six YUKI Yumi Zouma Yungblud Yves Tumor Zakk Sabbath Zakk Wylde ZAZEN BOYS Zeal & Ardor Zeppet Store ZIGGY ZYX ZZ Top ×ジャパリ団 μ's ℃-ute →Pia-no-jaC← 「100番勝負」 「10年前」 「1年のまとめ」 「20年前」 「AIN'T IT FUN」 「CCCD」 「DJ / イベント出演」 「R.I.P.」 「アクセスランキング」 「アンケート」 「ゾ」 「ネットラジオ」 「フェス」 「仕事紹介」 「再結成」 「分析ネタ」 「平成の30枚」 「私的ベスト10」 「記事一覧」 「音楽配信」 あぁ! おとぎ話 からあげ姉妹 くるり こぶしファクトリー すかんち どうぶつビスケッツ×PPP ぼくのりりっくのぼうよみ ももいろクローバーZ ゆず ゆらゆら帝国 アイドルネッサンス アンジュルム イヤホンズ インビシブルマンズデスベッド ウマ娘 ウルフルズ エイプリルズ エレファントカシマシ カントリー娘。 カントリー娘。に石川梨華(モーニング娘。) カントリー娘。に紺野と藤本(モーニング娘。) カーネーション キタニタツヤ キュウソネコカミ キリンジ ギターウルフ クマリデパート クラムボン クリープハイプ クレイジーケンバンド グループ魂 ゲスの極み乙女。 コンタクト サザンオールスターズ サバシスター サンボマスター サ上と中江 ザ・クロマニヨンズ スカート スガ シカオ スタァライト九九組 スチャダラパー ストレイテナー スネオヘアー スピッツ スーパーカー ソニン タンポポ チャットモンチー トリプルファイヤー ドレスコーズ ナンバーガール ニューロティカ ハナレグミ ハロー!プロジェクト ヒプノシスマイク ピーズ, The フィッシュマンズ フィロソフィーのダンス フジファブリック フラワーカンパニーズ フランシュシュ プッチモニ マキシマム ザ ホルモン ミドリ ミニモニ。 ムーンライダーズ メロン記念日 モーニング娘。 モーニング娘。おとめ組 モーニング娘。さくら組 ユニコーン ラストアイドル ラブライブ! ラブリーサマーちゃん レミオロメン ロッカーズ ロマンポルシェ。 三浦大知 中島美嘉 中村一義 中村佳穂 中澤裕子 乃木坂46 乃紫 乙女新党 人間椅子 伊藤美来 佐野元春 八代亜紀 凛として時雨 加藤いづみ 勝手にしやがれ 原田知世 吉井和哉 吉川晃司 和田彩花 坂本真綾 堂島孝平 夢眠ねむ 大塚愛 大槻ケンヂ 大江慎也 太陽とシスコムーン(T&Cボンバー) 奥田民生 奮酉 女王蜂 如月レオン 宇多田ヒカル 安倍なつみ 安全地帯 寺嶋由芙 小沢健二 小泉今日子 尾崎豊 岡村靖幸 岡村靖幸と石野卓球 左とん平 市井紗耶香 布袋寅泰 平井堅 後浦なつみ 後藤真希 忌野清志郎 怒髪天 惑星 折坂悠太 押尾コータロー 推定少女 揺らぎ 斉藤和義 斉藤壮馬 新垣結衣 日向坂46(けやき坂46) 日暮愛葉 星井七瀬 星屑スキャット 星野みちる 星野源 春ねむり 暴動クラブ 曽我部恵一 月島きらり starring 久住小春(モーニング娘。) 有村竜太郎 朝霧 Jam 木村カエラ 東京スカパラダイスオーケストラ 東京事変 東京女子流 松浦亜弥 松田聖子 柴田淳 桑田佳祐 森七菜 森重樹一 椎名林檎 椿屋四重奏 楠木ともり 櫻坂46(欅坂46) 氣志團 水曜日のカンパネラ 水瀬いのり 氷室京介 永井ルイ 沢田研二 浅井健一 浜崎あゆみ 浜田麻里 渋さ知らズ 片平里菜 玉置成実 玉置浩二 田中フミヤ 真心ブラザーズ 矢口真里 石川梨華 砂原良徳 私立恵比寿中学 筋肉少女帯 米津玄師 結束バンド 絢香 羅針盤 美勇伝 花冷え。 菊地成孔 藤本美貴 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 道重さゆみ 遠藤ミチロウ 金子ノブアキ 銀杏BOYZ 阿部真央 陰陽座 離婚伝説 電気グルーヴ 鞘師里保 頭脳警察 飯田圭織 齋藤飛鳥 10-FEET 1975, the 2 Many DJ's 22-20s 22/7 3 Colours Red 3 Doors Down 3rd Secret 3776 44MAGNUM 54-71 9mm Parabellum Bullet

カテゴリー