カテゴリー「Slipknot」の33件の記事

2022年10月 7日 (金)

SLIPKNOT『THE END, SO FAR』(2022)

2022年9月30日にリリースされたSLIPKNOTの7thアルバム。

3作連続全米1位を記録した前作『WE ARE NOT YOUR KIND』(2019年)から約3年ぶりの新作。前作と前々作『.5: THE GRAY CHAPTER』(2014年)のミキシングを手掛けたジョー・バレシ(TOOLNINE INCH NAILSWEEZERなど)が初めてプロデュースを担当しています。また、クリス・フェーン(Per)に代わり加入したマイケル・パフが初めてレコーディングに参加したアルバムでもあり、今作を持ってデビュー以来在籍してきたRoadrunner Recordsを離れることも事前にアナウンスされています。

前作発表から数ヶ月後にコロナ禍に突入し、ここ日本でも2020年春に予定されていた『KNOTFEST JAPAN』が2023年まで延期になるなど、ライブにおいてかなり苦戦を強いられたSLIPKNOTでしたが、その年の後半には早くも次のアルバムに向けて準備を開始。2021年に入り状況を見ながらレコーディングが進められ、完成したのが本作です。

実は先日、今作に関してクラウンことショーン・クラハン(Per)にインタビューをしたのですが(今月後半には世に出ると思います)、そこで今作に関する制作過程や作品の方向性についてじっくり話を伺っているので、詳細はそちらに譲ります。なので、ここではインタビュー前にひと足早く本作を聴いた際に感じたことをそのまま記しておきます。

まず、今作はSLIPKNOTにおいてもっとも実験的な1枚と言えるでしょう。それは別に意図したものではなく、デビューから20年以上を経てようやく“前進”することに躊躇がなくなった表れではないでしょうか。その“前進”とは、メタルやエクストリームミュージック以外のジャンルから受けた影響を表に出すこと。コリィ・テイラー(Vo)などは自身のソロ活動やSTONE SOURを通じてルーツを表出させていますが、これがクセの強い個性の集合体であるSLIPKNOTとなるとなかなか話がややこしかった。ところが、時の流れや年齢の積み重ねもあり、そういったことに躊躇しなくなった。それがこの7作目ではないでしょうか。

90年代のグランジやオルタナティヴロックからの影響も見え隠れすると同時に、今作ではそのルーツとなるゴシックロックやニューウェイヴ、さらにはゴスペルはソウル、ブルースといったところにまで立ち返っている。そういったジャンルの影響が見え隠れする楽曲のインパクトが強いため、昨年先行リリースされた「The Chapeltown Rag」やリード曲「The Dying Song (Time To Sing)」、あるいは「Hive Mind」「Warranty」など前のめりなメタルチューンが存在するものの、それ以上にスロー/ミドルナンバーが耳に残る1枚にまとまっている。そりゃあ賛否大きいわけです。

だからといって、別にバラードバンドに変化したわけではなく、単にアルバムトータルでのアーティスティックさが過去の比ではないほどに高まった。それだけのことではないでしょうか。もちろん「SLIPKNOTのそんなもん求めてねえし!」っていう方には必要のないアルバムでしょうし、「SLIPKNOTオワタ」でいいかもしれません。ただ、メンバーと世代が近い自分にとってはこういう方向の進むタイミングがあることも、そこで表現されている音の理由もなんとなく理解できてしまう……そうそう、こういう年代に突入したんだよね、って。

もちろん、それと作品の評価は分けて考えるべきだと思いますが、僕自身はそういったことを考える以前に、スッと入っていけた。そして、今も頻繁にリピートしている。それだけのことです。

もしかしたら今作って、METALLICAでいうところの『LOAD』(1996年)『RELOAD』(1997年)のような作品なのかな(METALLICAの場合はルーツとは真逆の向き合い方だったけど、出来上がった作品がという意味でね)……そう考えたら、好き嫌いがハッキリするのも理解できるのでは。いろいろな意味でひとつの節目を迎えたタイミングのアルバムであることは間違いなさそうです。

 


▼SLIPKNOT『THE END, SO FAR』
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2022年5月26日 (木)

KORN『THE SERENITY OF SUFFERING』(2016)

2016年10月21日にリリースされたKORNの12thアルバム。

ブライアン・“ヘッド”・ウェルチ(G)が復帰した前作『THE PARADIGM SHIFT』(2013年)から3年ぶりの新作。キャッチーな歌メロ重視ニューメタル路線から、よりエッジの効いたスタイルが復調しつつある良質なメタルアルバムに仕上がっています。

プロデューサーを前作でのドン・ギルモア(BULLET FOR MY VALENTINELINKN PARKアヴリル・ラヴィーンなど)からニック・ラスクリネクツ(HALESTORMALICE IN CHAINSMASTODONなど)に交代したことも大きいのでしょうか。「Rotting In Vain」や「The Hating」などヘヴィな音の塊の中に心地よいメロウなテイストがにじんでいるテイストは、前作『THE PARADIGM SHIFT』での経験をベースにしつつも4thアルバム『ISSUES』(1999年)以降の路線を踏襲したもののようにも受け取れます。

また、モダンでプログロック的な側面を追求した5thアルバム『UNTOUCHABLES』(2002年)や、コンパクトでキャッチーなスタイルにこだわった7thアルバム『SEE YOU ON THE OTHER SIDE』(2005年)からの影響も見え隠れし、変に初期のヘヴィさにこだわった結果中途半端に終わった9thアルバム『KORN III: REMEMBER WHO YOU ARE』(2010年)よりもバンドとして自然体に映るのも印象的。そういった意味では、バンドの基礎を構築した伝説の1stアルバム『KORN』(1994年)と2ndアルバム『LIFE IS PEACHY』(1996年)、最大のヒット作となった3rdアルバム『FOLLOW THE LEADER』(1998年)を変に意識しすぎることなく臨んだ結果、過去10数年の中でも一番トータルバランスの整った内容になったのではないでしょうか。

そんな良作に華を添えるように、「A Different World」にはSLIPKNOTSTONE SOURコリィ・テイラー(Vo)がゲスト参加。ジョナサン・デイヴィス(Vo)との相性も抜群ですが、90年代のニューメタルヒーローとゼロ年代のニューメタルの王者のコラボレーションは、ちょっとタイミングが遅すぎるくらい。ただ、前作がヘッド復帰という大きなトピックがあったので、これくらいはあってもいいのかな。

思えば、KORNもこの時点で20年選手に突入しているわけで、この手のバンドとしては多作の12枚目。かつ、ここまでの枚数を制作しながらも同じようなアルバムは1枚もなく、毎回何かしらの変化を遂げている。ソングライター/プレイヤーとしての質の向上はもちろん、表現したいこともデビュー前後と比べたら多少は変わっているはず。そういった点でも、本作はバンドとしての集大成を示すと同時に、キャリア何度目かの“デビュー”アルバムのようでもあるのかなと。まあ、デビュー作にしては出来過ぎなくらいに完璧な内容ですが(笑)。

3分台の楽曲中心の全11曲(デラックス盤の2曲除く)/トータル40分というコンパクトさは、間違いなくその後の『THE NOTHING』(2019年)『REQUIEM』(2022年)にも大きな影響を及ぼしているし、そういった点でも本作は何度目かのリスタートの幕開けにふさわしい1枚だったのかもしれません。

そんなアルバムが、全米チャートで近年では最高となる4位を獲得したというのも、なんだか納得といいますか。以降、完全にサブスク中心のシーンに転換していくことを考えると、(チャート的にもセールス的にも)ここまでがギリギリ“CD主流時代”だったのかな?という気がしています。

 


▼KORN『THE SERENITY OF SUFFERING』
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2022年3月20日 (日)

COREY TAYLOR『CMFB...SIDES』(2022)

2022年2月25日にリリースされたコリィ・テイラーの企画アルバム。日本盤未発売。

SLIPKNOTSTONE SOURのフロントマンによる初のソロアルバム『CMFT』(2020年)に続いて発表された本作は、彼が影響を受けたアーティストのカバー曲、『CMFT』収録曲をアコースティックバージョンで再録したテイク、そしてライブ音源で構成された内容。『CMFT』の「T」に「B...SIDES」を被せたアートワークからも想像できるように、『CMFT』から派生した裏面(=B Sides)的な1枚といったところでしょうか。

全9曲(実質10曲)のうち、カバーは6曲。METALLICA『ブラックアルバム』(1991年)トリビュートアルバム『THE METALLICA BLACKLIST』(2021年)に提供した「Holier Than Thou」のほか、DEAD BOYS「All This And More」、エディ・マネー「Shakin'」、RED RIDER(TOM COCHRANE & RED RIDER)「Lunatic Fringe」、KISS「Got To Choose」、ジョン・キャファティ(JOHN CAFFERTY & THE BEAVER BROWN BAND)「On The Dark Side」という、年代もジャンルもバラバラな楽曲がいかにも今のコリィらしい形で表現されています。「Shakin'」や「Lunatic Fringe」「On The Dark Side」は1980年代前半のヒット曲ということもあり、コリィが幼少期にラジオでよく耳にしていた楽曲ではないでしょうか。ハードロックとは程遠いものの、あの頃のUSロック/ポップスにラジオやMTVを通じて触れてきた同世代の自分にとっても(若干後追いではありますが)懐かしいものがあります。

また、KISSやDEAD BOYSは70年代なので、リアルタイムというよりはロックにハマッてから知った楽曲じゃないかなと想像。KISSもあえて地味な2ndアルバム『HOTTER THAN HELL』(1974年)からのセレクトですしね(コリィが生まれた翌年にリリースされたアルバムだから、なおさらね)。アルバムジャケットではコリィ含め、バンドメンバー全員がKISSメイクをしているあたりにも、この曲へのこだわりが伝わってきます(「Holier Than Thou」同様、この曲もエンディングに仕掛けが用意されています)。

また、『CMFT』からは「Kansas」「Halfway Down」のアコースティックバージョンでリメイク。さらに、同作からの「Home」とSTONE SOURの2ndアルバム『COME WHAT(EVER) MAY』(2006年)収録曲「Zzyzx Rd.」をメドレー形式でリアレンジしたライブテイクも用意されており、全体を通してレイドバック気味の作風にフィットしたセルフカバーとなっています。特に、アルバムのど真ん中に置かれた9分にもおよぶ「Home / Zzyzx Rd.」は、何気に本作のキモと言えるのではないでしょうか。本作からのリードトラックは「On The Dark Side」ですが、個人的にはそう捉えています。

コロナ禍が若干落ち着きつつあり、ようやく『CMFT』を携えたライブツアーが本格的にスタートしたコリィ。本作は改めて『CMFT』へと注目を集めるために用意された、再起爆剤といえる1枚なのかな。SLIPKNOTの次作もレコーディングが終わり、残すはミキシングだけのようですし、こういうお遊び満載のアルバムでリラックスしたコリィの姿はまたしばらく見納め(聴き納め)かもしれませんね。

あくまでファンアイテム的な企画盤なので、これを持って「コリィは今後、ソロではレイドバックしたスタイルを押し進めていく」と解釈するのは勇み足。STONE SOURでも小出しにしてきた側面をたまたま特化させた1枚と捉えるのがベストでしょう。本気のお遊びに対しては、こちらも肩の力を抜きつつ本気で楽しみながら向き合いたいと思います。

 


▼COREY TAYLOR『CMFB...SIDES』
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2022年1月10日 (月)

祝ご成人(2001年4月〜2002年3月発売の洋楽アルバム20選)

新成人の皆さんおめでとうございます。2014年度に初めて執筆したこの“洋楽版成人アルバム”企画も、今年で8回目。しかし、この春から成年年齢が18歳になることから、今回で最後かなと思っております(さすがに18年前って区切り悪いですしね)。この企画は「自分の20年前の音楽ライフはどんなだったか」を思い返す上で非常に貴重な機会でもあり、同時に「どれを20枚に含めるか?」というセレクトにおいても非常に頭を悩ます良いタイミングとなっていたので、成人式抜きで続けてもいいんですけど……まあ、そのへんは1年後に考えます(笑)。

改めて趣旨説明を。この1月に成人式を迎えたの皆さんが生まれた年(学年的に2001年4月〜2002年3月の期間)にリリースされた洋楽アルバムの中から、個人的思い入れが強い作品のうちSpotifyやApple Musicで試聴可能なものを20枚ピックアップしました。

どれも名盤ばかりですし、もしまだ聴いたことがないという作品がありましたら、この機会にチェックしてみてはどうでしょう。特に、現在20歳の方々は「これ、自分が生まれた年に出たんだ」とかいろいろ感慨深いものがあるような気もしますし。ちなみに、作品の並びはすべてアルファベット順です。(2014年度の新成人編はこちら、2015年度の新成人編はこちら、2016年度の新成人編はこちら、2017年度の新成人編はこちら、2018年度の新成人編はこちら、2019年度の新成人編はこちら、2020年度の新成人編はこちらです)

以下、サブスクを通して名盤20選をお楽しみください。

 

ANDREW W.K.『I GET WET』(2001年11月発売)(Spotify)(レビュー

 

ARCH ENEMY『WAGES OF SIN』(日本:2001年4月発売、海外:2002年3月発売)(Spotify)(レビュー

 

ASH『FREE ALL ANGELS』(2001年4月発売)(Spotify)(レビュー

 

BASEMENT JAXX『ROOTY』(2001年6月発売)(Spotify

 

BJORK『VESPERTINE』(2001年8月発売)(Spotify)(レビュー

 

THE CHEMICAL BROTHERS『COME WITH US』(2002年1月発売)(Spotify)(レビュー

 

CONVERGE『JANE DOE』(2001年9月発売)(Spotify)(レビュー

 

FINCH『WHAT IT IS TO BURN』(2002年3月発売)(Spotify)(レビュー

 

INCUBUS『MORNING VIEW』(2001年10月発売)(Spotify

 

JIMMY EAT WORLD『BLEED AMERICAN』(2001年7月発売)(Spotify

 

KYLIE MINOGUE『FEVER』(2001年10月発売)(Spotify

 

MUSE『ORIGIN OF SYMMETRY』(2001年6月発売)(Spotify)(レビュー

 

RADIOHEAD『AMNESIAC』(2001年5月発売)(Spotify)(レビュー

 

RYAN ADAMS『GOLD』(2001年9月発売)(Spotify

 

SLIPKNOT『IOWA』(2001年8月発売)(Spotify)(レビュー

 

THE STROKES『IS THIS IT』(2001年10月発売)(Spotify)(レビュー

 

SUM 41『ALL KILLER NO FILLER』(2001年5月発売)(Spotify

 

SYSTEM OF A DOWN『TOXICITY』(2001年9月発売)(Spotify)(レビュー

 

TOOL『LATERALUS』(2001年5月発売)(Spotify)(レビュー

 

WEEZER『WEEZER (GREEN ALBUM)』(2001年5月発売)(Spotify)(レビュー

 

残念ながらセレクトから漏れた作品も多く。以下に主だった作品をピックアップしておきました。

AIR『10000 HZ LEGEND』
ALICIA KEYS『SONGS IN A MINOR』
...AND YOU WILL KNOW US BY THE TRAIL OF DEAD『SOURCE TAGS & CODES』
AUTECHRE『CONFIELD』
THE BLACK CROWES『LIONS』
BLACK LABEL SOCIETY『1919 ETERNAL』(レビュー
BLIND GUARDIAN『A NIGHT AT THE OPERA』
BLINK-182『TAKE OFF YOUR PANTS AND JACKET』
BRITNEY SPEARS『BRITNEY』
THE CHARLATANS『WONDERLAND』
!!!『!!!』
THE CULT『BEYOND GOOD AND EVIL』(レビュー
DEPECHE MODE『EXCITER』(レビュー
DREAM THEATER『SIX DEGREES OF INNER TURBULENCE』
EMPEROR『PROMETHEUS: THE DISCIPLINE OF FIRE & DEMISE』
FANTOMAS『THE DIRECTOR'S CUT』
FEAR FACTORY『DIGIMORTAL』
FEEDER『ECHO PACK』
GARBAGE『BEAUTIFULGARBAGE』
HATEBREED『PERSEVERANCE』
HOOBASTANK『HOOBASTANK』
THE (INTERNATIONAL) NOISE CONSPIRACY『A NEW MORNING, CHANGING WEATHER』(レビュー
JAMIROQUAI『A FUNK ODYSSEY』
JOEY RAMONE『DON'T WORRY ABOUT ME』
KREATOR『VIOLENT REVOLUTION』
LENNY KRAVITZ『LENNY』
MACHINE HEAD『SUPERCHARGER』
MEGADETH『THE WORLD NEEDS A HERO』(レビュー
MERCURY REV『ALL IS DREAM』
MICHAEL JACKSON『INVINCBLE』
MICK JAGGER『GODDESS IN THE DOORWAY』(レビュー
MISSY ELLIOTT『MISS E... SO ADDICTIVE』
MOGWAI『ROCK ACTION』(レビュー
MOUSE ON MARS『IDIOLOGY』
MR. BIG『ACTUAL SIZE』(レビュー
N*E*R*D『IN SEARCH OF...』
NEW ORDER『GET READY』
NICKELBACK『SILVER SIDE UP』
OCEAN COLOUR SCENE『MECHANICAL WONDER』
OZZY OSBOURNE『DOWN TO EARTH』(レビュー
PUDDLE OF MUDD『COME CLEAN』
R.E.M.『REVEAL』
RAMMSTEIN『MUTTER』
ROB ZOMBIE『THE SINISTER URGE』
SLAYER『GOD HATES US ALL』(レビュー
SOILWORK『NATURAL BORN CHAOS』
SPIRITUALIZED『LET IT COME DOWN』
STAIND『BREAK THE CYCLE』
STATIC-X『MACHINE』
STEREOPHONICS『JUST ENOUGH EDUCATION TO PERFORM』
STONE TEMPLE PILOTS『SHANGRI-LA DEE DA』
SUGAR RAY『SUGAR RAY』
SUPER FURRY ANIMALS『RINGS AROUND THE WORLD』
TRAVIS『THE INVISIBLE BAND』
THE WHITE STRIPES『WHITE BLOOD CELLS』
YEAH YEAH YEAHS『YEAH YEAH YEAHS』

……多い(笑)。セレクトしまくったらこうなった。というか、2001〜2002年ってすでにこのサイトの前身「とみぃの宮殿」のアクセスがそこそこ増え始めた時期で(理由:ハロプロ)、更新意欲もかなり強くて新譜にも積極的に触れていたタイミングなんですよね。当然あの頃はサブスクなんてなかったので(海外にはNapsterがありましたけどね)、CDを闇雲に購入しまくっていたのですが(しかも、当時はライターになる前で、東京住まいではなかったこともあり、月に数度、週末にCD漁りったりクラブ遊びしたりライブ行ったりするために上京していたのでした)、今回選んだ20枚は完全に今の自分の趣味と、客観的に見て名盤として通用する作品を意識しています。

2001年というと、9月11日のアメリカ同時多発テロが忘れられない出来事でしたよね。当時は追悼イベントもいくつか開催されましたが、こうした事実が作品に反映されたのは2002年以降の作品だったので、今回ピックアップした作品の中には911について歌った曲は含まれていないんじゃないかな。

あと、ジョーイ・ラモーン(4月15日)やジョン・リー・フッカー(6月21日)、ジョージ・ハリスン(11月29日)が亡くなったのも2001年のことでした。

ちなみに、当時の日本の音楽シーンには以下のような出来事がありました。

■三波春夫、死去(2001年4月)
■中澤裕子がモーニング娘。を卒業(2001年4月)
■Coccoが音楽活動休止(2001年4月)
■野猿、撤収(2001年5月)
■三木道三、「Lifetime Respect」でオリコン1位獲得(2001年7月)
■サザンオールスターズから大森隆志(G)が脱退(2001年8月)
■EE JUMPのユウキ、活動自粛(2001年8月)
■モーニング娘。に5期生加入(2001年8月)
■SPEED、阪神淡路大震災復興イベントで一夜限りの再結成(2001年10月)
■access、7年ぶりに活動再開(2001年12月)
■第43回日本レコード大賞、浜崎あゆみ「Dearest」が大賞受賞。最優秀新人賞はw-inds.が受賞(2001年12月)
■SIAM SHADE解散(2002年3月)
■エイベックスがコピーコントロールCD(CCCD)発売(2002年3月)
■DREAMS COME TRUEから西川隆宏が脱退(2002年3月)

なお、2001年の年間アルバムランキング1位は宇多田ヒカル『Distance』、2位が浜崎あゆみ『A BEST』という時代。懐かしいですね……。

最後に、今回選出した20作品をまとめたプレイリストも用意しましたので、掲載しておきます。

 

2021年11月11日 (木)

SLIPKNOT『THE CHAPELTOWN RAG』(2021)

2021年11月5日に配信リリースされたSLIPKNOTの新曲。

2019年8月に発売された6作目のアルバム『WE ARE NOT YOUR KIND』以来となる、実に2年3ヶ月ぶりの新曲。今年前半からメンバーが新曲制作のためにスタジオ入りしていると発言していましたが、リリース同日にロサンゼルスのBanc Of California Stadiumで開催される『KNOTFEST LOS ANGELES』にあわせて、先行公開されたということなんでしょうね。

楽曲自体はSLIPKNOTらしさ全開で、従来のスタイルの延長線上にある前のめりなメタルチューン。ボーカルにメロディアスさは皆無で、コリィ・テイラー(Vo)は終始アグレッシヴに叫びまっています。サウンドやアレンジ面では特段目新しさは見つけられませんが、聴き手がSLIPKNOTに求める要素はすべて凝縮されているように映ります。

それもそのはず。この曲に対してコリィは「これは処罰人のことなんだ。クラシックなSLIPKNOT(の楽曲)だよ。狂乱しているが、リリック的にはソーシャル・メディアがメディアそのものになった時に起こりうる様々な作用についての視点から来ている。その作用は我々を異なる方向に向かわせようとし、実際に我々はその虜となっている、それって恐ろしく危険なことだ」とコメントを残しており、サウンドやメッセージ含めて怒りに満ちた、王道のSLIPKNOTらしい1曲と言えるでしょう。ショーン・クラハン(Per)もこの発言に対して、「この曲は君が過激なものの考え方をするように促すんだよ」と付け加えているので、そう考えるのは間違いではないでしょう。

アルバムの予定が見えない中で、1曲だけ新曲を先行配信するというやり方は、前作『WE ARE NOT YOUR KIND』の前に10ヶ月前に配信された「All Out Life」(2018年)のときに似ていますよね。ただ、あのときはハロウィーン当日に配信されたこと、当の「All Out Life」はアルバムには未収録になったこと(日本盤はボーナストラックとして追加収録)などのトピックがありましたが、この流れだと来年夏までには7thアルバムのリリースも大いに期待できそうですね。ここ数作はリリース間隔が5年単位で空くことが当たり前だったので、これはうれしい誤算です(もっとも、これも『WE ARE NOT YOUR KIND』発売から半年後にはコロナ禍に突入してしまったことが大きいのですが)。

「The Chapeltown Rag」が次のアルバムに収録されるかどうかは別として、次のステップに向けた肩慣らしとしては十分すぎるほどの1曲。2020年春に予定されていながらも中止になってしまった『KNOTFEST JAPAN』含め、新たなアクションを楽しみに待ちたいと思います。

 


▼SLIPKNOT『THE CHAPELTOWN RAG』
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2021年7月29日 (木)

SLIPKNOT『ANTENNAS TO HELL』(2012)

2012年7月23日(UK/USは24日)にリリースされたSLIPKNOT初のグレイテストヒッツアルバム。日本盤は同年7月25日発売。

2010年5月にポール・グレイ(B)が急逝するものの、バンドは初期メンバーのドニー・スティール(G)をサポートベーシストとして迎え、2011年夏の『Sonisphere Festival』からライブ活動を再開。2012年8月には主催イベント『Knotfest』を初開催し、その健在ぶりを証明することになります。

時系列的に考えると、このベストアルバムは『Knotfest』初開催にあわせて制作されたといっても過言ではありません。ポールを欠いたバンドが次に進む上でのインターバルを考えても、『ALL HOPE IS GONE』(2008年)に続くオリジナルアルバムをすぐに制作するよりは、ここでコンピ盤を出してひと区切りつけるというのは、バンドを長く続けていく上でも必要不可欠なトピックになるでしょうし。

また、これは結果論ですが、ジョーイ・ジョーディソンも2013年にバンドを脱退することを考えると、続くオリジナルアルバム『.5: THE GRAY CHAPTER』(2014年)の前に本作を出しておくことは必須だったのかなと。メンバーチェンジによる変化がどうしても生じてしまいますし、結果やっぱり出してよかったんでしょうね。

さて、内容に関してですが、特に目新しさはありません。シングルとして既発だった「My Plague」のリミックスバージョン(映画『バイオハザード』サントラ収録)や「Vermilion」のテリー・デイトによるリミックスがアルバム初収録になったほか、ライブ映像作品『DISASTERPIECES』収録の「The Heretic Anthem」「Purity」が音源化されたことくらいが大きなトピックで、ここでしか聴くことができない未発表曲などは皆無。つまり、オリジナルアルバムをすべて持っている人には無用な産物と言えるのかもしれません。

しかし、そんなコアリスナーにとってスルーできないのが本作のデラックスエディション。2CD+DVD仕様で発表され本作、CDのDISC 2には2009年の『Download Festival』でのヘッドライナー公演がほぼ完全収録されているのです。同ライブの映像は2010年発売の2枚組映像作品『(sic)nesses』に完全収録されているものの、完全音源化はこれが初めて。ポール&ジョーイを含む編成の記録としても、またSLIPKNOTデビューから10年の節目を飾るタイミングの集大成としても、このライブはファン必聴の内容。映像のみならず、音源として所持しておきたいアイテムのひとつです。

また、特典DVDは『THE COMPLETE MUSIC VIDEOS』と称して「Spit It Out」から「Snuff」までのMV(別バージョン含む)と、「People = Shit」「Psychosocial」などのライブ映像を総括。こちらもファンならば手に入れておきたい代物ではないでしょうか。

『IOWA』(2001年)や『ALL HOPE IS GONE』の10周年デラックスエディションにもリリース当時の貴重な音源で構成されたライブアルバムが付属していますが、それはそれ。『9.0: LIVE』(2005年)を聴いたあとに手にするべきライブ関連のアイテムとしては、実は本作のデラックスエディションではないかと筆者は断言しておきます。

最後に。ジョーイ・ジョーディソンのご冥福をお祈りいたします。

 


▼SLIPKNOT『ANTENNAS TO HELL』
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SLIPKNOT『9.0: LIVE』(2005)

2005年11月1日にリリースされたSLIPKNOTのライブアルバム。日本盤は同年11月2日発売。

ライブ映像作品やオリジナルアルバムのデラックス盤付属CDでのライブ音源発表は数あれど、SLIPKNOTの正式なライブアルバムは今のところ本作のみ。3rdアルバム『VOL.3 : (THE SUBLIMINAL VERSES)』(2004年)リリース後に行われたワールドツアー(2004〜5年)からベストテイクを集めたもので、収録地が異なる音源をひとつのショウのような形で並べた構成となっています。

バンドとしても最初の不和を乗り越えて完成させた『VOL.3 : (THE SUBLIMINAL VERSES)』とあって、勢いや荒削りさよりも安定感の強い演奏(およびそういったプレイが求められる楽曲)を楽しめる作品かなと。実際、アルバム同様にライブのオープニングを飾る「The Blister Exists」や「Before I Forget」「Vermilion」「Pulse Of The Maggots」など、スピードよりも重さやグルーヴを重視した楽曲が前作『IOWA』(2001年)以上に増えたことで、のちの“らしさ”をほぼ確立させていますし。そういった意味でも、SLIPKNOT最初の集大成を示す作品がこのライブアルバムなのかなと思います。

ポール・グレイ(B)&ジョーイ・ジョーディソン(Dr)を含むデビュー時からの黄金期ラインナップによるライブ音源が残されたという点においても、本作は非常に大きな意味を持つのではないでしょうか。特にこのアルバムにはジョーイのドラムソロも含まれていますし。終盤の「The Heretic Anthem」をはじめとした怒涛の展開(特に「Duality」「Spit It Out」「People = Shit」の流れ)は今聴いても本当にシビレるものがあり、映像がなくてもアガリっぱなしですよ。

SLIPKNOTというと視覚的側面でのエンタメ性(メンバーのヴィジュアル、ライブにおける演出など)を取り沙汰される機会が多いですが、こうやって音源のみで表現されることで彼らのライブ力/演奏力の高さを改めて実感することができるはずです。

現在では初期4作(およびポール&ジョーイ在籍時)を総括するグレイテスト・ヒッツ『ANTENNAS TO HELL』(2012年)が存在するのでアレですが、初期はこのライブアルバムがベスト盤的役割を果たしてくれました。そういった意味でも、個人的には重要な作品だったりします。YouTubeの普及やスマホによるライブ撮影の一般化、さらに映像作品が安価で入手できるようになった今、ライブアルバムにどれだけの価値があるのか正直わかりませんが、それでもコンピレーションアルバム以上に好きなんですよね、ライブアルバム。むしろ、ライブアルバムを1枚も作っていないロックバンドは信用できないというか。本作はそんな自分の思いにしっかり応えてくれる、大切な1枚です。

 


▼SLIPKNOT『9.0: LIVE』
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2021年5月16日 (日)

CHARLIE BENANTE『SILVER LININGS』(2021)

ANTHRAXのドラマー、チャーリー・ベナンテが2021年5月14日に発表した初のソロアルバム。日本盤未発売。

このアルバムはCOVID-19パンデミックにより世の中のさまざまなことがストップした中でスタートさせた、「Quarantine Video Series」の総決算的作品。ANTHRAXのバンドメイトや気心知れた他バンドの仲間たちと、新旧のお気に入りナンバーをリモートセッションしていき、その中から選りすぐりの14曲がこのアルバムに収録されています。

カバー曲の内訳は以下のとおり。

M-1. City Of Blinding Lights [U2]
M-2. Chloe Dance / Crown Of Horns [MOTHER LOVE BONE]
M-3. Teardrop [MASSIVE ATTACK]
M-4. Run DMC [RUN DMC]
M-5. Rhiannon [FLEETWOOD MAC]
M-6. Yer So Bad [トム・ペティ]
M-7. Transylvannia [IRON MAIDEN]
M-8. Presto Vivace [U.K.]
M-9. Bad Guy [ビリー・アイリッシュ]
M-10. Jimmy James Jam [BEASTIE BOYS]
M-11. All The Way [KISS]
M-12. Mr. Speed [KISS]
M-13. Public Image [PUBLIC IMAGE]
M-14. Funny Vibe [LIVING COLOUR]

参加メンバーも実に多彩で、スコット・イアンやフランク・ベロといった盟友たちのほか、マーク・オセグエダ(Vo/DEATH ANGEL)、カーラ・ハーヴェイ(Vo/BUTCHER BABIES)、コリィ・テイラー(Vo/SLIPKNOTSTONE SOUR)、DMC(MC/RUN DMC)、ロブ・カジアーノ(G/VOLBEAT、ex. ANTHRAX)、デイヴ・セイボ(G/SKID ROW)、アレックス・スコルニック(G/TESTAMENT)、ジョン・5(G/ROB ZOMBIE)、ラ・ディアス(B/SUICIDAL TENDENCIES)、マーク・メンギー(B/METAL ALLEGIANCE)、ジョーダン・ルーデス(Key/DREAM THEATER)など。参加アーティストはHR/HM界隈中心ですが、選曲はチャーリーらしいセレクトで、メタルらしいメタルはIRON MAIDENくらい。もはやお約束となったKISSは2曲用意され、新しいところだとビリー・アイリッシュ「Bad Guy」もカバーされています。

いきなりU2の比較的最近の楽曲からスタートする本作は、そのサウンド的にはメタルからは少し離れたもので、チャーリー・ベナンテという鬼才の一端が表されているといったところでしょうか。もっとも、チャーリー自身は本作をソロアルバムとは捉えておらず、「非常に暗い時期に、友人の何人かと一緒に作ったお気に入りの楽曲集」程度なんだとか。なので、受け手側も「あのANTHRAXのチャーリーのソロプロジェクト」なんて構えずに、幅広い年代/幅広いジャンルの名曲セッション集くらい気軽に楽しめばいいのではないでしょうか。少なくとも僕自身、そういうふうに捉えてリピートしています。

どの曲のアレンジも組み合わせの妙が存分に楽しめるし、遊び心に満ち溢れていると思います。個人的にはメタルアレンジな「Bad Guy」がお気に入り。バンドアレンジにしてもカッコいい曲はカッコいいんだと気付かせてくれます。あとは、MASSIVE ATTACK「Teardrop」やFLEETWOOD MAC「Rhiannon」、トム・ペティ「Yer So Bad」も。女性ボーカル曲は総じて良いですね。プラス、KISSは録音状態まで含めてオリジナルに敬意を払っているのも好印象。遊ぶならここまでしないと。

なお、本作から生じた収益の一部は、音楽教育とメンタルヘルスを提唱するニール・カザル音楽財団に寄付されるとのことです。

 


▼CHARLIE BENANTE『SILVER LININGS』
(amazon:海外盤アナログ / MP3

 

2020年10月 7日 (水)

COREY TAYLOR『CMFT』(2020)

2020年10月2日にリリースされたコリィ・テイラーSLIPKNOTSTONE SOUR)の1stソロアルバム。

メインバンドであるSLIPKNOTとSTONE SOURはどちらかの活動がひと段落している間に片方が動くという形でしたが、SLIPKNOTが『WE ARE NOT YOUR KIND』(2019年)に伴う活動が(コロナの影響もあって早めに)落ち着いたタイミングに、コリィはSTONE SOURとしての活動に移行するのではなく初めてのソロ名義でのアルバム作りに挑むことになります(STONE SOURとしては2017年のオリジナルアルバム『HYDROGRAD』と、それに伴うツアーの模様を収めた2019年のライブアルバム『HELLO, YOU BASTARDS: LIVE IN RENO』を持ってしばらく小休止に入るようです)。

アルバムはコリィと、STONE SOURの作品でも共作しているジェイ・ラストンの共同プロデュース。レコーディングにはSTONE SOURのメンバーでもあるクリスチャン・マルトゥッチ(G)、俳優でもあるザック・ストーン(G)、2011年にSTONE SOURのライブにサポート参加した経験を持つジェイソン・クリストファー(B/ex. PRONG、ex. MINISTRY、ex. セバスチャン・バックなど)、ダスティン・ロバート(Dr)という布陣が参加し、STONE SOURよりもレイドバックしたオーソドックスなハードロックを展開しています。

コリィが歌っている時点でSTONE SOURとの共通点はいくらでも見つけられますが、とりわけ本作では80年代の王道アメリカンハードロックにスポットを当てたような、どこか懐かしさが感じられるキャッチーな楽曲が多数用意されています。「Samantha's Gone」なんてヘアメタルチックなメジャーキーの楽曲ですし、「Kansas」あたりもレイドバックしたヘアメタル的なポップ感が強まっている。かと思えば、「Meine Lux」の歌い出しの〈1, 2, 1, 2, 3, 4!〉はブルース・スプリングスティーン的だし楽曲自体はVAN HALEN以降のハードブギーだし、アコースティックギターを軸にしたブルージーなバラード「Silverfish」のような楽曲もしっかり用意されています。

かと思えば後半でに入ると、「Culture Head」では全体的には80年代的な香りがするけどオルタナ感を髣髴とさせるリフは90年代的で、「Everybody Dies On My Birthday」もグランジ以降の作風に80's風メロディを乗せた印象を受ける。思いっきり肩の力が抜けた「The Maria Fire」はSTONE SOURでは体験できなかったテイストで、続くピアノバラード「Home」もソロアルバムならではの試み。そんな中、ヒップホップアーティストのテック・ナインとキッド・ブーキーをフィーチャーしたラップメタル調の「CMFT Must Be Stopped」は唯一SLIPKNOTの匂いを感じさせる(あくまでボーカルスタイルのみ。楽曲自体はアリーナ/スタジアムロック風)。で、最後の最後にハードコアパンク・スタイルのファストナンバー「European Tour Bus Bathroom Song」で締めくくり。いやあ、やりたい放題だな(笑)。

アルバムとしてはひとつの音楽スタイルを軸に持って構築されていくようなものとは異なり、ソロアルバムならではの“とっ散らかり感”が強い作風ですが、コリィ・テイラーという才能が特定のバンド2つの中だけでは表現しきれなかった個がここで余すところなく発揮されていると考えれば、非常に納得のいく内容ではないでしょうか。巨大になりすぎた2つのモダンメタルバンドのフロントマンが、いろんな意味でガス抜きを行なった結果がこれなら、今後アルバムを重ねるごとにもっと違った側面も見えてくるかもしれない。例えば、今回みたいに自身のルーツを見せるのではなく、今夢中になっている“HR/HM以外の”音楽を表現するとか。むしろそっちのほうが気になったりして。

改めて、コリィ・テイラーが歌えば(それがHR/HMの範疇にあれば)どんな楽曲でも“コリィ・テイラーの曲”になる。それだけ強烈な個性を持つシンガーなんだってことを再確認させてくれる、彼のキャリアにおける重要作のひとつだと断言できます。

 


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2020年7月17日 (金)

STONE SOUR『AUDIO SECRECY』(2010)

2010年9月初頭にリリースされたSTONE SOURの3rdアルバム。

4thアルバム『ALL HOPE IS GONE』(2008年)を携えたSLIPKNOTのワールドツアーを終えるも、201年5月にポール・グレイ(B)が急逝。そんな悲しみに包まれたタイミングにコリィ・テイラー(Vo)、ジェイムズ・ルート(G)が完成された本作は、亡きポールに捧げられた1枚でもあります。

前作『COME WHAT(EVER) MAY』(2006年)制作時はサポート扱いだったロイ・マヨルガ(Dr)が正式加入し、コリィ、ポール、ジョシュ・ランド(G)、ショウン・エコノマキ(B)、ロイという布陣で制作された最初で最後の1枚(ショウンは本作を伴う活動終了後に脱退)。前作から引き続きニック・ラスクリネクツ(DEFTONESFOO FIGHTERSHALESTORMなど)をプロデューサーに迎えた本作は、よりキャッチーでメロディアスな1枚に仕上がっています。

土着的な70'sハードロックと、リフでゴリゴリ押し切る90年代以降のオルタナ・メタルからの影響を程よくブレンドした過去2作とは一線を画し、本作はとにかくポップさ、わかりやすさがより際立つ内容で、コリィの“歌”を武器にして楽曲の良さで勝負しようとする気概が感じられます。耽美なオープニングSE「Audio Secrecy」はまさにポールへの鎮魂歌のようにも聴こえますが、続くリードトラック「Mission Statement」を筆頭に、歌メロが耳や脳にこびりつく良質なハードロックナンバーを次々に繰り出します。

もちろん「Dying」や「Miracles」にように過去2作にもあった土着的バラードも存在するのですが、以前だったらそれが武器のひとつになっていたところを、本作では「こういうのもできます」と薬味程度の扱いに収めている。むしろ、大陸的なパワーバラード「Hesitate」のほうが本作では印象に残るのですから……それくらいメロディアスさが印象的な作品集なわけです。いわゆるポスト・グランジ的立ち位置だった過去2作から、ここで一気に個性を確立させた……そう捉えることもできるのではないでしょうか。それくらい、完成度の高いHR/HMアルバムだと思います。

ただ、そんな本作にも唯一の欠点が。それは曲数が多いことで、通常盤14曲(54分)、スペシャル・エディション18曲(69分)というのはいかがなものかと。すべてそれなりに完成度が高いのはわかるんですよ。でも、これを12〜3曲程度にまとめていたら、もっと完成度の高い傑作として評価されたんじゃないでしょうか。これ、今だったら残りの5〜6曲をEPとして配信限定リリースすることもできるんでしょうけどね。もし、ゆったりめの曲多めのEPを別に作っていたら、ALICE IN CHAINSにおける『SAP』(1992年)的良作が完成していたのでは……なんていうのは邪推でしょうか。

バンドにスタンス的に意外と古き良き時代のHR/HMを大切にしているような印象を受けるけど、リリース形態に関しては「あるもの全部出しちゃえ」というGUNS N' ROSES的な精神が玉に瑕(苦笑)。いい曲が多いのにアルバムとして「これ!」という1枚が少ない、このバンドの弱点が表面化してしまった惜しい1枚です。

 


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