2017/07/06

SLOWDIVE『SLOWDIVE』(2017)

間にKASABIANの新作を挟んだけど、再び「20年前後ぶり」の新作の話題に。

RIDEのニューアルバム『WEATHER DIARIES』が発売されるちょっと前に、SLOWDIVEの通算4作目にあたるスタジオアルバムも発表されました。題して『SLOWDIVE』。前作『PYGMALION』(1995年)から実に22年ぶり……笑うしかないね。まぁ前作リリース後に解散してしまったんだからしかたないんだけど。そんな彼らも2014年に再結成。同年にはフジロックで奇跡の初来日を果たしたんだけど……うん、あんまりいい思い出がない(苦笑)。

それだけに、このニューアルバムにもそこまで過度な期待はしてなかったんですが……どこからどう聴いてもSLOWDIVE以外の何者でもない、我々が求めるサウンドそのものでした。

もちろん単なる過去の焼き直しではないし、そもそも彼らはアルバムごとにそのスタイルを少しずつ変化させてきたので、本作はそのどれにも当てはならないとも言えるし、逆にどの要素も持ち合わせているとも言える。不思議なんだけど、ボーカルが乗った瞬間に「ああ、SLOWDIVEだわ(笑)」と妙に納得してしまう。それだけ強い個性と説得力がある音なのかなと、何度か聴き返して感じました。

耽美さは変わらずで、ディレイとディストーションから派生する全体を覆うサウンドエフェクト(幕がかかったようなミキシング)のせいで、その耽美さはより強度を増しています。楽曲も下手に難しいことをやろうとせず、シンプルで親しみやすいメロディを、よりシンプルなバンドアンサンブルで聴かせようとしている。結果、その世界に入っていきやすいんだけど、入ってからがさあ大変。底なし沼のように果てしなく広大な宇宙空間に産み落とされたような、なんとも言えない居心地の良さを(それでいて、ある種の居心地の悪さも)感じる。ああ、気持ち良い(気持ち悪い)……これがクセになって、何度も聴き返したくなるんです。

シューゲイザーというよりも、ドリームポップという表現が近い本作は、間違いなくか過去の名作群に並ぶ傑作のひとつ。先の2017年上半期ベストからは選外としましたが、限りなくベスト5に近いポジションの1枚です。たぶん今だったら、確実に5枚に入れてるだろうしね。

にしてもジザメリといいRIDEといい、このSLOWDIVEといい……みんな良くも悪くも“歳を取らない”んだよなぁ。シューゲイザーってそういう効果があるのかね。もしくは、そうだからこそ鳴らせる音というか。聴いてるこっちは10〜20代から40代になってるわけで、そりゃ居心地の悪さも感じるわけですよ(苦笑)。



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投稿: 2017 07 06 12:00 午前 [2017年の作品, Slowdive] | 固定リンク