2019年2月 4日 (月)

SOILWORK『VERKLIGHETEN』(2019)

2019年1月発売の、SOILWORK通算11作目のオリジナルアルバム。前作『THE RIDE MAJESTIC』(2015年)から約3年半ぶりの新作となります。

前作発表後、ドラマーのダーク・ヴェルビューレンがMEGADETHに勧誘されるというサプライズ(ハプニング?)があり、バンドは新たに若手のバスティアン・トゥアスガールド(Dr)を迎えて活動再開。特にここ数作は毎回ラインナップが変更しており、バンドとして安定した活動が送れていませんでしたが、ここでようやく編成が固まったと思いたいものです。

僕自身、随分と久しぶりにSOILWORKの新作を聴いたのですが(テン年代以降の作品はほぼ未聴でした)、本作には自分がハマった6thアルバム『STABBING THE DRAMA』(2005年)の頃の面影もしっかり残っており、よりメロディアスに進化した“ブルータルな北欧メタル”を堪能することができます。

新ドラマー・バスティアンのプレイは非常に手数が多く、どんなにキャッチーでメロウだろうが、その後ろでドコドコと激しいプレイを聴かせてくれる。ボーカルスタイルやメロディに関しては、ビョーン“スピード”ストリッド(Vo)が別プロジェクトのTHE NIGHT FLIGHT ORCHESTRAに参加していることも大きいのでしょうか、非常にキャッチーさを増しており、AメロやBメロでグロウルやスクリームをかましてもサビでは力強く歌い上げるスタイルにより拍車がかかり、自信に満ちたボーカルパフォーマンスを楽しむことができるはずです。

楽曲群も、聴けばすぐにそれがSOILWORKだとわかるものばかりで、確実にオリジナリティを確立しています。正直、2000年代後半以降の作品はそのへんが薄くなりつつあり、徐々にこのバンドから離れていったのですが、本作に関しては楽曲の良さ、ボーカル&演奏の素晴らしさが際立っており、平均点以上の仕上がりになっているのではないでしょうか。

もはやこれをメロディックデスメタルと呼ぶべきなのか、あるいは呼べるものなのか、正直僕にはわかりません。しかし、確実にその面影は残っていますし、見方を変えればメロデスの現在進行形/最新型と捉えることもできるでしょう。疾走感もしっかり備わっており、ブラストビートやグロウルなどエクストリームメタルに必要不可欠な要素も、さらにメロディアスな要素も至るところに散りばめられている。うん、確実にメロデスではあるんだけど、僕はこれをそんな狭い枠で括りたくないという気持ちもあって。純粋にヘヴィメタルでいいじゃないか……と思うわけです。

中にはメロデスに対していまだに嫌悪感や拒否反応を示すリスナーも少なくないはず。そんな人にこそ、このアルバムを聴いてほしいなと思うわけです。北欧のバンドが持つ“らしさ”を現代的に昇華させた、全メタルファン必聴の1枚だと断言させてください。

あ、最後に追記。本作の「Needles and Kin」にはAMORPHISのトミ・ヨーツセン(Vo)、「You Aquiver」には元ANNIHILATOR、EXES TO EYESのデイヴ・シェルドン(G)がゲスト参加しているとのこと。当初は「Stålfåge」にARCH ENEMYのアリッサ・ホワイト=グラズ(Vo)が参加しているという話もありましたが、こちらは実現しなかったそうです(ソース)。



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投稿: 2019 02 04 12:00 午前 [2019年の作品, Soilwork] | 固定リンク

2007年11月23日 (金)

SOILWORK『SWORN TO A GREAT DIVIDE』(2007)

はい、前作『STABBING THE DRAMA』(2005年)で彼らに興味を持った遅咲きの僕ですが、ちゃんと新作聴きました。もう前作から2年以上経っていたんですね、ちょっと驚きました。

古くからのファンからは評価の低い前作(というか、ここ近作か)でしたが、個人的には普通に「良いメロディアスなデス寄りのメタルバンド」が良い作品を出したといった感想だったのが前作。確かに初期の頃のブルータルさは完全に後退したし、ブラストビートを導入した疾走チューンなんて1曲くらいしかなかったですよね。そういう意味では、本作はその延長線上にある作品なのですが、よりバランス良く練り込まれていて、メロウなタイトルトラック(1曲目)の後にいきなりブルータルな「Exile」が登場したり、デスボイスとクリーントーンのコーラスパートを取り混ぜた「The Pittsburgh Syndrome」など、聴きごたえタップリなナンバーが並んでいると思います。

僕自身、今は生活の中につねにメタルがあるような日々を送っているわけではなく、1週に1度、ふと思い出したように買いだめしておいたCDの山の中から抜き取ったら、たまたまそれがメタルのCDだった……というような接し方なのです。恐らく真性のメタラーからすれば本作はダメダメなアルバムなのかもしれませんが、そんな日々良質なメタルにばかり浸ってるわけでもないので、これは普通にメリハリのある良いアルバムにしか聞こえないんですが……まぁいいでしょう。そんなの感性の問題でしょうし。僕の感性が劣っているだけでしょうしね実際のところ。

……何の防衛戦を張ってるんだよ、って話ですが(苦笑)。

でも、本当に良いアルバムだと思うけどなぁ。逆に、これ以上激しくてメロディが薄い作品だと、自分みたいな人間は頻繁に聴こうとは思わないんですよね。逆に構えちゃうから、姿勢を正してちゃんと聴こうとしないと聴かない。そんなタイミング、今の生活の中に数えるほどしかないから、仕事の合間や移動中にふと聴けるような作品に手を出す機会が増えるんでしょう。実際、このアルバムもCDで聴くよりもiPodやiTunesで聴く頻度のほうが高いし。

そういう意味じゃ僕、メタルに対してとても保守的になってきてるのかもしれませんね。ま、だからといって日々BLACK SABBATHばかり聴いてるわけじゃないけどね(そういうタイミングもあるにはあるけど、年のうち数回)。一時、狂ったようにこういうタイプのバンドばかり聴いてたけど、飽きたかといえば、実はそんなでもないんですよ。もともとああいうスタイル/バランスを持ったバンドが好きなのもあるんでしょうけどね。だから、今回のSOILWORKのアルバムも楽しんで聴くことができたんでしょうか……いや、本当にいいアルバムだってば。決して「BEST」ではないけど、「GOOD」で「COOL」な作品だと自信を持って言えますよ。某メタル専門誌ではどうかは知りませんけどね。



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投稿: 2007 11 23 12:43 午前 [2007年の作品, Soilwork] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005年6月 7日 (火)

SOILWORK『STABBING THE DRAMA』(2005)

俺が(一応)毎月第1&3土曜深夜に放送してるネットラジオ番組「RADIO TMQ」っていうのがあって。あ、毎回聴いてくれてます? ありがとう! まだ一度も聴いたことない? んじゃ次回から聴いてね!

で、その番組の中で最近「とみぃのメタル十番(盤)勝負」というコーナーを始めたんですよ。ま、4月から始めたんですが。何か「radio.gs」のパーソナリティ内で最もメタルに強い、メタルといえば「とみぃ」らしいんですよ(完全に他人事)。それくらい、メタルのイメージが強いらしくて。ま、確かにこれまでも番組内でその手の曲をポツポツとかけてきたし(大体放送1回目からしてMETALLICAの「Whiplash」、しかもライヴテイクで流してるしな)、サイトでもその手の蘊蓄を沢山語ってきてるから、まぁ仕方ないっちゃあ仕方ないんですが‥‥

でもね、俺。最近の、特にここ5年くらいのメタル事情にめっきり疎くて。要するに、全く興味が持てなかったんですよ、特に最近の新人とかに。全然聴かないとは言わないけど、購入するのはせいぜい'80年代から活動してるバンドか、その時代に活躍して最近再結成したバンドとか、新人でもラウド勢/ニューメタル勢ばかり。所謂『生粋のヘヴィメタル』には全然興味が湧かなくてね。

ところが。昨年の夏辺りでしょうか。まぁTHE RASMUS辺りから少しはその傾向があったんですが、NIGHTWISHのアルバムを偶然買ってしまった辺りから、ちょっとずつ「最近のバンドも悪くないなぁ」と好意的に思えるようになってきまして。そこにきて、この春から『ヘビメタさん』のスタート。ちょっとメタル熱が俺内でまた盛り上がってきたんですよ‥‥そういうこともあって、「自ら最近のメタルに接する機会を作ろう」ってことで始めたのが、先のコーナーなんですよ。

で、そんなコーナーを始めた矢先に、このバンドの、このアルバムに出会ってしまったわけです。SOILWORK『STABBING THE DRAMA』に。

名前くらいは知ってましたよ、このバンド。ただ、何人組でどこ出身とか、そういったデータ的なことは全く知らなくて。彼等がスウェーデン出身の6人組だというのはアルバムを買ってから暫くして知ったことだし、このアルバムが通算6作目というのも全然しらなかった程で。ただ、過去にリリースしたアルバムの中に、かのデヴィン・タウンゼント(元VAI、現在S.Y.L.)がプロデュースを手掛けた作品がある、ということは知ってて。それでバンド名がずっと頭の中に残ってたんですよね。デヴィンは俺、大好きなアーティストなもんで。そんな彼が手掛けたバンドだし、そりゃ興味があったわけですよ。

けどまぁ、今回はそういうのを抜きに普通に接したわけですが……

一発でノックアウトされちゃいました。何だコレ、すげーカッケーじゃんか!

基本的にはデスメタルの延長線上にあるスタイルなんでしょうけど、ボーカルがデス声(=ディストーションボイス)と、クリーンでメロウなパートを上手く使いわけていて、またバンドのアレンジもそのメリハリを上手く生かしてるのね。とにかく、ただのデスメタルで終ってないし(いやむしろこれはもうデスではないでしょう!)、正直これが今のヘヴィメタルなの!?と聴いた時は疑問に思った程に“現代的”なんですよ。だってさこれ、普通にラウド系/ヘヴィロック好きに聴かせても、絶対に気に入ると思うもん。まぁリズムは「跳ねて」ないけどさ、それでも十分に魅力的なわけよ。

詳しい人に聞いた話だと、このアルバムは過去の作品と比べるとそこまでヘヴィでもないし、極端にメロウというわけでもない、いわば中間的な作品らしいんだけど‥‥俺的には十分にヘヴィだし、十分にメロウなわけ。全然中途半端には聞こえない。そりゃ過去を知ってる人からすれば中途半端なんだろうし、マンネリなのかもしれないけどさ‥‥俺みたいな奴もいると思うわけ、いきなりこのアルバムで目覚めちゃったり、ヤラレちゃったりする輩が。そういう魅力を持ったアルバムなんじゃないかな、と。

ドラムの人はレコーディング時はゲスト参加だったようだけど、どうやら新加入したんですか? このブラストビート、ハンパじゃないっすよ。特に10曲目の「Blind Eye Halo」でのドラミングといったら、久し振りに感動したよ。あーそうそう、デスメタルってこんな感じだったなーって(ま、曲自体は全然デスメタルってわけでもないですが、それっぽいデス声は登場しますよ)。

所々に「デスメタル」とか人によっては気がかりなキーワードが登場するかと思いますが、ラウド/エクストリーム・メタルを愛する人、騙されたと思って聴いてみて。このバランス感はそう簡単に出せるもんじゃないよ。

こういう出会いがまだまだあるっていうんなら、メタルも捨てたもんじゃないよな、うん。



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投稿: 2005 06 07 12:20 午前 [2005年の作品, Soilwork] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック