2005/02/17

店頭で目にするまで安心できません。

「電動コケシ/肉」に続いて「スターリニズム」も復刻!(disk union.net)

 スターリン初期のEPが2作とも再発決定。つーか‥‥大丈夫なのか!? 「電動コケシ/肉」の方は2/25にCD&ソノシートで、「スターリニズム」は3/25にCD&EPで発売。

 実は俺、両方共ブート盤で持ってたりするんですが(アナログ起こしのCD-Rな)、これは絶対に聴いておいてもらいたい! メジャーからリリースされた「STOP JAP」や「虫」を聴いてスゲーっ!とか言ってたそこのア・ナ・タ、これこそがスターリンですよ!

 こうなると、続いて復刻されそうなのはただひとつ‥‥「TRASH」ですか‥‥音飛びしない、正規盤が聴きたいもんですね(けどあれ、権利の関係云々で再発/復刻はない、とか言ってたけどなぁ‥‥)。



▼ザ・スターリン「STOP JAP」(まずはこれから聴こう!)(amazon

投稿: 2005 02 17 07:44 午後 [STALIN, THE] | 固定リンク | コメント (2) | トラックバック

2003/03/31

THE STALIN『STOP JAP』(1982)

  最近ヒットチャートを賑わしている、一般的に「パンク」ロックと呼ばれているバンド達を聴くと、正直反吐が出そうになる。何時から「パンク」っていうのは、健康的・健全なものになってしまったの? 世間や社会に対して何の不平不満もない、主義主張もない音楽に対して「パンク」という言葉を使ってしまってもいいの?‥‥というような違和感が常に俺の中にあるのね。これって‥‥'80年代のホコ天・バンドブームの頃の「ビートパンク」と何ら変わらないじゃないの(そもそも「ビートパンク」って何だよ!?)。BLUE HEARTSをより健全にした、JUN SKY WALKER(S)以降の音‥‥いや、ジュンスカは嫌いじゃなかったんだけど、その後に続々登場した亜流バンドに嫌気が差したのね。で、今も似たような状況で、モンゴル800が大ブレイクしたと同時に、同系統のバンド‥‥敢えて名前は出さないけど‥‥が続々と登場して、それぞれヒットチャートを賑わしているのね。俺、正直この状況が健全だとは全然思えなくて。みんな、彼等(そういったバンド達)に何を求めて聴いているんだろうね。正直俺には判りません。それって俺が歳取ったってことなのかな?

  所謂ロンドンパンクが勃発したといわれる'76~'77年頃に、それに触発されるようにここ日本でもパンクバンドが幾つか登場しました。が、それらは水面下での活動といった感じで、当然ながらメジャーシーンに顔を出すことはありませんでした。ここ日本でもメジャーシーンにパンクバンドが登場するようになるのは、それから3年以上経ってからのことです。そして'82年になってようやくメジャーデビューしたのが、今回紹介するTHE STALINのメジャーデビュー盤(通算2作目)「STOP JAP」です。

  THE STALINが何故伝説的な存在として未だに語られることが多いのか‥‥それは数々の奇行にあるといえます。例えばライヴ中にバケツいっぱいに入ったブタの臓物を客席にぶちまけたり、ボーカルの遠藤ミチロウが全裸になったり、女性客にフェラチオさせたり、乱闘になって機材をぶち壊すことが日常茶飯事だったり‥‥そういったエピソードがどんどん一人歩きして、その音楽性以上に有名になってしまったわけです。

  そういったエピソードが先に耳に入ってくるためか、彼等の音楽についてはあまり語られる機会が少なかったように思うんですが、ここで聴かれるサウンドは先に挙げたような「健康的なパンクロック」とは完全に一線を画するもの。不健全極まりない、非常にハードコアな世界といっていいでしょう。勿論、現在のハードコアサウンドと比べれば全然軽いサウンドなんですが、これを今から20年以上も前に、メジャーでやっていたという事実。これが全てなんですね。SEX PISTOLSを皮肉ったかのような名曲"ロマンチスト"からスタートし、先のINUの「メシ喰うな!」へのアンサーソングともいえる"ワルシャワの幻想"で終わる全15曲、約35分の内容は当時としてはかなり過激で、歌詞の面でも検閲が入って「殺す」なんていう直接的な表現を「おろす」という風に音が似て非なる表現に変えさせられたりして、かなりストレスの残るレコーディングだったようです。が、そうはいいながらもやはりこのアルバムの爆発力というのはハンパじゃなく、今聴いても全然色褪せてない輝きを持っているわけです。

  例えばその数年後に登場するBLUE HEARTS以降のバンドと比べても、同じパンクサウンドを基本としていながら全く違うバンドである点がご理解いただけるかと思います。LAUGHIN' NOSEなんかは元々こういったハードコアな色を持っていながら、メジャーデビュー前後にBLUE HEARTSに通ずるような明るい路線が前面に出るようになりましたが(その後、再びコアな方向へと回帰していきましたが)、やはりこういった音楽性(歌詞を含めて)でメジャーで活躍するのは、まだまだ保守的だった'80年代にはかなり難しかったといえるでしょう。インディーシーンで活動するにしても今みたいに確立されていませんでしたしね。

  個人的にはこのアルバム以上に、インディーズからリリースされたファーストアルバム「TRASH」('81年)を聴いて欲しいのですが、これは当時もアナログで2,000枚しかプレスされなかった幻の1枚なので、なかなか探すのが難しいと思います(今でもヤフオクでブートやCD-Rに焼いたものを見かけますが、粗悪品が多いのでオススメはしませんが‥‥)。そういう意味では、今でも比較的手に入れやすいこのメジャー盤をまず聴いてもらうのが一番かと。ベスト盤とかいろいろ出てますが、まずはこのアルバムを手にとってみてください。ルースターズや初期のBOφWY等、'80年代初期のルーツロックを語る上でも欠かせない作品ですので、特に今の10代の人達に聴いてもらいたいですね。そしてこれを聴いた後に、また今巷を賑わせている「パンクロック」バンドを聴いてみてください‥‥俺の言わんとしてることが理解してもらえることでしょうね。



▼THE STALIN『STOP JAP』
(amazon:国内盤CD

投稿: 2003 03 31 12:00 午前 [1982年の作品, STALIN, THE] | 固定リンク

2001/07/03

遠藤ミチロウ『お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました。』(2001)

  何も毎月毎月の「オススメ」モノはアルバムやシングルといった「音源」に限ったコーナーではない。「アルバムに拘らず、楽曲だったりビデオだったりライヴだったり本だったり‥‥「音楽」に関係するものなら何でも気軽に紹介していきたい」と目次で語ってる通り、今回はこのコーナーというよりも、「とみ宮」として初めて書籍を取り上げる。

  とはいうものの、これは純粋な「書籍」というわけではなく、「本+CD」という形の「CD BOOK」と呼ばれる形態の作品なのだ。これまでも書籍の内容に沿ったCDや、内容を具体化したCDが付属した作品はあったが、これはちょっとそれらとは違うかもしれない。何せ、まず肝心の書籍が、あのパンクロックの雄、遠藤ミチロウの全歌詞集‥‥これまでスターリン時代から現在までに発表してきた楽曲の全歌詞を収めたものであること。そしてCDの方は、その全作品の中からスターリン時代に限定して、現在のスタイル(アコースティックギターでの弾き語り)でセルフカバーした作品集だということ。そのふたつをひとつにまとめたものが、この「お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました。」なのである(ご存じの方も多いと思うが、このタイトルも彼の代表曲名から取られている)。

  「遠藤ミチロウ全歌詞集」というタイトルが付いているものの、実は完全版というわけではない、残念ながら。メジャー後の歌詞に関しては問題ないのだが、やはりというか‥‥インディーズ時代の「TRASH*」収録の何曲かの歌詞が不完全だったり("サル"の「天皇陛下万歳!」以降の「~がセンズリ覚えた」や"アーティスト"の聞き取り難い箇所がそのまま「‥‥」表記となっている)、その後メジャー盤で"ロマンチスト"として発表されることとなる"主義者(イスト)"に関しては完全に無視されている(歌詞が殆ど変わらないからだろうか)。けど不思議なことに、全く同じ歌詞の"メシ食わせろ"と"ワルシャワの幻想"は両方ちゃんと収録されていたりする。また"アーティスト"に関しては、ミチロウ自身も既に覚えてないという話もあるし、特にごく初期の曲に関してはそういうものが多いようだ。

  こうやって歌詞を読んでみると、所謂「パンク」のイメージに囚われない、非常にシュールで尚かつ知的なイメージを受ける。昨今の「パンク」と呼ばれるジャンルの若手のそれと比べるとよく判ると思うが、全くの別物なのだ。また、言葉遊びのレベルもかなり高い。初期の作品は自主制作ということもあって、言葉選びに何の制限もないのでかなりきわどい表現が多用されているが(事実、メジャー盤で再録音した際には規制がかかり、似た音の言葉を選び直している)、その再選択された言葉でさえも何かセンスのようなものを感じる。パンクの人というよりは元々はフォークの人だったミチロウだからこそ、成せた技なのかもしれない。

  さて、おまけの方についても何か語っておこう。人によってはこっちがメインになるかもしれない、おまけCDの「トリビュート・スターリン・バイ・ミチロウ」。全部で9曲、約40分近くものボリュームだ。単品で買ったとしても2000円以上はするだろうから、これはお得だ。
  気になる収録曲だが‥‥

     1.玉ネギ畑
     2.マイザー
     3.おまえの犬になる
     4.Hello! I love You
     5.NO FUN
     6.溺愛
     7.天ぷら
     8.先天性労働者
     9.仰げば尊し

全てスターリン時代に発表された楽曲(カバー曲含む)を、現在のミチロウのスタイル‥‥弾き語り形式でリアレンジしたものだ。曲名を見ても判ると思うが、4曲目はDOORS、5曲目はイギー・ポップ率いるSTOOGES(というよりは、SEX PISTOLSのカバーバージョンで有名)の、それぞれミチロウオリジナルの日本語詞を乗せたカバー。9曲目は卒業式でお馴染みの、あの曲。

  比較的原曲に近いイメージのものもあれば、新しい楽曲として生まれ変わっているものもある。特にオススメは3曲目"おまえの犬になる"と8曲目"先天性労働者"だろう。前者はミチロウの絶叫に近い叫び、そして声にならない声によるスクリームに鳥肌が立つ。もはやパンクロッカーとは呼べないのかもしれないが、俺はこれこそが「真のパンク」なのではないだろうか?と思えてきた。それくらいもの凄い歌なのだ。そして後者は唯一パーカッションが入ったアレンジ。誰が叩いているのかは不明だが、最近のアルバム等では頭脳警察のトシが叩く機会もあるそうなので、もしかしたらもしかして、かもしれない(まぁ違うとは思うが)。この曲も決して歌と呼べる代物ではないのだが、いろんな意味で衝撃を受けた。ある種、頭脳警察における"世界革命戦争宣言"のような存在なのかもしれない。この2曲の緊張感がハンパじゃなく凄い。目元にナイフを突きつけられたかのような凄みと緊張感を感じる。スタイルは20年前と全く違うものの、根底にあるものは何も変わってない、そんな印象を受けた。

  さて、こうやって初めてCDやビデオ以外の音楽作品(歌詞集)を紹介したわけだが、歌詞よりもそのパフォーマンスの方に注目されることの多かったスターリン時代のミチロウも、こうやって改めて冷静に歌詞を読んでみて、高校生の頃には感じなかったものを見出したような気がする。さて、久し振りに「STOP JAP」でも引っ張り出して聴き込むかぁ‥‥



▼遠藤ミチロウ『お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました。』
(amazon:書籍+CD


投稿: 2001 07 03 12:00 午前 [2001年の作品, STALIN, THE, 遠藤ミチロウ] | 固定リンク