カテゴリー「Stone Temple Pilots」の8件の記事

2019年1月31日 (木)

STONE TEMPLE PILOTS『NO.4』(1999)

1999年10月にリリースされた、STONE TEMPLE PILOTSの4thアルバム。スコット・ウェイランド(Vo)のドラッグ問題およびそれに伴う裁判などがあり、バンドは宙ぶらりんな状態に。そんなスコットにしびれを切らした残りのメンバー3人は別のシンガーとともに別バンドTALK SHOWを結成、アルバム『TALK SHOW』(1997年)をリリース。それを受けて、当のスコットはソロアルバム『12 BAR BLUES』(1998年)を発表し、もうバンド復活は望めないかと思っていたところ、4人は再度膝を付き合わしてアルバム制作に臨み、完成させたのがこのアルバムになるわけです。

プロデュースはデビューアルバム『CORE』(1992年)から4作連続での担当となるブレンダン・オブライエン。『THE MUSIC... SONGS FROM THE VATICAN GIFT SHOP』(1996年)では軽めで若干スカスカ感のあるサウンドで、ポップかつグラマラスな世界観を作り上げることに成功したものの、続くここでは過去イチで音が太くて重くて、それでいてキャッチーさがしっかり備わっている良バランスの1枚に仕上げられています。

オープニングの「Down」からして初期作にあった危うさやヘヴィさが復活していますが、以前と決定的に異なるのは“グランジ”のグの字も存在しないこと。完全にSTPのオリジナルとして完結しており、多くのSTPファンおよびヘヴィロックファンを納得させるクールさを持つ1曲となっています。

その後も「Heaven & Hot Rods」や「Pruno」と、メロがしっかりしたヘヴィロックが続きますが、「Church On Tuesday」あたりから少しずつ趣向が変化していきます。このあたりは完全に前作で得たグラマラスロックの効果がはっきりと表れており、その決定打となるのが5曲目の「Sour Girl」。この曲のキャッチーさ、美しさといったら……スコット、まだこんな曲を歌えるんだね。と、当時はホッとしたものです。

この前半だけでも最高なのに、6曲目「No Way Out」からの後半戦も素晴らしいんです。ヘヴィでサイケデリックな同曲から、攻めのアップチューン「Sex & Violence」、サイケポップという呼び名がふさわしい「Glide」、カントリーの香りすらする「I Got You」、タイトルからしてまんまなパンクチューン「MC5」、ラストを飾るにふさわしいドラマチックなアコースティックバラード「Atlanta」……全11曲、完璧な構成です。

過去3作での経験を無駄にせず、しっかりバンドとして前進することを選んだ。その結果が“らしさ”しか感じられないこの4thアルバムなわけですが、正直言うと初めて聴いたときは「ああ、これで解散かな。ラストアルバムっぽいな」と思ったのもまた事実。実際、バンドは本当に解散しても不思議じゃない状況だったわけですが、彼らはこのあともう1枚だけアルバムを制作することになりますが、それはまた別のお話。

なお、本作はそういった素晴らしい内容にも関わらず、過去最低となる全米6位(100万枚止まり)で終了しています。ただ、「Sour Girl」が全米78位とキャリア唯一のシングルヒットを残しており、それだけでも本作は大きな意味を残したと言えるのかな。個人的には前作と同じくらい好きな1枚です。



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2018年3月18日 (日)

STONE TEMPLE PILOTS『STONE TEMPLE PILOTS (2018)』(2018)

前作『STONE TEMPLE PILOTS』(2010年)と同タイトルですが、内容は別モノとなるSTONE TEMPLE PILOTS通算7作目のオリジナルアルバム。フルアルバムとしてはスコット・ウェイランド参加最終作であり、彼の復帰後最初で最後のアルバムとなった『STONE TEMPLE PILOTS』以来8年ぶり、新音源としてはそのスコットの後任としてLINKIN PARKから兼任参加したチェスター・ベニントンとのEP『HIGH RISE』(2013年)以来5年ぶり。まあとにかく、ここ数年のストテンはツイてない。解雇したスコットは2015年12月に、やはりというかドラッグのオーバードーズで死去。さらに2017年7月にはLINKIN PARKへと戻っていったチェスターも自殺と、歴代シンガーをことごとく不幸な形で失っているのですから。

しかし、バンドとして歩みを止めることなく、ストテンは2016年秋に新ボーカリストオーディションを開始。その結果はしばらく発表されることなく、彼らは水面下で後任を決め、そのままレコーディングに突入。しばらく沈黙を貫き(チェスター死去のときはコメント出しましたが)、昨年11月に新メンバーとしてジェフ・グートが加わったことと、新曲「Meadow」の配信を発表し、年明け2月にはアルバムリリースがアナウンスされたのでした。

「Meadow」を聴いた時点で、まあボーカリストが変わろうがストテンはストテンのままなんだろうな、とは思っていましたが……アルバムも“まんま”でした。もちろん良い意味で。

ジェフ・グートの歌声は決してアクが強いというわけではないものの、どことなくスコットにもチェスターにも似てるような印象もあり(そう聞こえてくる瞬間が多々あり)、前任たちからかけ離れているとは思えない。もちろん、ディレクションによって歌い方を“寄せている”のもあるんでしょう。20年以上にわたり貫きとおしてきた信念を強く感じさせる仕上がりです。

楽曲自体も適度にハード、かつ適度にポップ。最初の解散前にあったサイケデリックな要素もしっかり兼ね備えており、ある種の集大成感すら感じさせます。が、思えば前作『STONE TEMPLE PILOTS』(タイトルややこしい)の時点で「再結成一発目にしてセルフタイトル」を名乗っていたのですから、あの時点で「今自分たちがやるべきこと=集大成的作品を作ること」というコンセプトがあったと思うんです。実際、そういうアルバムだと思いましたし(もちろん、ただの“焼き直し”だけでは終わっていませんでしたが)。

そういう点において、今作も同じコンセプトのもとに制作されているように感じるのですが、ただ前回と今回は同じ“立て直し後一発目”でも、そこへ向かうまでの経緯やメンバーのテンションもまったく異なるもの。特に今回は少なからずどんよりした空気を抱えていたでしょうし……。そこを打ち消すことができたのは、やはりフレッシュな新メンバーのおかげなんでしょうね(フレッシュといいながら、ジェフはすでに40歳オーバーですけどね)。それに、無駄に若くてメラメラな奴ではなく、ある程度落ち着き払った、それなりにキャリアのある人間を迎えたのも大きいのかなと。

もしあなたが過去のストテンの作品に少しでも触れたことがあり、1枚でも好きなアルバム、1曲でも好きなナンバーがあるのなら、本作にはあなたの琴線にっ触れる要素があるはずです。むしろ、「ボーカルが違う」「オリメンじゃない」なんてつまらないことにこだわらなければ、今までの“続き”として普通に楽しめることでしょう。衝撃こそないけど、いつ何時でも安心して楽しめる1枚。



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2018年3月 4日 (日)

STONE TEMPLE PILOTS『THE MUSIC...SONGS FROM THE VATICAN GIFT SHOP』(1996)

1996年3月(US。日本では4月)にリリースされた、STONE TEMPLE PILOTSの3作目にあたるスタジオアルバム。デビューアルバム『CORE』(1992年)が800万枚を超えるメガヒット作となり、続く2ndアルバム『PURPLE』(1994年)は全米1位を獲得し、600万枚もの売り上げを記録。シアトル出身ではないものの、当時勃発したグランジムーブメントにうまく乗っかってトップバンドの仲間入りを果たしたものの、スコット・ウェイランド(Vo)のドラッグ癖やそれにまつわる逮捕〜薬物施設入院などの連発により、バンド活動は破綻しかけていました。

そんな中、バンドは3rdアルバム制作にあたり合宿生活的なレコーディングを敢行。しかし、スコットはレコーディングや曲作りになかなか顔を出さず、ひとつ屋根の下で生活しながらも顔を合わせずに制作は進んでいったそうです。あちゃあ。

で、完成した本作。最初に聴いたときは正直面食らいました。「あれ、違う」と。前作、前々作ではグランジ(ALICE IN CHAINSSOUNDGARDENあたり)寄りのハードロックサウンドを聴かせてくれた彼らでしたが、本作ではそういった手法を捨て去り、もっとシンプルでわかりやすりロックを作り上げています。ラウンジミュージック的なオープニングのインスト「Press Play」には度肝を抜かれましたが、続く「Pop's Love Suicide」での肩の力の抜けっぷり、最高じゃないですか。このユルさ、嫌いじゃないです。かと思えば、続く「Tumble In The Rough」ではタイトさを強調し、再び「Big Bang Baby」で脱力。良く言えばリラックスしたロックアルバム、悪く言えば緊張感皆無でバンドとしてのまとまりゼロ。そこは聴き手の受け取り方によって大きく変わってくるかもしれません。

が、本作はその後のストテンの方向性を考える上で、非常に重要な作品だと断言していいと思います。メロディアスなポップロック「Lady Picture Show」やサイケデリックなバラード「And So I Know」で示したスタイルは、以降の音楽性における大きな武器になっていくのですから。

「Trippin' On A Hole In A Paper Heart」や「Ride the Cliche」のように従来の彼らを彷彿とさせるグルーヴィーなハードロックも存在しますが、過去2作よりもラフでアーシーなプレイスタイルで表現されており、かっちり作り込まれた前2作と大きく異なります。むしろ、本作でのシンプルなプレイスタイルのほうが従来のグランジに近いのでは……と思ってしまうほど。むしろ、デビュー作が異常に出来過ぎだったんですよね。

バンドとしては危機的状況下にあったものの、実際に完成したアルバムはバンドの新たな可能性が存分に感じられる意欲的な内容だったというのは、なんとも皮肉な話ですね。なお、本作は全米4位まで上昇し、200万枚以上を売り上げるという成績を残しています。過去2作が売れすぎたせいでセールスダウンした感が否めませんが、グランジムーブメントが終わった1996年という時代にこれだけの成績を残したことは、むしろ褒められるべきことだと思いますよ。



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2017年5月 7日 (日)

STONE TEMPLE PILOTS with CHESTER BENNINGTON『HIGH RISE』(2013)

LINKIN PARKのチェスター・ベニントンはバンド活動以外にも、さまざまな音楽ユニット/バンドに参加しています。例えば2009年にアルバム『OUT OF ASHES』を発表したバンドDEAD BY SUNRISE、そして2013年に加入したSTONE TEMPLE PILOTSあたりは有名かと思います(前者は最近のファンには身近ではないかもしれませんが)。

スコット・ウェイランドが脱退し、ボーカリスト不在となったストテンはチェスターをボーカルに迎え、新たに“STONE TEMPLE PILOTS with CHESTER BENNINGTON”名義で活動を続けていくことを発表。2013年春にはこの編成で初のオリジナル曲「Out Of Time」を配信し、秋には同曲を含む5曲入り『HIGH RISE』をCDリリースするのでした。

スコットが再加入して2010年に発表したアルバム『STONE TEMPLE PILOTS』は“いかにも”な作風で、古くからのファンを喜ばせてくれました。そこから3年後に制作されたこの『HIGH RISE』も、基本的には従来のストテンサウンドなんですが、そこにチェスターのボーカルが乗ることで若干の違和感が生じる結果に。スコットほどのアクの強さもないし、線も細いチェスターの歌声はこういうオーソドックスなロックには向いてないのではないか。一聴したときはそう思ったものでした。

しかし、何度か聴き返すうちに不思議と馴染んでくるんです。これはこれで悪くないかも、と。もともと楽曲自体は過去のストテンのアルバムに入っていても不思議じゃないナンバーばかりだし、チェスターが入ったからといって特に新しいことをやろうとしていない。「いや、むしろ俺たちはこれがやりたいんだ!」という従来のストテンメンバー3人からの強い意志が感じられる、“この先”へつなげるための重要な作品集なんですね。

バンド名の「with〜」表記からもわかるように、この編成は永遠ではない。実際、2015年秋にはチェスターはストテンからの離脱を発表。その1ヶ月後にはスコットも急逝しており、バンドは今も新ボーカリストを探している最中です。オーバードーズという形でこの世を去り、ロックシーンにその名を刻み込んだスコット。LINKIN PARKという世界的に大成功したバンドから少し離れて、大先輩たちの共演でアク抜きしてバンドへと戻っていったチェスター。そして地道に続けることを選んだストテン。どの生き方が正しいとか間違ってるとか言いがたいけど、今は再びSTONE TEMPLE PILOTSとしての新作を気長に待ちたいところです。



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2017年4月26日 (水)

STONE TEMPLE PILOTS『CORE』(1992)

ALICE IN CHAINSが『FACELIFT』(1990年)でメジャーデビューをし、NIRVANAがメジャー第1弾アルバム(通算2枚目)『NEVER MIND』(1991年)、そしてPEARL JAMが『TEN』(1991年)、SMASHING PUMPKINSが『GISH』(1991年)という1stアルバムをそれぞれ発表し、SOUNDGARDENが『BADMOTORFINGER』(1991年)をドロップしたことで、1992年に入ると一気に盛り上がりが加熱したシアトルのグランジシーン。特にNIRVANA、PEARL JAMの大ヒットがその後のロックシーンを大きく変えていくことになるわけですが、この流れに呼応するかのようにカリフォルニアから1組のバンドがデビューします。それが今回紹介するSTONE TEMPLE PILOTSというバンドです。

……って説明、今更いらないと思いますが。スコット・ウェイランド(Vo)、ディーン・ディレオ(G)、ロバート・ディレオ(B)、エリック・クレッツ(Dr)の4人からなるこのバンドは、1992年9月にAtlantic Recordsからアルバム『CORE』でメジャーデビュー。日本盤リリースは確か翌1993年春頃だったと記憶しています。ちょうど1992年末から1993年初頭にかけて、FENなどのラジオ局でこのアルバムからのシングル曲「Sex Type Thing」を耳にするようになりまして、正直そのときは「PERAL JAMみたいな音、声だな。新曲か?」くらいに思ってたのですが、それがSTONE TEMPLE PILOTSという名前のバンドだと知ったのは、ちょっと時間が経ってからでした。

「Sex Type Thing」のALICE IN CHAINS+PEARL JAMな“グランジかぶれ”サウンドは評価よりも嘲笑の対象になりかねない1曲でしたが、アルバムを聴くとそのかぶれっぷりはさらにひどいもの……いや、東海岸で起こっていたムーブメントに対する西海岸からの回答と受け取れるような内容でした。

オープニング「Dead & Bloated」や「Where The River Goes」のタメを効かせたプレイや、「Wicked Garden」「Sin」あたりに漂うサイケデリック感はSOUNDGARDENにも通ずるものがあるし、「Creep」の枯れたアコースティックテイストはPEARL JAMともNIRVANAとも言えなくない。「Plush」のポップ感は……と、言い出したらキリがないのでこのへんに止めておきますが、とにかくあの時代の“良いとこ取り”なテイストはある意味卑怯でもあり、一周回って天才ですらあるなと。

ただね、どの曲もメロディやアレンジ、楽曲の作りは優れているんですよ。模倣からスタートしたのかどうかは別として、そこだけは素直に評価したい。結果、最初から最後まで素直に楽しもうとすれば最高のハードロックアルバムだと思いますしね。

また、本作の時点ではまだ露呈してなかったスコットの良くも悪くもカリスマチックな面は、作品を重ねていくごとに肥大しくことに。最終的にはそこがマイナスに働きバンド脱退〜オーバードーズでの急逝というバッドエンドへとつながるわけですが。

それと、すでに本作からも存分に感じられると思いますが、楽器隊の演奏能力の高さ、特にディーンのギタリストとしての非凡さはもっと評価されてもいいのではないかと思います。そのルックス含め、ジミー・ペイジ直系的印象が強いですし。

今ではそこまでネガティブに捉えられることはないと思う作品ですが、若い方々は偏見なく、そしてあの時代をリアルタイムで通過したおっさんおばさんたちは一度フラットな気持ちで本作に接してみてはどうでしょう。ほら、意外と良かったでしょ?



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2007年11月15日 (木)

VELVET REVOLVER『LIBERTAD』(2007)

いやぁ、しかし笑わせてもらいました、今回のVELVET REVOLVER来日キャンセル。公演10日前になっていきなりの中止、しかも理由が「VISAが下りない」って……いやいや、楽しみにしていたファンの皆さんにとっては(特に宿や交通手段を予約していた遠方の方々にとっては)笑えない残念な知らせですよね。失礼しました。でもね、ひさしぶりにこんな理由で来日できないアーティストを目にしたもんだからさぁ。彼らは確か、2004年初頭の「SONIC MANIA」でアルバムリリース前に初来日を果たす予定だったものの、そこでも入国に難ありということで発表前にキャンセルになったんでしたっけ。今回は特にいろいろ厳しくなったもんだから、逮捕歴のあるメンバーの過去が問題になったようですが……だからといって、日本で何をするというわけでもないのにね。そりゃガッカリしますよ、ファンもバンドも。

3年前のデビューアルバム「CONTRABAND」が(CCCDだったにもかかわらず)いきなり全米チャート1位を記録した、元GUNS N'ROSES残党&元STONE TEMPLE PILOTSのVo+αによるVELVET REVOLVER。両バンドとも好きな存在だっただけに、その組み合わせはうまくいくのか音を聴くまでは心配だったものの、出来上がったアルバムは無難な仕上がりで納得させられたものです。スラッシュ特有のリフ・ゴリ押しオールドスクール・ロックンロールと、スコット・ウェイランドが持つ独特なポップセンス&サイケ感がうまく融合しており、これがガンズの代わりになるとは思わなかったけどそれはそれとして楽しんだものです。

続いてリリースされた本作は、前作以上に楽曲ひとつひとつがバラエティ豊かになったなぁと一聴して感じました。前作にあったような「いかにもスラッシュが書きましたという、ガンズの亜流ナンバー」はなくなり、前作の延長線上にありながらも新たな要素を感じさせる力作に仕上がってます。特にスコットの色が前作以上に濃く表れていて、個人的にはこの進化は大歓迎。シンプルな疾走ロックンロール「Let It Roll」からスタートし、前作にあったようなミドルテンポのハードロックチューン、スコットならではのサイケポップ「The Last Fight」「Gravedancer」、前作と同系統のようでよりひねりが効いた「Just Sixteen」「Spay」、ELECTRIC LIGHT ORCHESTRAのカバー「Can't Get It Out Of My Head」といった、興味深い楽曲が並んでいます。さらに日本盤には、海外でリリースされたシングルに収録されていたTALKING HEADSのカバー「Psycho Killer」も追加収録。ちょっと意外な選曲で、今回は驚かされますね(これまではSEX PISTOLSやNIRVANA、CHEAP TRICKといった王道だったし)。

アメリカでは前作ほどのセールスを上げていないこともあってあまり評価されていないみたいですが、個人的には前作以上に好きなアルバムです。だからこそ、生で聴いてみたかったなぁ(といっても、ライヴじゃハードな曲がメインなんでしょうけど)。次に来日する可能性があるのは、サマソニとか「LOUD PARK」といったフェスかなぁ。でも、どうせなら単独で観たいよね(今回チケットを取っていなかったお前が何を言う!?といった感じですが)。

結局のところ、誰も「APPETITE FOR DESTRUCTION」の頃のガンズサウンドを引き継いでいないのが面白いなぁ、アクセルにしろ、スラッシュやダフにしろ。ライブじゃ初期の曲をガンガンやってるアクセルだけど、オリジナル曲はまったくの別物だし、VELVET REVOLVERにしてもスコットの色を加えることでより違った方向へと突き進んでいるしね。そういう意味で、もっとも原点に忠実なのは、実はイジー・ストラドリンでもギルビー・クラークでもなく、スティーヴン・アドラーなのかもしれないね?(それはそれでどうかと思うが)



▼VELVET REVOLVER『LIBERTAD』
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2005年3月28日 (月)

VELVET REVOLVER、「OZZFEST」に出演?

VELVET REVOLVER To Replace IRON MAIDEN At Final Seven OZZFEST Dates? (BLABBERMOUTH.NET)

 「OZZFEST」最後の7公演に関して、IRON MAIDENの代わりにVELVET REVOLVERが出演するのでは?というお話。MAIDENは8月後半のショウを出演せず、英「READING FESTIVAL」にヘッドライナーとして出演するため、北米で行われる「OZZFEST」終盤7公演には当初から出演する予定はなかったのですが、まさかその代役をVELVET REVOLVERが務めるとは‥‥どうなの? あまりに音楽的に違いすぎるからさ。ま、アメリカ的には「アリ」だと思うけど。

 その他にもMUDVAYNEも出演するのでは?というお話も。久し振りに耳にするバンド名だなぁ。メンバーチェンジとかしてなかったんだっけか。

 VRはこの夏、各夏フェスに出演したい、それが今回のアルバムに伴うワールドツアーのラストになる、なんて話を前々からしてたようだけど、早いところセカンドアルバムの準備に入ってもらいたいんだけどなぁ‥‥あんま長いことツアーやってると、ロクなことないしさ、元GNR組とか元STP組ってさ。そのまま不仲になったりとか、長い休暇に入っちゃったりとかさ。まぁレコーディングの準備しながらライヴやるのが一番いいんじゃないかな、勢いをそのままレコーディングに取り込めるような気がするし。ま、気持ちの切り替えとか難しそうだけどね。



▼MUDVAYNE「LOST AND FOUND」(amazon/4/12 USリリース)

2004年6月 6日 (日)

VELVET REVOLVER『CONTRABAND』(2004)

元GUNS N'ROSES組‥‥スラッシュ、ダフ・マッケイガン、マット・ソーラム(この人はつい最近までTHE CULTでも叩いてましたね)の3人に、デイヴ・ナヴァロ(JANE'S ADDICTIONのギター)のソロバンドやzilch(元X-JAPANのhideが生前参加していた無国籍ヘヴィバンド)、先のダフのバンド・LOADEDにも参加した経験を持つギタリスト、デイヴ・クシュナー、そして最後にピースとして加わったシンガー、スコット・ウェイランド‥‥言うまでもなく元STONE TEMPLE PILOTSのメンバー‥‥の5人によって結成された新バンド、VELVET REVOLVER。ってバンド構成を説明するだけでこれだけの行数を要する、所謂「スーパーバンド」と呼ばれるような、デビュー前から大きな期待が寄せられていたバンドなわけですが、いろんな意味でトラブルメーカーなスコットのお陰でアルバムリリースが大いに遅れたり、今年1月に実は来日予定(1月末の屋外フェス「SONIC MANIA」)だったのが、スコットの逮捕等で実現しなかったり等、そっち方面でも何かと話題なわけでして‥‥所謂ハードロックの範疇に入るバンドの中で、良くも悪くもここまで話題性に富んだバンドは随分と久し振りかなぁ‥‥なんてね。

昨年夏に映画「ハルク」の為にオリジナル曲 "Set Me Free" を提供し、こりゃ世間が大騒ぎするか!?とか思ったものの、周りは意外と冷静でビックリしたけど、まぁこうやってアルバムリリースにまでこぎ着けたことで、ようやく盛り上がり出したみたいですね。タイミング的にも3月にリリースしたGN'Rのベスト盤が世界的に大ヒットを記録してる中でのデビューとなるので、そりゃ否が応でも盛り上がるわな、メディアもロックファンも。

けどさ‥‥ひとつだけ見誤って欲しくないことがあってね。きっと誰もがこのVELVET REVOLVERに接する時に考えることだと思うけど‥‥GN'Rとの比較ね。あるいは彼らにGN'Rサウンドを求めたりとかさ。そりゃね、元メンバーが3人も参加してるんだもん、嫌でも比較したくなるし、本家が動かない今、VRにその幻影を求める気持ちも判らないでもない。で、そういう人に限って言うわけさ‥‥「GN'Rと違う」「GN'Rっぽいんだけど、あれより劣る」とかさ。いや、大きく間違ってはいないと思うけど‥‥俺、やっぱり違うと思うのね。

そもそもさ、GN'Rのメインソングライターって他でもないイジー・ストラドリンだったんじゃねぇの? クレジット的には全員の名前が載っている1st「APPETITE FOR DESTRUCTION」にしろ、その大半はイジーが骨格を作ったわけでしょ? 勿論アクセル・ローズもスラッシュもダフも作曲に貢献してはいるけど、比率的には「イジー6.5:アクセル1.5:スラッシュ1.5:ダフ1.5」くらいだったんじゃないかな、と。そして、そんなだから10数年経った2004年においても未だにアクセルは苦悩してるんじゃないかな、と。違うかしら?

そういう意味でこの「CONTRABAND」という作品、GN'R以上にSLASH'S SNAKEPITやダフのソロ、そしてSTPと比較されるべきアルバムなのではないかと力説したいわけ。だってそうじゃない?

で、実際にアルバムを聴いた感想ね。思ったより悪くなかった、むしろ好意的に受け取れる作品集だな、というのが第一印象。数回聴き込んでいくうちに、あー何か久し振りにこんなアメリカンハードロックアルバムを聴いたなーと感じたり(いや実際にはその手のアルバム、結構聴いてるのにね)、STPがストレートになるとこんな感じなのかな、とかいろいろ想像したりしてね。うん、面白いアルバムだと思いますね。実際、曲もよくまとまってるし。スコットが歌ってるからなのか、それともバンドアレンジをワザとそうしたのかは判りませんが、とにかくGN'R側というよりもSTP側に比重が傾いてる気がします。ストレートなんだけど、妙な浮遊感がある、みたいな。サイケではないんだけど、独特な「色」や「味」を感じる‥‥別にマット・ソーラムがいるからってわけじゃないけど‥‥THE CULTの'90年代以降の作品と非常に近い空気を感じましたね。あれがひとつの「アメリカンハードロック」のスタイルを築いたといってもあながち間違ってませんよね?(ま、実際にはTHE CULTはイギリスのバンドなわけですが、よりアメリカナイズされた「ELECTRIC」や「SONIC TEMPLE」辺りで大ブレイクしたのでね。で、この辺のサウンドに対してアクセルも非常に憧れや嫉妬心を持っているという話もあるしね)

ストレートな曲は確かにSLASH'S SNAKEPIT辺りがやってたことと共通するものがあるし、実際ギターソロなんて聴いちゃうとまんまスラッシュなわけですよ(当たり前の話ですが)。そこからブルーズ色を後退させ、スコット特有の浮遊感(カメレオンみたいにコロコロ変わる声色)が加わることで何か別のものへと変化する。それがVRの持ち味なのかもしれませんね? で、そんな中にあって一際光っているのが、"Fall To Pieces" や "Loving The Alien" のようなスローな曲。スコットのボーカルがちょっとデヴィッド・ボウイを彷彿させるようなイメージで、特に後者はギターがスラッシュっぽくなくて面白いかな、と。

そういえば‥‥STPっぽいから余計にそう聞こえるのかもしれないけど‥‥いや違うよな‥‥あのね、全体的にギターリフが単調な気がします。GN'Rと比べるのは反則だと自分で言っておいてアレですが、バリエーション少ないよね、このアルバムでのギターリフって。その大半がベースとのユニゾンだし。SNAKEPITの時ですらもうちょっと印象的なリフが幾つかあったような気がするんだけど‥‥そこが一番残念な点。ロックがヒットチャートで活躍する機会が減ったこんなご時世だからこそ、スラッシュにはもっと頑張ってキッズがギターを手にしたくなるようなサイコーにイカしたギターリフを増産して欲しかったんだけどね。そこは今後に期待ですかね。あとは‥‥やっぱライヴだな、うん。この手のバンドの場合は、やっぱりツアーを重ねることで更に曲のバリエーションが広がったり、よりライヴを意識した曲作りをするようになるはずだから。そもそもスコット自体がここ数年引き蘢りに近い状態だったから(STP初期に比べれば、ってことね)、現在行われているツアーがこのまま順調に進めば続くセカンドアルバム(‥‥本当にあるのだろうか?)は更に凄いアルバムになるはずなんですよね。だってさ、これだけ凄い野郎が5人も揃ってるんだもん、出来ないはずがないでしょ?

まぁそれまでは、このアルバムを可能な限り大音量で聴くことで我慢することにしましょうよ。どうせGN'Rのアルバムは‥‥ねぇ?



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