2018年11月 9日 (金)

SUEDE『THE BLUE HOUR』(2018)

2018年9月リリースの、SUEDE通算8枚目のスタジオアルバム。再結成後としては3作目のアルバムとなり、過去2作でプロデュースを務めた(初期作でおなじみの)エド・ビューラーが離れ、新たにアラン・モウルダーが初プロデュースを担当しています。

復活後の『BLOODSPORTS』(2013年)、『NIGHT THOUGHTS』(2016年)、そして本作は三部作を想定して制作されたそうで、その最終章となる今作は映画のサントラ的テイストが好印象だった前作を引き継ぐ、“これぞSUEDE!”なお耽美アルバムに仕上がっています。

本作のタイトル『THE BLUE HOUR』とは、日の出前と日の入り後に発生する空が濃青色に染まる時間帯を指します(アルバムジャケットで表現されている、まさにこの絵ですね)。つまり、深夜を表現した『NIGHT THOUGHTS』から夜明けまでの短い時間帯、その刹那を凝縮したのがこのアルバムなわけです。もう、この時点でSUEDEそのもの。聴く前から「これは傑作に決まってる!」と勝手に決めつけていました。

で、実際に聴いたら……これ、キャリア最高傑作じゃないか?って言いたくなるくらい、本当に素晴らしい内容なんです。問答無用のデビューアルバム『SUEDE』(1993年)はもちろん、続く『DOG MAN STAR』(1994年)や大ヒット作の3rdアルバム『COMING UP』(1996年)に並ぶ、いや、僕個人としては(現時点では)それらを超えたと言いたくなるくらい、圧倒的な内容だと思うのです。

序盤のドラマチックな流れといい、その楽曲群を見事な形で表現する楽器隊、「これしかない!」と言わんばかりに唯一無二なブレット・アンダーソン(Vo)のボーカル。すべてが完璧なバランスの上で成り立っており、そのどれもが他者を邪魔しない控えめさを持ち合わせている。なのに、「これじゃなくちゃダメ!」と納得するぐらいの説得力と存在感も兼ね備えている。だけど、どこかいびつ……うまく表現できないのですが、本当にそんなアルバムなのです。

パワフルなギターロックもあれば、ストリングスを効果的に用いたスローナンバーも多数用意。むしろ、そっちが中心なのですが、だからといってロックバンド的なパンチが弱いかと言われると、全然そんなことがない。むしろ、このバンドの場合はそっち側でノックアウトを狙ってくるから油断大敵。気づけばハートを鷲掴みにされ、目には涙が……みたいなことになるので、聴く際には細心の注意を。

曲単位でこれが好き!というよりも、アルバム全体を通してひとつの曲(組曲)みたいなアルバム。そう思っていたのですが、ふとしたときにYouTubeでたどり着いた「Life Is Golden」のMVにドキリとさせられ、気づいたらこの曲を延々リピートしていた。歌詞の内容とチェルノブイリの廃墟感を表した映像に後頭部を思いっきり殴られたような衝撃を受けました。個人的にこんな1曲がまたSUEDEの中から出てくるなんて、想像もしてなかったから本当に不意打ちを食らった気分です。

地味だけど豪華。そして濃厚。2018年はまだ終わっていませんが、間違いなく本年度のベストアルバムです。



▼SUEDE『THE BLUE HOUR』
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投稿: 2018 11 09 12:00 午前 [2018年の作品, Suede] | 固定リンク

2018年4月26日 (木)

SUEDE『SUEDE』(1993)

本国イギリスで1993年3月末、日本では同年4月頭にリリースされたSUEDEのデビューアルバム。前年に発表されたシングル「The Drowners」(全英49位)、「Metal Mickey」(同17位)のスマッシュヒットや、バイセクシャルをイメージさせるブレット・アンダーソン(Vo)の発言などもあり、バンドは急速に注目度を高め、アルバム直前のシングル「Animal Nitrate」はついに全英7位まで上昇。続くアルバムも当然のように全英1位に輝き、いきなり大ヒット作となったのでした。また、同作からは続いて「So Young」もシングルカットされ、全英22位にランクインしています。

ブリットポップ勃発直前に、こういった時代錯誤なグラムロック的バンドがシーンに登場するというのがいかにもイギリスらしく、当時ロックシーンのど真ん中にいたNIRVANAPEARL JAMのようなアメリカ産ロックバンドとは違った異端ぶりを発揮。そりゃあ食いつきますよね、僕。大好物ですもの、こういうバンド。

70年代のデヴィッド・ボウイやROXY MUSIC、80年代のU2(初期3部作に限定)やTHE SMITHSという我々がイメージするUKロック(厳密にはU2はUKじゃないけど)の延長線上にあり、のちに爆発的人気を博すBLURやOASISとは異なる“お家芸”を90年代初頭というマンチェスタームーブメント末期にドロップする心意気。時にヘヴィに、時に耽美にと変化するねちっこいバンドサウンドと同性愛や近親姦、獣姦などスキャンダラスなテーマを扱う歌詞。なのにキャッチーでわかりやすいメロディと、至るところに散りばめられている毒。ブレットの中性的な歌声と、バーナード・バトラー(G)の“裏メロ”と呼びたくなるくらいに歌いまくるギタープレイなど、特徴的なポイントを多数持ち合わせており、時代の変わり目に突如咲いた徒花のわりにアホほど売れた……いや、単なる徒花ではなかったことは、次作以降で証明されていくわけですが。

シングル曲の出来はもちろんのこと、それ以外の楽曲も本当に素晴らしい。「She's Not Dead」や「Pantomime Horse」、「Sleeping Pills」「The Next Life」など本当に捨て曲なし。シングル曲はミドルテンポのロックチューンばかりですが、アルバムでたっぷり聴ける繊細なバラードナンバーもこのバンドの大きな魅力と言えます。次作以降、そういった面をシングルでも切っていくことで、そういった要素はさらに広く伝わっていくことになるのですが、まあスキャンダラスさを打ち出すという意味においてはデビュー作からのシングルの切り方としては間違ってなかったのかもしれませんね。

とにかく名盤。文句なしの名盤。もちろん、2ndアルバム『DOG MAN STAR』(1994年)も3rdアルバム『COMING UP』(1996年)も名盤ですけど、この輝きや存在感はデビュー作ならではのもので、別格ではないでしょうか。

リリースから今年で25年。先日、レアトラックを多数収録した4CD+DVDのボックスセットも発売されたばかりですが、こちらとしてはもっと気軽に90年代の作品が聴ける環境を作ってほしいなと思っているのですが。意外ですよね、ベスト盤以外の再結成前の諸作品が配信されていないのって。



▼SUEDE『SUEDE』
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投稿: 2018 04 26 12:00 午前 [1993年の作品, Suede] | 固定リンク

2017年8月28日 (月)

SUEDE『NIGHT THOUGHTS』(2016)

SUEDEが2016年2月に発表した通算7作目、再始動後2作目となるオリジナルアルバム。前作『BLOODSPORTS』(2013年)は非常に“らしい”アルバムでしたが、そこに少々意図的なものも感じられたりして。力作だけど傑作とは言い難い1枚でした。もちろん、復帰作としては十分な内容だったし、特に3rdアルバム『COMING UP』(1996年)以降の彼らが好きという人なら間違いなく気に入ったはずです。

が、初期愛好家(苦笑)としては、やはり1st『SUEDE』(1993年)や2nd『DOG MAN STAR』(1994年)のカラー……あの耽美さがないとどうにも居心地の悪さを感じてしまうのも、また事実。確かに『COMING UP』も、続く『HEAD MUSIC』(1999年)もお気に入りだけど、“なぜ自分がSUEDEというバンドを好きになったか?”という原点に立ち返ると、どうしても初期にあったいかがわしさや耽美さを求めてしまうわけです。

で、この『NIGHT THOUGHTS』というアルバム。まずタイトルがお耽美。だって邦題が「夜の瞑想」ですよ? 悪いわけがない。もうこの時点でハードルクリア(安いな自分)。

しかもイギリスの詩人エドワード・ヤングの詩集『夜想詩』からインスパイアされた本作は、完全なるコンセプトアルバム。1曲目「When You Are Young」からラストの「The Fur & The Feathers」まで、ほぼ曲間なしで展開されていく構成は圧巻の一言です。楽曲自体も『DOG MAN STAR』と『COMING UP』の中間、いや、若干『DOG MAN STAR』側に寄った、作り手やリスナーの心のダークサイドをえぐるような力強さ、優しさ、儚さ、悲しさが凝縮されている。耽美な曲やひたすら耽美に、パワフルなロックチューンはひたすらパワフルに。いろんな意味で振り切れた、まさに「これぞSUEDE!」と宣言したくなる1枚なのです。

正直、再結成を遂げたバンドが全盛期を超える、あるいはそこに匹敵するような作品を作ることは、今や誰も望んでいないというか、なかば諦めているんじゃないかと思うんです。「いいよいいよ、君たちはそこにいてくれるだけで。ちゃんとライブさえやってくれたらいいんだよ」と、どこか新作発表から逃げているところはあるはずなんです。でも、SUEDEは「どうせ復活したんだから」と、好き放題やった。しかも、その好き放題が我々が望むベクトルと見事に一致した。こんなに素晴らしい結果はないんじゃないでしょうか。

ブレット・アンダーソン(Vo)の歌声もマッチョ化した後期のそれとは異なり、曲によっては初期の艶やかな声を聞かせてくれるし、リチャード・オークス(G)のプレイもどこか前任バーナード・バトラーのそれと重なる瞬間がある。これまでは完全に別モノとして捉えていたけど、ここまでシンクロするなんて、ただただ驚きです。

これからSUEDEを聴いてみようという人にもまっ先にオススメできる1枚。ぜひ初期3作と一緒にこの最新作も聴いてほしいと思います。



▼SUEDE『NIGHT THOUGHTS』
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投稿: 2017 08 28 12:00 午前 [2016年の作品, Suede] | 固定リンク

2017年1月 9日 (月)

祝ご成人(1996年4月〜1997年3月発売の洋楽アルバム20枚)

新成人の皆さん、おめでとうございます。2014年度に初めて実施したこの企画、今回で3回目を迎えます。今年も新成人の皆さんが生まれた年(学年的に1996年4月〜1997年3月の期間)にリリースされた洋楽アルバムの中から、個人的思い入れがある作品を20枚ピックアップしました。どれも名盤ばかりなので、もし聴いたことがないという作品がありましたら、この機会にお手にしてみてはいかがでしょうか。とは言いながらも大半が名盤中の名盤なので、聴いたことがあるものばかりかもしれませんが。

作品の並びはすべてアルファベット順です。(2014年度の新成人編はこちら、2015年度の新成人編はこちらです)


ATARI TEENAGE RIOT『THE FUTURE OF WAR』(Amazon

BECK『ODELAY』(Amazon

BLUR『BLUR』(Amazon)(レビュー

DEF LEPPARD『SLANG』(Amazon)(レビュー

THE HELLACOPTERS『SUPERSHITTY TO THE MAX!』(Amazon)(レビュー

HONEYCRACK『PROZAIC』(Amazon)(レビュー

KORN『LIFE IS PEACHY』(Amazon)(レビュー

KULA SHAKER『K』(Amazon)(レビュー

MANIC STREET PREACHERS『EVERYTHING MUST GO』(Amazon)(レビュー

MANSUN『ATTACK OF THE GREY LANTERN』(Amazon)(レビュー

MARILYN MANSON『ANTICHRIST SUPERSTAR』(Amazon)(レビュー

METALLICA『LOAD』(Amazon)(レビュー

OCEAN COLOUR SCENE『MOSELEY SHOALS』(Amazon

PANTERA『THE GREAT SOUTHERN TRENDKILL』(Amazon)(レビュー

RAGE AGAINST THE MACHINE『EVIL EMPIRE』(Amazon

REEF『GLOW』(Amazon)(レビュー

SUEDE『COMING UP』(Amazon

TOOL『AENIMA』(Amazon)(レビュー

U2『POP』(Amazon)(レビュー

WEEZER『PINKERTON』(Amazon)(レビュー


残念ながらセレクトから漏れた作品も多いです。以下、主だった作品をざっと羅列します。

AEROSMITH『NINE LIVES』(レビュー
ALICE IN CHAINS『UNPLUGGED』
ARCH ENEMY『BLACK EARTH』(レビュー
ASH『1977』
BEN FOLDS FIVE『WHATEVER AND EVER AMEN』
THE BLACK CROWES『THREE SNAKES AND ONE CHARM』
THE BOO RADLEYS『C'MON KIDS』
BJORK『TELEGRAM』
BRYAN ADAMS『18 TIL I DIE』
BUSH『RAZORBLADE SUITCASE』
CARCASS『SWANSONG』
THE CARDIGANS『FIRST BAND ON THE MOON』
THE CURE『WILD MOOD SWINGS』
DAFT PUNK『HOMEWORK』
DAVID BOWIE『EARTHLING』
DINOSAUR JR.『HAND IT OVER』
ELVIS COSTELLO & THE ATTRACTIONS『ALL THIS USELESS BEAUTY』
FIONA APPLE『TIDAL』
FOUNTAINS OF WAYNE『FOUNTAINS OF WAYNE』
GEORGE MICHAEL『OLDER』
HELMET『AFTERTASTE』
IMPERIAL DRAG『IMPERIAL DRAG』
JAMIROQUAI『TRAVELLING WITHOUT MOVING』
JOURNEY『TRIAL BY FIRE』
LUSCIOUS JACKSON『FEVER IN FEVER OUT』
MACHINE HEAD『THE MORE THINGS CHANGE...』
MANOWAR『LOUDER THAN HELL』
MATTHEW SWEET『BLUE SKY ON MARS』
MICHAEL SCHENKER GROUP『WRITTEN IN THE SAND』
NIRVANA『FROM THE MUDDY BANKS OF THE WISHKAH』(レビュー
PATTI SMITH『GONE AGAIN』
PEARL JAM『NO CODE』(レビュー
PET SHOP BOYS『BILINGUAL』
PRINCE『EMANCIPATION』
R.E.M.『NEW ADVENTURES IN HI-FI』
ROLLINS BAND『COME IN AND BURN』
RUSH『TEST FOR ECHO』
SCORPIONS『PURE INSTINCT』
SLAYER『UNDISPUTED ATTITUDE』
SLOAN『ONE CHORD TO ANOTHER』
SOUNDGARDEN『DOWN ON THE UPSIDE』(レビュー
STEVE VAI『FIRE GARDEN』
STRAPPING YOUNG LAD『CITY』
SUPER FURRY ANIMALS『FUZZY LOGIC』
VERUCA SALT『EIGHT ARMS TO HOLD YOU』
ZAKK WYLDE『BOOK OF SHADOWS』
THE WiLDHEARTS『FISHING FOR LUCKIES (East West Version)』(レビュー
ZZ TOP『RHYTHMEEN』


1995年から1996年初頭がブリットプップの最盛期と昨年のブログに書きましたが、続く1996年から1997年にかけてはその最盛期から末期に向かっていく過程。BLURが1997年初頭に発表したセルフタイトルアルバムが「ブリットポップの終焉」を決定づけたのは間違いないでしょう。KULA SHAKERやMANSUNのデビュー作、MANICS、OCS、REEFの諸作、そして選外でしたがASHのデビュー作などはその末期に輝いた傑作だと思っております。

そして、アメリカではRATM、KORN、TOOL、MARILYN MANSONのブレイクにより新たなヘヴィロックシーンが確立されるタイミング。と同時に、ベックやWEEZERといったアーティストたちも新たなオルタナシーンを築き上げておりました。その一方で、METALLICAやDEF LEPPARDといった大御所たちが迷走していたのも、このタイミングの面白いところ。それぞれピックアップした作品は、各バンドのキャリアの中でも迷作扱いされることの多いものですが、今聴くと意外と悪くないから不思議。今回選出した動画20曲の中に混じっても、実はあまり違和感がない音楽性だったりします。面白いもんですね。

あ、1997年に入ると同時にU2が『POP』を出したり、ATRの2ndアルバムが話題になったりと、新たな可能性が見え始めたのも興味深いですね。

ちなみに日本での1996年4月〜1997年3月といいますと、TK作品のチャート独占やプリンセス・プリンセスの解散、米米CLUBの解散発表(ラストライブは翌年)、TMRやPUFFY、ELT、SPEEDのデビューなど、音楽産業的にもピークを迎えつつあった時期でした。

最後に。ここではピックアップしませんでしたが、1996年で特に印象に残っているのは「恋のマカレナ」と「Wannabe」です。



▼SPICE GIRLS『SPICE』
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投稿: 2017 01 09 12:00 午前 [1996年の作品, 1997年の作品, Atari Teenage Riot, Beck, Blur, Def Leppard, Hellacopters, The, Honeycrack, Korn, Kula Shaker, Manic Street Preachers, Mansun, Marilyn Manson, Metallica, Ocean Colour Scene, Pantera, Rage Against The Machine, Reef, Suede, Tool, U2, Weezer, 「20年前」] | 固定リンク

2015年1月13日 (火)

祝ご成人(1994年4月〜1995年3月発売の洋楽アルバム20枚) ※改訂版

新成人の皆さん、おめでとうございます。というわけで今回は、新成人の皆さんが生まれた年(学年的に1994年4月〜1995年3月の期間)にリリースされた洋楽アルバムの中から、個人的思い入れがある作品を20枚ピックアップしました。どれも名盤ばかりなので、もし聴いたことがないという作品がありましたら、この機会にお手にしてみてはいかがでしょうか。とは言いながらも大半が名盤中の名盤なので、聴いたことがあるものばかりかもしれませんが。

あ、並びはすべてアルファベット順です。

Beastie Boys「Ill Communication」(Amazon

Blur「Parklife」(Amazon

Dinosaur Jr.「Without a Sound」(Amazon

Helmet「Betty」(Amazon

Jeff Buckley「Grace」(Amazon

Korn「Korn」(Amazon)(レビュー

Machine Head「Burn My Eyes」(Amazon)(レビュー

Madonna「Bedtime Stories」(Amazon

Manic Street Preachers「The Holy Bible」(Amazon)(レビュー

Nine Inch Nails「The Downward Spiral」(Amazon / 日本盤1994年4月発売)

Oasis「Definitely Maybe」(Amazon

Pearl Jam「Vitalogy」(Amazon)(レビュー

Pink Floyd「The Division Bell」(Amazon / 日本盤1994年4月発売)

Portishead「Dummy」(Amazon

The Prodigy「Music for the Jilted Generation」(Amazon

R.E.M.「Monster」(Amazon

Radiohead「The Bends」(Amazon)(レビュー

Slayer「Divine Intervention」(Amazon

Suede「Dog Man Star」(Amazon

Weezer「Weezer (The Blue Album)」(Amazon)(レビュー


残念ながらセレクトから漏れた作品も多いです。それこそThe Beatlesの「Live at the BBC」、The Rolling Stones「Voodoo Lounge」、Nirvana「MTV Unplugged in New York」、The Stone Roses「Second Coming」といったものから、Marilyn Mansonのデビュー作「Portrait of an American Family」、Sloan「Twice Removed」、Sick of It All「Scratch the Surface」、The The「Hanky Panky」、Bonston「Walk On」、TLC「CrazySexyCool」、Van Halen「Balance」、Beck「Mellow Gold」あたりまで。カート・コバーンが亡くなって20年なんですね。そう考えると20年なんてあっという間ですよ、本当に。

※1/13 17:40加筆修正
Nine Inch Nails「The Downward Spiral」という個人的に絶対に欠かせないアルバムの存在を思い出させてくれたいっしーさんに感謝。というわけで、セレクトを一部改訂しております。

投稿: 2015 01 13 12:06 午前 [1994年の作品, 1995年の作品, Beastie Boys, Blur, Dinosaur Jr., Helmet, Jeff Buckley, Korn, Machine Head, Madonna, Manic Street Preachers, Nine Inch Nails, Oasis, Pearl Jam, Pink Floyd, Portishead, Prodigy, The, R.E.M., Radiohead, Slayer, Suede, Weezer, 「20年前」] | 固定リンク

2004年11月 9日 (火)

とみぃ洋楽100番勝負(83)

●第83回:「So Young」 SUEDE ('93)

 SUEDEの登場は衝撃だった、とか当時からメディアは騒ぐけど、それって結局「その頃はそういうバンドがいなかった/時代遅れだった」から、物珍しくて騒いでただけじゃん。勿論、そういうスキャンダラスな側面だけでなく、しっかりした曲が書けたからこそ、彼等は名実共にトップに躍り出たわけだけど。

 元々グラマラスなロックが好きだった俺からすれば、最初の数枚のシングル‥‥ "Drowners" とか "Metal Mickey" は正直物足りなかったのね。ルックス的には別にケバいってわけでもないし(あれだったら初期JAPANなんてどうなるんだよ!?とか当時はよく思ったもの)、曲はまぁ所謂UKロックのレールの上にあるフォーマットから外れてないよな、とかいろいろ不満もあったし。

 けどさ。3枚目のシングル "Animal Nitlate" で俺的にドカンときてね。やっぱりバーナード・バトラーの粘っこいギターだよね。あれが完全開花したのがこの曲辺りからかな、と。勿論その片鱗は前2曲にも十分あったけど、やはり物足りなかったし。

 そしてアルバムがリリースされて、買ってみて。1曲目の "So Young" でトドメを刺されて。ブレット・アンダーソンのボーカルも思ってた以上に「色っぽい」し、相変わらずバーニーのギターは凄いエロいし。まぁサウンドプロダクションがイモっぽいとこは差し引いても、こりゃ面白い新人がイギリスから出て来たなぁ‥‥ってドキドキしたもんですよ。

 ただひとつ。非常に残念なのが、バーニー在籍時のライヴを一度も観ることができなかったこと。1stの時はチケット取れなかったんだよな。んで、「来年には2ndアルバムが早くも出るみたいだし、その時は必ず行こう」って思ってたのに‥‥結果はご存知の通り。だから俺、2ndの単独来日の時は行かなかった。初めて観たSUEDEのライヴは3rdリリース直前にお台場のイベントで来日した時だもん。アチャー。

 今となってはどの曲も忘れ難い思い出いっぱいで、どの時代のアルバムもお気に入りなんだけど、デビュー当時にはそういう風に感じていたんですよ、俺。今つるんでるような友人達は知らないだろうけどさ(いや、今まで誰にも言ったこともなかったけどさ)。

 そんなブレットとバーニーが再び、THE TEARSというバンドで活動を共にするというじゃないですか。頭では「SUEDEとは別物」と理解してるものの、やはり期待しちゃうわけですよ‥‥だってそりゃそうでしょ? 意地悪な意味ではなく、純粋に「この21世紀に、このふたりが揃う意味」を知りたいですからね。すっげー楽しみだよね。



▼SUEDE「SUEDE」(amazon

投稿: 2004 11 09 12:00 午前 [1993年の作品, Suede, 「100番勝負」] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2002年10月14日 (月)

SUEDE『A NEW MORNING』(2002)

suedeの不在が3年半も続くとは正直思ってもみなかった。前作「HEAD MUSIC」が'99年春、アルバムに伴う来日公演が同年9月だったから、日本のファンが最後に彼らと触れ合ったのはまる3年振りということになる。第2期とも呼べるサード「COMING UP」('96年)から「HEAD MUSIC」までの間が2年半だったが、それでもその間には2枚組のBサイド集「SCI-FI LULLABIES」のリリースがあったので、そこまでは長く感じなかった。が、今回の場合は特に長く感じた。その理由は、我々を凹ませる情報の方が多かったからだろう。まずサードアルバムから加わったキーボード/ギターのニール・コドリングの脱退。これは健康上の理由だから仕方ないとしても、ソングライターとしての活躍振り、そしてステージ上での佇まいを思い出してもらえば彼の損失が如何に大きなことか理解してもらえるだろう。そしてもうひとつは所属する「nude」レーベルの閉鎖。多額の負債が原因といわれているが、これがsuedeのアルバム制作費用が嵩んだことが原因では!?との噂もあった程だ。

このアルバムを作る上で、彼らは一度完成したものを廃棄している。トニー・ホッファーというBECK等を手掛けてきたプロデューサーとの共同作業で一度は完成したアルバムを、「今の自分達が作るべき音ではない」との理由でお蔵入りにし、結局スティーヴン・ストリートというブリット・ポップ・シーンに名を轟かせた名プロデューサー(古くはTHE SMITHS、BLUR等で有名)を起用、完成に至るのだった。

トニーを起用したという時点で、新作は「HEAD MUSIC」を更に押し進めたダンスミュージック寄りの内容になることは、何となく予想できた。が、今の彼らは完成したそれを聴いてそれを世に出すことを拒んだ(少なくともその時点では)。何故彼らは「今やるべき音ではない」と判断したのだろうか? 楽曲自体はスティーヴンがプロデュースしたものと同じ曲だったはずなのに、このアルバムは何故にこうも穏やかで深いサウンドを持った異色作になったのだろうか?

理由のひとつと考えられるのは、ブレット・アンダーソンのドラッグとの決別だろう。彼は過去(「DOGMAN STAR」時期)にも同じ問題を抱え、それを克服した後に心機一転、「COMING UP」という傑作を生み出した。しかし、上に挙げたような問題を幾つも抱え、彼は再びドラッグに走った。そしてバンドを立て直す課程で、再びドラッグを絶った。憶測でしかないが、彼がもし再びドラッグを克服していなかった、こういう作風にはならなかったのではないだろうか? 逆に、もし今でもドラッグを常用していたなら、このアルバムはトニーとコラボレートしたままリリースされたか、あるいはそれ以上にエキセントリックな内容になっていたかも‥‥今となっては何とでも言えるが、そういう幾つもの事柄を乗り越えたからこその産物だったのかもしれない。

このアルバムの面白みはそういった裏事情から見え隠れする音楽性の変化だけではない。純粋に楽曲が優れているのだ。装飾を出来るだけ排除し、よりコンパクトに、そしてメロディーが際立つようなアレンジや音使い。これらはプロデューサー云々というよりも、メンバーが望んだものなのだろう(プロデューサー選択は後付だった、と個人的には思っている)。そしてそれは上手く機能している。これは新たに加入したアレックス・リーの貢献度も大きいだろう。既にサマーソニックで彼らの最新ステージを目撃しているが、キーボードを弾くよりもギター(主にアコースティックギター)を持つ頻度の方が高い新曲群(とはいってもここから3曲しか披露されなかったが)は、どれもが「歌」「メロディー」をいう根本にあるものを大切に扱われたものばかり。勿論それまでの楽曲がそうではなかったという意味ではない。初期の3枚も勿論美しいメロディーの宝庫だったが、やはりそれ以上にビジュアルや歌詞の面の方が印象的だったし、前作はリズムがより強調された、suede流「時代との対等」を表現した作風だった。そういう意味で、今度のアルバムはそういった外的要素を取っ払ったことにより、これまで以上に根本にあるものが表出したのだ。そしてそれは過去のものよりもより洗練され、味わい深いものになっている。これは成長以外の何ものでもないだろう。

これまでの作品がライヴで演奏することやクラブで流れることを想定して作られた作品‥‥つまり「夜」や「閉鎖感」を彷彿させるものだとしたら、この「A NEW MORNING」は間違いなくお日様の光りを沢山浴びた、優しさや温もりを感じさせるアルバムだ。人の生活、あるいは人生においてネガティヴな時期というのは必ず何度も訪れる。がしかし、それらは決して終わらないものではない。「夜は必ず終わるもの」なのだ。suedeというバンドにとって「夜」は特別な要素、あるいはごく自然なものだったのかもしれない。けれど、彼らは朝が来ることを望み、そしてそれを喜んで受け入れた。「前とは違う」「自分の好きだったsuedeは終わった」といって切り捨てるのは簡単なことだろう。しかし本当にそうだろうか? もしかしたらこれこそがsuedeというバンドの、そしてブレッド・アンダーソンの本質なのかもしれない。

ロック特有の派手さ、そしてそれまであったようなグラマラスさはここには殆ど見当たらない。けど、俺はこのアルバムを今後愛聴していくだろう。ファーストアルバムや「COMING UP」と同じように、いや、あるいはそれ以上に。グルーヴィーなロックとはある種対極にある内容だが、それでも俺はこれを愛す。多分、この先何年も‥‥



▼SUEDE『A NEW MORNING』
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投稿: 2002 10 14 04:52 午後 [2002年の作品, Suede] | 固定リンク

1999年10月29日 (金)

SUEDE@赤坂BLITZ(1999年9月19日)

  バーナード・バトラー在籍時のSUEDEのライヴは体験した事がない。そんな奴がSUEDEについて何か語ってもいいのか?っていう風潮が、数年前まではあったように思う。今となっては現メンバーでの活動歴の方が長いわけだから、どっちがいいだの、どっちが凄いだのって比較はそれこそ馬鹿馬鹿しい論争だと思う。

  俺が最初にSUEDEのライヴを体験したのが、3年前のお台場でのイベントである。その時はまだ「COMING UP」がリリースされる前で、かろうじてシングル"Trash"が発売されたばかりだった。既に新曲も何曲か披露されていて、明らかに今までとは違う力強さを感じた。あれから3年。「COMING UP」に続く4作目、現メンバーで2枚目になる「HEAD MUSIC」をこの春にリリースし、夏には多くのフェスティバルに出演した後での来日公演。悪いはずがない!

  ブレットは相変わらずマイクをぐるぐる振り回し(よくマイケル・モンローやセバスチャン・バックもやってるよね?)、かなりアグレッシヴにシャウトする‥‥あれ、ちょっとイメージが違うぞ!? そしてギタリストのリチャードに目をやると‥‥あれれ???リチャードがどこを探してもいない‥‥いるのは、ニール・ヤング似の小汚い、小太りの男‥‥ちょっとSUEDEとは似付かわしくない存在だな? 他のメンバーは確認できたが、リチャードだけはステージにはいなかった。もしかして、来日直前に脱退!? それとも急病で、この人はその助っ人なのか!?などと、ひとり勝手に盛り上がっていたが‥‥すみません、リチャードのファンの方々。その『ニール・ヤング似の小汚い、小太りの男』こそが、我らがリチャード・オークス君だとは夢にも思わなかったもので‥‥ある意味、マニックスのジェームズの肥大化(苦笑)よりもショックが大きかった。あの美少年が‥‥まだ21~2歳のはずなのに‥‥ショービズの世界は、恐い。(苦笑)

  まぁそれはともかく、ライヴは終始攻撃的だった。ブレットは客に「HEY! HEY! HEY!」って煽りを入れたり、常に暴れてたり。そして音もそれに合わせて非常に硬質だった。新作の音って、結構ダンサブルな印象があったんだけど‥‥これじゃハードロックか、はたまたオイパンクか!?って感じだな?(笑)これがある意味『今のSUEDEの姿』なのかもしれない。ライヴによって鍛え上げられた感じ‥‥初期の耽美なイメージを持ったまま接すると、かなり痛い目に遭うと思うわ。(笑)

  それにしても、何だろう‥‥この『今までとは違う緊張感』は? 前のSUEDEにはなかった緊張感‥‥そして時に笑いあり。緊張感は緊張感でも、それは決して息苦しくなる類いのものではない。心地よい緊張感‥‥そんなもん、あるのか?とか言われそうだけど、これが今のSUEDEなのだと思う。

  今回、特に印象に残ったのはリチャード‥‥ではなく(苦笑)、キーボードのニール・コドリングだったりした。「こいつ、意識してやってるんちゃうか?」ってくらいに無表情。自分のパートがない時はそっぽを向いている。ライヴ中だというのに!(笑)そして客から「ニール~♪」って声援が聞こえると、そっちを向いてニヤリとする!(爆)こうやって書くと「色物なの?」って疑われそうなので(笑)、彼の名誉の為に書くけど‥‥こいつ、凄いバイ・プレイヤーだよ!? コーラスは上手いし(彼がコーラスの要になっている)キーボードは勿論、ギターまで弾く。昔からイギリスにはこういうタイプのバイ・プレイヤーが多かったけど、最近では少ないようだ。古くはLED ZEPPELINのジョン・ポール・ジョーンズ、UFOのポール・レイモンド。最近だとTHUNDERのベン・マシューズくらいか? あ、日本にも元X JAPANのYOSHIKIとかGLAYのTAKUROがいるか。(爆)とにかく、こういう存在は貴重だ。うちのバンドに欲しいくらいだもん‥‥食いっぱぐれたら、是非うちに!(爆)うちのアパート、一部屋空いてるんで♪(笑)

  偶然にも、この夏にはバーニーのライヴも観ることが出来た。両者がそれぞれ全く別の道を進み、それぞれ素晴らしいアーティストへと成長した。ファンにとっても、そして純粋に音楽好きにとっても喜ばしいことだと思う。だからってKULA SHAKERの分裂・解散もこうなればいいな、なんて思わないけど。SUEDEや'80年代のVAN HALENの分裂はごく稀なケースだと思う。メンバーが分裂して、消えていったアーティストやバンドの方が多いもの。だからこそ、今後も両者には独自の道を突き進んで欲しいと思う。で、気が向いたら(決して再結成とかではなく)ステージ上で共演なんかする日が来たら‥‥ファンだけでなく、俺も大歓迎である♪


[SETLIST]01. Can't Get Enough
02. Trash
03. She
04. Metal Mickey
05. Everything Will Flow
06. Down
07. Beautiful One
08. Elephant Man
09. Filmstar
10. By The Sea
11. Lazy
12. Animal Nitrate
13. Electricity
14. She's In Fashion
 [ENCORE]
15. Savoir Faire
16. Saturday Night



▼SUEDE『HOME』
(amazon:国内盤2CD+DVD / 海外盤2CD+DVD

投稿: 1999 10 29 12:00 午前 [1999年のライブ, Suede] | 固定リンク