2002/12/20

SUPER BUTTER DOG『ラ』(2002)

  SUPER BUTTER DOGというバンドの音と初めて接したのは、多分2000年末辺りだったと思います。当時うちのサイトによく来てくれた方がオススメのアーティストの曲を編集したMDをくれたんですが、その中にSBDの"コミュニケーション・ブレイクダンス"だったか"FUNKYウーロン茶"が入ってたはずなんですよ。だから俺はこの2曲だけはずっと知ってたんですね。で、当時は結構気に入ってたんですよ。でも、アルバムを買って聴いてみようとか、それこそライヴに行ってみようとまでは思わないで。で、そのまま半年以上経ってフジロック。2001年の初日レッドマーキーに出演したんですよね。で、これも何故か無視(くるりだったかEGO-WRAPPIN'を観てたはず)。翌週に行われたROCK IN JAPAN FES.にも出演してたのに、これは確か俺が行かなかった日に出演したんで観れず。そんな感じで自分の中でSBDの存在がどんどん希薄な存在になっていこうとした頃‥‥

  2002年に入り、俺は完全にモーニング娘。のファン(=モーヲタ)になってしまいまして。ルックス云々も勿論あるんですが、それ以上に彼女達の楽曲に惹かれまして。ダンス☆マンがアレンジするファンクサウンドに唸ってしまうわけですよ。そんな頃、たまたまSBDと再会してしまうわけです。しかもよりによって"サヨナラCOLOR"ですよ‥‥もうね、これはヤバイと。ま、今回は2002年リリースの作品をどんどん取り上げるという企画なので、残念ながら2001年末ってことでアルバム「grooblue」は対象外に‥‥その代わり、このライヴベストというべき作品「ラ」を今回取り上げることにしたわけです。タイミング的にもボーカルの永積タカシがソロユニット「ハナレグミ」としてアルバムをリリースした後なので、丁度いいかなぁと思いまして。

  このふざけたタイトル、ふざけたジャケット。ちなみにこのブックレットの裏面は「イ」の文字が、そしてトレーや裏ジャケには「ブ」の文字‥‥ま、「ライブ」ってことですよね。帯にも「ラフでラウドでラムーでラメでラブでラップでラケンローなライブベストアルバム」との表記があるんですが‥‥多少こじつけな表現もありますが、ほぼその通りだと思いますよ。まずね、収録されてる楽曲が過去5作のアルバムから満遍なく入っていて、ホントにベスト盤。そしてそれらがライヴでのベストテイクで収録されてるわけです(ひとつのライヴからの実況中継盤ではなく、1999~2001年のライヴからのベストテイクだそう)。ライヴならではのアレンジや煽りもあり、またトラブルもそのまま収録してるようですし。やっぱり目玉は"五十音"でのキーボード池田によるコーラスだったり、超名曲"サヨナラCOLOR"だったり(この曲があったから、その後ハナレグミが生まれたようなものだし)、エンディング間際の"マッケンLO"~"セ・ツ・ナ"、そしてオーラス"FUNKYウーロン茶"でしょうね。ライヴならではのどんどん延びていくエンディングだったり、コールアンドレスポンスだったり、メンバー間の笑い声だったり。そういう細かいポイントやニュアンスまでそのまま収録してる、そういうアルバムだったりします。そういう意味では、ここ数年の彼等のベストを集めたものなんだけど、それ以上に「今のSBD」を端的に表現してるような気がします。

  彼等の演奏や永積の唄を聴いてて思うのは、ファンクというよりは完全にロックだよな、ってことでしょうか。ファンクロックといえばいいのか‥‥いや、確かにファンキーなんだけど、完全にロックとして機能してしまっているんだよね。そういう意味では、俺はかなりP-FUNKに近い存在じゃないかな、と勝手に解釈してるんですが。P-FUNK‥‥特にFUNKADELICもファンクロックというよりは、完全にロックバンドだしね。彼等自身も周りが思う程「ファンクの伝道師」なんて思っていないだろうし、むしろライヴやってる最中は気持ちよくロックしまくってます、くらいの気持ちなんじゃないかなぁ‥‥と。

  で、それは決して悪いことじゃなくて、むしろいい方向に作用してるように思うんですね。これがド・ファンクだったら‥‥やっぱり人によって得手不得手があると思うんですね。ところが、ここまでロックしてしまうと、逆に聴きやすい。ファンクに疎いロックファンの耳にも優しいんですよ。例えば、いくらモーニング娘。がファンクに接近しようが、それはあくまでポップフィールド上での話であって、決してファンクそのものになることはないと思うんですよ。だからこそ、モーニング娘。のダンス☆マン・ナンバーはロックファンである我々の耳にも馴染みやすいんですよね。あくまでロックやポップスの範疇でのファンキーさですから。そしてSBDも‥‥。

  百聞は一見に如かずじゃないですが、まだ彼等に接したことのない人は是非このライヴ盤から聴くことをオススメします。このアルバム、普通のアルバムよりも安い2,100円(税込)ですよ!? それで12曲、70分以上も収録されているんですから。「ファンクとか跳ねるリズムは苦手」というロックファン、モー娘。でファンキーな音楽に目覚めつつあるモーヲタ、そして「心に響く唄」が聴きたいリスナー、全てにオススメの1枚です。当然、今年の10枚候補ですよ、これ(ま、ライヴでベストという反則合わせ技ですけどね)。



▼SUPER BUTTER DOG『ラ』
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投稿: 2002 12 20 12:00 午前 [2002年の作品, SUPER BUTTER DOG] | 固定リンク