カテゴリー「System of a Down」の12件の記事

2020年1月 4日 (土)

SYSTEM OF A DOWN『HYPNOTIZE』(2005)

2005年11月に発表された、SYSTEM OF A DOWNの5thアルバムにして2020年1月4日時点での最新作。って、リリースからもう14年も経つんだ。びっくりだね(笑)。

本作は、2005年春に発売された4thアルバム『MEZMERIZE』との連作となっており、殺傷力や重量感が強かった前作と比較すると若干落ち着いた雰囲気で、メロディアスさやセンチメンタリズムが前面に打ち出されている印象を受けます。

とはいっても、アルバム冒頭から「Attack」や「Dreaming」といったファストチューンが連発されるので、一聴するとそういう印象は受けないかもしれません。だけど、そのあとには「Kill Rock 'N Roll」や「Hypnotize」といった楽曲が続くのですから……アルバムトータルで、もしくは2作品を通して聴くことによって、そういったセンチメンタリズムが終盤に進むにつれて強まっていくことが実感できると思います。

「Stealing Society」や「Tentative」あたりには、初期の彼らが持ち備えていた変態チックなコード感も含まれていますし、中でも「U-Fig」での歌い回しやフレージングは完全にSOADならではのオリジナリティに満ち溢れている。どう考えても真似できないよね?っていう緩急に富んだ技の応酬に、ただ聴いているだけのこちら側はあんぐりと開いた口が閉じないまんま。

けど、変態度や中毒性という点においては、実は彼らの作品中もっとも抑え気味な1枚でもあると思うのです。つまり、毒は適度に散りばめられているけど、その毒が突出することもない。とてもバランス感に優れた1枚と捉えることができるのではないでしょうか。そういった点から、本作を「『MEZMERIZE』よりもインパクトが薄い」と評することもできるかもしれません。しかし、あくまで“2枚でひとつの作品”であることを謳っているわけですから、前半パート(『MEZMERIZE』)に過激さや即効性の高さを詰め込んだのだとしたら、後半パート(『HYPNOTIZE』)では何度か噛みしめることでより味が染みわたるディープさを表現したかった……そう受け取ることはできないでしょうか。

だからこそ、この『HYPNOTIZE』はアルバム後半、「Holy Mountains」以降こそが真髄なのだと断言したい。何気にアレンジの奥深さも、歌メロの美味さもどんどん強まっていくんですから。特にラスト2曲……「Lonely Day」「Soldier Side」の美しさは、SOADのキャリア中最高峰と断言したいです。その「Soldier Side」で静かなエンディングを迎えると……そのまま『MEZMERIZE』のオープニングトラック「Soldier Side - Intro」へと続く、ループする構成になるわけです。これこそが彼らのやりたかったことであり、“2枚でひとつの作品”が意味するものだと。『HYPNOTIZE』をじっくり味わったあとに、再び『MEZMERIZE』へと戻ることで、実は2作がメロディの節回しやアレンジ面でもつながっていることがより深く理解できるはずです。

こんなすごい2作品を世に送り出したSOADは、本作リリース後の2006年5月に行われたライブをもって活動休止。2011年の活動再開まで5年待たされることになります。しかし、その後も定期的にツアーやフェス出演などライブは行なっているものの、新作リリースに関しては……ご存知のとおり。レコーディングをしている様子はInstagramなどを通じて伝わってくるのですが……今年こそはものすごい新譜の誕生に期待したいところです(ってことをここ数年、決まってこの時期に発言しているんですけどねえ……)。

 


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2020年1月 2日 (木)

banned songs of US radio after 9.11

つい先日、今年の9月11日に配信されたKERRNG!の記事「HERE ARE THE 164 SONGS THAT WERE BANNED FROM AMERICAN RADIO AFTER 9/11」がTwitterで流れてきたんですね。このリスト自体、これまでも完全版・不完全版問わずさまざまな形で流出していたと思いますし、実際僕も学生時代に湾岸戦争をテーマに「表現の自由」や「自主規制」について卒論を書いていたので、常に気になってチェックしていました。今回の記事も特別目新しさはなかったのですが、急にふと「そういえば、卒論書いてた90年代前半は実際にそういう曲を全部聴くのに相当苦労したけど、今ってストリーミングサービスがあるし、もしかしてこのリストの曲全部聴けるんじゃないかな……」と思ったんですね。

で、実際にプレイリストを作ってみようと思い、検索を開始……始めたのが明け方だったのですが、気づいたら1、2時間でプレイリスト完成。記事中に登場する曲名やアーティスト名に多少の間違いがあったので、ネット上で公開されている同様の記事(結局Wikipediaが一番便利でした)とも照らし合わせつつ、完全なるプレイリストを完成させました。

さすがに全曲ありました。すごいですね、Spotify(今回はApple Music版は作成せず。だって2つも作るの時間かかるし)。RAGE AGAINST THE MACHINEのみ全曲放送禁止だったので、本来なら彼らの楽曲はすべて入れるべきなんでしょうけど、それだと埒が明かないので各アルバムから主要ナンバー1曲ずつ、計4曲を入れることにしました。そこに「Knockin' On Heaven's Door」のみボブ・ディラン版とGUNS N' ROSES版の2曲を用意して、全168曲/11時間14分というアホほど長いプレイリストが完成したわけです(笑)。

一応、アーティスト名アルファベット順、複数の曲がリストにあるアーティストに関しては曲名もアルファベット順で並べてあります。なので、AC/DCみたいにいきなり7曲も続いてしまうこともありますが、シャッフル再生すると普通にラジオ感覚で楽しめるのではないでしょうか……しかも、いい曲ばかりですし。

こんなご時世だからこそ、こういった楽曲を手軽に楽しめる自由をかみしめつつ、今の生活に感謝したいと思います。またいつ、これらの楽曲やほかのヒット曲が放送禁止になるか、本当にわかりませんしね(しかも、あの当時よりも状況的には最悪ですから)。

 

2019年1月13日 (日)

祝ご成人(1998年4月〜1999年3月発売の洋楽アルバム20選)

新成人の皆さん、おめでとうございます。2014年度に初めて執筆したこの“洋楽版成人アルバム”企画、今回で5回目となります。毎年この時期にこの企画をやることで、温故知新というよりは「自分の20年前の音楽ライフはどんなだったか」を思い返す上で非常に重要なコンテンツになりつつあります。

しかも、今回は当サイトの前身サイトがスタートした時期(1998年12月)が被っていることから、選出時もいろいろ感慨深いものがあります。いやあ、長く続けるもんだ。

さて、この企画の説明です。この1月に成人式を迎えたの皆さんが生まれた年(学年的に1998年4月〜1999年3月の期間)にリリースされた洋楽アルバムの中から、個人的思い入れがある作品のうちSpotifyやApple Musicで試聴可能な作品を20枚ピックアップしました。今年度は残念ながら、選出した20枚すべてがSpotifyおよびApple Musicに揃っているものではありませんでした(各サービスともに1枚足りないという)。

でも、どれも名盤ばかりですし、もしまだ聴いたことがないという作品がありましたら、この機会にチェックしてみてはどうでしょう。特に、現在20歳の方々は「これ、自分が生まれた年に出たんだ」とかいろいろ感慨深いものがあるような気もしますし。ちなみに、作品の並びはすべてアルファベット順です。(2014年度の新成人編はこちら、2015年度の新成人編はこちら、2016年度の新成人編はこちら、2017年度の新成人編はこちらです)


ASIAN DUB FOUNDATION『RAFI'S REVENGE』(1998年11月発売)(Spotify

AT THE DRIVE-IN『IN/CASINO/OUT』(1998年8月発売)(Spotify)(レビュー

BEASTIE BOYS『HELLO NASTY』(1998年7月発売)(Spotify

BLUR『13』(1999年3月発売)(Spotify)(レビュー

BOARDS OF CANADA『MUSIC HAS THE RIGHT TO CHILDREN』(1998年4月発売)(Spotify

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2018年7月 3日 (火)

BRIDES OF LUCIFER『BRIDES OF LUCIFER』(2018)

昨年6月に開催された『GRASPOP METAL MEETING』など、海外のメタルフェスに出演したのを機に一部で話題になっていた、女性13人からなるHR/HMの名曲をカバーするコーラス隊BRIDES OF LUCIFERがアルバムをリリースしました。

本作でピックアップされている楽曲たちは下記のとおり(曲名後ろのカッコは原曲アーティスト名)。


01. Burn In Hell [TWISTED SISTER]
02. Walk [PANTERA
03. Warriors Of The World [MANOWAR]
04. Chop Suey! [SYSTEM OF A DOWN
05. Painkiller [JUDAS PRIEST
06. Fear Of The Dark [IRON MAIDEN
07. Roots Bloody Roots [SEPULTURA
08. O Father O Satan O Sun! [BEHEMOTH]
09. Holy Diver [DIO
10. South Of Heaven [SLAYER
11. Futility [SCALA & KOLACNY BROTHERS]
12. Halo [MACHINE HEAD
13. White Moon [SCALA & KOLACNY BROTHERS]


ライブではこのほか、RAMMSTEIN「Engel」あたりもカバーされているみたいですね。

ライブやレコーディングには彼女たちのほか、ドラム/ベース/ギター/ピアノが入り、原曲に比較的忠実なアレンジでカバーされています。もちろん、コーラスがメインになるので、彼女たちの歌声が前面に出るようなアレンジも新たに施されており、曲によってはギターソロパートをカットしていたりもします。

どのバンドの曲もボーカルのクセが強いものばかりで、特にPANTERAやSEPULTURAみたいなスクリームメインの楽曲、SYSTEM OF A DOWNのように変態的なボーカルが耳に残る曲すらも聖歌のようなボーカルアレンジで表現されているので、聴き進めていくうちに「あれ、こんなに聴きやすくて大丈夫?」と不安に陥る瞬間も。メタルファンには数年に1枚は世に産み落とされる“ネタCD”として楽しめば、そこまで不快ではないはず。むしろ、僕は積極的に楽しんでおります。

逆に、普段メタルに疎い人にこそ「ね? 意外と曲自体は悪くないんだよ?」と手に取ってほしい1枚だったりして。まあ、一緒に笑って聴いてみましょうよ。

あ、あと本作で2曲もピックアップされているSCALA & KOLACNY BROTHERSという存在。彼らはこのBRIDES OF LUCIFERの先輩的存在でもある、2000年代前半に90年代〜ゼロ年代のUKロックやグランジの代表曲をピアノ伴奏でカバーしたベルギーの少女合唱隊のこと。グループ名は指揮者&ピアノ伴奏者でもある中心人物となる兄弟の名前から取られています。このグループのオリジナル曲をカバーするあたりに、BRIDES OF LUCIFERの起源が見え隠れするのも興味深いところです。



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2017年12月21日 (木)

SYSTEM OF A DOWN『STEAL THIS ALBUM!』(2002)

SYSTEM OF A DOWN(以下、SOAD)が2002年晩秋にリリースした、通算3作目のスタジオアルバム。初の全米No.1を獲得した前作『TOXICITY』(2001年)から1ヶ月ちょっとで発売されるという異例の自体で驚かされましたが、これにはしっかりした理由があるのです。

『TOXICITY』リリースから数ヶ月経った2002年初頭、同作のデモ音源がネット上に出回るというトラブルが生じました。これらは『TOXICITY II』と題し、『TOXICITY』本編に未収録の楽曲も含まれたファンいはヨダレものの内容でした。これにご立腹だったSOADメンバーは未発表の新曲16曲で構成された新作『STEAL THIS ALBUM!』(=本作)を正式リリースしたわけです。

録音時期自体は確かに『TOXICITY』と同時期のものばかりで、ある意味ではアウトテイク集とも受け取れるわけですが、そのクオリティはそんな冗談も言えないくらい高いもの。アルバムとしてのトータリティは若干希薄ですが、1曲1曲の完成度は『TOXICITY』収録曲に勝るとも劣らないものばかりです。

どこかシリアス度が高く感じられるのは、たまたまなんでしょうか。実際、歌詞は前作の流れにあるもので、当時のアメリカ社会や近代文化に対する批判が、彼らならではの皮肉とユーモアを交えて表現されています。サウンド含め、そこに「遊びが少ない」と感じる人もいるかもしれませんが、とはいえ本作はごまんといるSOADフォロワーなんて目じゃないくらいにレベルが高いアルバムなのは間違いありません。

どうしてもアルバムの構成・流れを意識して楽しむアルバムが多いイメージのSOADだけに、本作は肩ひじ張らず、リラックスして楽しめる1枚かもしれません(といって、別に脱力系アルバムという意味ではないですよ。上に書いたように、シリアステイストの楽曲が多いですし)。

本作のアートワーク、CD-Rにマジックでバンド名、アルバムタイトルを殴り書きという荒っぽいもので、実際にはCD盤面にこの文字がプリントされたものだけで、いわゆるブックレットは一切付いておりません(日本盤のみ独自解説&歌詞・対訳が掲載されたブックレット付き)。アルバムタイトル含め、このへんは先のブートレッグに対する彼らならではの皮肉なんでしょうね。

ちなみに、彼らが次のアルバム『MEZMERIZE』(2005年)をリリースするのは、本作の発表から3年半後のこと。『MEZMERIZE』も同時期にもう1枚、『HYPNOTIZE』(2005年)というアルバムを制作しており、『MEZMERIZE』発売から半年後にリリースしています。一回スタジオに入るとものすごい勢いで楽曲を完成させ、一度にアルバム2枚分ものマテリアルを生み出してしまう。彼らは2017年中にリリースされるのではと噂されている通算6枚目のアルバムを現在制作しているようですが(まだ希望を捨ててないですよ、あと10日残ってますし。笑)、もしかしたら次も6枚目、7枚目と間隔を空けずに発表してくれるのかもしれませんね(だと嬉しいな)。



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2017年1月29日 (日)

SYSTEM OF A DOWN『TOXICITY』(2001)

「脳を犯す」

日本盤の帯に記されたこのキャッチコピーだけで十分に伝わるんじゃないでしょうか。そんなSYSTEM OF A DOWN(以下、SOAD)通算2枚目のスタジオアルバム『TOXICITY』は2001年晩夏にリリースされました。

1stアルバム『SYSTEM OF A DOWN』発売から約3年。この『TOXICITY』発売までの間に、SOADは1999年4月、2001年7月の二度来日公演を実施しています。このうち後者は『FUJI ROCK FESTIVAL '01』での来日で、3日目のGREEN STAGEでヘッドライナーのエミネム、準トリのTOOLに続く3番手というポジション。『TOXICITY』発売直前という絶妙なタイミングで、同作から早くも8曲も披露してくれました。僕もフルではないものの、途中から観てショックを受けたのを覚えています。

プロデューサーは前作から引き続きのリック・ルービンと、メンバーのダロン・マラキアン(G, Vo)。サージ・タンキアン(Vo, Key)もコ・プロデューサーとしてクレジットされています。内容は前作をより押し進めたもので、変態度、ハードコア度、そしてエモ度それぞれがメーターを振り切れんばかり。ただ、音が分厚くて暴力的な前作(デイヴ・サーディがミックス)より今作(アンディ・ウォレスがミックス)のほうがより洗練された印象があります。逆に洗練されたことにより、バンドの変態性がより際立ってきたという見方もできるので、これはこれでアリではないでしょうか。

オープニングの「Prison Song」の間を生かしたアンサンブル、激しさとエモさが同居したメロディに、冒頭から心を奪われます。そこから「Needles」を起点に始まるハードコアな流れも抜群だし、その合間に「Chop Suey!」や「ATWA」などの楽曲が挿入されることで、それぞれの魅力をより増幅させることに成功しています。アコースティックギターを導入することでより哀愁味が増した「Chop Suey!」、スローバラードの要素が強い「ATWA」はもちろんですが、ラストの「Aerials」が持つ壮大さも前作以上の広がりを見せていると思います。

本作最大のポイントは、ダロンがプロデューサーとして、そしてボーカリストとして実力を発揮し始めたことではないでしょうか。シンガーとしても活躍場所が前作から格段に増えてますし、今作の(よい意味での)整理された内容は彼の手腕によるものが大きいのではないかと。そして、その才能は2005年発売の二部作へと引き継がれることになります。



▼SYSTEM OF A DOWN『TOXICITY』
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2016年12月25日 (日)

SYSTEM OF A DOWN『SYSTEM OF A DOWN』(1998)

2017年、ついにニューアルバムをリリースか?と噂されるSYSTEM OF A DOWN。セルフタイトルとなる彼らの1stアルバムは今から約18年前の1998年6月(日本では同年10月)にリリースされました。

1998年というと、KORNが『FOLLOW THE LEADER』、マリリン・マンソンが『MECHANICAL ANIMALS』でそれぞれ全米1位を獲得し、AT THE DRIVE-INが『IN/CASINO/OUT』、THE OFFSPRINGが『AMERICANA』、ロブ・ゾンビが『HELLBILLY DELUXE』をそれぞれ発表し、マックス・カヴァレラ率いるSOULFLYが『SOULFLY』で、ZEBRAHEADが『WASTE OF MIND』でそれぞれデビュー(ZEBRAHEADはメジャーデビュー)を飾ったタイミング。REFUSEDの(この時点での)ラストアルバム『THE SHAPE OF PUNK TO COME』がリリースされたのもこの年でした。

そんな年にSYSTEM OF A DOWNもシーンに颯爽と登場したのですが、最初聴いたときは「??」というのが素直な感想でした。メタルなのかパンクなのかカテゴライズが難しく、どこかコミカルさが漂うサウンド。そこに乗るボーカルもヒステリックだったりデスメタル調だったり、あるいはオペラ調だったりと一筋縄でいかない感じだし。正直、最初は1、2回聴いただけで理解できず、しばらく放置していました。

その後、半年ぐらい経ってから(確か2000年前半頃)ふと思い立って聴いてみると、「あれ、これいいかも……」と感じるようになり、その後数回聴き返しているうちに「前半のコミカルな調子から、後半に進むにつれてシリアスになったり、ちょっと劇的になったりと、これはこれで面白いぞ?」と気づき。気がついたら、この掴みどころのない奇妙なサウンドの虜になっていたのでした。

このアルバム、そして続く2001年発売の2ndアルバム『TOXICITY』が当時のUSラウドシーン、そして日本国内のラウドシーンに与えた影響は計り知れないものがあります。2000年代前半以降に登場した数多くのバンドたちは、SYSTEM OF A DOWNから少なからず影響を受けているはずです。特定の名前はここでは挙げませんが、このアルバムを聴いてなんとなく思い浮かべる日本国内のバンドもちらほらいるのではないでしょうか。

カリフォルニア出身のバンドではあるものの、メンバーが皆アルメニア系アメリカ人ということも、その音楽性のルーツになっているのかもしれませんし、そういった生活環境が歌詞に与えた影響も大きいものがあるはずです。日本人がストレートに解釈するには難しい側面も多いですが、そのへんも含めて理解しようとすることで、このバンドの真の魅力が見えてくることでしょう。



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2007年11月28日 (水)

SERJ TANKIAN『ELECT THE DEAD』(2007)

SYSTEM OF A DOWNを突然活動休止させ、フロントマンのサージ・タンキアンが完成させたのがこのソロアルバム。ほとんどの楽器を彼が担当し、ドラムのみSOADのジョン・ドルマイアンと、元PRIMUS(GUNS N'ROSESにもいたことがあったね)のブライアン・"ブレイン"・マンティアが叩いたという、まさにソロアルバムと呼ぶにふさわしい仕上がりとなっています。

SOADを好きだった人からすれば、このアルバムはとてもストレートに聞こえるかもしれません。それほど聴きやすくなっているんですよね……ま、普通のハードロック/ヘヴィロックと比較すれば、十分にねじれてますけど。SOADから変態性を希釈させ、いろんなコーティング(曲によってはピアノやストリングスの音も聞こえますよね?)を施して聴きやすくした印象を受けます。もっとも、その「聴きやすさ」は意図的にそうしたというよりも、本作に収録された楽曲に必要だと感じたからそうしたまでといったところでしょうか。

あのSOADの変態性って、結局はサージやジョン、ダロン・マラキアン(G/Vo)やシャヴォ・オダジアン(B)という4人が揃ってそこのものなんですよね。頭ではわかっていても、実際にこうやって出来上がったそるアルバムを聴いてみないと理解できないもんなんですよね、ファンというのは。

とにかく本作は、ちょっと映画を観てるかのような劇的な作品となっています。より正統派なメロディアス・ハードロックと化した曲もあれば、SOADのような複雑な展開を持つ楽曲もある。恐らく、これまで「SYSTEM OF A DOWNはちょっとわかりにくい」と感じていた人ほど、今回のアルバムにグッと引き寄せられるのかもしれませんね。

個人的には、不思議と「このアルバムをSOADでやったら面白いのに……」とは思わなかったんですよね。これはこれ、というふうに最初聴いたときから割り切れていたというか。この「ELECT THE DEAD」という作品集は、この形で完璧なんですよね。ここまでメランコリックなアルバムは、逆にSOADではやれないと思うし。そういう意味では、今回のソロ活動は正解だったんじゃないかと感じています。こうなると、(いつになるかはわからないけど)俄然SOADの次のアルバムが楽しみになってきますね。



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2006年1月 2日 (月)

「MY BEST OF 2005」(1)

 さて、例年なら大晦日に発表していた、とみぃ版「BEST OF 2005」こと、「MY BEST OF 2005」なんですが、2005年末は珍しくカウントダウンライヴ(COUNTDOWN JAPAN '05-'06)に参加したこともあり、全く更新できない状況でした。ていうか‥‥ギリギリまでアルバム10枚が選べなかったのよね。自分で企画しておいてなんだけど‥‥2005年は難しいよな、いろいろと!

 というわけで、今日から何日かに分けて「MY BEST OF 2005」を発表していきたいと思います。まずは主要部門である、「MY ALBUM OF 2005」から‥‥

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2005年6月 8日 (水)

SYSTEM OF A DOWN『MEZMERIZE』(2005)

 全く、とんでもないアルバムを作ってくれたもんだ。

 現時点で、俺内2005年ベストアルバム。それがSYSTEM OF A DOWNの3rdアルバム「MEZMERIZE」‥‥とにかく、こんなにも爽快で熱くて笑っちゃって怒っちゃって考えちゃうアルバム、久し振りだ。コンパクトで聴きやすく、オープニングの "Soldier Side - Intro" からゆっくりとスタートし、その後に訪れる怒濤の展開からアッという間に最後のバラード "Lost In Hollywood" まで到達しちゃう。全11曲で40分前後というのも納得がいく、今時珍しいくらいに潔いアルバム。それでいて全然飽きさせないんだから‥‥1曲1曲が複雑に入り組んでいて、たった2分くらいの疾走チューンの中にもいろんな「味」や「要素」が詰め込まれてる‥‥元々その要素は十分にあったし、前作「TOXICITY」でもそれは既に開花してたんだけどね。ここに来て一気に完成型までたどり着いちゃったような、そんな感じ。それでいて、同時にもう1枚アルバムを作ってたんだから(この秋リリース予定と言われる「HYPNOTIZE」と呼ばれるアルバム)‥‥

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