2018年5月20日 (日)

TEARS FOR FEARS『SONGS FROM THE BIG CHAIR』(1985)

海外で1985年2月に発表された、TEARS FOR FEARSの2ndアルバム。日本盤は同作からのリカットシングルにちなんで『シャウト』のタイトルでリリースされました。本国イギリスでは1stアルバム『THE HURTING』に続く2作連続1位こそ逃したものの最高2位まで上昇、アメリカでは初の1位を獲得し、500万枚以上を売り上げる大ヒット作となりました。また、本作からは「Shout」「Everybody Wants To Rule The World」の2曲が全米1位を記録(イギリスでは前者が4位、後者は2位)。ほかにも「Head Over Heels」(全英12位、全米3位)、「Mothers Talk」(全英14位、全米27位)、「I Believe」(全英23位)と数多くのヒットシングルが生まれています。

全8曲と曲数こそ少ないものの、6分強の楽曲が3曲もあったりして、意外と聴きごたえがあるのが本作の特徴。かつ、シングルのイメージが強いバンドですが、アルバム自体は結構コンセプチュアルというか、特にアナログでいうB面(M-5以降)はちょっと組曲っぽくなっていたりと、アルバムアーティストとしてのこだわりが感じられる作りになっています。

シンプルなサビを繰り返すだけの印象が強い「Shout」ですが、アレンジが非常に凝っていて、単純にバンドサウンドとしてカッコいい。実は「Mothers Talk」あたりも同じで、シンプルなフレーズを繰り返しつつも、バンドアンサンブルで非常に遊びまくっているんですよね。

かと思うと、「Everybody Wants To Rule The World」もメロディのメリハリの付け方がえげつないくらいに優れている。「Head Over Heels」のメロの起伏の付け方も同じようなセンスが感じられ、ちゃんと聴き込めばこれらがなぜ当時ヒットしたのかが改めて納得できるはずです。

そして、アルバム後半のジャジーなノリ……「I Believe」から「Broken」への流れや、その「Broken」のエンディングから「Head Over Heels」へとつなげる構成、さらに「Head Over Heels」から再び「Broken」へと戻る組曲的構成は本当に面白い(特に後半の「Broken」はライブテイクを使うというこだわりぶり)。ヒット曲をたっぷり聴きたいという方にも、ジャジーでプログレッシヴなバンドアンサンブルを楽しみたいという方にも打って付けの1枚ではないでしょうか。

とにかく本作は中学生の頃、レンタルで借りたLPからダビングしたカセットが擦り切れるほど聴き倒したアルバムで、大人になってからは当時シングルや12インチ盤でしか聴けなかった別テイクを含むリマスターCDやボックスセットを購入して、定期的に再生しています。たぶん僕の人生の中で10本指に入るくらいリピートしたアルバムのひとつじゃないでしょうか。



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投稿: 2018 05 20 12:00 午前 [1985年の作品, Tears For Fears] | 固定リンク

2004年8月28日 (土)

とみぃ洋楽100番勝負(9)

●第9回「Shout」  TEARS FOR FEARS('84)

 凄く印象深い曲。「あー俺って暗い曲が好きなんだぁ」と自己認識させてくれた1曲。リリース当時はマツダかどこかの自動車CMに使われ、ここ数年だとモーニング娘。の第6期メンバーオーディションのテーマ曲みたいに大量放送された、非常に印象深い楽曲。

 リリース自体は'84年末なんだけど(UK)、翌'85年にアメリカでナンバー1になって、そこでちゃんと耳にしたのかな。多分MTVでだと思う。この冷たい感じが何とも言えず、ホントハマった、ハマった。アルバム(2nd「SONGS FROM THE BIG CHAIR」)も "Mothers Talk" とか "I Believe" とか暗めでいい曲多かったし。で、後追いでファーストも聴いて、更に暗い曲が多くて大満足。だからこそ、後の大出世作「THE SEEDS OF LOVE」における『'80年代のBEATLES』みたいな触れ込みがね、すっげー気に入らなくて。ま、勿論好きなアルバムなんだけど。

 ゴス程濃くはなく、適度に親しみやすさ(=ポップさ)を持ってた辺りが大ヒットに繋がったんだろうけど、やっぱりあのシンプルな歌詞が良かったのかなぁ、なんて今歌詞を読んでそう思ったりしてるんですが。バンド名も良かったもんね、「恐怖心の代わりに涙を(TEARS FOR FEARS)」なんてさ‥‥凄く羨ましい名前だと思う。もうそれだけで勝ち、みたいな。

 '90年代に入ってベスト盤リリース後、ローランドとカートのコンビが解消になって、ローランドひとりでTFFの名前を背負って何枚かアルバムをリリース。1〜2年前に再びカートが復帰して、アルバムも既に完成してるようですが、何故か昨年暮れから延期の繰り返しで、結局メジャーから落ちてインディーズからのリリースに落ち着いたみたいです。何だかなー。

 再びこの頃みたいな「ヨーロッパ特有の暗さ」を表現した作品に戻ってくれるとは思いませんが、それでも期待しちゃうんだよね‥‥



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投稿: 2004 08 28 12:00 午前 [1984年の作品, Tears For Fears, 「100番勝負」] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック