TERRORIZER『WORLD DOWNFALL』(1989)
18〜9才の頃、それまで好きだったスラッシュメタル/スピードメタルから一歩踏み出して、所謂「ハードコア」の世界み魅せられ始めてた俺。最初の切っ掛けは間違いなくNAPALM DEATHの登場だったんですが‥‥要するに『より重く、速い曲をっ!!』ってことだったんですよね。でも‥‥あの頃は若いから、重いよりも速い方を選んでた気がするなぁ。音が極悪でスカスカのB級でも、ひたすら高速でアッという間に終っちゃう曲‥‥そっちに魅せられてた気がします。
このアルバムに出会ったのも多分15〜6年くらい前だったと思うけど、最初に聴いた時は正直全然ピンとこなかったんですよ。だってこれよりも激しい音はもっとあったし、それに‥‥TERRORIZERってどうしてもメタルにしか聞こえなかったんですよ、良くも悪くも。その後、俺自身がこの手の音から暫く離れるようになったので、売り払っちゃったんですよね。で、気づいたらいつの間にかこのアルバム、貴重盤としてなかなか手に入らなくなって‥‥
3年くらい前に、知り合いからこのアルバムを譲り受けて。思わず「懐かしーっ!」って叫んじゃいましたよ、その場で。んで、持ち帰って早速聴いたら‥‥意外に聴きやすくてビックリしましたね。あれ、こんなだったっけ?って。そりゃリリースから15年以上経って、その間にデスメタルもグラインドコアもいろいろと細分化され、いろいろなバンドが登場しては消えていきましたから‥‥けど、このTERRORIZER唯一のアルバム「WORLD DOWNFALL」って、2005年の今聴いても全然色褪せてないと思うんですよね。確かに最近のバンドの音やスタイルと比べれば確実にオールドスクールに近いんでしょうけど、これよりも酷いバンドは現在いくらでもいるし、実際聴きやすいのがよろしいですよね。
デス声といっても聞き取りやすい方だし、実際この程度は今の時代だと全然デス声にはカテゴライズされないかもしれない。ギターはシングルギターなので昨今のメロデスみたいなツインリードもないし、尚かつギターソロらしきものが一切存在しない。ただひたすらリフの嵐。ベースラインも動きまくっていて、これはテクニック必要ですよね。そして‥‥強烈なブラストビートを聴かせてくれるドラム。噂ではこのドラム、ワン・バスドラ、シングルペダルで挑んでるそうで‥‥そんなドラムを叩くのは、MORBID ANGELでお馴染み、ピート・サンドヴァル。そういえばこのTERRORIZER、ベースには同じくMORBID ANGELのデヴィッド・ヴィンセントも参加してるんだった(このアルバムではボーカルは担当してません。ちなみにデヴィッドは既にMORBID ANGELも脱退済)。更にギターはNAPALM DEATHのジェシー・ピンタードだし。所謂「グラインドコア/デスメタル界のスーパーバンド」だったわけですよ、今思えば(ま、当時の俺はMORBID ANGELは名前しか知らなかったし、ジェシーはまだNAPALM DEAHT加入前だったから、そんな感覚全然なかったけど。結果論ですよね)。
とにかくひたすらカッコいい。万人受けするタイプの音ではないけど、もしこの手のサウンドが好きでこのアルバムをスルーしてるって奴がいたら、悪い事は言わない、今すぐに聴け! と命令したくなるくらいにカッコいい。正直、このアルバムに触発されて、最近バンド始めたようなもんだしね。未だに俺の中で「デス/グラインドコアの名盤」と言われて真っ先に思い浮かべるのが、これなんですよね。
今思い出した。去年の夏頃、ピート・サンドヴァルがTERRORIZERのセカンドを作るって言ってたような記憶が‥‥デヴィッド・ヴィンセントの参加は不明だったけど、その他の2人は参加予定で、2004年末からレコーディングしたいって‥‥言ってたような‥‥あれ‥‥まだ出てないってことは‥‥
▼TERRORIZER「WORLD DOWNFALL」(amazon)